レビュー

レビュー Rakza XX (ラクザダブルX)

説明

 卓人に親身なイメージの強いYasaka (ヤサカ)さんから、2023年春、最新ハイエンドラバー、Rakza XX (ラクザXX)が発売となりました!早速試打しましたので、レビューしていきます!Yasaka (ヤサカ)さんといえば、春のMark V (マークファイブ)に、やはりコスパの高いRigan (ライガン)やRakza (ラクザ)シリーズになりますね。katsuo000も評価させていただき、Rakza Z Exta Hard (ラクザZエキストラハード)Rakza Z (ラクザZ)Rakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)など、レビューページも好評です!また極めて高コスパの中級者向けラバー、Rigan Spin (ライガンスピン)も好評いただいてますし、katsuo000もお気に入りのラバーの一つですね。2023年はButterfly (バタフライ)さんからGlayzer (グレイザー)およびGlayzer 09C (グレイザー09C)が発売となり市場への影響は大きいと思いますが、是非Yasaka (ヤサカ)さんには卓人に寄り添うメーカーとして頑張ってほしいと思ってます。そして、Rakza XX (ラクザXX)についてになります!まずはパンフレットなどからRakza XX (ラクザXX)の説明になります。

シリーズ最高峰の攻撃力
 ラクザXXは従来よりも気泡が大きく変形しやすい新スポンジを採用。これにより従来よりもハードなスポンジでありながらも打球時にはボールをしっかりと食い込ませることが出来るため、安定して高い威力のボールを生み出すことが出来る。このスポンジとテンションを最大限にかけた高いグリップ力を持つトップシートを組み合わせることで強烈なスピンとスピードを兼ね備えた、打ち合いで負けないトップ選手のためのラバーです。

 ヤサカが今回新たに開発したRAKZA XXはハードながらも気泡が大きく変形しやすい新スポンジを採用。この新しいスポンジにより打球時には従来よりもボールが掴みやすくなり、エネルギー伝導性も高くなるためより威力のあるボールを安定して放つことが可能になった。また従来のRAKZAシリーズと同様に天然ゴムを主体とした高いグリップ力を持つトップシートと組み合わせる事により、高い回転力や安定性を保ちながらも驚異的なスピード性能を発揮します。ラクザXXで勝利を掴め!

2023年Yasaka (ヤサカ)パンフレットおよびラバーパッケージより

 近年、andro (アンドロ)さんのEnergy Cell (エナジーセル)搭載のRasanter R53 (ラザンターR53)発売以降、ドイツ製ハイエンドラバーはメイドインジャパン世界標準Tenergy 05 (テナジー05)のスプリングスポンジに酷似する、硬いのに食い込みの良い最先端スポンジが搭載されるようになりました。この最先端スポンジを採用されているとkatsuo000が睨んでいるラバーは
 andro (アンドロ)
 ・Rasanter R53 (ラザンターR53)
 ・Rasanter R48 (ラザンターR48)
 ・Rasanter R45 (ラザンターR45)
 ・Rasanter C53 (ラザンターC53)
 ・Rasanter C48 (ラザンターC48)
 cornilleau (コニヨール)
 ・Target PRO XD-52.5 (ターゲットプロXD-52.5)
 ・Target PRO XD-47.5 (ターゲットプロXD-47.5)
 Donic (ドニック)
 ・Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 ・Blue Storm PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 ・Blue Star A1 (ブルースターA1)
 Joola (ヨーラ)
 ・Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)
 ・Dynaryz ACC (ダイナライズACC)
 STIGA (スティガ)
 ・DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)
 ・DNA Platinum H (DNAプラチナH)
 ・DNA Platinum M (DNAプラチナM)
 ・DNA Platinum S (DNAプラチナS)
 TIBHAR (ティバー)
 ・Evolution MX-D (エボリューションMX-D)
 ・Evolution EL-D (エボリューションEL-D)
 ・Evolution FX-D (エボリューションFX-D)
 VICTAS (ヴィクタス)
 ・Fastarc G-1 (ファスタークG-1)に次ぐラバー、などが発売になるかもしれませんが、上述のラバーは価格、打球感は似てきていると思いますし、個人的にはかなり団子な性能になってきていて、想像しやすいと感じています。このドイツ製のスプリングスポンジに酷似したスポンジ技術搭載のラバーの中でも注目は、ドイツ製の特徴のあるシートとの組み合わせですね。Tenergy 05 (テナジー05)のシートはグリップ力の強い太目の粒を組み合わせていて、シートそのものは透明でやや軟らかい印象のあるものを使用しています。極めて酷似していてTenergy 05 (テナジー05)を明らかに意識しているDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)とは対照的に、差別化をはかるために、Evolution MX-D (エボリューションMX-D)Rasanter C53 (ラザンターC53)では、シート設計にそれぞれ味を出そうとしていることがうかがえて、特徴的で無二なラバーを実現していました。用具マニアとしては楽しい部分を有したラバーだったと感じます。今回のRakza XX (ラクザXX)でも、Rakza X (ラクザX)の継承しているネーミングで、Rakza X (ラクザX)で採用している硬めのノンスリップシート (NSS)のような硬めのドイツ製シートと類似のものを採用しているのであれば、Evolution MX-D (エボリューションMX-D)のようなラバーに仕上がっているのではないかと期待をして試打に臨みました。練習パートナーにも簡単に試打していただきましたが、やはり値段相応で、Glayzer 09C (グレイザー09C)を抑えて一番好感触と評されたのはRakza XX (ラクザXX)でしたね!

ラクザXXの性能

SpinSpeedControlSponge StiffnessPriceMade in
Rakza XX13+12-9-47 ~ 526,800Germany
Rakza Z Extra Hard14+11-952 ~ 576,000Germany
Rakza Z14+11-947 ~ 526,000Germany
翔龍 (Rising Dragon)13+10+947 ~ 524,500China
輝龍 (Shining Dragon)13+101045 ~ 504,500China
Rakza X13+111045 ~ 506,000Germany
Rakza X Soft1410+10+40 ~ 456,600Germany
Rakza 71411945 ~ 505,500Germany
Rakza 7 Soft14+11-9+37 ~ 425,500Germany
Rakza 913+11+8+40 ~ 455,500Germany
Rigan Spin13-10+11-40 ~ 454,200Germany
Rigan12+10+1140 ~ 454,000Germany

 シリーズ最高のスピード性能になっていますね!特に旧ドイツ製のスピン系テンションラバーであったRakza (ラクザ)シリーズはどちらかというと、マッドな打球感があり、打ち方や力の入れ方の違いで球がばらつきつつも安定感があるラバーシリーズでした。特にマッドな打球感によってボールのスピードは体の使い方から感じるものよりもやや遅い印象は確かにありました。その分、木材系のラケットと組み合わせることで高い安定感とボールのばらつきを感じさせるシリーズでした。最近契約満了となってしまいましたが、神巧也選手がRakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)を使用して 全国大会上位入賞を果たしていることから高い性能は折り紙付きです。Rakza XX (ラクザXX)Rakza X (ラクザX)の高いスピン性能を継承しつつ安定感のあるスピードが発揮できるようなラバーに仕上がっていそうですね。

硬度計比較

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetSpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Rakza XX5131.527.942.340.63.61.8
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Rozena4831.429.342.438.85.53.7
Rigan Spin4730.125.142.840.95.01.9
Rakza X5027.824.741.339.33.21.9

 硬度を比較すると、Rakza XX (ラクザXX)は、ちょっと硬めのTenergy 05 (テナジー05)と表現しても良さそうですね。ぶっちゃけ、そう思って使用しても良いくらい高い性能のラバーに仕上がっていました。Tenergy 05 (テナジー05)にこだわるなら、重量ぐらいだと感じるほどですね。

Rakza XXの貼りと重量

 Yasaka (ヤサカ)さんのラケット、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼りました。

Rakza XX (ラクザXX)
・Sponge Thickness:厚、特厚 mm
・Speed: 12-
・Spin: 13+
・Control: 9-
・Sponge硬度:47~52 °
・6,800円 + 税
・51 g (Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼って)

 やはりやや重たいですね。シートはRakza X (ラクザX)のような曇り系でした。もちろん値段もシリーズ中最も高いですが、それでもTenergy 05 (テナジー05)と比べると実売で2,000円程度安く、コスパの良さは健在です!

Rakza XXの3つの特徴

Tenergy + Rakza X = Rakza XX !

 中陣からのフォアドライブで感じました、予想通りの弾力と打球感!まさにTenergy 05 (テナジー05)のような打ち心地でした。食い込んでそこからボールが離れた時の回転量の乗り方とボールの伸び方はかなり気持ちが良くてエネルギー効率の高さを感じさせるものでした。そしてややシートが硬い!この硬い感じはRakza X (ラクザX)を彷彿とさせるものでした。硬度計で計測した結果、シート側-スポンジ側硬度差がやや低めの値になったこともうなずけました。このラバーはスプリングスポンジに酷似するドイツ製最先端スポンジと硬めRakza X (ラクザX)採用の曇り系シート (ノンスリップシート NSSに類似のもの)を組み合わせたラバーがRakza XX (ラクザXX)といえるでしょう!ボールはややそろいやすいかもしれませんが、マッド感はなく気持ちよく打球するとボールはしっかりと回転量を得てのびのびとボールが伸びていく、そんなラバーになっていました。強いて言うなら、Tenergy 05 (テナジー05)よりでTenergy 80 (テナジー80)のような弾きやすさも有したマニュアルラバーだと思います。

硬いのに食い込みがいいから抜群の安定感と気持ちのいい打球感!

 Rakza X (ラクザX)にあったマッドな打球感はまったくなく、簡単に食い込むのでボールに安定感を感じました。サーブを出すときにはやや弾みが良すぎてボールが浮きやすいとも感じましたが、それだけイキイキとしたラバーなのだと思います。このラバーであれば、木材系でもあうと思いますが、癖や球質の変化よりも安定感のあるラリー志向で、インナー系カーボンラケットやアウター系カーボンラケットのほうがあうと思います。自分があわせるのであれば、Ma Lin Carbon (馬林カーボン)やMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)、Reinforce AC (リーンフォースAC)などのインナーカーボンラケット、また廃盤になってしまいましたが、Viscaria (ビスカリア)を意識したAlnado (アルネイド)などとあわせることをオススメします。

V>20ダブルエキストラよりも攻撃的でドイツ的!

 説明でも触れましたが、ドイツ製最先端スポンジを搭載しているだろうラバーが現在乱発されていて、値段も様々でどれを選ぶべきか迷う状況だと思います。本記事を書いている現在で最も安く、ドイツ製最先端スポンジ搭載ラバーを買おうと思うとFastarc G-1 (ファスタークG-1)Hammond Z2 (ハモンドZ2)と同じ実売価格でした。Hammond Z2 (ハモンドZ2)より大人しい分安定感のあるドイツ系のテイストをもったスピン系テンションがRakza XX (ラクザXX)だと感じました。Hammond Z2 (ハモンドZ2)を選びたいと思いますね。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)では安定はするものの攻撃力を不足すると感じるならば、Rakza XX (ラクザXX)がオススメになりますね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。硬さも全然感じませんでした。人によっては、Rakza Z (ラクザZ)Rakza X (ラクザX)などよりも軟らかさを感じるかもしれません。

ロングボールやラリーでのドライブ
 やはり中陣からのボールは心地よい食い込みを感じますね。しっかりと食い込んでから飛び出るので、しっかりとボールを掴んで回転を掛けてから飛ばしている感じがあります。ドライブの伸びも、食い込ませば食い込ませるほど、伸びているように感じました。Dignics 05 (ディグニクス05)Dignics 09C (ディグニクス09C)のような上に伸びるような癖球はわかりませんでしたが、十分ドライブの伸びを感じられると思います! 

対下回転に対するループドライブ
 いいですね、シートだけに食い込ませるようにドライブするとエグイ回転量が得られます。Tenergy 05 (テナジー05)を彷彿とさせるようなドライブが打てると思います。硬度的にはTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)とも比較をしたくなりますよね。katsuo000のイメージではドライブの回転に特化したいのであればTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)が一番良いですが、その分、インパクトも求められるイメージです。一方扱いやすさと安定感を求めるのであれば、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)がずば抜けていて扱いやすく、バックでもループドライブがしやすいと思います。ループドライブはセンスと腕が求められますが、その分キレのある回転量が得やすいのが、Rakza XX (ラクザXX)になると思います。というのも、シートがやや硬いので、あまりスイングが手だけで遅いと、球離れが早い分、回転がかからず、早くスイングするとゆっくりで浅いループドライブが難しくなるためですね。このあたりは近年のディグニクスシリーズを使いこなすうえで、一つのポイントにもなるところだと思います。自分のループドライブの打ち方にあったものを使うことをオススメします。

対下回転に対するスピードドライブ
 食い込みがいいので、Rakza X (ラクザX)よりも打ちやすいと思います!面を開いたほうがより食い込みので、自分は打ちやすいと感じました。

ブロック
 個人的にブロックはやりやすかったです。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)もどちらかというと、ブロックがやりやすいラバーでした。ドイツ製最先端スポンジ搭載のラバーは、Tenergy 05 (テナジー05)よりも相手の回転の影響を受けにくいため、全体的にブロックはやりやすいと思います。この辺りからも、ラリーが増えてきている近年の卓球ではTenergy 05 (テナジー05)よりも、ドイツ製最先端スポンジ搭載のV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)Rakza XX (ラクザXX)の方がオススメしやすいと思います。

カウンタードライブ
 カウンタードライブもブロック同様にやりやすかったです。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)もやりやすかったですが、Rakza XX (ラクザXX)もやりやすくてよかったですね。

ストップ
 シートがしっかりグリップするのでやりやすかったです。

ツッツキ
 切れていい感じでした。硬度以上に食い込みがいいので、短くとめるよりも飛び出しが良いと感じました。Yasaka (ヤサカ)ラバーですので、重めのRakza XX (ラクザXX)をはればより止めやすいと思います。

フォアサーブ
 印象として、硬度以上に弾むイメージでしたので、薄めにあてるイメージのほうが切りやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 バックでも打感がいいですね!

ロングボールやラリーでのドライブ
 下がってもボールをグリップしてくれるので、ドライブをかけやすかったです。Rakza X (ラクザX)では、硬いのでグリップできるように少し横をとらえるようにしたりインパクトを強くする必要がありますが、Rakza XX (ラクザXX)は食い込みがあるので、ゆっくりあわせるように打球しても回転をかけやすかったですね。

対下回転に対するループドライブ
 ループドライブは安定していました。Dignics 05 (ディグニクス05)は食い込ませると飛距離が出やすいので球を持つ感覚も重要なのですが、Rakza XX (ラクザXX)はそこまで気にしなくても安定してドライブができました。回転量は並みだと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 身体の回旋を利用するイメージで打つことで安定したスピードドライブがやりやすかったです。 

カーブ/シュートドライブ
 食い込ませるほど曲がるイメージです。

ブロック
 フォア同様にやりやすかったです。

ストップ
 Rakza X (ラクザX)と同類のシートで、しっかりグリップするので、非常にやりやすかったです。

ツッツキ
 弾むので少しプッシュ気味のツッツキもやりやすかったです。

チキータ
 チキータはとてもやりやすかたですね。食い込みが良いからだと思います。 

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)Rakza XXV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

スピード
 Hammond Z2 (ハモンドZ2)Rakza XXV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

レビュー Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)

 Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー) (Nittaku)のレビューになります。近年の粘着ラバーのブームの中で、中国製の粘着シートと日本製のハードスポンジを組み合わせたキョウヒョウになります。Nittaku製のキョウヒョウは、中国製シート+日本製スポンジのタイプをラインナップしていて、Nittaku製キョウヒョウは基本的には、中国製シート+日本製スポンジで構成されているイメージです。もちろん、katsuo000は後加工やブースター、有機溶剤を使わない貼り付けでのレビューになりますので、よろしくお願い申し上げます。

説明

 中国卓球を語る上で今や避けては通れない粘着ラバーの代表的な存在、それがHurricane (キョウヒョウ)になります。今回はニッタク製のHurricane (キョウヒョウ)シリーズである、Hurricane Pro (キョウヒョウプロ)シリーズの1枚、最硬硬度のスポンジとあわせた、Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)をレビューします。それでは、まずNittakuさんのカタログの説明、およびホームページの説明を引用させていただきます。

パワー系スイングのターボブルー!

 スイングの速さで勝負するプロ仕様!破壊力のあるプレーをするならコレ!キョウヒョウプロ3のトップシートにスピード性能を向上させるアクティブチャージ (AC)を内蔵した日本製高弾性スポンジを搭載。

Nittaku カタログより

平野早矢香さん (ニッタクボール・用具アドバイザー) コメント

 バチンって当たるか、キュってループをかけるか。面の出し方・当て方・つかむ技術を磨いて使いこなす、上級者向けラバーです。使いこなす事ができればとにかく威力が出ます!ボールを受けた側も押される感覚があります。そして、相手が取りにくいと感じる変化のある球質が出せるラバーなので、試合展開を優位に運べると思います。パワー系スイングの男子や上級の女子に使ってもらいたい、破壊力のあるプレーで勝負してください!

時吉佑一選手 / コーチ (吉村真晴選手のコーチとして世界卓球2023などに帯同)コメント
 待望のブルースポンジです!私はずっとキョウヒョウを使っていますが、このブルースポンジはかなり威力のあるボールが出せます!キョウヒョウを使いこなすプレーヤーが求める条件は「回転をかけたときに飛ぶ」という部分にあります。それがターボブルーでは十分に発揮されるので、まさに待望のキョウヒョウラバーという感じてですね。使いこなしているプレーヤー全体に言えるのは、しっかりと回転を掛けて飛ばすためのパワーを要するということです。相手コートにバウンドした後、ボールが伸びるような軌道を描けるのも、このブルースポンジの特徴なので、私はとても気に入っています。キョウヒョウユーザーだけでなく、パワー系スイングを得意とする上級者にもオススメです。

新井卓将コーチコメント

 カットマンにもおすすめです!ツッツキがめちゃくちゃやりやすくて、カットもかなり切れますよ!相手のボールの威力を吸収してくれるような感じで、ゆったりとしたカットができます。反撃時もミート打ちやドライブで威力を発揮しますし、特に低い打点でのカーブロングが抜群に安定して、とにかくスゴイと感じました。カットのしやすさ切りやすさ、高い打点でのスマッシュ、ドライブの威力と安定感、低い打点でのカーブロング、連続攻撃をされないためのしのぎのブロックなど、ブルースポンジはかなり高いレベルでそれらの要求を満たしてくれるラバーです。攻撃型プレーヤーだけでなく、高いレベルで勝負するカットマンにもおすすめです。

Nittakuのホームページより

ハードなブルースポンジ

『ターボオレンジ』よりも5度硬い日本製スポンジを搭載し、ハードヒッターのみが使うことが許された仕様になっている。ラバーの色は黒のみなので選ぶ時は注意しよう。
翔龍と比較した性能
スピード: -2 (遅い)
強ドライブのスピン: -1 (少ない)
ループドライブのスピン: +1 (多い)
カウンタードライブ: +3 (入る)
ツッツキ&ストップの質: +1 (高い)

コントロール (扱いやすさ): -3 (難しい)

球の重み: -2 (軽い)

 かなり硬いラバーですが、ある程度飛ぶので好印象でした。気をつけないといけないのは、他のラバーに比べてもビックリするくらい重いこと。ラケットがズシッときます。よほどパワーに自信のある選手か、ラケットを軽くして全体重量を抑えないと振り切ることは難しいと思います。私もスイングスピードが落ちてしまい、良いボールになりにくかった。カウンターはかなり質の高いボールが打てました。相手の回転を利用するプレーはすごくやりやすい。逆に自分のボールにして打つのは大変です。少しでも逆を突かれてしまった時は対応できない難しさがありました。

岩崎栄光選手/コーチの試打企画 (卓球王国)より

 パワーヒッター御用達であることが伝わる説明になりますね。自分自身は、ハードなラバーをフォアに使うことが好きなので、Hurriane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)のようなラバーは好みですね。初めて使ったころは、軽いラバーを使用していたので、硬すぎて使いこなせる感じではありませんでした。改めて使いこなせるのか、どのようなラバーなのかレビューしていきたいと思います。

Nittaku製Hurricane (キョウヒョウ)

 中国トップ選手はDouble Happiness Shanghai (紅双喜、DHS)製を使用していますが、日本ではNittaku (ニッタク)が総代理店でありキョウヒョウという名前のラバーを販売しています。同じ名前ですが、スポンジが日本製であるため、基本的にはDHS製キョウヒョウとは別物だと考えてください。唯一キョウヒョウ3国狂ブルー (Hurricane III National Rubber Blue Sponge)は、DHS製のいわゆる中国トップ選手も使用するラバーと同じ品質のラバーになりますね。Nittaku製のキョウヒョウは中国製の粘着シートに日本製のスポンジを組み合わせたものが主流で、扱いやすい分やや回転量や癖球が出にくいラバーとなっています。初中級者で導入として使用するのは非常にオススメのラバーになるでしょう。

 2023年時点でNittaku製キョウヒョウは、以下のラインナップとなっていました。
・Nittaku Hurricane II(ニッタク キョウヒョウ2)
・Nittaku Hurricane III(ニッタク キョウヒョウ3)
・Hurricane Pro II(キョウヒョウプロ2)
・Hurricane Pro III(キョウヒョウプロ3)
・Hurricane NEO III(キョウヒョネオ3)
・Hurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)
・Hurricane Pro III Turbo Blue(キョウヒョウプロ3ターボブルー)

・Hurricane III National Rubber Blue Sponge(キョウヒョウ3国狂ブルー)
 計8種類ですね。

 Nittaku製のキョウヒョウは、スポンジ厚さとシートの色(赤・黒)を選ぶことになりますが、本ページでレビューするHurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)はシートの色は黒のみになります。シートがすけてしまいスポンジの青色が透けてしまうため黒シートのみになるというものですね。Hurricane III National Rubber Blue Sponge(キョウヒョウ3国狂ブルー)を除いてNittaku製のキョウヒョウは、中国製のシートに日本製のスポンジをあわせているので、比較的弾ませやすい傾向があります。自分がもし、Nittaku製キョウヒョウの中からラバーを選ぶとしたら硬くて粘着力も強いプロを冠するシリーズ、とりわけ本ページでレビューしているHurricane Pro III Turbo Blue(キョウヒョウプロ3ターボブルー)を選ぶと思います。このラバーは、硬いもののスポンジのおかげで結構弾むラバーになっている印象ですね。その分、DHS製のキョウヒョウと比べると癖球も出にくい印象です。続いて、Nittaku公表の回転性能、スピード性能になります。

SpinSpeedSponge
Stiffness
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウIII国狂ブルー
15.0014.7542.5
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロIIIターボブルー
15.0014.7550.0
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロIIIターボオレンジ
15.0014.7545.0
Hurricane Pro III
キュウヒョウプロIII
15.0010.2542.5
Hurricane Pro II
キョウヒョウプロII
15.5010.0042.5
Hurricane NEO III
キョウヒョウNEO III
15.0011.2542.5
Nittaku Hurricane III
ニッタクキョウヒョウIII
14.5010.2537.5
Nittaku Hurricane II
ニッタクキョウヒョウII
15.009.7537.5

↓Hurricane Pro III Turbo(キョウヒョウ プロ3ターボ)シリーズ(Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)とHurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ))は同じスピードとスピン性能になります。

硬度計比較

Weight Shore a
(sheet)
Shore a
(sponge)
Shore c
(sheet)
Shore c
(sponge)
sheet-sponge
(shore a)
sheet sponge
(shore c)
Hurricane Pro III Turbo Blue
(キョウヒョウプロ3ターボブルー)
5836.841.453.157.6-4.67-4.50
Hurricane NEO III
National Rubber
Blue Sponge
(国チーム用
キョウヒョウ3
ブルースポンジ
国狂3
ブルースポンジ)
4836.938.251.152.1-1.25-1.00
Hurricane Pro III Turbo Orange
(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)
5533.137.951.353.2-4.83-1.92
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Omega VII China Ying
オメガVIIチャイナ影
5734.332.650.550.31.670.17

 表からわかるように、キョウヒョウはシートよりもスポンジの方が硬いラバーになっています。またこのスポンジが硬くてシートが柔らかい、という特徴は一つのキョウヒョウシリーズの特徴といえるでしょう。このようにシートの方が柔らかいラバーを硬度表から探すと、中国製粘着ラバーをのぞくと、Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)Rakza Z (ラクザZ)Golden Tango (ゴールデンタンゴ)、Hybrid K1J (ハイブリッドK1J)、Vega DEF (ヴェガDEF)、などが挙げられます。挙げられたラバーで硬いラバーは、やはり癖球が出やすいラバーのイメージがありますね。かなりシート側が柔らかくて、非常に球持ちを感じやすいラバーになっています。球持ちという点では非常に球を持つと感じやすいラバーがキョウヒョウシリーズであることは確かだと思います。

ターボブルーの貼りと重量

 やはりキョウヒョウはアウターカーボンに貼らないと、ということで、今回は廃盤になってしまったZhang Jike ALC (張継科ALC)に貼りました。Fine Zip (ファインジップ)を使うか迷いましたが、今回は試打ということで、トロサラ系のFree Chack II (フリーチャック2)で貼りました。

Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)
・Sponge Thickness:中 / 厚 / 特厚 mm
・Sponge硬度:50.0°
・92 g(切断前) → 58 g (Fine ZipでZhang Jike ALC (張継科ALC)に貼って)

 さすがに重たいですね。普段からOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っているので違和感はありませんでしたが、この重量が良いと感じるかは人によると思います。

キョウヒョウプロIIIターボブルーの3つの特徴

キョウヒョウの中ではかなり弾む!でもやはりキョウヒョウ!

 キョウヒョウの中ではかなり弾みますね。この打球感は、DHS製のキョウヒョウNEOシリーズ並みかそれ以上の弾みだと感じました。ただし、DHS製のキョウヒョウNEOはもっと軽くてスポンジもしなやかさがを感じますが、ターボブルーは、スポンジがコチコチの鉄板のようなラバーでした。硬くてしなやかさががないので、どうしてもスピン系テンションラバーのようにくいこませても、弾いたドライブになりやすく、勝手にスピードが出てしまいやすいと感じるラバーでした。この感覚は、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)にも感じさせられる部分がありますが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると弾みは弱いため、自分好みかもしれません。ただし、アウターALCのZhang Jike ALC (張継科ALC)にあわせてもボールのスピードが遅いと感じるラバーでした。特にキョウヒョウの特徴である2速の伸びを求めた場合、かなり打ち方を意識しないと棒球になりやすいイメージもありました。岩崎栄光選手/コーチの試打でもあるように弾む分、癖を出せる打ち方を意識しないと味が出せないラバーであるともいえるでしょう。Nittaku製のキョウヒョウシリーズの中では最も新しいラバーだけあって、飛ばしやすいと感じる点は、ありと感じさせるラバーだと感じました。ただスピード性能を意識すると、アウターカーボンか、インナーカーボンでも硬めで威力の出しやすいラケットとあわせる必要があると思います。

めちゃめちゃ重い!Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりもマッドで重さを感じる!

 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は癖や回転量も得られるラバーではありますが、前陣から中陣位からでもスピードが遅いと感じにくいくらいスピードを出しやすいラバーでもありますが、このターボブルーは、打感がマッドで、中陣のスピードドライブでノータッチはやや難しいかもしれないと感じました。この感覚はキョウヒョウらしいなーとも感じますし、キョウヒョウといえば、この弾まない性能ですので、当然といえば当然かもしれません。トップ選手でこのラバーを使用して勝つ選手が出てくると人気も出ると思いますが、本場のHurricane III National Rubber Blue Sponge(キョウヒョウ3国狂ブルー)も発売されてしまうと、DHS製を使うだろうと思いますね。

Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりもループドライブの質は高い!

 ループドライブの質を比較したとき、勝手に弾みやすいOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較すると、ターボブルーの方が質の高いループドライブがしやすいといえるでしょう。プラボールになって、抗菌仕様も増え、回転や癖で点数をとりにくくなりましたので、正直ループドライブの質は高いものの慣れられるとOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりもターボブルーの方がスピードドライブが打ちにくい分、選択肢がせばまるようにも思いました。この辺りは好みにもよると思いますね。キョウヒョウの、相手のコートについてから低く前に伸びるドライブを目指すのであればOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも断然ターボブルーの方が良いですが、ボールの伸びがあってもうまい選手は上手に返球しますし、スピードが遅いことを活かせるかどうかがポイントだと思いますね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 思ったよりも弾みます。弾きやすくラケットを厚ラケにすれば下回転のミートもしやすいかもしれません。

ロングボールやラリーでのドライブ
 くいこまないので、手で打球してはだめですね。しっかり体幹を使って打ちましょう。そうすることでいいボールが打てると思います。また中国選手のように面を開いた方がボールの伸びも得られると思います。

面を開いたドライブ
 この打ち方ができないと、キョウヒョウは使いきれないです。巻き込んでしまうと味が出ないので、しっかり面を開き、気持ちシュート回転をかけるようにドライブをするのがコツだと思います。ただこのラバーはかなり弾むので回転をしっかりかけれるようにインパクトを強く、かつしっかり球を持つイメージでドライブするといいと思います。

対下回転に対するループドライブ
 非常に質の高いループドライブがしやすいです。ただし、弾みもあるので、高くなると撃ち込まれると思います。上手に浅く低く薄くとらえるといいと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 アウターカーボンでようやく使えそうなスピードが出ました。でも結構弾いているのと、回転を掛けにくいとも感じました。自分レベルでは、インナーの方が回転をかけやすくて扱いやすいかもしれませんね。

ブロック
 やりにくさはなかったです。

ストップ

ツッツキ

フォアサーブ
 少したたきつけるように切ると切りやすいと思います。やはり弾みますね。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック

ストップ

ツッツキ

チキータ
 

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 キョウヒョウ3国狂ブルー ≧ キョウヒョウProIII ターボブルー オメガVIIチャイナ影

スピード
 オメガVIIチャイナ影キョウヒョウProIII ターボブルー 普狂NEO3

https://amzn.to/3IISxSd

レビュー Glayzer 09C (グレイザー09C)

説明

 今年のバタフライさんの大本命商品、Glayzer 09C (グレイザー09C)をレビューします。Rozena (ロゼナ)が発売後、常に売れ筋ラバー上位にくい込んでいるように、Glayzer (グレイザー)およびGlayzer 09C (グレイザー09C)も上位にくい込んでくることが大いに予想されますね。もう、小-中学生でも手に入るようなラバーといえると思いますので、このラバーで幅広い層の選手が卓球するようになったとしてもおかしくないと思います。他メーカーは戦々恐々としているのかもしれませんね。

『ディグニクス』の魅力をそのままに。そして、その魅力を
より多くのプレーヤーに体験してもらえるように。

その性能で、可能性を引き出せ
 スプリングスポンジXを搭載。ディグニクスシリーズの技術を用いて開発したシートを採用。そして、手に入れやすい価格設定。目指すプレーに応じて選べる2種類のラインナップ。
 あなたの可能性を引き出せる性能に、今、手は届く。さぁ、その手応えを、実感しよう。

粘着力と弾みを両立するハイパフォーマンスラバー
 グレーの「スプリングスポンジX」を採用した『グレイザー09C』。高いハイテンション効果を持つ粘着性シートと、スポンジ硬度42に設計された「スプリングスポンジX」の組合せが、回転量の豊富な威力ある打球と台上技術のやりやすさを高いレベルで両立しつつ、安定した弧線を描いた打球を可能にします。粘着性ハイテンションラバー特有の回転重視のドライブや鋭い前陣カウンターが打てる喜びを、より幅広いレベルの選手に提供します。

ディグニクスシリーズよりも軟らかいスプリングスポンジXを採用し、使いやすさが向上
 グレイザーシリーズに採用した「スプリング スポンジX」は、ディグニクス シリーズで採用したスポンジをベースに開発したものです。『グレイザー09C』は42°に設定。『グレイザー09C』と『ディグニクス09C』をそれぞれ比較すると、2度軟らかくなっています。

ディグニクス09Cと同じ技術を用いて開発したシート
 高いテンションをかけるとシートの粘着力が低下しやすく、粘着性ラバーの特性が発揮されにくい傾向にあります。この難題をバタフライ独自の配合技術で解決しました。高いテンション効果と粘着性ラバーの特長を両立したシートが『グレイザー09C』の重要な要素となっています。

“粘着性らしさ”をもたらすツブ形状
 厚めのベースと、細めで低いツブが特徴である開発コードNo.209の形状を採用。強い回転をかけつつも、相手のネット際に短くコントロールするストップなど、粘着性ラバーの特性を生かしたプレーを引き出します。

https://www.butterfly.co.jp/catalog/ または https://www.butterfly.co.jp/product/glayzer/

 ということで、Glayzer 09C (グレイザー09C)の魅力は、特設サイトを読めば非常にわかりやすいのではないかと思います。バタフライさんは看板ラバーや看板製品については、特設サイトを作成してくれますので、情報も得やすいと思いますね。続いて、硬度計比較、重量比較へ移ります。

硬度計比較

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Dignics 054834.331.350.048.22.921.83
Tenergy 054732.226.844.643.35.421.25
Glayzer 09C4826.323.340.736.73.084.00
Rozena4831.425.942.438.85.503.67

 Glayzer 09C (グレイザー09C)を確認すると、なんとRozena (ロゼナ)よりも軟らかい結果となりました汗。どれも室温で測定していますので季節の影響を受けているのかもしれないですね。一方でshore aのsheet-spongeの値はRozena (ロゼナ)よりも低い結果となっており、Rozena (ロゼナ)よりもくい込ませにくいことが予想されますね。また特筆したい点として、Dignics 09C (ディグニクス09C)と比較すると48 gということで粘着テンションラバーとしてかなり軽いラバーといえるでしょう。またDignics 09C (ディグニクス09C)は扱いやすいラバーでしたが、50 gと重たいラバーでもありましたので、Glayzer 09C (グレイザー09C)は高い回転性能を有しながら、48 gと軽くて扱いやすいラバーとなっていることが予想できますね。

Glayzer 09Cの貼りと重量

 Glayzer 09C (グレイザー09C)が粘着テンションということで、Zhang Jike ALC (張継科ALC)に貼りました。

Glayzer 09C (グレイザー09C)
・Sponge Thickness:厚 (1.9)、特厚 (2.1) mm
・Sponge硬度:42°
・Spin:87
・Speed:75
・弧線:95
・5,500円 + 税
・48 g (Zhang Jike ALC (張継科ALC)に貼って)

 粘着はあるもののDignics 09C (ディグニクス09C)の微々粘着同様、Glayzer 09C (グレイザー09C)も微々粘着ラバーでした。バタフライ品質は高いことで有名ですよね。高いスピン性能と弧線の高さを有していながら48 gと相当軽いことが今回わかりました。この軽さは他社メーカーにとっては脅威になるのではないかと想像します。

グレイザー09Cの3つの特徴

良い意味でDignics 09C (ディグニクス09C)の廉価版!バックに最適!

 重量を計測した段階で感じましたが、良い意味でDignics 09C (ディグニクス09C)の廉価版というのがフレーズとして浮かびました。Dignics 09C (ディグニクス09C)はテンションと粘着のいいところどりをしたラバーで、悪く言うと中途半端らしさもあるラバーでもあります。フォアで使ったときに回転量でいやらしさを与えられるといいですが、Hurricane (キョウヒョウ)シリーズのラバーのように癖があるわけでもなく、むしろバタフライ品質で、打ち方によっては球がそろいやすいという点もあります。粘着とテンションの良さをバックに求めようとと思ってもDignics 09C (ディグニクス09C)は重量が50 gで打球感もややマッド、契約選手の中には吉村真晴選手や篠塚大登選手、及川瑞基選手のようにバック側に使用する選手も増えていますが、やはり一般層でこれをバックハンドに使うのはかなり難しいラバーになると思います。ならば、やはりGlayzer 09C (グレイザー09C)が良いといえるでしょう。打球感はDignics 09C (ディグニクス09C)よりも軽快で、バックハンドにちょうど良いラバーに仕上がっていると思いました。またDignics 09C (ディグニクス09C)をバックハンドで使用して最大限ラバーのポテンシャルを引き出せるほどハードにドライブなどが打てるか、というと相当難しいイメージですね。

回転量は十分!ただしDignics 09C (ディグニクス09C)より弱いか

 回転量は予想通り高いものでした!ただし、イメージとして回転のキレ、最大値はDignics 05 (ディグニクス05)Dignics 09C (ディグニクス09C)の方が重いと感じました。その分、Glayzer 09C (グレイザー09C)の方が回転をかけやすく、扱いやすく、自分のイメージ通りに回転をかけやすいと感じました。逆にいえば、Dignics 05 (ディグニクス05)Dignics 09C (ディグニクス09C)では、扱いが難しかったり、イメージした回転量と異なることがあると感じますね。これはおそらく、自分の力量もあると思いますが、やはりDignics 05 (ディグニクス05)Dignics 09C (ディグニクス09C)の方がハードなラバーであるためにコントロールが難しいということだと思います。

Rozena (ロゼナ)よりもカウンタードライブがやりやすい!

 感覚的な話かもしれませんが、廉価版ラバーの中でカウンタードライブが最もやりやすいと感じました。弧線がめちゃめちゃ強いのですが、この弧線の強さはディグニクスシリーズにもあったので、ディグニクスシリーズのようにスイングすれば入るというイメージですね。Dignics 09C (ディグニクス09C)も弧線が強すぎてオーバーミスしそうになるラバーで、同じようにGlayzer 09C (グレイザー09C)も非常に弧線が強くオーバーミスしそうになるようなラバーでした。つまり打点を落とすことができ、より前方向へスイングできるラバーだといえるでしょう。この弧線の強さがディグニクスシリーズやGlyazer 09C (グレイザー09C)の特徴ともいえるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ
 ラバーで回転をかけて、アウターのラケットで飛ばすイメージですね。木材系やインナーでは少々スピードを出すことは難しいなーと思いました。特に中陣で打ち合いではそれが顕著だと思います。

面を開いたドライブ
 打ちやすいですね。粘着ラバーらしいと思いました。

対下回転に対するループドライブ
 高い回転量を感じした。 

対下回転に対するスピードドライブ
 ぶつけるように打つことで結構簡単にスピードドライブが打てました。ぶつけても弧線を描くんですよね。しっかりボールが沈むので素晴らしいです。

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 ボールをもちやすいので非常に安定すると思います。一方で、やや相手の回転の影響も受けやすいと感じました。

カウンタードライブ
 はじめはオーバーミスが頻発するかもしれません。なれると前にスイングできていボールが走ると思います。 

ストップ
 止まりますね。 

ツッツキ
 切りやすいです。ただ、ディグニクスシリーズ全般、はじきやすいので薄くとらえる感覚が必要だと思います。 

フォアフリック

フォアサーブ
 十分切れます。 

バックハンド系

軽打
 バックで使った印象として、マッド感がないです。これはいい!アウターカーボンを使うならバックはこのGlayzer 09C (グレイザー09C)を使いたいですね! 

ロングボールやラリーでのドライブ
 中陣からのボールも非常にいいです。アウターカーボンなのでスピードが出しやすいですね。 

対下回転に対するループドライブ
 ループドライブもやりやすいですが、やや軽い気がしました。 

対下回転に対するスピードドライブ 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 違和感なくブロックできました。このあたりは粘着らしさを感じませんでした。 

カウンタードライブ

ストップ
 よくとまりました。

ツッツキ
 きれますね。好みの切れ方です。

チキータ
 やりやすかったです。ほぼ前にスイングして入るイメージです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C (ディグニクス09C)Glayzer 09C (グレイザー09C) > Rozena (ロゼナ)

スピード
 Dignics 05 (ディグニクス05)Glayzer 09C (グレイザー09C) > Hurricane NEO 3

https://amzn.to/43hur96

レビュー Venus 2 Blue Sponge(金星IIブルースポンジ)

説明

 WRMさんが取り扱う中国メーカーの銀河 (YINHE)のラバー、Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)をレビューさせていただきます。
 katsuo000は中国メーカーにそこまで詳しくないのですが、銀河 (YINHE)はコスパが良くて面白いラバー、なかなか使えるラバーが多い印象です。基本的には粘着ラバーなので、寿命もそこそこ長く一部の卓人御用達のラバーではないでしょうか。今まで試打してきた銀河 (YINHE)の用具は
Blades (ラケット)
PRO-13S (プロ-13S)
970XX-KLC
Venes V-14 (金星V-14)
Rubber (ラバー)
Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)
Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)
とラケット3本、ラバーは2枚になりますね。

 WRMさんで取り扱いはないですがPRO-13S (プロ-13S)はアウターとインナーを融合させたラケットであり、970XX-KLCは上板硬めのインナーになりますね。Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)Joola (ヨーラ)さんのGolden Tango (ゴールデンタンゴ)に似つつも、さらに使いやすくしたようなラバーでした。Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、DHSの省狂NEOIIIブルースポンジの廉価版のようなラバーでした。このJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、WRMの看板選手こと、ぐっちぃ選手の愛用ラバーでした。その愛用のJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)から、変更したのが、このページでレビューするVenes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)になるそうです。それでは、Venes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)のWRMの説明を確認してみましょう。

新しい本格派粘着が誕生ぐっちぃ5年ぶりの本職変更
サーブ・ツッツキが爆切れ/ループのチョリが遅い/ラリーは弾み・そして硬め

 木星2ブルーの超ヒットから早5年。ついに木星2ブルーより回転がかかり、さらに弾み、そして硬い。特徴を聞くだけでワクワクしてくる本格派粘着ラバーが完成しました。5年ぶりにぐっちぃの本職粘着ラバーが変わりました。金星ブルーの初期サンプルが届いたのが、ちょうど1年前のこと。そこから、何度も何度もメーカー側と調整を繰り返し、木星2ブルーの性能を越えぐっちぃが本職で使える新しい粘着が完成しました!とにかく凄い性能です。ぐっちぃとガネから紹介動画が届いています。まずはこちらをご覧ください。

 ぐっちぃが今求めている粘着ラバーの理想型がコレです。練習時間が豊富なら、しっかり動く練習をして・身体を使って打てるし練習量に比例して反応も速いので弾まない粘着でもなんとかなっていたのですが、、、。新型コロナの影響で、ラケットを握る時間が激減。練習は、週に何度かの技術動画の撮影のみ。WRM的には外部での活動を完全にストップしていたので、いろいろ衰えています。(^^;ただ、そこは卓球用具開発に携わっている卓球ショップという強みを活かし練習不足は用具に求める性能でカバー。きっと手数で勝負の練習不足の人はラリーの入り口は早くなりすぎず台との距離を取った中陣の展開ではしっかり弾んでくれて楽に引き合いできるラバーぐっちぃと同じ性能を求めている方も多いと思います。ただ、前陣でサーブやツッツキは擦ると遅く長短の変化がつけやすいのに中陣ではしっかり弾むというのは矛盾する性能なので、実現が難しかったんです。金星ブルーの製造メーカー銀河はコロナの影響で国内向け・海外向けの卓球用品の売上が激減、その間製品開発にかなり力を入れていました。そして、ちょうど新開発の超粘着シートとぐっちぃが求めているラバー性能にぴったりマッチして今までの本格派粘着になかった新しい性能のラバー開発に成功しました。

https://rubber.ocnk.net/product/3523


 硬いラバーみたいですね。やはり威力を上げるには、硬くする必要があると思います。どのように硬くしているのか、楽しみながら試打しました。

硬度計比較

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Venus II Blue Sponge5032.635.551.451.0-2.90.4
Jupiter II Blue Sponge5232.838.351.751.7-5.60.0
Moon Blue Sponge5130.934.449.650.3-3.5-0.8

 Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)を確認すると、木星と比較して、値そのものは低いのですが、shore aおよびshore cのシートとスポンジの差が小さい値になっていますね。実際、触ってみるとシートがかなり硬めで、まるで、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のようにシートがかなり硬い仕様になっていました。この粘着ラバーなのにシートを硬めにするというのは斬新だと思いました。というのも、粘着ラバーの王道は、シート柔らかめでスポンジよりも柔らかいことが常です。もちろん、このVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)も例にもれず粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジが硬い設計になっているのですが、その中でもシートの硬さを感じ、弾きやすさがアップしたようなラバーに仕上がっていました。これはどちらかというとディグニクスらしさをもった粘着といえるのかもしれません。ただ重量・硬さでみると、Dignics 09C (ディグニクス09C)に似ているようにも見えますが、くい込みやすさの点で、あきらかにDignics 09C (ディグニクス09C)の方が扱いやすいラバーになっています。

Venus II Blue Spongeの貼りと重量

 Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge硬度:39°
・3,480円 + 税
・50 g(Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼って)

 粘着は強めで、強粘着と言えるでしょう。重たいですね。また打球感がマッドで硬いです。これは使いこなせるとものすごい奴だと思います。

金星IIブルースポンジの3つの特徴

粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバー

 かなり硬いですね!ラバー全体にかなりコシがあり、シートが硬く感じました。これは回転めちゃかかると一発でわかりました。ただ、つかいこなせれば、という但し書きがつきそうな感じでもありました。それくらいくい込まない打球感ですね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)もかなり硬いラバーではありますが、くい込みがかなり良いので、その分飛び出しもかなり良いです。金星IIブルースポンジも、同じようにシートが硬い分、くい込ませるために思い切りぶつけるように打つ方がくい込ませやすいラバーでした。近いのは、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)などでしょうか。一度しっかりくい込ませるようにして、打つことでラバーの味が出るラバーだと思います。つまり、粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバーだと思いました。回転量がかけにくいと感じる人もいると思いますが、このあたりは慣れが必要かもしれません。

打球感がマッド!

 粘着ラバーらしく、非常にマッドな打球感でした。マッドなラバーはドライブの球質が整いにくく、ボールが良い意味で荒れるので、受ける側はやりにくいと思いますね!非常に特徴的なマッドさだと思いました。そういえば、Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)もまずまずマッドな打球感でしたので、方向性は類似しているのかもしれません。
 球質はエネルギーロスは若干感じつつ、エネルギーを込めれるならかなりいいボールが行くイメージです。このエネルギーを込められるかポイントで、マッドな打球感で他のスピン系テンションラバーと比較すると、打感の気持ち良さが半減するかもしれません。似たようなマッドさはHurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)などにも感じられますね。この点が好みの人はもろにはまるかもしれません。

サーブ、レシーブがやりやすい!

 やはり粘着ラバーですので、サーブレシーブがやりやすかったです。スピン系テンションラバーよりも台上などで強みが出しやすいのが粘着ラバーですので、当然といえば当然かもしれません。マッドさがあるので、やはりパワーがないとスピードボールが打てない一方で、手堅く台上からのバリエーションが増やせそうな、粘着らしさを十二分に感じました。
 ハードな粘着ラバーは、ぶつけて打つことでいいボールがいきますが、その時にパワーというかスイングスピードを要する感じがあります。ただめちゃめちゃハードなラバーというわけでもないので、スピードの出しやすいラバーだと思いました。硬さがどちらかというと、ドイツ製ラバーっぽい方向性で、直線性のあるスピードドライブがしやすいと思います。粘着ラバーの中でも個人的にはスピードが出しやすいと言えるのではないかと思います。ただ弧線を描きにくいので個人的には選択肢から外れると思います。ドイツ製ラバーっぽいVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)の硬さは、同じYINHE (銀河)のApollo 5 (アポロ5)にも似たようなテイストを感じたように思います。硬くていいボールが打てるのですが、弧線が弱いのが個人的には苦手です。思ったより弧線を描かなくて、ネットミスが出るんですよね。Hurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が弧線が強いので、個人的には好みで中陣の打ち合いに安心感を感じるんですよね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 バタフライのラバーと比較すると球質はそろっていないと思いますが、硬い粘着ラバーのわりに、癖は出にくいかもしれません。そのかわりスピードは出しやすいと思います。
 

面を開いたドライブ
 面は思い切り開いた方がいいボールが打てると思います。ただ面を開く打ち方は、小回りが利きにくいイメージもあるので、使い分けが重要だと思います。 

対下回転に対するループドライブ
 いいループドライブが打てると思います。ボールを吸収させにくいので、本当に表面だけで打つようにこする必要はありますが、それが出来たときの質は最高のループドライブだと思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 結構ぶつけにいかないと難しいと思います。切れてないボールは打てると思いますが、切れた下回転を打つ時は回転の影響を受けにくいので、面をしっかり開いて身体で回転をしっかりかけるようにしないと安定感をかけるかもしれません。

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 個人的にはブロックはやりにくいと思いました。硬すぎて落ちやすいと感じました。逆に粘着ラバーの割に相手のドライブに押されにくいと思います。

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアフリック

フォアサーブ
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー

スピード
 Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー

レビュー Venus V-14 (金星14)

説明

 WRMさんで販売している銀河のラケット、Venus V-14 (金星14)をレビューします。WRMさんの説明を確認してみましょう。↓
 https://rubber.ocnk.net/product/2542

具体的には書かれていませんが、要はビスカリア (Viscaria)やZhang Jike ALC (張継科ALC)、Timo Boll ALC (ティモボルALC)など現代卓球で最も人気のあるアウターカーボンシリーズと類似のラケットになりますね。このラケットは、WRMさんの販売価格で、5,500円+税と、非常に安価なラケットとなています。本当にZhang Jike ALC (張継科ALC)、Timo Boll ALC (ティモボルALC)などと同じ性能であればかなりコスパの良いラケットになりますね。そのあたりを言及していくようなレビューになります。

 過去にも安価なラケットとして、XIOM (エクシオン)さんのStradivarius (ストラディヴァリウス)をレビューしています。正直な感想として、安価なラケットは、少し使うには良いこともあるのですが、使い込むほどホンバのラケットと違いを感じてしまう、というところがありました。従って個人的にはあまりオススメしないですね。また日本メーカーのYasaka (ヤサカ)さんのReinforce AC (リーンフォース)などはバラツキは多いものの、まだ良いと思いますが、海外メーカーの類似ラケットは、よくよく考えて購入した方が良いと思います。何にしても購入は自己責任でお願いします。

金星14

 フォアにHurricane NEO II (キョウヒョウNEOII)を、バックにはSieger PK50 (ズィーガーPK50)を貼りました。アウターラケットですのでやはり粘着ラバーを貼りたいですよね。ラケット重量は90 gとまずまず標準かやや重いくらいとなりました。

金星14の3つの特徴

思ったよりも扱いやすい!?

 アウターカーボンというとやはり扱いにくさを感じることが多いイメージではないでしょうか。実際、アウターを使う人は年々減っている印象です。普段自分もインナーカーボンを使っていますが、インナーからアウターのこの金星14を使用した印象としては思ったよりも扱いやすいでした。これはなぜなのか、具体的な理由はわかりませんが、打球感がかなりポコポコしていてそこまで高い音が鳴らないんですよね。Zhang Jike ALC (張継科ALC)はもっと高い音が鳴ってバチって感じなのですが、この金星14はポコポコとかわいい音が鳴りました。正直、トップ選手やガチ勢にはオススメできませんが、なんちゃってで触るにはかなりオススメなラケットだと思いました。
 もちろん、威力、特にスピードはアウターカーボンのそれで違和感なく威力が出せる仕様だと思います。ただ、ポコポコと木材よりの打球感だけが違和感であり、いい意味では球持ちを与え、悪い意味では、回転量が弱いボールがいっているような気がしましたね。

やはり粘着ラバーとあう!

 中国製のラケットですので、やはり粘着ラバーとあうと思いました。変に滑ることもなく両面の粘着ラバーを扱うことができました。上板はやや柔らかいようにも感じたのでもしかしたら、リンバかもしれませんね。

中国ラケットの弱点か!?安価ラケットは若干回転量が弱い?

 過去も銀河の970XX-KLCという上板硬めで軽量ラケットをガチ使用していました。上板が硬く、上板が硬いラケットは良く回転がかかるイメージがあったので、使用を継続していました。ただ試合に出るにつれて回転量が弱いと感じるようになりましたね。練習する相手だけでなく、試合でもループドライブが効かないと感じたときが増えたため、安価で素晴らしいのですが、970XX-KLCは卒業しました。もちろん、腕の問題もあるかもしれまんしあたり外れもあったのかもしれません。ただ、中国メーカーの安価ラケットは全般的に打感は非常に良くてコスパの良さを感じる一方で回転量が弱い印象があります。この辺りはよくよく考えて購入を検討ください。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

・粘着ラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ

 

面を開いたドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアフリック
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ 
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ

ツッツキ
 

チキータ
 

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tornado King Power > 金星14 > Mizutani Jun Super ZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC ≧ 金星14 ≧ Virtuoso OFF+

レビュー Sieger PK50 (ズィーガーPK50)

説明

 Nittaku (ニッタク)さんの微粘着ラバー、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)をレビューします!Nittaku (ニッタク)といえば、あの日本一売れているラバー、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)が思い浮かびますよね。スピン系テンションラバーの代表格であるFastarc G-1 (ファスタークG-1)。ただFastarc G-1 (ファスタークG-1)は2010年発売とやや古いラバーになります。またNittaku (ニッタク)さんは中国卓球の代表ラバー、Hurricane (キョウヒョウ)を扱うメーカーでもあり、本格派粘着ラバーも取り揃えています。一方で、スピン系テンションラバー (Fastarc G-1 (ファスタークG-1))と本格派ド粘着ラバー (Hurricane (キョウヒョウ))の間を取り持つようなラバーの取り扱いがありませんでした。間を取り持つようなラバー、球持ちの強いスピン系テンションラバーとして、ドイツ製微粘着ラバーとして、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)が発売されました。Nittaku (ニッタク)さんの2023年パンフレットから、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)の説明文を引用させていただきます。

弧線が高いから自信が持てる!

 体勢が崩れたり遅れたりしても、攻めきれる強さ!その秘密は高いスピン性能を持つ「Sタッチシート」&”つかんで飛ばす”「PK50スポンジ」。4球目までにラリーが終わる確率は約60%と言われ、その間の勝負を決める技を磨くことは勝つための絶対条件!切って攻めるツッツキが、圧倒的な武器になる!+チキータも味方にして、ラリー戦を制する勝利者は君だ!

Nittaku 2023年春パンフレットより

 、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)も、グリップ力が強くて多くのトップ選手が使うラバーですが、ドイツ製ラバーのためか、シートが厚くて硬い分、チップしやすいというイメージがある人もいるかもしれません。スポンジ厚さMaxが発売されて、チップはしにくくなりましたが、落とすというのはいいイメージはありません。そのイメージを払拭するような宣伝広告になりますね。評判も悪くないようで、非常に期待の試打になりました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedSponge硬度Price
Hammond Z2
ハモンドZ2
13.0016.0040.06,800 + tax
Fastarc G-1
ファスタークG-1
12.5015.0037.56,800 + tax
Fastarc P-1
ファスタークP-1
12.2515.5037.56,800 + tax
Sieger PK50
ズィーガーPK50
12.7514.7540.05,500 + tax
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウ国狂ブルー
15.0014.7542.518,000 + tax
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロ3ターボブルー
15.0014.7550.06,600 + tax
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロ3ターボオレンジ
15.0014.7545.06,300 + tax

 Fastarc G-1 (ファスタークG-1)からもっと回転がかかるようにしたラバーはSieger PK50 (ズィーガーPK50)であることがわかりますね。また2023年の価格改定に伴い、日本一売れているラバーFastarc G-1 (ファスタークG-1)が、税込み価格7,480円のHammond Z2 (ハモンドZ2)と同じ値段となりました。一方で、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)も価格はあがりましたが、1,430円 (税込み価格で)安い6,050円でFastarc G-1 (ファスタークG-1と比べるとコスパの良いラバーに感じると思います。2023年の市場の動向も楽しみですね。続いて、硬度計で計った硬さを比較してみましょう。

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Sieger PK505226.429.241.943.6-2.8-1.7
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Hammond Z24932.230.643.242.21.61.0
Fastarc G-1 Max4928.926.442.339.82.52.6

 Hammonde Z2 (ハモンドZ2)Fastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べると、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は微粘着ラバーではありますが、やや重いことがよくわかります。またドイツ基準で50°のPKスポンジは、そこまで硬さを感じるわけではなかったです。むしろ、シートがやや柔らかくスポンジが硬いHurricane (キョウヒョウ)に近いスポンジ設計になっているため、むしろ慣れれば扱いやすいラバーでもあるといえるでしょう。さすが、Hurricane (キョウヒョウ)を扱うNittaku (ニッタク)さんといえるでしょう。

Sieger PK50の貼りと重量

 今回Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は、WRMさんで購入した銀河のVenus V-14 (金星V-14)に貼りました。

Sieger PK50 (ズィーガーPK50)
 Sタッチシート / PK50スポンジ
・Sponge Thickness:中/厚/特厚 mm
・Speed:14.75
・Spin:12.75
・Sponge硬度:40.0° (ドイツ基準50°)
・5,500円 + 税
・73 g(切断前) → 52 g (Venus V-14 (金星V-14)に貼って)

 貼りあがり重量は52 gとやや重いラバーとなりました。シートの粘着感は弱く、まさに微粘着シートだと感じました。

Sieger PK50の3つの特徴

粘着ラバーというよりはスピン系テンションに限りなく近い!球持ちが良いラバーが好きならG-1よりも使いやすい!?

 Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は、かなりスピン系テンションラバーに近い性能でした!Hammonde Z2 (ハモンドZ2)Fastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べると、そこまで硬さを感じにくいラバーで、中級者向けのラバーと言えるかもしれません。シートもHammonde Z2 (ハモンドZ2)Fastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べて柔らかいため、簡単にくい込み回転をかけやすいですね!イメージとしては、Joola (ヨーラ)さんのGolden Tango (ゴールデンタンゴ)に近いイメージで、Golden Tango (ゴールデンタンゴ)をもっとスピン系テンションラバーらしくしたようなラバーだと感じました。

シートがやわらかいのでとにかく球持ちが抜群!

 さきほども触れましたが、シートが柔らかいラバーですので、球離れが遅い分、非常に扱いやすいと感じるラバーだと思います。こういったラバーは個人的にはバックハンドでツッツキ、チキータ、ドライブするのに向いているラバーだと感じますね。ただバックハンドで使おうと思うと52 gですのでやや重いと感じるかもしれません。また粘着ラバーではなくスピン系テンションだと思ってフォアで使うのもアリだと思います。強く打った時に粘着ラバーらしい癖球が出ることもあり、フォアで使っても味の出る面白いラバーだと思います!

もちろん台上の操作性も高く、バックハンドでも使える!

 微粘着ラバーですので、台上はしっかり止まり、チキータも球持ちがいいため、引きつけたいだけ引きつけてコースをついたり、スピードを出したりすることがしやすいと思います。サーブもしっかり切れるのに、速いロングサーブも出せて操作性も抜群です。バランスの良いラバーという点でも非常にオススメしやすいラバーだと思います。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 全然違和感なく使えました。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べるとやはりスピード性能が高く、回転性能や粘着ラバーらしい癖球は出にくいと感じました。しっかり身体を入れると回転量の多いドライブも可能です。

対下回転に対するループドライブ
 球持ちがいいのでループドライブはかなりやりやすかったです。Rigan Spin (ライガンスピン)よりも回転量の多いドライブが打ちやすいと感じました。こういうラバーは好みです。

対下回転に対するスピードドライブ
 意外とやわらかいので、スピードドライブも打ちやすいです!

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりにくさはありませんでした。

カウンタードライブ
 球を持つのでやりやすいですが、相手の回転の影響も受けるので、しっかり見極めは重要だと思います。

ストップ
 やりやすかったです。当たり前に止まりました。

ツッツキ

フォアサーブ
 良く切れますし、サーブの球足も速くて良かったです。

バックハンド系

軽打
 やや重たいと感じつつも、違和感はありませんんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 キョウヒョウなどと比較すると中陣からのドライブがやりやすかったですし、スピードも出しやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 シートの柔らかさで球持ちを感じるラバーですので、バックハンドでもやりやすかったです。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 非常にやりやすかったです。回転に負けない硬さを感じました。

ストップ
 やりやすかったです。

ツッツキ
 切りやすかったです。

チキータ
 球を持つので、ネットにひっかけることは少ないと思います。飛距離が出にくいラバーですので、台上のチキータや台上ドライブ、フリックはかなりやりやすいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Sieger PK50 ≧ Fastarc G-1

スピード
 Fastarc G-1 > Sieger PK50 > Dignics 09C

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レビュー Hurricane NEO II (普狂NEO2、40°、2.2 mm)

 キョウヒョウNEO2 (紅双喜(DHS))のレビューになります。俗にいう、普狂というやつです。一般普及品で、品質は高くないですが、硬く弾まず、愛用者も意外と多いラバーになりますね。もちろん、katsuo000は有機溶剤を使わない貼り付けでのレビューになりますので、よろしくお願いします。

説明

 中国の総合スポーツメーカーDouble Happiness Shanghai (DHS、紅双喜)のラバーで、中国代表の選手はほぼ皆DHS製のラバーを使用していますね。中国卓球を語る上で今や避けては通れない粘着ラバーの代表的な存在がHurricane (キョウヒョウ)になります。DHSが販売する粘着ラバーは2種類あって、もう1種類はSky Line (天極)になります。天極は主に中国選手ではペンホルダードライブ主戦型の選手が使用しているようですね。ペンホルダーは遠心力を使ってシェイクハンドよりも回転量の多いボールが打てるため、天極は弾みの強いラバーになっているそうですね。現在の現役の選手ではXu Xin (許昕)選手が天極を使用していると言われます。一方、主に中国選手でシェイクハンドドライブ主戦型の選手がキョウヒョウを使用するようです。キョウヒョウと冠されるラバーはいくつか存在し、かなり紛らわしいのですが、基本的には非常にマッドな打球感で、これぞ粘着ラバーという感じのラバーです。katsuo000のレビューでは、現在までに省狂NEO3ブルースポンジをレビューしており、人気の記事となっております。改めてキョウヒョウの種類について、説明させていただきます。

Nittaku製Hurricane (キョウヒョウ)

 中国トップ選手はDHS製を使用していますが、日本ではNittaku (ニッタク)もキョウヒョウという名前のラバーを販売しています。同じ名前ですが、基本的には別物だと考えてください。唯一2021年ごろ発売のキョウヒョウ3国狂ブルー (Hurricane III National Rubber Blue Sponge)は、DHS製のいわゆる中国トップ選手も使用するラバーと同じ品質のラバーになりますね。Nittaku製のキョウヒョウは中国製の粘着シートに日本製のやや柔らかめのスポンジを組み合わせたものが主流で、扱いやすい分やや回転量や癖球が出にくいラバーとなっています。初中級者で導入として使用するのは非常にオススメのラバーになるでしょう。

 2020年時点でNittaku製キョウヒョウは、以下のラインナップとなっていました。
・Nittaku Hurricane II(ニッタク キョウヒョウ2)
・Nittaku Hurricane III(ニッタク キョウヒョウ3)
・Hurricane Pro II(キョウヒョウプロ2)
・Hurricane Pro III(キョウヒョウプロ3)
・Hurricane NEO III(キョウヒョネオ3)
・Hurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)
・Hurricane Pro II Turbo Blue(キョウヒョウプロ3ターボブルー)

 計7種類ですね。

 Nittaku製のキョウヒョウは、スポンジ厚さとシートの色(赤・黒)を選ぶことになります。Nittaku製のキョウヒョウは、中国製のシートに日本製のスポンジをあわせているようなので、食い込みやすく比較的扱いやすい傾向があります。自分がNittaku製キョウヒョウの中からラバーを選ぶとしたら硬くて粘着力も強いプロを冠するシリーズを選ぶと思います。プロ2やプロ3は全然弾まなくて、硬くて重い傾向にあるので、まさにド粘着というラバーになります。上手に使いこなせばド粘着の癖球も出やすいと思います。

SpinSpeedSponge
Stiffness
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウIII国狂ブルー
15.0014.7542.5
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロIIIターボブルー
15.0014.7550.0
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロIIIターボオレンジ
15.0014.7545.0
Hurricane Pro III
キュウヒョウプロIII
15.0010.2542.5
Hurricane Pro II
キョウヒョウプロII
15.5010.0042.5
Hurricane NEO III
キョウヒョウNEO III
15.0011.2542.5
Nittaku Hurricane III
ニッタクキョウヒョウIII
14.5010.2537.5
Nittaku Hurricane II
ニッタクキョウヒョウII
15.009.7537.5

↓Hurricane Pro III Turbo(キョウヒョウ プロ3ターボ)シリーズ(Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)とHurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ))は同じスピードとスピン性能になります。

 DHSのキョウヒョウNEO3に戻ります。

DHS製Hurricane(キョウヒョウ)

DHS製のHirricane(キョウヒョウ)は、
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

・Hurricane 9(キョウヒョウ9)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

などが存在します。
 上記6種類に加えて、細かく販売時の (一般用省チーム用国チーム用)スポンジオレンジホワイトブルー)、スポンジ厚さスポンジ硬度を選択することになると思います。以下キョウヒョウNEO3について、主に記述していきます。

形(一般用省チーム用国チーム用)

 個人的に最も変わると感じる選択肢が販売時の一般用か、省・国チーム用か、の部分になります。一般用は八角形省チーム用は六角形国チーム用は四角形、で面積は 八角形 < 六角形 < 四角形 となります。以下写真になりますのでご参考ください。

一般用 = 八角形

一般用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3) → 本ページでレビューするキョウヒョウ

省チーム用 = 六角形

省チーム用Hurricane NEO III Blue Spone(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)

国チーム用 = 四角形

国チーム用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

写真のように、販売されているラバーの形が異なっており、見る人が見ればどのランクのラバーかわかるようになっています。

スポンジ(オレンジホワイトブルー

オレンジスポンジ

 まず標準的なスポンジオレンジスポンジになりますね。一般用から国用まで、どのクラスのラバーもオレンジスポンジのラバーが存在します。初めてキョウヒョウを使おうという人は、まずはこのオレンジスポンジのキョウヒョウを使うことになると思います。硬くて、食い込みにくいですが、キョウヒョウらしい癖球も出しやすく、一般用から国用まで、しっかりとしたド粘着ラバーになります。特にNittaku製のキョウヒョウと比較しても癖球の出やすさが段違いで、別ラバーと感じると思います。

ホワイトスポンジ

 ホワイトスポンジのキョウヒョウについて、確かな情報を得ておりません。しかしながら数は少ないものの流通しているようです。バック側で使うためのラバーのようで、柔らかい硬度のものが流通しているようです。かなり特殊で希少性の高い種類がホワイトスポンジのキョウヒョウになります。

ブルースポンジ

 スポンジは、省チーム用または国チーム用ブルースポンジが存在します。シートの色は黒色のみになります。赤色シートにブルースポンジをあわせると、赤色シートが透けてしまうため、赤色シートのブルースポンジはないと言われていますね。よく中国のトップ選手がフォア面に使用するラバーはほぼ全員青色ブルースポンジだと思います。まさに、トップ選手たちは、この特殊なブルースポンジのキョウヒョウを使用されているわけですね。ブルースポンジの方が同じ硬度でも食い込みやすく、スイングで弧線を作りやすいと感じると思います。従ってフォア側で使用することが多いラバーになるのだと思います。

スポンジ硬度とスポンジ厚さ

スポンジ硬度

 近年のラバーはスポンジ硬度を選べる種類のラバーも増えました。例えば、Butterfly(バタフライ)のTenergy 05(テナジー05)にはTenergy 05 FX(テナジー05FX)とTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)存在します。スピード性能とスピン性能は同じですが、スポンジ硬度が違うために、やりやすい技術や回転量の幅、スピードが異なってきます。テナジー05は3種類から選べるわけですね。一方、DHSのキョウヒョウのスポンジ硬度の選択肢はかなり多いです。

 一般的なキョウヒョウNEO3の硬度の選択肢は39°、40°、41°の3種類になります。一方で、ネット上で種類を探していくと、硬度の種類は35°から42°まであるようですね。1°ずつ変えられるとして、7種類はあることになります。これだけ種類があると、かなり細かく硬度を選択できることになりますね。

スポンジ厚さ

 一般的なラバー、例えば、テナジー05では特厚、厚、中の3種類になります。キョウヒョウNEO3も同じく2.20 mm、2.15 mm、2.10 mm、と大きくは3種類になりますね。

価格と追記

 値段の話をさせていただきます。一般用の八角形のキョウヒョウは、ネット通販なので3,000円台で購入可能です。Nittaku製キョウヒョウよりも癖球が出やすいですが、食い込みにくいので、扱いにくくかつ飛距離が出しにくいです。一方で、省チーム用や国チーム用になると、値段が跳ね上がり、省チーム用で5,000円〜6,000円、国チーム用で8,000円くらいになります。硬度にもよりますが省・国チーム用のラバーは食い込みやすく扱いやすくなっていきます。スポンジをさらにブルースポンジにすることで、値段がまた高くなりますが(省チーム用で8,000円、国チーム用で10,000円以上)、食い込みもよくなってかなり扱いやすくなると思います。
 中国トップ選手は、おそらくこの国チーム用のキョウヒョウへ前(or 後)加工をしていると言われています。

DHS製キョウヒョウのまとめ

DHS製のHirricane(キョウヒョウ)は、
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

・Hurricane 9(キョウヒョウ9)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

などが存在し
 国、省、一般(3種)
 スポンジ(オレンジ、ホワイト、ブルー 1 or 2 or 3種)
 スポンジ硬度(35°〜42° 約7種)
 スポンジ厚さ(2.10 mm、2.15 mm、2.20 mm 3種)
と、6 × 1(or 2 or 3)× 2(or 3)× 7 × 3 = 378の選択肢があります。
 上記から、わかるようにDHS製のキョウヒョウは仕様がかなり細かいです。おそらく各選手ごとに細かく仕様を変更しているものと思われます。Butterfly(バタフライ)でも、契約選手は硬度や重量を指定したものを扱っていると言われています。従って、DHSの対応は選手ファーストな考え方によるものだと思います。

 最後に、簡単にキョウヒョウについてコメントさせていただき、DHS製キョウヒョウの総括とさせていただきます。
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
 強粘着 回転はかかる分、弾まない
・Hurricane III(キョウヒョウ3)

 微粘着 扱いやすいキョウヒョウの中で標準的なキョウヒョウ
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

 微粘着 ややテンションがかかっていて 弾む
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)

 強粘着 已打底あり
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

 微粘着 已打底あり 現在最も標準的なプラボール対応のキョウヒョウ
 キョウヒョウの中でも弾むキョウヒョウ それでも高弾性ラバーほどしか弾まない

硬度計による比較

Weight Shore a
(sheet)
Shore a
(sponge)
Shore c
(sheet)
Shore c
(sponge)
sheet-sponge
(shore a)
sheet sponge
(shore c)
Hurricane NEO III
National Rubber
Blue Sponge
(国チーム用
キョウヒョウ3
ブルースポンジ
国狂3
ブルースポンジ)
4836.938.251.152.1-1.25-1.00
Hurricane NEO III
普狂NEO3、41°
5131.633.946.747.8-2.33-1.17
Hurricane NEO II
普狂NEO2、40°
5131.535.048.148.2-3.50-0.08
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Omega VII China Ying
オメガVIIチャイナ影
5734.332.650.550.31.670.17

 表からわかるように、キョウヒョウはシートよりもスポンジの方が硬いラバーになっています。またキョウヒョウNEO3、41°よりもキョウヒョウNEO2、40°の方が硬い値となりました。このあたりは個体差の影響がもろに出たのではないかと予想しております。シートよりもスポンジの方が硬いラバーの話に戻りますと、同じようなラバーはGolden Tango (ゴールデンタンゴ)が挙げられると思います。かなりシート側が柔らかくて、非常に球持ちを感じやすいラバーになっていました。キョウヒョウは扱いやすさでいうと、好みが出るラバーですが、球持ちという点では非常に球を持つと感じやすいラバーであることは確かだと思います。

普狂IIの貼りと重量

 やはりキョウヒョウはアウターカーボンに貼らないと、ということで、今回、WRMさんで購入した銀河のVenus V-14 (金星V-14)に貼りました。また、今回、中国ナショナルチームが使用するというNittaku製Fine Zipを使って貼りました。トロトロ系の接着剤で、Yasaka (ヤサカ)ののりすけさんと比べるとだいぶ重くなる接着剤ですね。Fine Zipは慣れていないと塗って貼るのもミスしやすい接着剤なので使用の際は自己責任でお願いします。粘着ラバーユーザーの中には、Fine Zipにこだわる人もいるようです。ちなみに自分は1回塗りです。

Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)
・Sponge Thickness:2.10/2.15/2.20 mm
・Sponge硬度:40.0°
・63 g(切断前) → 51 g (Fine ZipでVenus V-14 (金星V-14)に貼って)

 Fine Zipで貼ると重いですね!この重量が良いと感じるかは人によると思います。

普狂NEOII 2.20 mm 40°の3つの特徴

強粘着シートとスポンジのモチモチ感で球持ち抜群のラバー!

 ラケットが異なりますが、普狂NEO3と比較すると硬度が柔らかいこともありますが、非常にモチモチしている打球感だと感じました。またNEO2のシートは強粘着なんですね。強い強粘着シートと、打感のモチモチ感で球持ちは抜群でした!球持ちの良さから、3球目ドライブ、ループドライブ、バックハンドドライブ、チキータの安心感は素晴らしかったですね。スポンジの硬さもありますが、普狂NEO3は、球離れがやはり早いんですね。ただ粘着ラバーであり弾みが弱いのがキョウヒョウですので、NEO2は、攻撃力はさらに下がるといってもいいのかもしれません。このあたりは好みとラバーの特徴でしょう。NEO2シリーズはブルースポンジがない、というよりもなくても非常に球持ちがあるといえるのかもしれませんね。

ロングサーブもどんなサーブも上書きツッツキ&上書きドライブ可能!

 練習相手のボールに慣れているということもあったのかもしれませんが、ロングサーブもショートサーブもガンガン上書きツッツキできる感じがありました。というか初めにストップの感触を調べようとしたら、止まりすぎて驚きました。ネットミスを2、3回連続してしまうくらい止まるんですよね。こういうラバーを使うと直感的に思い切りツッツキしてやろうとなりますよね。案の定、非常に感触がよくてブチブチ上書きツッツキが決まりましたね。もちろんドライブもやりやすくて、弾まないので上書きドライブがやりやすかったですね。相手の回転を無視してツッツキやドライブできるラバーとしてキョウヒョウNEO2 (普狂NEO2)はありだと思いました。

ドライブの癖が嫌らしい!

 ラリーで思い切りぶつけてドライブを打つと、癖球が出ている手ごたえが確かにありました。また相手もボールが重いということを教えてくれましたね。ぶつけてドライブしたときの打球感も悪くはなくて球を持つ感じを感じました。ただボールはかなり遅いですね。その分、癖の強いボールが相手コートに行っている感じがありました。この癖は、上級者は苦ともしないかもしれませんが、中級者層には嫌だと感じると思います!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 もう軽打から、弾まないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 打感はマッドですが、球持ちもあるので、ぶつけ打ちドライブの感覚を掴みやすいような気もしました。アウターカーボンにあわせてますので、多少下がっても十分に使える感じもありましたね。

面を開いたドライブ
 この打ち方ができないと、キョウヒョウは使いきれないです。巻き込んでしまうと味が出ないので、しっかり面を開き、気持ちシュート回転をかけるようにドライブをするのがコツだと思います。多少つまっても回り込んでシュートドライブが結構鉄板な打ち方になると思いますね。NEO2もこの面を開いてくい込ませることで良いドライブが打てると思います。

対下回転に対するループドライブ
 これだけで点数を取れると思います。猛烈な回転量、弾まないので、低く浅いループドライブがオートマで打てると思います。普狂NEO3よりもさらにやりやすくなっていると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 アウターカーボンなので、まずまず打ちやすかったですね。相性も良さそうでした。

ブロック
 やりにくさはなかったです。球持ちがあるためでしょうか。ただ少しつまると落ちそうな心配はありました。

ストップ
 激どまりです。ストップも思い切りきりに行っていいと思います。

ツッツキ
 上書きストップがバンバンできます!

フォアサーブ
 少したたきつけるように、下回転を切らないと回転が弱かったです。切り方は少し異なるので気を付けてください。

バックハンド系

軽打
 弾みませんが思ったより球持ちはあります。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弾みませんのでバックでは下がれないです。

対下回転に対するループドライブ
 やりやすかったです。思い切りドライブすることが出来ると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 バックでは無理でした。

ブロック

ストップ
 これは最高に良いです。ロングサーブでもストップできると思います。

ツッツキ
 切れます。ロングサーブでも全然つっつけると思います。

チキータ
 球持ちが良かったです!
 

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 キョウヒョウProIII ターボブルー ≧ 普狂NEO2、40° 普狂NEO3、41°

スピード
 普狂NEO3、41° > 普狂NEO2、40° > 太陽Pro極薄

レビュー Hurricane NEO III (普狂NEO3、41°、2.2 mm)

 キョウヒョウNEO3 (紅双喜(DHS))のレビューになります。俗にいう、普狂というやつです。一般普及品で、品質は高くないですが、硬く弾まず、愛用者も意外と多いラバーになりますね。もちろん、katsuo000は有機溶剤を使わない貼り付けでのレビューになりますので、よろしくお願いします。

説明

 中国の総合スポーツメーカーDouble Happiness Shanghai (DHS、紅双喜)のラバーで、中国代表の選手はほぼ皆DHS製のラバーを使用していますね。中国卓球を語る上で今や避けては通れない粘着ラバーの代表的な存在がHurricane (キョウヒョウ)になります。DHSが販売する粘着ラバーは2種類あって、もう1種類はSky Line (天極)になります。天極は主に中国選手ではペンホルダードライブ主戦型の選手が使用しているようですね。ペンホルダーは遠心力を使ってシェイクハンドよりも回転量の多いボールが打てるため、天極は弾みの強いラバーになっているそうですね。現在の現役の選手ではXu Xin (許昕)選手が天極を使用していると言われます。一方、主に中国選手でシェイクハンドドライブ主戦型の選手がキョウヒョウを使用するようです。キョウヒョウと冠されるラバーはいくつか存在し、かなり紛らわしいのですが、基本的には非常にマッドな打球感で、これぞ粘着ラバーという感じのラバーです。katsuo000のレビューでは、現在までに省狂NEO3ブルースポンジをレビューしており、人気の記事となっております。改めてキョウヒョウの種類について、説明させていただきます。

Nittaku製Hurricane (キョウヒョウ)

 中国トップ選手はDHS製を使用していますが、日本ではNittaku (ニッタク)もキョウヒョウという名前のラバーを販売しています。同じ名前ですが、基本的には別物だと考えてください。唯一2021年ごろ発売のキョウヒョウ3国狂ブルー (Hurricane III National Rubber Blue Sponge)は、DHS製のいわゆる中国トップ選手も使用するラバーと同じ品質のラバーになりますね。Nittaku製のキョウヒョウは中国製の粘着シートに日本製のやや柔らかめのスポンジを組み合わせたものが主流で、扱いやすい分やや回転量や癖球が出にくいラバーとなっています。初中級者で導入として使用するのは非常にオススメのラバーになるでしょう。

 2020年時点でNittaku製キョウヒョウは、以下のラインナップとなっていました。
・Nittaku Hurricane II(ニッタク キョウヒョウ2)
・Nittaku Hurricane III(ニッタク キョウヒョウ3)
・Hurricane Pro II(キョウヒョウプロ2)
・Hurricane Pro III(キョウヒョウプロ3)
・Hurricane NEO III(キョウヒョネオ3)
・Hurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)
・Hurricane Pro II Turbo Blue(キョウヒョウプロ3ターボブルー)

 計7種類ですね。

 Nittaku製のキョウヒョウは、スポンジ厚さとシートの色(赤・黒)を選ぶことになります。Nittaku製のキョウヒョウは、中国製のシートに日本製のスポンジをあわせているようなので、食い込みやすく比較的扱いやすい傾向があります。自分がNittaku製キョウヒョウの中からラバーを選ぶとしたら硬くて粘着力も強いプロを冠するシリーズを選ぶと思います。プロ2やプロ3は全然弾まなくて、硬くて重い傾向にあるので、まさにド粘着というラバーになります。上手に使いこなせばド粘着の癖球も出やすいと思います。

SpinSpeedSponge
Stiffness
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウIII国狂ブルー
15.0014.7542.5
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロIIIターボブルー
15.0014.7550.0
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロIIIターボオレンジ
15.0014.7545.0
Hurricane Pro III
キュウヒョウプロIII
15.0010.2542.5
Hurricane Pro II
キョウヒョウプロII
15.5010.0042.5
Hurricane NEO III
キョウヒョウNEO III
15.0011.2542.5
Nittaku Hurricane III
ニッタクキョウヒョウIII
14.5010.2537.5
Nittaku Hurricane II
ニッタクキョウヒョウII
15.009.7537.5

↓Hurricane Pro III Turbo(キョウヒョウ プロ3ターボ)シリーズ(Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)とHurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ))は同じスピードとスピン性能になります。

 DHSのキョウヒョウNEO3に戻ります。

DHS製Hurricane(キョウヒョウ)

DHS製のHirricane(キョウヒョウ)は、
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

・Hurricane 9(キョウヒョウ9)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

などが存在します。
 上記6種類に加えて、細かく販売時の (一般用省チーム用国チーム用)スポンジオレンジホワイトブルー)、スポンジ厚さスポンジ硬度を選択することになると思います。以下キョウヒョウNEO3について、主に記述していきます。

形(一般用省チーム用国チーム用)

 個人的に最も変わると感じる選択肢が販売時の一般用か、省・国チーム用か、の部分になります。一般用は八角形省チーム用は六角形国チーム用は四角形、で面積は 八角形 < 六角形 < 四角形 となります。以下写真になりますのでご参考ください。

一般用 = 八角形

一般用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3) → 本ページでレビューするキョウヒョウ

省チーム用 = 六角形

省チーム用Hurricane NEO III Blue Spone(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)

国チーム用 = 四角形

国チーム用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

写真のように、販売されているラバーの形が異なっており、見る人が見ればどのランクのラバーかわかるようになっています。

スポンジ(オレンジホワイトブルー

オレンジスポンジ

 まず標準的なスポンジオレンジスポンジになりますね。一般用から国用まで、どのクラスのラバーもオレンジスポンジのラバーが存在します。初めてキョウヒョウを使おうという人は、まずはこのオレンジスポンジのキョウヒョウを使うことになると思います。硬くて、食い込みにくいですが、キョウヒョウらしい癖球も出しやすく、一般用から国用まで、しっかりとしたド粘着ラバーになります。特にNittaku製のキョウヒョウと比較しても癖球の出やすさが段違いで、別ラバーと感じると思います。

ホワイトスポンジ

 ホワイトスポンジのキョウヒョウについて、確かな情報を得ておりません。しかしながら数は少ないものの流通しているようです。バック側で使うためのラバーのようで、柔らかい硬度のものが流通しているようです。かなり特殊で希少性の高い種類がホワイトスポンジのキョウヒョウになります。

ブルースポンジ

 スポンジは、省チーム用または国チーム用ブルースポンジが存在します。シートの色は黒色のみになります。赤色シートにブルースポンジをあわせると、赤色シートが透けてしまうため、赤色シートのブルースポンジはないと言われていますね。よく中国のトップ選手がフォア面に使用するラバーはほぼ全員青色ブルースポンジだと思います。まさに、トップ選手たちは、この特殊なブルースポンジのキョウヒョウを使用されているわけですね。ブルースポンジの方が同じ硬度でも食い込みやすく、スイングで弧線を作りやすいと感じると思います。従ってフォア側で使用することが多いラバーになるのだと思います。

スポンジ硬度とスポンジ厚さ

スポンジ硬度

 近年のラバーはスポンジ硬度を選べる種類のラバーも増えました。例えば、Butterfly(バタフライ)のTenergy 05(テナジー05)にはTenergy 05 FX(テナジー05FX)とTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)存在します。スピード性能とスピン性能は同じですが、スポンジ硬度が違うために、やりやすい技術や回転量の幅、スピードが異なってきます。テナジー05は3種類から選べるわけですね。一方、DHSのキョウヒョウのスポンジ硬度の選択肢はかなり多いです。

 一般的なキョウヒョウNEO3の硬度の選択肢は39°、40°、41°の3種類になります。一方で、ネット上で種類を探していくと、硬度の種類は35°から42°まであるようですね。1°ずつ変えられるとして、7種類はあることになります。これだけ種類があると、かなり細かく硬度を選択できることになりますね。

スポンジ厚さ

 一般的なラバー、例えば、テナジー05では特厚、厚、中の3種類になります。キョウヒョウNEO3も同じく2.20 mm、2.15 mm、2.10 mm、と大きくは3種類になりますね。

価格と追記

 値段の話をさせていただきます。一般用の八角形のキョウヒョウは、ネット通販なので3,000円台で購入可能です。Nittaku製キョウヒョウよりも癖球が出やすいですが、食い込みにくいので、扱いにくくかつ飛距離が出しにくいです。一方で、省チーム用や国チーム用になると、値段が跳ね上がり、省チーム用で5,000円〜6,000円、国チーム用で8,000円くらいになります。硬度にもよりますが省・国チーム用のラバーは食い込みやすく扱いやすくなっていきます。スポンジをさらにブルースポンジにすることで、値段がまた高くなりますが(省チーム用で8,000円、国チーム用で10,000円以上)、食い込みもよくなってかなり扱いやすくなると思います。
 中国トップ選手は、おそらくこの国チーム用のキョウヒョウへ前(or 後)加工をしていると言われています。

DHS製キョウヒョウのまとめ

DHS製のHirricane(キョウヒョウ)は、
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

・Hurricane 9(キョウヒョウ9)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

などが存在し
 国、省、一般(3種)
 スポンジ(オレンジ、ホワイト、ブルー 1 or 2 or 3種)
 スポンジ硬度(35°〜42° 約7種)
 スポンジ厚さ(2.10 mm、2.15 mm、2.20 mm 3種)
と、6 × 1(or 2 or 3)× 2(or 3)× 7 × 3 = 378の選択肢があります。
 上記から、わかるようにDHS製のキョウヒョウは仕様がかなり細かいです。おそらく各選手ごとに細かく仕様を変更しているものと思われます。Butterfly(バタフライ)でも、契約選手は硬度や重量を指定したものを扱っていると言われています。従って、DHSの対応は選手ファーストな考え方によるものだと思います。

 最後に、簡単にキョウヒョウについてコメントさせていただき、DHS製キョウヒョウの総括とさせていただきます。
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
 強粘着 回転はかかる分、弾まない
・Hurricane III(キョウヒョウ3)

 微粘着 扱いやすいキョウヒョウの中で標準的なキョウヒョウ
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

 微粘着 ややテンションがかかっていて 弾む
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)

 強粘着 已打底あり
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

 微粘着 已打底あり 現在最も標準的なプラボール対応のキョウヒョウ
 キョウヒョウの中でも弾むキョウヒョウ それでも高弾性ラバーほどしか弾まない

普狂IIIの貼りと重量

 やはりキョウヒョウはアウターカーボンに貼らないと、ということで、Zhang Jike ALC (張継科ALC)に貼りました。また、今回、中国ナショナルチームが使用するというNittaku製Fine Zipを使って貼りました。トロトロ系の接着剤で、Yasaka (ヤサカ)ののりすけさんと比べるとだいぶ重くなる接着剤ですね。Fine Zipは慣れていないと塗って貼るのもミスしやすい接着剤なので使用の際は自己責任でお願いします。粘着ラバーユーザーの中には、Fine Zipにこだわる人もいるようです。ちなみに今回は1回塗りですが、スポンジ厚さを2.10 mmにして2回塗り3回塗りなどをする人もいらっしゃるようですね。

Hurricane NEO III (キョウヒョウNEO3)
・Sponge Thickness:2.10/2.15/2.20 mm
・Sponge硬度:41.0°
・63 g(切断前) → 51 g (Fine ZipでZhang Jike ALC (張継科ALC)に貼って)

 Fine Zipで貼ると重いですね!この重量が良いと感じるかは人によると思います。

普狂NEOIII 2.20 mm 41°の3つの特徴

バチッ!という音なのに、全然ボールが走らない!それくらい弾まない!

 このラバー、打球感が本当にマッドです。これぞド粘着!この感覚、身体が良く動くときには、フルパワーで打ちに行っても全然でおさまって相手は非常に嫌そうにブロックするのが楽しくなりますね。このあたりが好みが分かれるラバーだと思います。下がった時もループドライブを打つように下から持ち上げる打ち方がメインになりやすいですが、安定感は抜群です。下がるとZhang Jike ALC (張継科ALC)に貼っていてもやはり、打ち抜くのはかなり難しいと思いました。ただ、どんなボールでもチョリチョリ打てるので、ラリー志向の選手には持ってこいのラバーだと思います!
 逆に打ち抜きたい人にはかなりストレスになるかもしれません。それくらい弾まないです。Fine Zipを試してみましたがやはり厳しいなーと感じました。また省チーム用Hurricane NEO III Blue Spone(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)と比較すると、やはりスピードドライブが打ちにくいですね。くい込みにくい分、省チーム用Hurricane NEO III Blue Spone(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)よりも多分にエネルギーが必要な癖に走らないです。普狂NEO3を使うなら、スピードで打ち抜くのはよほどの練習量とパワーが必要だと思います。

安心して、5球目までの台上~対下回転ドライブが打てる!

 ツッツキ、ストップ、サーブ、対下回転ドライブ、どの技術も、基本全て上書きするように打てば、安定します。この安心感は素晴らしいですね。とりあえず思い切り回転をかけておけば、弾道がしっかり弧線を描いて相手のコートへ向かってくれます。この安心感、キョウヒョウの醍醐味かもしれません。5球目までの技術を安定させたい中級者層にぴったりはまるかもしれません。
 現代卓球でチキータなどがはやっていますが、やはりツッツキとストップはまだまだ試合において重要な技術です。その質を求めるという意味でも非常に良い選択肢でもあると思いますね。

カウンタードライブが打ちやすい!

 弾まず、上書きしやすいラバーですので、カウンタードライブがめちゃめちゃやりやすかったです。もちろんフォアですね。中陣か、前陣でも上書きドライブがしやすかったです。中陣から打点を落としてカウンターループドライブなんかもコントロールしやすいですね。この自在感がキョウヒョウの醍醐味だと思います。逆にこういったフォアのドライブが好きではない方はなかなか大変かもしれません。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 もう軽打から、粘着感が凄いです。弾まないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 マッドで、ボールが全然走らないですね。そして思い切りぶつけることでいい感じの癖のあるドライブが打てますね。どうしてもこするようにドライブすると、安定感はありますが、スピードはでません。キョウヒョウの場合はキョウヒョウにあった打ち方があり、結構ぶつける必要がありますね。面をしっかり開いてぶつけて、そこからくい込ませて、そこから円運動で回転をかけてあげるといいと思います。ぶつけて回転をかける感覚をつかむまでになかなか時間がかかると思いますが、わかると結構楽しいと思います。

面を開いたドライブ
 この打ち方ができないと、キョウヒョウは使いきれないです。巻き込んでしまうと味が出ないので、しっかり面を開き、気持ちシュート回転をかけるようにドライブをするのがコツだと思います。多少つまっても回り込んでシュートドライブが結構鉄板な打ち方になると思いますね。

対下回転に対するループドライブ
 これだけで点数を取れると思います。猛烈な回転量、弾まないので、低く浅いループドライブがオートマで打てると思いますね。これができるのが、このラバーの特徴だと思いますし、得点源になると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 これは、前述の面を開いた打ち方が基本になると思います。慣れれば台上ドライブでもスピードドライブを狙えますね。

カーブ/シュートドライブ
 カーブで巻き込むのはダメではないですが、やはりシュートドライブの方が、相手の虚を付けるのではないかと思いますね。

ブロック
 少しやりにくいですね。スマッシュも同じですが、回転をかけてしまうんですよね。純粋なブロックはしにくいと思います。

カウンタードライブ
 アウターカーボンでも非常にやりやすいというか、おさまりますね。思い切り回転をかけにいけるのは素晴らしいです。

ストップ
 上書きストップが非常にやりやすいです。ネットを狙ってガツっとぶつけるように切ってあげるとぶち切れのストップがネットギリギリに決められると思います。逆に回転にあわせようとすると、相手の回転をもろにうけるので、上書きを基本としたツッツキやストップがオススメですね。

ツッツキ
 やはり切れる。回転は合わせない方がいいです。

フォアフリック

フォアサーブ
 しっかり切れます。しかしながらロングサーブはややスピードが落ちるので狙われないように気をつけましょう。

バックハンド系

軽打
 硬いです。下がったらドライブが打てないとかなり難しいと感じる弾みです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弾まないですね。しんどいです。多分腕だけでふるからだと思います。身体でうたないとしんどいと思います。

対下回転に対するループドライブ
 できなくはないですが、どうしても回転量が落ちますね。インパクト不足だと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 バックでは無理ですね。汗

ブロック
 カウンタードライブもですが、バックではコントロールがかなり難しいです。

ストップ
 これは最高に良いですね。ロングサーブでもストップできるかもしれません。

ツッツキ
 切れますね。ロングサーブでも全然つっつけると思います。

チキータ
 乗せ打ちやフリックの方が楽だと思います。
 

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 省狂NEO3ブルースポンジ > 普狂NEO3、41° ≧ Dignics 09C

スピード
 省狂NEO3ブルースポンジ > 普狂NEO3、41° > 太陽Pro極薄

レビュー Rakza Z (ラクザZ)

説明

 Yasaka (ヤサカ)さんの2020年発売の最新粘着テンションラバー、Rakza Z (ラクザZ)をレビューします。既にRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)はレビューさせていただいてます。また2023年春にはRakza XX (ラクザXX)が発売予定ということで、楽しみですね!そんな中ですが、春になる前に改めて、Rakza Z (ラクザZ)について、説明・レビューさせていただきます。

 Rakza Z (ラクザZ)Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)と同じく、YASAKA(ヤサカ)のハイエンドラバーであり、粘着テンションラバーになります!2020年Butterfly(バタフライ)が最新粘着テンションラバー、Dignics 09C(ディグニクス09C)を発売したタイミングで、YASAKA(ヤサカ)も追いかけるように発売したのがこのラクザZになります。ラクザZには硬度が2種類あり、約50°くらいのラクザZと、ヤサカのラバーの中でも一、二に硬い55°くらいのRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)になります。本ページでは一般普及用とされるラクザZをレビューします。

 Rakza(ラクザ)シリーズは非常に実績のあるシリーズで、古くは神選手が、全日本学生選手権優勝時にRakza 7 (ラクザ7)を、全日本選手権準優勝時にRakza X (ラクザX)を、使用されています。また、近年ではスマッシュを多用する異質なプレイヤーで明治大学の手塚崚馬選手が全中優勝時にラクザXを、愛工大名電の吉山僚一選手が2022年全日本ジュニア優勝時にRakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)を使用しています。決してマイナーなラバーではなく、トップ選手でも十分に結果が出せるラバーシリーズです!

Rakza(ラクザ)シリーズ

 Rakza(ラクザ)シリーズはYASAKAの看板テンション系ラバーシリーズになります。全てのラクザラバーがHybrid Energy(ハイブリッドエナジー)型ラバーであり、「高弾性高摩擦ラバーの高いグリップ力とスピン性能、テンション系ラバーの高い反発力と爽快な打球感を兼ね備えた」ラバーになりますね。
 Butterfly(バタフライ)のTenergy(テナジー)やDignics(ティグニクス)シリーズと同じように、打球軌道イメージがYASAKAのホームページやパンフレットに掲載されています。最も弧線の高いラバーが、2020年春に販売されたRakza Z(ラクザZ)になりますね。続いてRakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)、Rakza 9(ラクザ9)となります。ディグニクスシリーズに対応させると次のように考えて良いのだと思います。
 Rakza Z (ラクザZ) ⇄ Dignics 09C(ディグニクス09C)
 Rakza X (ラクザX) ⇄ Dignics 05(ディグニクス05)
 Rakza 7 (ラクザ7) ⇄ Dignics 80(ディグニクス80)
 Rakza 9 (ラクザ9) ⇄ Dignics 64(ディグニクス64)
2020年春新発売のRakza Z (ラクザZ)は粘着ラバーであり、ちょうど同じタイミング発売のDignics 09C(ディグニクス09C)と類似の分類になりますね。これはまー意識してますよね。

 細かくラクザシリーズを説明していくと、4種類のラクザラバーが存在し、それぞれ細かく異なります。Rakza Z (ラクザZ)には、Rakza Z (ラクザZ)Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)の2種類が存在します。Rakza X (ラクザX)は、Non Slip Sheet(ノンスリップシート、NSS)技術が採用されていて、他のラクザと一線を画す、高いグリップ力を持つそうです。性能値で見た場合には回転量はRakza Z (ラクザZ)の次にRakza 7 (ラクザ7)の方が高い値になっていますね。そしてシリーズ最速となるのがRakza 9 (ラクザ9)になります。またスポンジが柔らかいソフトはRakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)の2種で販売されています。このように細かい部分で異なる部分を有しながらも非常に人気の高いラバーシリーズがラクザシリーズということになりますね。
 今回レビューするラクザZは、硬さもマイルドな粘着テンションラバーになります。そこで、今回はアウターALCへ貼って扱えるのかを確認していきたいと思います。

ラクザZの性能

SpinSpeedControlSponge StiffnessPriceMade in
Rakza XX13+12-9-47 ~ 526,800Germany
Rakza Z Extra Hard14+11-952 ~ 576,000Germany
Rakza Z14+11-947 ~ 526,000Germany
翔龍 (Rising Dragon)13+10+947 ~ 524,500China
輝龍 (Shining Dragon)13+101045 ~ 504,500China
Rakza X13+111045 ~ 506,000Germany
Rakza X Soft1410+10+40 ~ 456,600Germany
Rakza 71411945 ~ 505,500Germany
Rakza 7 Soft14+11-9+37 ~ 425,500Germany
Rakza 913+11+8+40 ~ 455,500Germany
Rigan Spin13-10+11-40 ~ 454,200Germany
Rigan12+10+1140 ~ 454,000Germany

 Rakza ZRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)は同じスピン性能、スピード性能になります。使いこなせれば実際のところは、硬度のかたいRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)の方が、スピン性能やカウンタードライブの性能は高いでしょう。続いて硬度計比較です。

Weight (g)Shore a
(Sheet)
Shore a
(Sponge)
Shore c
(Sheet)
Shore c
(Sponge)
Sheet-Sponge
(Shore c)
Sheet-Sponge
(shore a)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Rakza Z EH5530.330.846.547.8-0.5-1.3
Rakza Z5429.530.644.645.8-1.1-1.2
Rising Dragon4329.528.642.440.60.91.8
Hurricane NEO35131.633.946.747.8-2.3-1.2

 Rakza Z (ラクザZ)Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)と同様、重量はかなり重いですね。また大きく分類すると、ディグニクス系よりもテナジー05に近い硬さという結果になりました。ただしRakza Z (ラクザZ)はスプリングスポンジをもちいたラバーではないので、上の図や数値以上にRakza Z (ラクザZ)の方が硬いと感じるでしょう。
 また細かい話にはなりますが、特徴的と感じた点は、shore aのシート側とスポンジ側の差で、要はシート側の方が柔らかく、スポンジ側の方が硬いのがラクザZということです。ディグニクス系ラバーは、シート側が硬く、スポンジ側が柔らかいということが踏襲されていますが、ラクザZや中国製のキョウヒョウはスポンジが硬くシートが柔らかいという傾向があります。このような設計のラバーというのはあまり多くはないですね。シートがあまり柔らかいと、球持ちが良い分、相手の回転の影響は受けやすくなります。この辺りは好みがわかれるところでしょう。

ラクザZの貼りと重量

 アウターALCの代表格、Zhang Jike ALC(張継科ALC)に貼りました。

Rakza Z (ラクザZ)
・Sponge Thickness:厚/特厚 mm
・Speed:11-
・Spin:14+
・Control:9
・Sponge硬度:47-52°
・5,500円 + 税
・74 g(切断前) → 54 g(Zhang Jike ALC(張継科ALC)に貼って)

 打感として、悪くはないですが、アウターカーボンに貼るとやはり硬いですね。YASAKAの契約選手は7枚合板ユーザーが多いですので、合板系の方があうかもしれません。

Rakza Zの初期インプレッション

・かなりテンションよりの粘着ラバー
 少なくともRising Dragon (翔龍)よりも弾むと感じました。Rising Dragon (翔龍)は個体差が激しいので、重い個体と比べたわけではないですが、軽い個体と比べると、Rakza Z (ラクザZ)の方がボールのスピードや回転量は上だと感じました。一方で、ディグニクス09Cなどと比較するとRakza Z (ラクザZ)の方が重いので、どうしてもパワーやスイングスピードがないといいボールがいかない感じがしました。

・癖は弱そう。

・回転量は、Rakza 7 (ラクザ7)Rakza X (ラクザX)よりは高そう。

Rakza Zの3つの特徴

粘着テンションラバーの中でもスピード重視のラバー

 このRakza Z (ラクザZ)は、粘着ラバーの中でもかなりスピードを出しやすいラバーでした。あくまでも粘着テンションラバーの中で、というのがポイントです。かなりテンションラバーよりの性能ですが、その中でも弧線の強さと球持ちを感じやすく、扱いやすいラバーでした。個人的にはバックハンドで使うことで、安定感のある球持ちと回転量を維持しつつスピードも出せて非常に好感触でした。アウターカーボンにあわせていたこともあると思いますが、キョウヒョウなどの純粘着ラバーと比べると、スピード、特に初速が非常に速く、好感触でした。それでいてしっかり球持ちと回転量が得られ、ラリー志向の卓球に非常にあったラバーだと感じました。

癖は出ない分、扱いやすい!攻撃的で弧線も強い!

 扱いやすいと感じたのは特にフリーでの下回転打ちで、ループドライブがかなり安心してふれました。それくらいしっかり回転をかけてドライブできると感じました。フォアよりもやはりバックハンドで安定感を感じましたので、自分が使うならやはりバックだと思います。TT彩たまの五十嵐選手も、バックハンドにこのRakza Z (ラクザZ)を使用されていたと思いますので、アリと言えばありなのだと思います。チキータも球持ちがいいので、かなり引き込んでからでも安定して打てるのはいいなーと思いました。威力というよりは初速の速さで相手の虚をつくようなチキータが狙えると思います。

もちろん、ストップ、ツッツキも良く止まる!ロングサーブもツッツキで意表をつきやすい!

 やはり粘着ですので、ストップやツッツキも良く止まります。ロングサーブに対しツッツキすることも感覚的には不可能ではないと感じました。もちろんドライブで持ち上げも可能で上書きして相手のコートに確実に入れることも可能ですがロングサーブをツッツキして意表をつけるのは粘着らしい戦術だと思います。こういったことができるユーティリティーの高いラバーで手数が増やせるラバーだと思いました。もちろん回転量の最大値はキョウヒョウなどの粘着ほど高いわけではなかったですが、どの技術も安定感が高いのでラリー志向で勝負するときには非常に武器になるラバーだと思います。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 違和感なく使えました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 キョウヒョウと比べるとスピードが出しやすいです。癖は少ないですね。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 やりやすかったです。回転量は並だと思います。Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)と比較すると楽に打てますが、その分エネルギーロスを感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)と比較してもかなり楽に打てるのは特徴だと思います。スピードドライブで相手へプレッシャーをかけるのはありだと思います。浮いていなくてもインパクトで持って行きやすいと感じました。 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりにくさはありませんでしたが、少し球持ちがある分、相手の回転の影響も受けやすい気がしました。

カウンタードライブ
 やりやすかったです。やはりかけ返し系のカウンタードライブがやりやすいです。威力はそこまでなくてやはりタイミングで相手のいない場所へ打ち返すようなカウンターがやりやすいと思います。

ストップ
 ピタリととまって良かったです。

ツッツキ
 もちろん切れました。試合では非常に頼れる性能だと感じました。

フォアフリック

フォアサーブ
 まずまず切れると感じました。

バックハンド系

軽打
 ややマッドな打感ですが、インパクトが強い分、スピードが出しやすい感じがありました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 キョウヒョウと比較すると、やりやすくて中陣からでもスピード感のあるバックハンドドライブが打てると感じました。威力は出ますが少しパワーも必要だと感じましたので、この辺りは使用者が分かれるとも感じました。

対下回転に対するループドライブ
 やりやすいですね。試合でもいきなり使えると思います。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 できなくはないですが、やはり少し回転の影響は受けやすいと感じました。

カウンタードライブ
 フォアと同じく、かけ返し系がやりやすかったです。

ストップ
 これも良かったです!止まりますね!

ツッツキ
 よくきれます。相手の出足を止めることが可能です。

チキータ
 スピード系のチキータも、入れるチキータもやりやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C > Rakza Z ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > Rakza Z ≧ Dignics 09C

https://amzn.to/3IgwrGK

レビュー Rasanter C48 (ラザンターC48)

説明

 この2022年夏の注目のラバー、andro (アンドロ)のRasanter C48 (ラザンターC48)について、レビューさせていただきます。既にRasanter C53 (ラザンターC53)をレビューさせていただきました。パワーセル搭載のラザンターシリーズはTenergy (テナジー)シリーズなみの高いスピン性能を持つラバーですね。しかも2022年発売のRasanter C (ラザンター カウンタースピン)シリーズは、さらに回転性能が高く、かつカウンタードライブがしやすいラバーになりますね。

 また全国で活躍される関西You tuber「ごぶりんず」さんの大東選手がバック面で使用されているのが、このRasanter C48 (ラザンターC48)になります。これはかなり期待の持てるラバーですね。また同じ硬度のRasanter R48 (ラザンターR48)も、非常に評判の良いラバーで、元卓球王国のゆうさんもTenergy (テナジー)っぽいと言わしめるラバーでした。実際SNSなど拝見していると、使用者が多いのがRasanter R48 (ラザンターR48)ですね。Rasanter C48 (ラザンターC48)とRasanter R48 (ラザンターR48)との比較もしながらレビューしていきたいと思います!

 まずはandro (アンドロ)さん公式HPのRasanter C48 (ラザンターC48)の説明ですね!

高次元の回転力を有したハイバランスラバー

 ラザンターC53の高性能はそのままに、エナジー・セル搭載の中硬度スポンジを組み合わせ、さらなるコントロール性能と安定性を追求した。回転量の多いドライブや台上技術、カウンターのしやすさが際立つ。

https://www.andro.de/ja/rasanter-c48jp

 ラザンターのVは「Velocity」=速さRは「Rotation」=回転、という意味を持たせてネーミングされています。今回のCは「Counter Spin」=カウンタースピン、というネーミングになります。andro (アンドロ)初の粘着ラバーとして、そしてEnergy・Cell (エナジー・セル)搭載の新ラバーとして発売されたのが、Rasanter C53 (ラザンターC53)Rasanter C48 (ラザンターC48)です。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。andro (アンドロ)の公式ページには記載されていませんが、卓球ナビさんに性能値が記載されていましたので、そちらを採用しました。

SpinSpeedControlSponge Stiffness
Rasanter C531301148753
Rasanter C481291138948
Rasanter R531251188753
Rasanter R481241198948
Rasanter R451231179145
Rasanter R501221208050
Rasanter R471211198547
Rasanter R421191169342
Rasanter R371171129737
Rasanter V471191218847
Rasanter V421161199642
Hexer Power Grip1181177947.5
Hexer Grip1171138345.0
Hexer Power Grip SFX1231099742.5
Hexer Grip SFX1231069940.0
GTT45108999145.0
GTT40108939940.0
Plaxon 5251081168052.5
Plaxon 4501081088945.0
Plaxon 400911059140.0
Plaxon 350108989635.0

 ラザンターCシリーズは他のエナジーセル搭載のラザンターラバーよりも、スピード性能が5ポイント程度下がっています。その分スピン性能は抜群に高くて、Rasanter R53 (ラザンターR53)でもかなり高かったですがR53からさらに5ポイント高くなっています。テナジーシリーズの05的ポジションのイメージだと思うとよさそうですね。硬度から、Rasanter C53 (ラザンターC53)が、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、本ページのRasanter C48 (ラザンターC48)Tenergy 05 (テナジー05)のようなラバーととらえて良いのではないかと思いますね。もちろん打球感は、やや異なりますが性能は次のようにまとめることができるでしょう。

Rasanter C53Tenergy 05 Hard
Rasanter C48Tenergy 05
Rasanter R53(Tenergy 80 Hard)
Rasanter R48Tenergy 80
Rasanter R45Tenergy 80 FX

 続いて硬度計での硬さの確認になります。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet-Sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
Rasanter C485030.325.340.838.85.02.0
Rasanter R484831.525.339.636.06.23.6
Rasanter C535228.426.142.839.22.33.7
Rasanter R535234.029.947.045.34.11.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Tenergy 05 Hard5035.832.647.746.93.20.8
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7

 Rasanter C53 (ラザンターC53)は、Rasanter R53 (ラザンターR53)よりも硬度は柔らかい値となりました。一方Rasanter C48 (ラザンターC48)は、Rasanter R48 (ラザンターR48)と比べてshore aでは柔らかく、shore cで硬いという値となりました。shore cは計測部分の面積が広くより平均的な数値をひろっているものと想定しております。ただしshore aの数値はより扱いやすさと密接に相関していると感じております。従って、Rasanter C48 (ラザンターC48)はほぼほぼRasanter R48 (ラザンターR48)と同程度の扱いやすさといえるでしょう。

C48の貼りと重量

 Yasaka (ヤサカ)さんのAlnade Inner (アルネイドインナー)で試打しました。

Rasanter C48 (ラザンターC48)
 微粘着テンション
・Sponge Thickness:2.0/Ultra Max mm
・Speed:113
・Spin:129
・Control:89
・Sponge硬度:48°
・6,900円 + 税
・73 g (シートなし、切断前) → 50 g (アルネイドインナーに貼って)

 予想どおり、シートに粘着は感じませんでした。微微々々粘着という感じでしょうか。最近のドイツ製粘着テンションのようなシートだと思います。重量は、50 gで予想よりやや重いですね。Rasanter C53 (ラザンターC53)でも感じましたが、シートは、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-S (エヴォリューションMX-S)Evolution EL-S (エヴォリューションEL-S)などに採用されているシートに似ている感じでした。やや硬めのシートですが、ボールに吸い付くような感じがあり、扱いこなせれば高い回転性能の得られるシートですね。

Rasanter C48の3つの特徴

 予想通り、粘着ラバーという感じは全くありませんでした。やはりバックハンドに持ってい来いの高い性能で、かなり気に入りましたね。ここ1年で、バックハンドに使いたいラバーの中でもランキング5本の指に入ると思います。一方で粘着ラバーとして、癖を求めるとヤヤ違う、となるかもしれません。

バックに持ってこい!Tenergy 05よりの性能でTenergy 05よりも現代的!

 全日本選手権での戸上隼輔選手の優勝もあって、改めてTenergy 05 (テナジー05)のバックでの使用は注目されていると思います。このRasanter C48 (ラザンターC48)は、Tenergy 05 (テナジー05)なみの弧線の強さと回転性能をもちつつ、シートが硬いので相手の回転の影響も受けにくくて、ミートもしやすいラバーでした。このラバーはいいですね。もちろんTenergy 05 (テナジー05)も素晴らしいラバーですが、Tenergy 05 (テナジー05)をより現代的でカウンター性能やミート性能を高めたようなラバーがRasanter C48 (ラザンターC48)だと感じました。これは中級者や一般層のバックハンド用のラバーとして良い選択肢になると思いました。具体的には次のように感じる人にササルのではないかと思います。バックハンドではミートを多用するが、Tenergy 05 (テナジー05)だとやや硬いので、スピードが出せない、かといってTenergy 05 FX (テナジー05FX)だと柔らかすぎるし、Rozena (ロゼナ)やTenergy 80 (テナジー80)、Dignics 80 (ディグニクス80)だと05なみの球持ちを感じられない、と感じている方ですね。特にRozena (ロゼナ)くらいの硬度で、もう少し05によっている、ストップやツッツキが止まったり切れて、ドライブの弧線が強くスピン性能、カウンター性能の高いラバーが欲しいという方には是非試してみてほしいラバーですね。長期使用を考えるレベルでした。バックハンド用のラバーに欲しい性能が現代卓球に適した形で備わったラバーだと思います。終始試打もかなり楽しく実施することができました。チキータやバックハンドドライブもしっかり持ち上がってしっかり沈むので良かったですね。特にチキータは球を持つのでやりやすかったです。

ツッツキ、ストップが質高い!

 最もRasanter C48 (ラザンターC48)で気に入った点は、このツッツキとストップの感覚です。めちゃめちゃ止まりました。粘着シートという感じではないですが、相手のボールに吸い付くような打球感のシートであるため、初めはネットミスが多かったです。慣れるとブチっと切れるし、めちゃめちゃ止まるストップを決めることができました。この性能は試合で勝てる非常に重要な性能だと思います。

もの凄くカウンタードライブがやりやすい!

 これもワンコースで打っていて直感しましたがめちゃめちゃやりやすかったです。ブロックはもちろん、かけ返しもやりやすかったですね。シートが硬いので球を持つという感じではなく、やや弾くような打感になりやすいですが、しっかりヘッドを返せばドライブをかけ返しで返球することができます。ボールのスピードも走るので素晴らしいですね。 

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に変な感じはなかったです。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 いいですね。めちゃめちゃ使いやすいです。ボールを掴むのと、思った通りに相手のコートに沈む感じがありました。その分、Rasanter R48 (ラザンターR48)よりもボールは走りにくいと感じるかもしれませんが、これは好みだと思います。

対下回転に対するループドライブ
 打ちやすいですね。シートがボールをしっかりつかみます。回転量もTenergy 05 (テナジー05)なみですね!素晴らしい。

対下回転に対するスピードドライブ
 ループドライブと同様に打ちやすいです。

ブロック
 やりやすかったです。良く止まります。

カウンタードライブ
 これはかなり良かったです。シートがいいですね。

ストップ
 粘着ラバーのようなやりやすさを感じました。とまりまくりです。

ツッツキ
 弾まないので、非常に切りやすかったです。レシーブはかなり良いと思います。

フォアサーブ
 しっかり切ることができて良かったです。好感触でした!

バックハンド系

軽打
 違和感ありませんでした。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールの弧線が強くやりやすかったです。またバックハンドでも十分にくい込ませやすくて、スピードも出しやすくて良かったです。

対下回転に対するループドライブ
 これもやりやすかったです。しっかりボールをかみますね。 

対下回転に対するスピードドライブ
 回転性能が高いので、回転で安定感を持たせるようなスピードドライブがやりやすかったです。インパクトで安定させる感じではないと思いました。

ブロック 
 やりやすかったです。

カウンタードライブ
 シートのおかげで良かったです。

ストップ
 初め、ネットミスが多かったですがビタ止め可能で良かったです!

ツッツキ
 切れます。武器になります。

チキータ
 やりやすかったです。スピードも出しやすいですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Rasanter R53 > Rasanter C48 ≧ Tenergy 05

スピード
 Rasanter R48 ≧ Rasanter C48 ≧ Dignics 09C

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