レビュー Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)

説明

 2022年XIOM (エクシオン)さんの話題の新作、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)をレビューします。このラバーは、2022年の話題の1枚になりました。火付け役はYou tuber のごぶりんずさんでしょうか。Dignics 09C (ディグニクス09C)からこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)へ変更して結果を出ているとなると、注目が集まることは納得ですね。その他では、元卓球王国のゆうさんが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)の試打動画で、絶賛していたことも大きいように思います。そんな話題のJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)を試打してみました。

 まず、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズについての説明になります。

2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
 相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
 H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
 V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
 X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
 Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様

 C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー

 メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズのようですね。また卓球王国のゆうさんの情報では、人気の低価格テンションラバーシリーズ、Vega series (ヴェガシリーズ)と、上級者用をコンセプトとしているOmega series (オメガシリーズ)をつなぐシリーズとして発売されたのが、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズだということです。katsuo000は現在、とんがったラバーのOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っていますので、それなりに気になるシリーズになりますね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較できるようなレビューがしたいと思います。

 続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)

中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
 ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。

Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)

ミート力とスピン力の双方をMAX強化
 ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。

Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)

超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
 ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

世界代表クラスラバーの一般普及モデル
 世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)はJ&Hシリーズの中で粘着ラバーの位置付けになりますね。やや価格が安くなって、扱いやすく、手に取りやすくなったラバーがJ&H H52.5といえそうです。続いて硬度チャックです。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Omega VII Tour5235.129.949.248.25.21.0

 Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は想像以上に軽いラバーでした。一方で、触った感触はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似た粘着感とラバーの質感でした。表からわかるようにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は55 gを超える超重量級ラバーですので、使いやすくなったOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)が、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)と考えることもできそうです。またshore aのシート側とスポンジ側の差が、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも大きいので、より扱いやすいラバーになっていると予想できると思います。粘着ラバーはこの差が大きいラバーが多いのですが、Dignics 09C (ディグニクス09C)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)など差が小さいラバーも増えてきた印象です。ドイツテイスト感が増したラバーほど、この差が小さくなり、扱いが難しくなる傾向があるように思います。

J&H H52.5の貼りと重量

 Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)に貼りました。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
・Sponge Thickness:2.1/MAX mm
・Speed:13.5
・Spin:15.5
・Sponge硬度:52.5°
・6,500円 + 税
・70 g (カット前) → 49 g (Virtuoso ACに貼って)

 硬いラバーなんですが、XIOMのラバーにしてはかなり軽いと感じました。個体差によって軽いものをだったかもしれませんが、この重量なら扱いやすいラインに入ってくると思います!

Jekyll &Hyde H52.5の3つの特徴

スピード性能が抜群に高い粘着テンション系ラバー
オメガVIIチャイナ影よりもスピードが抜群に出る!

 このラバー、初めはかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似たラバーと思いましたが、フォアクロスのドライブ連打のときのスピード性能が抜群に高く、まるで、Dignics 64 (ディグニクス64)やBryce Highspeed (ブライスハイスピード)系の驚くようなスピード性能を体感しました。これは目が覚める速さですね!打球感はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似てるんですが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも格段にスピードが速いと感じました。というか、弧線が弱い分直線的に飛ぶイメージがこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)だと思います。粘着テンションラバーといいながら、ここまでスピード性能の高いラバーは面白く特徴になると思いました。またスピード性能の高いスピン系テンションラバーは直線的な弾道であるために、やや下回転打ちは難しかったり、打点を落とせない感じがあります。ですがJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は粘着ラバーらしさもあるので、下回転打ちもやりやすくて、多少打点を落としても弧線で入れやすいと感じました。現代プラボールや抗菌ボールにあうようなラバーだと思います。

ストップは抜群にとまる!

 1つ目で高いスピード性能について触れました。そうなると気になるのが、台上になりますね。実際、スピード性能に特徴のあるラバーは台上が止まりにくいということはよくあります。ですが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は台上、ピタどまりでした!初めて使ってみて一発ピタリと止められたのはかなりいい感触でした。これだけストップが止めやすいのは、まさに粘着ラバーと呼んでいいラバー性能だと思います!

回転をかけたい時にはしっかりかかる!

 スピードも出るのに、台上が止まり、回転がかけたい時にはかかる。まさに矛盾をあわせもったようなラバーといえるのが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)というラバーでした。回転量は確かにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が高いと感じましたが、スピード性能が高い分、想像以上の回転量に相手は困惑するような感じでした。ラリーにおいて、打点を落としてしまった時にループドライブのように回転量の多いドライブを打つことがあると思いますが、このラバーも粘着ラバーのように、ラリーのつなぎのドライブで相手のブロックをオーバーミスさせられるくらい、回転差をつけられるラバーでした。こういった使い方ができるラバーは非常に好みですね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 思い切りくい込ませるとボールがかなり走って驚きました。めちゃめちゃ速いです。でも思い切り回転をかけると、回転もかかるんですね。この感じはかなり好みでした。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも弧線は低いと感じました。弾みますが弧線はイメージに近くて打ちやすかったです。ただOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が回転量はやはり上ですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 これは早くていいですね!走ってます!ただ、ボールはやや軽いかもしれません。ただ、地方大会レベルならこの速さでノータッチ量産だと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ
 グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 切れますが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が切れますね。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying > Jekyll &Hyde H52.5 ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > Jekyll & Hyde H52.5 > Omega VII China Ying

https://amzn.to/3hz5inU

だいぶご無沙汰してしまいました

約20日ぶりの記事

 レビューを書いていなくて申し訳ありませんでした。色々と日々、記事を書いてきましたが、やはり読んでいただける記事は当たり前ではありますがレビュー記事ですよね。Tリーグの記事も書いてみましたが、やはり付け焼刃の記事はよろしくないと思いなおし、やめさせていただきました。一方でやはりレビュー記事は、注目度の高いラバーになればなるほど、のびることも再認識できました。レビュー記事の更新頻度は週一を可能な限り維持しておりましたが、やはり質の低下も生じていたので、月2回をベースにレビューを発信できたらと考えております。また記事の更新も基本は週一にしたいと思ってます。小生が書く記事を読んでいただける人、またTwitterなどで直接メールをくれる方もいらっしゃり、このブログ自体は本当に大切な無形財産だなーなんて思っております。2023年に向けて、本記事の今後の予定を発表する記事とさせてください。

今後のブログの予定

・katsuo000ブログはやっぱりレビューを中心に!

・レビュー記事のリライト (場合によっては更新したことを発信する記事も書く予定)

・レビューは月2回をメドに発信 (記事更新は週1回をメド)

以上よろしくお願いします。

直近レビューしたいラバー

 こんなにたくさんあります。今後もせっせとレビュー記事を書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

2022/11/22~25 Feeder Dusseldorf III

WTTフィーダー デュッセルドルフ (ドイツ)

 男子はドイツの有名選手が多数出場ですね。レベルの高い大会になりそうです。一方女子は、今年大注目の長﨑選手と張本美和選手の出場のようですね!頑張って!

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/9111
WTT: https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2658

日本の出場選手

男子

 ・神 巧也選手(ファースト) WR160
  ブレード: Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)
  フォア: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)
  バック: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)

 ・濵田 一輝選手(早稲田大学) WR383
  ブレード: Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・吉山 和希選手(愛工大名電付属中学) WR454
  ブレード: Harimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80)

女子

 ・長﨑 美柚選手(木下グループ)  WR42
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・張本 美和選手(木下アカデミー)  WR47
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

結果

優勝
・Dimitrij Ovtcharov選手 (ドイツ)  WR9
  ブレード:Ovtcharov Inner Force ALC (オフチャロフインナーフォースALC)
  フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

優勝
・Xiaona Shan選手 (ドイツ)  WR20

レビュー Q Quality (キュークオリティー)

説明

 mizuno (ミズノ)さんの2022年の新製品、Q Quality (キュークオリティー、キューキュー)をレビューします。ミズノさんはやはり大手で判断やアクションが速く、トップ選手も使用するフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)や回転系の表ラバーとして、これまたトップ選手も使用するBooster SA (ブースターSA)が廃盤となるようです。ブースターSAに関しては、継承されるラバーとしてBooster JP (ブースターJP)が発売になるみたいなので良いですが、Q5についてはどうなるのか情報は出てきていないですね。特にQ5については、使用している選手が多いと思いますし、何よりフラグシップラバーですので、後継ラバーが確実に出ると予想していますが、その間が出来てしまうのかどうかが気になるところですね。

 本ページでレビューするQ Quality (キュークオリティー)は非常に人気で、欠品も相次ぐ非常に売れているラバーになります。火付け役はおそらく、元卓球王国の編集者で卓球用具については非常に詳しいゆうさんが、You tube上で絶賛したためではないかと想像します。ゆうさん曰く、Q Quality (キュークオリティー)は、まさにTenergy 05 (テナジー05)やDignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感で、ちょうどTenergy 05 (テナジー05)とDignics 05 (ディグニクス05)の間のようなラバーと表現したことと、他のQシリーズよりも中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーになります。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。正直公表されている情報は下の図のみになりますね。

 QQは、なんとフラグシップラバーQ5よりも高いスピン性能を持つラバーのようですね。これはシートの材質の変更によるものではないかと予想します。というのも、QQは今までのQシリーズのラバーよりも耐久性を抜群に高くしたラバーという売り込みで、発売されました。実際触ってみてもシートの変化を感じます。言葉にすると、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-P (エボリューションMX-P)のシートが今までのQシリーズ、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のシートがQQのシート、というようにQQのシートは非常にピンと張りがあってツヤヤかで、強い感じがしました。

 続いて硬度計になります。中級者志向のラバーということで、Q5と比較すると軽くて柔らかいラバーに仕上がっていました。バタフライさんと比較しても、重量はディグニクス05と同程度で硬さはテナジー05よりも柔らかい結果となりました。

Weightshore ashore ashore cshore c
gsheetspongesheetsponge
Dignics 09C5033.431.850.849.1
Dignics 054834.331.350.048.2
Tenergy 054732.226.844.643.3
Q Quality4830.127.840.339.5
Q55131.831.145.844.3

 硬度を比較すると、やや威力不足が心配になるラバーだと思いますが、その分扱いやすさをもったラバーがQQとなりそうですね。テナジーよりも回転がかかるのか否か、ここがポイントになりそうです。

QQの貼りと重量

 インナーラケットの970XX-KLCに貼りました。

Q Quality (キュークオリティー)
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Sponge硬度:46°
・5,300円 + 税
・67 g(切断前) → 48 g(970XX-KLCに貼って)

 過去のQシリーズにたがわず、あいかわらずの反り返りの凄さでした。一方で今までのQシリーズ特有の臭さはなくなっており、非常に好印象でしたね。今後発売の新しいQラバーはニオイが抑えられたラバーになっていそうですね。今回主にバックで使用したレビューになります。

Q Qualityの3つの特徴

テナジーのようなくい込みの良さ!

 このラバーは抜群の扱いやすさでした。シートに張りを感じますので、スポンジが柔らかいということでしょう。今までのQシリーズと比較するとやはり硬度が柔らかいので、中間硬度のラバーに近い立ち位置のラバーになります。比較するのであれば、テナジーシリーズよりもテナジーFXシリーズやRozena (ロゼナ)の方が妥当とも感じました。他メーカーであればRasanter R48 (ラザンターR48)Rasanter R45 (ラザンターR45)Evolution EL-S (エボリューションEL-S)などになると思います。R45よりは硬く、R48と同じくらいの立ち位置と表現できると思います。R48はやや、倒れやすい粒形状でドライブ回転でボールを沈ませにくいラバーですが、QQは回転でボールを沈めやすい日本人好みのラバーになっていると思いました。

扱いやすいラバーの中で十分な回転量と球持ち

 特に気に入った点としては、球持ちの良さですね。ドイツ製ラバーやディグニクスシリーズのラバーがどうしても性能が高い分、やや球持ちを感じにくいラバーになりつつある中で、高性能かつ球持ちを強く感じられるラバーというのは刺さる人には刺さるラバーだと思います。球を持つことで、どんな技術も自信をもってスイングできると思います。

コスパ最高のテナジー

 この性能で市場価格4,000円台はかなりコスパの良いラバーだと思います。ラザンターシリーズでも4,000円台ですが、4,000円台後半でしょう。ラバーの高騰が進む中、このレベルのラバーを4,000円台前半で発売してくるあたり、ミズノさんのマーケティングレベルの高さを感じますね。これは売れるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 ディグニクスらしさはあまり感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 安定感抜群でした。ただ威力は他のトップラバーと比べるとやや落ちると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 安定感と球持ちを感じるドライブができました。

対下回転に対するスピードドライブ
 少しくい込みがいいので、しっかり身体で振った方が入ると思います。弾みもあるラバーなので、慣れればミート気味でも入ると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 2022年発売の他のスピン系テンションラバーと比較するとくい込みがいい分、少し回転の影響を受けやすいラバーと感じました。

カウンタードライブ
 ブロックと同じく、相手の回転の影響を受けやすかったです。

ストップ
 ゆうさんもおっしゃっていましたが、やはりややボールが浮きやすいですね。これは重要なポイントだと思います。

ツッツキ
 ストップ同様にツッツキは浮きますね。この特徴は、残念ながらマイナスですね。

チキータ
 やりやすいですね!素晴らしかったです!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Q quality ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > Q Quality ≧ Tenergy 05

2022/11/17~19 第33回 アジアカップ2022

第33回 アジアカップ (タイ)

 もう始まっていて本日最終日。日本勢はまだ残ってますね!難敵ぞろいなのに、素晴らしい日本代表選手です!

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/8581
ITTF: https://www.ittf.com/tournament/5448/2022/ittf_attu_asian_Cup/

日本の出場選手

男子

 ・張本 智和選手(IMG)   WR5
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・宇田 幸矢選手(明治大学)  WR23
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

女子

・伊藤 美誠 選手(スターツ)  WR5
  ブレード:Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)
  フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)
  バック:Moristo SP(モリストSP)

 ・早田 ひな選手(日本生命)  WR6
  ブレード: Hina Hina H2
  フォア: キョウヒョウ(特注)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

結果

男子

優勝

 ・張本 智和選手(IMG)   WR5
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

女子

優勝 

2022/10/31~11/6 Contender Nova Gorica

WTTコンテンダー ノヴァ ゴリツァ (スロベニア)

 もう終わってしまいました汗。篠塚選手、2冠おめでとうございます!バックを09Cにかえたことが結果につながったのでしょうか。バックに09Cは今後流行るかもしれませんね!

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/8599
WTT: https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2589

日本の出場選手

男子

 ・篠塚 大登選手(愛知工業大学)  WR44
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

 ・戸上 隼輔選手(明治大学)  WR46
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・及川 瑞基選手(木下マイスター東京)  WR118
  ブレード: Viscaria Super ALC(ビスカリア スーパーALC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・田中 佑汰選手(愛知工業大)  W119
  ブレード: Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)?
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・神 巧也選手(ファースト) WR159
  ブレード: Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)
  フォア: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)
  バック: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)

 ・濵田 一輝選手(早稲田大学)
  ブレード: Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

女子

 ・小塩 遥菜選手 (JOCエリートアカデミー / 星槎)

 ・長﨑 美柚選手(木下グループ)  
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

結果

男子

優勝 篠塚 大登選手(愛知工業大学)  WR44
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

女子

優勝 Shin Yubin選手(韓国) 

2022/11/12~13 2022全農CUP TOP32船橋大会

全農CUP TOP32船橋大会

 またまたまた「2024パリオリンピックシングルス選考ポイント」の対象大会です!今年2回目の全農カップになります。一卓人として、どの選手も悔いのないように頑張ってほしいです!今回なんと、日本代表として第一線で活躍してきた丹羽孝希選手が出場辞退となりました。丹羽選手は、国際大会からの引退を発表されました。坂本コーチと頑張っていて、もう一度オリンピックと、期待していましたが、なかなか結果が出なかったことが大きかったみたいです。それでも輝かしい実績と国内大会には是非是非参加して元気な姿を見せてほしいですね!

 台風の目になりそうなのが、海外で結果を出してきている篠塚選手ですね。実際第1回パリオリンピック選考大会では、第一シードの戸上選手に勝利しています。トーナメントなので、負けたら終わりということで、運も確実にあるでしょうね。

JTTAからの情報: https://jtta.or.jp/tour/9128

2024パリオリンピックシングルス選考ポイント: https://jtta.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2021/09/13184032/20210911-selection-Criteria-point-single.pdf

参加者の選出方法

 ちなみに既に「第3回パリオリンピック選考会 (Road to Paris) 」の日程なども↓のように決まってきているみたいです。

概要

・開催日:2022年11月12日(土)、13日(日)
・会場:千葉県 船橋アリーナ
・競技種目:男女シングルス(男子32名・女子32名、トーナメント方式 全試合7ゲームマッチ)
・試合スケジュール(予定): 11月12日(土)11月13日(日)

出場選手

男子

 ・戸上 隼輔選手(明治大学)  
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・渡部 民人選手(星槎中学校)
  ブレード: Harimoto Tomokazu Inner Force Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80)

 ・中村 煌和選手 (愛工大名電高校)
  ブレード: Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)
  フォア: Dignics 80 (ディグニクス80)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80) 

 ・松下 大星選手(クローバー歯科カズピッズ)
  ブレード:特注アリレートカーボン日ペン/反転式 (張継科ALCブレード)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・吉山 僚一選手(愛工大名電高校) 
  ブレード: Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)
  フォア: Rakza X (ラクザX)
  バック: Rakza 7 (ラクザ7)

 ・前出 陸杜選手(高田高校) 
  ブレード: Altius Outer (アルティウスアウター) (中国式)
  フォア: Q5 (キューファイブ)
  バック: Q Quarity (キュークオリティー)

 ・谷本 拓海選手(神戸市立兵庫中学校)  

 ・曽根 翔選手(T.T彩たま)  
  ブレード:ZX-GEAR OUT (ゼクスギアアウト)
  フォア:V>15 Extra (V>15エキストラ)
  バック:V>15 Extra (V>15エキストラ)

 ・松島 輝空選手(木下アカデミー)  
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・持田 陽向選手(愛工大名電中学校)  

 ・吉村 和弘選手(個人) 
  ブレード: ZX-GEAR OUT (ゼクスギアアウト)
  フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)?
  バック: V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

 ・有延 大夢選手(琉球アスティーダ)  
  ブレード:特注 (アリレートカーボンシェーク)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・田中 佑汰選手(愛知工業大) 
  ブレード: Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)?
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・濵田 一輝選手(早稲田大学)
  ブレード: Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・平塚 健友選手(フェニックス卓球クラブ)  

 ・木造 勇人選手(個人)
  ブレード: Viscaria (ビスカリア)
  フォア: キョウヒョウIIIブルースポンジ
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・篠塚 大登選手(愛知工業大学)  
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・高橋 航太朗選手(実践学園高校)
  ブレード: Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)
  フォア: Q5 (キューファイブ)
  バック: Q Quarity (キュークオリティー)

 ・坂井 雄飛選手 (愛工大名電高校)
  ブレード: Viscaria (ビスカリア)
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Tenergy 05 (テナジー05)

 ・鈴木 颯選手(愛工大名電高校) 
  ブレード: Original True Carbon(オリジナルトゥルーカーボン)
  フォア: Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)
  バック: Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)

 ・横谷 晟選手(愛知工業大学)  
  ブレード:Viscaria (ビスカリア)?
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)?
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・龍崎 東寅選手(三井住友海上火災保険株式会社) 
  ブレード: Inner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・月原 弘暉選手(愛工大名電中学校)

 ・吉村 真晴選手(個人) 
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

 ・及川 瑞基選手(木下グループ)  
  ブレード: 特注Super ALC
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・岡本 翼選手(木下アカデミー)

 ・薜 大斗選手(遊学館高校)

 ・谷垣 佑真選手(愛知工業大) 
  ブレード: Viscaria (ビスカリア)?
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80)?

 ・宇田 幸矢選手(明治大学)  
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

 ・英田 理志選手(愛媛県競技力向上対策本部)  
  ブレード: 正宗 (Masamune)
  フォア: Rakza 7 (ラクザ7)
  バック: Rising Dragon (翔龍)

 ・大野 颯真選手(木下グループ)

 ・張本 智和選手(IMG)  
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

女子

・伊藤 美誠 選手(スターツ) 
  ブレード:Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)
  フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)
  バック:Moristo SP(モリストSP)

 ・由本 楓羽選手 (香ヶ丘リベルテ)
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Tenergy 05 (テナジー05)

 ・白山 亜美選手(明徳義塾高校)

 ・竹谷 美涼選手 (貝塚第二中学校)

 ・横井 咲桜選手 (四天王寺高校)
  ブレード: Timo Boll ALC (ティモボルALC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・安藤 みなみ選手(トップおとめピンポンズ名古屋) 
  ブレード: ZX-GEAR IN (ゼクスギアイン)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: アタック8L粒

 ・面手 凛選手(山陽学園中学校)

 ・平野 美宇選手(木下グループ)  
  ブレード: Viscaria (ビスカリア)
  フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・芝田 沙季選手(ミキハウス) 
  ブレード: Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5)
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: キョウヒョウ特注(紅双喜、特注)

 ・佐藤 希未選手(貝塚第二中学校)

 ・赤江 夏星選手 (香ヶ丘リベルテ)
  ブレード: Harimoto Tomokazu Inner Force ZLC (張本智和インナーフォースZLC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)

 ・大藤 沙月選手(四天王寺高校) 
  ブレード: Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・佐藤 瞳選手(ミキハウス)  
  ブレード: 剛力男子
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: 粒高(薄)

 ・黒野 葵衣選手(早稲田大学)

 ・牧野 里菜選手(遊学館高校)

 ・長﨑 美柚選手(木下グループ)  
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・早田 ひな選手(日本生命) 
  ブレード: Hina Hina H2
  フォア: キョウヒョウ(特注)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・高橋 青葉選手 (TIT)

 ・井 絢乃選手(中国電力)

 ・野村 萌選手(デンソー)

 ・張本 美和選手(木下アカデミー)  
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・枝廣 愛選手(中央大学)

 ・松島 美空選手(京都カグヤライズ)  
  ブレード: 合板シェーク
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Tenergy 80 (テナジー80)

 ・加藤 美優選手(吉祥寺卓球俱楽部) 
  ブレード: Inner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)
  フォア: Tenergy 80 (テナジー80)
  バック: Tenergy 80 (テナジー80)

 ・橋本 帆乃香選手(ミキハウス)  
  ブレード: 剛力男子
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: 粒高(薄)(ドナックル?)

 ・吉本 はな選手 (貝塚第二中学校)

 ・南波 侑里香選手(トップおとめピンポンス名古屋)
  ブレード: Fortius FT (フォルティウスFT)
  フォア: Q5 (キューファイブ)
  バック: ブースターSA(厚)

 ・木原 美悠選手(JOCエリートアカデミー/星槎) 
  ブレード: Fire Fall VC (ファイヤーフォールVC)
  フォア: V>15 Extra (V>15エキストラ)
  バック: VO>102(2.0 mm)

 ・森 さくら選手(日本生命
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

 ・小塩 遥菜選手 (JOCエリートアカデミー / 星槎)

 ・篠原 夢空選手(香ヶ丘リベルテ高校)

 ・石川 佳純選手(全農)  
  ブレード: 特殊素材シェーク(ビスカリア?)
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: 裏ソフト(Tenergy 05(テナジー05)?)

結果

男子1回戦

男子2回戦

男子準々決勝

男子5-8位決定戦

男子準決勝

男子3-4位決定戦

男子決勝

女子1回戦

女子2回戦

女子準々決勝

女子5-8位決定戦

女子準決勝

女子3-4位決定戦

女子決勝

レビュー Hammond Z2 (ハモンドZ2)

説明

 Nittaku (ニッタク)さんの2022年の新商品、Hammond Z2 (ハモンドZ2)をレビューします!あの日本一売れているラバー、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を、公表性能値で超えるラバー、Hammond Z2 (ハモンドZ2)ですね!Nittaku (ニッタク)さんの2022年春のパンフレット、卓球王国やYou tubeなどでの宣伝広報を見て、Hammond Z2 (ハモンドZ2)への本気度が伝わってきました。「落としてたまるか! I’ll Never Drop it Down!」の広告をたくさん見たのではないでしょうか。Nittaku (ニッタク)さんの2022年パンフレットからの説明文になります!

”落ちない”から打ち負けない

 ”赤”をまとった「バルクヘッドスポンジ」は、隔壁が強く、エネルギーロスを軽減、反発力を強化。天然ゴム比率が高い「ナチュラルリッチシート」は、薄くとらえても”落ちない”のが魅力。相手の回転を利用したカウンター、台から離れても相手のコートに深く突き刺さるドライブを武器に打ち合いを制す!

 ニッタクを象徴する”赤”の「バルクヘッドスポンジ」。ゴムシート密度が大きい「ナチュラルリッチシート」

Nittaku 2022年春パンフレットより

 、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)も、グリップ力が強くて多くのトップ選手が使うラバーですが、ドイツ製ラバーのためか、シートが厚くて硬い分、チップしやすいというイメージがある人もいるかもしれません。スポンジ厚さMaxが発売されて、チップはしにくくなりましたが、落とすというのはいいイメージはありません。そのイメージを払拭するような宣伝広告になりますね。評判も悪くないようで、非常に期待の試打になりました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedSponge硬度Price
Hammond Z2
ハモンドZ2
13.0016.0040.06,800 + tax
Fastarc G-1
ファスタークG-1
12.5015.0037.56,300 + tax
Fastarc P-1
ファスタークP-1
12.2515.5037.56,300 + tax
Sieger PK50
ズィーガーPK50
12.7514.7540.05,000 + tax
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウ国狂ブルー
15.0014.7542.515,000 + tax
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロ3ターボブルー
15.0014.7550.06,300 + tax
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロ3ターボオレンジ
15.0014.7545.06,000 + tax

 あのFastarc G-1 (ファスタークG-1)よりもスピンもスピードも高い性能を持つのがHammond Z2 (ハモンドZ2)になっていますね。キョウヒョウ系のラバーと比べると少し回転性能に劣りますが、キョウヒョウは粘着ラバーです。ハモンドZ2の前にはSieger PK50 (ズィーガーPK50)も発売されましたが、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を超えるラバーではありませんでした。今回、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を超えることを明示して発売されたハモンドZ2は、期待を持ってしまいますね。ただし、ラバーの値段も500円高くなっています。このあたり、どのように評価されるか、市場の動向も楽しみですね。続いて、硬度計で計った硬さを比較してみましょう。

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Hammond Z24932.230.643.242.21.61.0
Fastarc G-1 Max4928.926.442.339.82.52.6

 Hammonde Z2 (ハモンドZ2)は、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)と同じ重さで、硬さだけが硬くなったラバーということで、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)ユーザーが非常に移行しやすいラバーといえそうな値となりました。このあたりは、意識していそうですね。一方でFastarc G-1 (ファスタークG-1)を使用するトップ選手があまり移行していないようで、このあたりは影響しそうな気がしています。Fastarc G-1 (ファスタークG-1)ユーザーで有名な選手は、女子トップ選手の伊藤美誠選手や男子では森園政崇選手が有名ですが、こういったトップ選手がFastarc G-1 (ファスタークG-1)からハモンドZ2へ移行しないのは、なぜか。トップ選手の感覚はわかりませんので、想像の域を出ることはないですが、やはりFastarc G-1 (ファスタークG-1)には他のラバーにはない味があるのかもしれませんね。

Hammond Z2の貼りと重量

 今回Hammond Z2 (ハモンドZ2)は、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼りました。

Hammond Z2 (ハモンドZ2)
 ZCセットチャージ
・Sponge Thickness:中/厚/特厚/MAX mm
・Speed:16.00
・Spin:13.00
・Sponge硬度:40.0°
・6,800円 + 税
・69 g(切断前) → 49 g (Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼って)

 貼りあがり重量は49 gと一般的な重さでした。あけるとシートに強いテンションがかかっていて、反りあがっていました。今回主にバックで使用しています。

Hammond Z2の3つの特徴

日本製だけどドイツ製ラバーのようにカウンターがやりやすい!

 2021年の終わりから2022年にかけて、ドイツ製ラバーが非常に日本製ラバー (要はTenergy 05 (テナジー05))に非常に近づきました。その中で、Nittaku (ニッタク)さんの新製品として発売されたHammond Z2 (ハモンドZ2)は、日本製ラバーなのにいい意味でドイツ製ラバーらしさ、相手のドライブに負けない攻撃的なラバーでした。テンションも強いので、強く弾む感じもあり、攻撃的なラバーだと感じました。タイミング的にも、Tenergy 05 (テナジー05)よりもDignics 05 (ディグニクス05)を意識しているような使い心地でした。要はDignics 05 (ディグニクス05)に似た強い弾みと回転性能のあるラバーだということです。Fastarc G-1 (ファスタークG-1)はいいラバーですが、ハモンドZ2の方が弾みも強く、ドライブが突き刺さると同時に、カウンターも打ちやすく、攻撃的で非常に好みだと感じました。

イカついパワフルなドライブ!

 インパクトの強い「落としてたまるか!」のフレーズから、シートの強いスピンテンション系のラバーをイメージする人が多いと思うのですが、思ったよりドライブがパワフルでイカついと感じました。バックハンドで使用しましたが、重く感じた分、非常に攻撃的で相手のドライブにも負けにくく、悪い点がみつからなかったです。少しシートの粒がわかるくらいテンションがかかっている分、ちょっとツッツキが飛び出るイメージがありましたが、ここは慣れで対応可能だと思います。チキータやバックハンドドライブも非常に安定感があってネットミスよりもオーバーミスが多かったと感じたところからも「落としてたまるか!」を体現しているラバーだと感じました。弧線の強さはDignics 05 (ディグニクス05)の方が強いのですが、ラバーがDignics 05 (ディグニクス05)ほど硬くはないので、しっかりボールをグリップできてチキータやバックハンドドライブが非常にやりやすく感じました。ただ、ボールを持っている感が少し弱いので、このあたりは得手不得手が出そうなイメージですね。こういった特徴もDignics 05 (ディグニクス05)らしさを感じました。

いい意味でDiginics (ディグニクス)の廉価版!

 値段も考慮すると、Dignics (ディグニクス)の廉価版という表現をしても良いのではないかと思いました。どこまで意識しているかわかりませんが、スポンジの色、シートの粒形状など、Dignics 05 (ディグニクス05)に似ていると感じました。今後ハモンドZシリーズのようなラバーが登場するかもしれませんが、ディグニクスの中でもDignics 05 (ディグニクス05)Dignics 80 (ディグニクス80)に近いラバーという認識で良いと思います。ディグニクスシリーズの性能を高く評価するのであれば、このラバーを高く評価するのではないかと思います。まだ、バタフライさんからディグニクスシリーズの廉価版が発売されていない今、かなり良い選択肢ではないかと思いますね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。ただ抗菌ボールで打ったためか、少し威力がないようにも思いました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 全然違和感なく使えました。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べるとやはりスピード性能が高く、回転性能は劣る、という感じでした。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 思ったより打ちにくかったです。ディグニクスっぽさがあるという表現が正しいと思います。慣れるとディグニクスよりも弧線は弱いので、扱いやすいと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 これはよかったです。相手のボールに負けないんですよね。この感じのラバーは好みです。

カウンタードライブ
 やりやすかったです。

ストップ

ツッツキ
 少し飛び出すと感じました。

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 やや重たいと感じつつも、ボールが早くて良かったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールがイカつくてかなり驚きました。これはありですね。もし欠点を挙げるならFastarc G-1 (ファスタークG-1)の方が、ボールが荒れやすく、Hammond Z2 (ハモンドZ2)の方がボールが揃いやすいかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 ループドライブも打ちやすかったです。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べると少し回転量が弱い気もしましたが、抗菌ボールの影響が出ているかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 非常にやりやすかったです。回転に負けない硬さを感じました。

カウンタードライブ
 やりやすいと感じました。シートが強いからかなと感じます。

ストップ

ツッツキ
 少し弾みが強いと感じやすかったです。テンションの強いラバーだからだと思います。

チキータ
 ネットミスがほとんどなかったです。良くボールを持ち上げてくれて使いやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Hammond Z2 ≧ Fastarc G-1

スピード
 Dignics 05 > Hammond Z2 > Fastarc G-1

https://amzn.to/3gJR8Q3

2022/10/27~10/30 Cup Finals Xinxiang

WTTカップ ファイナルズ (中国)

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/9310
WTT: https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Player%20List&eventId=2627

日本の出場選手

男子

 ・張本 智和選手(木下グループ)  WR4
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

女子

 ・伊藤 美誠 選手(スターツ)  WR5
  ブレード:Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)
  フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)
  バック:Moristo SP(モリストSP)

 ・石川 佳純選手(全農)   WR8
  ブレード: 特殊素材シェーク(ビスカリア?)
  フォア: キョウヒョウIII国狂ブルー
  バック: 裏ソフト(Tenergy 05(テナジー05)?)

 ・木原 美悠選手(木下アビエル神奈川) WR14
  ブレード: Fire Fall VC (ファイヤーフォールVC)
  フォア: V>15 Extra (V>15エキストラ)
  バック: VO>102(2.0 mm)

結果

 張本選手がまた結果を出してくれました!

男子準優勝

 ・張本 智和選手(早稲田大学 / 琉球アスティーダ)  WR4
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

レビュー V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

説明

 既にV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)が発売され、巷でレビューがあふれています。そんな中、katsuo000は2022年4月の新商品、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)についてレビューさせていただきます!

 V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)は2022年1月の全日本選手権から、VICTASさんの広報が始まっていたようです。その時から、V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)も同じように広報していたようですね。その後、卓球王国などで情報が解禁されました。2022年春のカタログでは、バタフライとの契約終了と同時に電撃契約した、日本の至宝、岸川聖也選手の選んだラバーとしてV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)が見開きで紹介されています。↓

岸川聖也が考え、試打して、選び抜いたラバー。
キーワードは「許容」「遊び」

 昨年VICTASとのアドバイザリースタッフの契約を結んだ岸川聖也が着手したのは新ラバーのプロデュースだった。岸川の用具へのこだわりは有名だった。ボールを打った時のタッチを嗅ぎ分ける男だ。そんな岸川が最初の試打会で気づいたことがあった。
 「卓球は自分から打ちにいくときの回転力、スピードだけが重要ではない、半分は相手から打たれるラリーになり、それをどうしのぎ、どうカウンターで狙うのか。」
 岸川がラバーに求めている要素は、バック対バックなど前陣でのスピン対スピン、チキータに対しての両ハンド攻撃、前中陣でのカウンタードライブ、中後陣でのドライブ対ドライブである。
 「ラバーの反応が良すぎる、言い換えれば敏感なために選手はそこにストレスを感じることもあります。トップ選手が使うラバーというのは相手から強い回転ボールを打たれた時にはインパクトの瞬間に『許容』してほしい。言い方を換えればインパクトの『遊び』です。この『許容』『遊び』というのは機械測定ではわからないかもしれないけど、トップ選手はわかります」

 一時期、「ノンスリップラバー」という言葉が流行した。相手のドライブに対して、その回転力に負けてスリップ (滑る)するのではなく、相手の回転に負けないグリップ力を持つラバーが「ノンスリップラバー」。
 しかし、岸川は、トップ選手の多くはノンスリップラバーでは回転に過敏に反応するためにストレスになる、ストレスなくプレーするためには瞬間的な『許容』と『遊び』が必要だと言う。
 そこで新しいラバーに求めたものはストレスなく打てるラバーだった。サンプルが届き、試打した岸川。そして数多いサンプルの中から選んだのが[V>20]だ。
 スポンジ硬度は52.5度で、[V>22]の50度よりも硬めだが、打ってみると[V>20]の打球感のほうが柔らかく感じる。それはトップシートのゴム質、粒形状の違いによるものだ。

 「ラバーの反応が良すぎると打球した時に台(相手コート)に収まらない。これが大事な試合の競り合いになった時にはとても怖いことです。相手の強いドライブ、ループドライブ、チキータという回転の強いボールが来た時にストレスなくプレーしたい。
 この[V>20]は自分から打ちにいく時にはかなり威力のあるボールが打てるのはもちろんだが、カウンターの時に相手の台にボールが収まる。余分な力を入れずに振り切った時にしっかり台に収まる。もっと簡単に言えば、気を使わずに振り切れる。間違いなく今までのラバーとは違う。つまり大事な試合の最終ゲームのジュースで振り切ることができる、信頼できるラバーです」(岸川)。

2022年3月発売
VICTASから新感覚ラバーが登場、威力だけでなく台に収まるラバー
 キーワードはインパクトの瞬間の『許容』『遊び』。スポンジ硬度は52.5度だが、硬さは感じない。むしろその威力が心地よく、その打球感に誰もが驚く。打った時のボールは威力十分、あらゆる攻撃で相手コートに収まる安心感。「競り合いで信頼できるラバー」が生まれた。

VICTAS 2022年春カタログより。

 長いですね。それだけ、VICTASさんの本気度が伝わってくる、そんな風に感じて良いのではないかと思います。続いて、月刊 卓球王国 別冊 卓球グッズ2022で、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)の試打ページから情報を抜粋させていただきました。

 岸川がラバーに求めた性能は、「ストレスなくカウンタードライブが打てる点。相手の強い回転のボールを打ち返した時に勝手に相手コートに収まる感覚。ゲームの終盤や競り合いの場面で信頼できるラバーでなければ、僕は使うことはできない。」というものだった。一切の妥協を許さず、自身を持って世に出せるラバーの開発を目指した。
 そうして誕生したのが、3月末に発売された『V>20ダブルエキストラ』(以下『V>20』)だ。岸川はその性能をこう語る。「従来のドイツ製ラバーを試打した時に感じたことは、自分から回転をかける時はしっかりかかるけれど、相手の強い回転のドライブをカウンターする時に過敏に反応しすぎるため、オーバーミスしてしまう。『V>20』はその部分の改良を重点的に行い、打球時の許容範囲の広さを実現された。間違いなく、今までのラバーとは違う性能がある」。

2度の試打会でも高評価「許容と威力」という高次源のバランス性能
 VICTASでは2015年に発売した『V>15 エキストラ』(以下『V>15』)がフラグシップラバーとして確固たる地位を確立しており、丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)らトップ選手が長く愛用している。
 『V>20』が発売されたことで、『V>15』と比較されることが多いが、この2枚のラバーは性能、コンセプトとも異なるため、「どちらが上で、どちらが下という区分けはしていない」とVICTAS開発チームの仲村錦治郎氏(元オリンピック日本代表)は話す。
「『V>20』と『V>15』はトップシートのゴムの配合から粒形状まで、全く違うように作られています。合わせるスポンジも配合や気泡、硬度も違いますから、全く異なる性能のラバーになります。ひと言で違いを表すとすれば、『V>20』は打球時の許容範囲が広く、威力を落とさずにしっかりと台の中に収まるラバー。『V>15』はインパクトが強ければ強いほど、より高いパフォーマンスを発揮するラバーです」(仲村)
 2021年12月にVICTASと卓球王国が共同で行ったブラインド試打会では、既存のVICTASのラバーの中に発売前の『V>20』を加えて、5種類のラバーを参加者に打ってもらった(ラバー名がわからないように商品名部分を切り取り、スポンジは黒く塗りつぶした)。その中で高い評価を得たのは『V>20』と『V>15』の2枚だった。『V>20』に対する評価は、「弧線の高さ」が圧倒的に多く、スピンとスピードのバランスが高く、威力が出るのに扱いやすいという評価を得た。これこそが『V>20』の特徴である「許容と威力」であり、ラバーの性能と試打者の感想がマッチしていたと言える。

VOICE 試打選手に聞いた! (松平 賢二選手(協和キリン))
 他のラバーだと打球した瞬間にスイングやラケット角度をわずかに調整しなければならないストレスがありますが、『V>20ダブルエキストラ』は勝手に入ってくれる間隔がありますね。自分の打った感覚と打球が一致します。同じようにスイングしてもさらに良いボールになって、わずかにクセ球も出る。すぐにこのラバーに替えたいですね。選手の立場から言えばストレスなく使える用具は安心感があります。そういう意味では『V>20』はストレスフリーでとても良いラバーです。

卓球王国 7月号 別冊 卓球グッズ2022

 やはり扱いやすさと許容と表現されるラバーのようですね。ただここでkatsuo000は申し上げたい点として、「許容」という言葉に似た言葉でトレランス≒寛容という言葉が既に先に、バタフライさんのRozena (ロゼナ)で使用されてしまっている点です。「許容」、「許容」、といわれると、どうしてもRozena (ロゼナ)がちらついてしまいますね。このあたりについて言及していきたいと思います。

 またやや余談ですが、VICTAS (ヴィクタス)さんは、粘着ラバーのトリプル、およびV>20とV>22を発売する前は、数字の後の英語はスポンジ硬度に対応させていたはずです。トリプルシリーズ、V>20とV>22の発売によって、ダブルエキストラで硬いんだろうけど、それぞれのラバーで、硬度が異なるような状況になっていますね。ダブルエキストラという言葉はなんかインパクトありますし、50°以上のラバーはダブルエキストラとほぼネーミングされてます。このルールに則らないラバーは、Triple Extra (トリプルエキストラ) (硬度 55°)、VS>401 (VS>401) (硬度57.5°)くらいでしょうか。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。2022年のパンフレットから、ラバーの公表性能値におけるスピード (≒反発力)とシートの強さ (スピン)の関係を図として示されるようになりました。バタフライでいうところのスピードとスピン性能の図と同じようなものだと思われます。VICTASさんのラバーはドイツ製ラバーがフラグシップラバーであり、シートの強いラバーほど回転性能が高いということも明らかとなったといえるでしょう。実は最もシートの強いラバーはV>11 Extraになります。ポテンシャルとして、シートの強いラバーほど回転の最大値が高いことを示しているのでしょう。一方で、弧線の高さなども示してくれています。VICTASのラバーは弧線が低い、攻撃的なラバーも多いので、回転がかかる≠弧線が高いラバーが多いブランドといえるかもしれません。では、代表的なVICTASラバーを比較してみます。

 また卓球王国2022年10月号で新たに発信されたVICTASさんの広告の一部を紹介します。

 V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)に注目してみます。際立った特徴は、公表性能値よりもスポンジ硬度と粒形状に現れていると言えると思います。V>15 Extra (V>15エキストラ)やV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)と比較すると、最もスポンジ硬度が硬いのがV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)であり、ドイツ基準で52.5°になりますね。また粒が低くて太い点もV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)の特徴でしょう。公表性能値からわかるようにシートの強さが最も低い値であるのが、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)ですので、シートはくい込みやすい柔らかめなものを採用しているのではないかと思います。続いて、硬度計の測定値です。

 図にするとV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)はやや重いものの、ほぼTenergy 05 (テナジー05)と同じ硬度になりました。これは予想通りの値だとも感じました。前情報やレビューを拝見する限り、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)はテナジーに近いラバーであることは予想しておりました。ドイツ工場の製造技術がバタフライのスプリングスポンジにおいつきつつあり、ドイツでもテナジーのようなラバーが製造できるに至ったといっても良いのかも言しれません。もちろん完全に同じではなく、ドイツ製ラバーのほうが、やや重い傾向であるようですね。

V>20の貼りと重量

 サブラケットとして非常に扱いやすいLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)
 ハイエナジーテンション裏ソフト
・Sponge Thickness:1.8/2.0/MAX mm
・弧線の高さ:7.0
・Speed:9.1
・ドライブの精度:8.2
・シートの強さ:7.2
・反発:8.5
・Sponge硬度:52.5 ± 3°
・6,200円 + 税
・72 g(切断前) → 51 g(リンバインナーに貼って)

 やや重たいですね。人によっては重たいと感じるでしょう。

V>20 Double Extraの3つの特徴

抜群に扱いやすい!ロゼナの上位互換!?

 このラバーを初めに使ったとき、とにかく感じたのがバツグンの扱いやすさでした。自分がバックハンド、得意になったのか、と思えるくらい扱いやすかったです。ちょっとした技術なんですけど、止めるブロック、かけ返すドライブブロック、サイドスピンブロック、中陣ドライブが簡単に安定しました。これは試合で頼れる奴だなって感じましたね!Rozena (ロゼナ)と比較すると、V>20の方がマニュアル感がある分、おさまりが良くて扱いやすさに長けるイメージです。Rozena (ロゼナ)の方がイキイキしていて回転がバツグンにかかる分、オートマでスピードが出てしまいコントロールするのに、練習が必要になると思います。もちろん、V>20も回転がかからないわけではなく、むしろしっかり回転がかけられるなら、エグイドライブが打てます。これは自分はバックハンドよりもフォアでしっかりループドライブしたときに、ループドライブの回転量の多さを感じました。似ていますが、Rozena (ロゼナ)よりもV>20の方が上級者向けで、ドイツ製ラバーらしさ (ボールの回転量が揃わない感じ)、カウンター性能を盛り込んだようなラバーに仕上がっていると思います。

テナジーよりもカウンターがしやすい!

 1つ目でも既にふれましたが非常にカウンターがしやすいラバーでした。全体的に相手のドライブに強く、ブロックから相手のループドライブに対して容易にカウンターをとれると思います。このよりやすさは現代卓球ではかなり魅力的なラバーではないかと思いました。Tenergy 05 (テナジー05)はしっかりボールがもてれば非常にカウンターも安定しますが、自分ではそのような打ち方はフォアでないとできません。バックハンドでも容易にカウンターが取りやすいラバーがV>20になるでしょう!

テナジーとドイツ製ラバーの融合!

 想像通りテナジーらしさを強く感じるラバーでしたが、ツッツキや対下回転ドライブ時にドイツ製ラバーらしい弾みや回転のバラツキを感じました。またドライブも弧線は思ったより上がらず弧線の強さも感じにくくて、弾道に直線性も感じました。この攻撃的な直線性はVICTASドイツ製ラバーの特徴のようにも感じましたね。VICTASテイストをもったテナジーといっても良いように思います!

 実際、V>20へ移行している選手、移行していない選手がいるようで、VICTASの契約選手のうち、村松雄斗選手、吉村和弘選手、岩渕幸洋選手、岸川聖也選手(コーチ)が使用しているようです(2022/10/23時)。吉村和弘選手はテナジー系のラバーを使用していたので、納得のチョイスだと思いますね。いっぽうで V>15 Extra (V>15エキストラ)を好んで使用していたと思われる選手はそのままV>22 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)へ変更している印象です。同じ年に発売されたラバーでネーミングもかなり似ていますが、その性能はかなり異なるのかもしれませんね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 グリップ力があって、非常にやりやすかったです。ボールが深くいく印象がありましたが、回転量も抜群で何も選択肢がなければフォアもバックもV>20でもありかもしれないと思いました。もちろんフォアはもっと硬いラバーが好みなのでかえませんが。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 特に違和感なしです。どちらかというと馴染みやすさも感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 これは良いです!打ちやすかったですね。個人的には重さも感じず非常にバックハンドドライブが打ちやすいと感じました。回転もしっかりかかっていて納得のボールが連続で打てて良かったです。

対下回転に対するループドライブ
 Dignics 05 (ディグニクス05)と比較すると、弧線は低いですがその分、コントロールしやすいと思いました。打球点を落としてしっかり回転がかけられるラバーだと思いますので、使い込めばバックハンドループドライブでも点数が取れるのではないかと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 これは少し今までと感覚が異なっていて、回転をかけてボールを沈めようとするよりもインパクトの強さでネットだけ超すようなイメージで打つと安定すると思います。このあたりはブランドの違いを感じましたね。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。最近アクティブブロック(伸ばすブロック)を練習中て非常にやりやすくて良かったですね。

カウンタードライブ
 やりやすいと感じました。おさまりが良くてびっくりでした。あまり持ってしまうとオーバーミスしやすくなると思うのですが、V>20はボールをしっかりテナジーのように持つのにおさまる点が非常に魅力を感じました。

ストップ

ツッツキ
 切れるとは思いますが、ややボールが浮くときもあると思いました。このあたりは好みもあるように思います。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなボールへの吸い付きはなかったです。

チキータ
 最近Dignics 05 (ディグニクス05)を使っていて感覚が少し違うと感じました。慣れればV>20の方がやりやすいと思いますね!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > V>20 Double Extra ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > V>20 Double Extra > Tenergy 05