レビュー Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)

説明

 DONIC (ドニック)さんの粘着テンションラバー、Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)をレビューします。このラバーはDONIC (ドニック)さんのラバーで、1を冠していますが、どちらかというと中級者や柔らかいラバーを好む選手向けの位置づけラバーになりますね。安定感の中で少しでも威力が出したい選手が求める、そんなラバーになります。Acuda (アクーダ)シリーズやCoppa (コッパ)などの系譜のラバーが、ブルーグリップのSシリーズになりますね。「Blue Grip C1&C2 (ブルーグリップC1&C2)よりも柔らかい」という、フレーズで、粘着性のトップシートと弾力のあるスポンジを搭載したラバーになります。

 DONIC (ドニック)さんのトップラバーといえばBlue Star A1 (ブルースターA1)です。2022年インターハイ3冠王の鈴木颯選手が両面、Blue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)から両面、Blue Star A1 (ブルースターA1)へ変更しました。たしかにBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)はやや古いラバーで、ディグニクスが販売される前のラバーです。スピン系テンションラバーのカテゴリーの中には、回転がかかればかかるほど良い、硬ければ硬いほど良い、というカテゴリーに入るラバーもあります。一方で、回転性能も高くかつ扱いやすさやスピード性能の高いスピン系テンションラバーを好むという人も少なくありません。さらに扱いやすくて相手の回転の影響を受けにくく、相手とのラリーにも強いラバーが欲しい、という人にはBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)がとても刺さると思います。その後、DONIC (ドニック)さんのラバーとして発売されたのが、Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)シリーズになりますね。Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)は非常に高性能なラバーでテナジーレベルの高い回転性能をもった高性能なラバーだと思います。鈴木颯選手も試していたようですが、彼がインターハイで選んだラバーはBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)だったようですね。そして2023年に発売されたのが最新のトップ選手用ラバーBlue Star A1 (ブルースターA1)になります。これはButterfly (バタフライ)さんでいうところのDignics 09C (ディグニクス09C)を意識したようなラバーでした。台上ではトップシートの微粘着で止められて、フルスイングの時にはDignics 09C (ディグニクス09C)以上のスピードで相手コートに突き刺さるようなドライブが打てるラバーに仕上がっています。ラバー価格はやや高いですが、TIBHAR (ティバー)さんのHybrid K3 (ハイブリッドK3)やVICTAS (ヴィクタス)さんのTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)、Stiga (スティガ)さんのDNA Dragon Grip (DNAドラゴングリップ)、Yasaka (ヤサカ)さんのRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)などと並ぶ新世代粘着テンションラバーの1枚といえるでしょう。本ページで試打レビューするBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)もこれら粘着戦国時代の中ではやや存在感は薄いものの、粘着ラバー界に参戦するドイツ製粘着テンションラバーとして注目に値する一枚ではないかと思います。まずはDonic (ドニック)さんのブルーラバーには、どのようなラバーがあるのか確認してみましょう。

・Blue Grip(粘着ラバー)6種
 Blue Grip C1 (ブルーグリップC1)
 Blue Grip C2 (ブルーグリップC2)
 Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)
 Blue Grip S2 (ブルーグリップS2)
 Blue Grip V1 (ブルーグリップV1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Grip R1 (ブルーグリップR1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
・Blue Storm(ブルーストーム)7種

 Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 Blue Stom PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 Blue Stom Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)
 Blue Storm Z1 (ブルーストームZ1)
 Blue Storm Z2 (ブルーストームZ2)
 Blue Storm Z3 (ブルーストームZ3)
 Blue Storm Big Slam (ブルーストームビッグスラム)
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種

 Blue Fire M1 Turbo (ブルーファイヤM1ターボ)
 Blue Fire M1 (ブルーファイヤM1)
 Blue Fire M2 (ブルーファイヤM2)
 Blue Fire M3 (ブルーファイヤM3)
 Blue Fire JP01 Turbo (ブルーファイヤJP01ターボ) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP01 (ブルーファイヤJP01) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP02 (ブルーファイヤJP02) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP03 (ブルーファイヤJP03) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire Big Slam (ブルーファイヤビッグスラム) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)

 廃盤と思われるラバー含め、多くのブルーラバーがラインナップされています。本当に数が多いですね。未だにBlue Fire (ブルーファイヤ)シリーズが販売されているのはスゴイと思います。最近のDONIC (ドニック)最新ラバーは非常にいいラバーが多く、昨年2022年発売のBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)は税抜7,800円と高いだけありTenergy 05 (テナジー05)を超える高い回転性能を有する高性能ラバーでした。粘着ラバーはGrip (グリップ)を冠しているラバーで、6種類と他メーカーと比べても充実のラインナップだと思います。Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)についてさらに深堀してみます。

Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)

 『ブルーグリップS2』よりも硬く、『ブルーグリップC1&C2』よりも柔らかい『ブルーグリップS1』。粘着性の力強いトップシートと弾力性のあるスポンジが、あなたのプレーにダイナミックさとバランスをもたらします。

DONICのホームページ

 ラバーの立ち位置としては、粘着バージョンのアクーダブルー系のラバーと思いました。球持ちが良くて安定感のあるラバーであることは情報などから予想はついていましたので、あとは+αの性能があるか、などが気になる点ですかね。卓球王国などでも、ちょくちょく取りあげられていて、中級者おすすめラバーの代名詞的な扱いを受けていますね。個人的な見解ですが、中級者向けラバーを真剣に選ぼうとするとコスト以外で決めてが難しかったりします。中級者向けという時点で、既に扱いやすさは平均点以上ですので、扱いやすさは基本あるとして、そこにプラスαで性能 (スピードか回転か、カウンター性能か)を追求する形になると思います。扱いやすさは、上級者向けといわれるラバーでも差があり、どこに標準を置くか、で本当に変わってくる印象ですね。でも2024年はどこかで、ラバーの分類、ラケットの分類を実施したいなーなどと考えております。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedControlRubber Stiffness
Blue Grip S1
(ブルーグリップS1)
1110647.5°微粘着
Blue Star A1
(ブルースターA1)
11++11++5+52.5°微粘着
Blue Grip C1
(ブルーグリップC1)
11++11560.0°強粘着
Blue Grip C2
(ブルーグリップC2)
11+106-55.0°強粘着
Blue Grip V1
(ブルーグリップV1)
11+10+650.0°強粘着
Blue Grip R1
(ブルーグリップR1)
11106+50.0°微粘着
Blue Grip S2
(ブルーグリップS2)
119+742.5°粘着
Blue Storm PRO
(ブルーストームPRO)
1111+5+50.0°
Blue Storm Z1 Turbo
(ブルーストームZ1ターボ)
10+++11650.0°
Blue Fire M1 Turbo
(ブルーファイヤM1ターボ)
10+++10+750.0°
Blue Fire JP01 Turbo
(ブルーファイヤJP01ターボ)
10+++10+6+47.5°

 他のブランドと比較しても、DONICさんのラバー公表値は、本当に参考にならないなーと感じてしまいます汗。正直スピンもスピードも同じ値でも全然打球感や飛んでいく感覚、弧線は異なりそれぞれこだわって作られているラバーなのですが、ちょっとよろしくないなーと個人的には思います。手に取って確認してほしいという思いがあるのかもしれませんね。

Weight
重量
shore ashore ashore cshore csheet-sponge
(shore a)
sheet-sponge
(shore c)
gsheetspongesheetsponge
Blue Grip S14725.323.534.837.01.8-2.3
Blue Star A15331.827.846.243.84.02.3
Blue Grip C15734.033.049.949.51.00.4
Blue Storm PRO5029.626.343.240.63.32.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 予想通り、Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)は標準的な重量と硬さでした。気になる点としては、shore aで測るとシート側が硬く、shore cで測るとスポンジ側が硬くなる点でしょうか。粘着性ラバーではスポンジ側の方が硬いということが往々にしてあり、球持ちと回転のかけやすさのあるラバーレシピでもあります。こういったラバーは若干ですが、フォアでカウンタードライブ時にスリップすることもあるので、少しカウンターがしにくいイメージがありますね。ただし、その他の技術は全体的にやりやすくこのあたりがポイント1つのポイントかなーというイメージです。shore cの方が平均的かつ全体的な硬度を反映していて、ドイツ製硬度とも対応している印象ですので、基本的には柔らか系で粘着ラバーのような硬さはなく、だけど粘着ラバーのような設計のラバーがBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)といえるでしょう。

ブルーグリップS1の貼りと重量

 やや弾むラケットにあわせてみて使いやすさを確認したいと感じ、Butterfly (バタフライ)さんのRevoldia CNF (レボルディアCNF)に貼りました。

 Acuda S1 (アクーダS1)のスポンジとブルーグリップ系の粘着性のトップシートをあわせたラバーであることがわかります。やはりアクーダ系ラバーの粘着ラバーという立ち位置ですね。

 47 gと全体的に軽い仕上がりです。ラケット自体は結構重い個体だったのですが、この軽さは一般的な軽さですかね。しかもグリップも細いので、より振り抜きやすいと思います。個人的には190 g後半から200 g程度のラケットを使っているのでやや軽すぎる気はしました。

Blue Grip S1(ブルーグリップS1)
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・Speed: 11
・Spin:10
・Control:6
・Sponge硬度:47.5°
・6,000円 + 税
・68 → 47 g (Revoldia CNF (レボルディアCNF)に貼って)

Blue Grip S1の3つの特徴

廉価版Dignics 09C系ラバー

 このラバーは回転性能は生粋粘着ラバーほどありませんが、ストップやツッツキの止めやすさはピカ一で、そこからラリーへとつなげて、一発放り込むようなラバーでした。良い意味でバックハンドも使えるDignics 09C (ディグニクス09C)Dignics 09C (ディグニクス09C)よりももっとスピン系テンションラバーに近いポジションだと思います。ドイツ製ラバーで競合しそうなラバーはRasanter C48 (ラザンターC48)でしょうか。ラザンターのCシリーズはややクセがあってドライブという点では、弾き系よりは擦り系の方が回転で沈むラバーだと思います。粘着ラバーのポジションですがシート設計が他のラバーと異なっているために、違いが如実で粘着ラバーのポジションとしつつ打ち方はスピン系テンションラバー系でスイングする必要があると思います。一方Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)ではぶつける系のドライブでも回転がかかって沈むイメージですが、やはり柔らかいスポンジを組み合わせていいるので、ラバー全体が負けるか、柔らかすぎて板の硬い部分に当たってしまって結果として弾いてしまうイメージですね。ただ使いやすい粘着系のラバーとしては、個人的にはBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)の方がオススメですね。ステップアップしてよりハードな粘着ラバーを使うことを想定するならBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)を、最後までスピン系テンションラバーでテンション系を意識するならRasanter C48 (ラザンターC48)がオススメになると思います。自分は粘着ラバーをバックでも使うようになってきているので、やはりBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)の方がしっくりきましたし、扱いやすいと感じました。

回転性能はエグさはなくスピードが特徴的!

 粘着系のラバーではありますが、インパクトがあるのはスピード性能でした。弧線も球持ちもありますが、やわらかいラバーなのでスピードが出しやすかったです。例えばですがフォアハンドには回転系のラバーを使いバックハンドにBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)を貼るのは王道的で、良いと思います。チキータやバックハンドドライブでも先手を取りつつ、チキータやバックハンドドライブは回転量よりもスピードでプレッシャーをかけたり、ツッツキやストップで相手の出鼻をくじいてバックブロックや伸ばすブロックで動かすような戦略がとりやすいと思います。少なくとも自分はそういう使い方でフィットすると感じました。バックハンドブロックや伸ばすブロックも柔らかいので、思った以上にスピードが出しやすい印象ですね。

少しラバーがまけるか!?

 粘着系のラバーの中では珍しい?気がしますが、やはりラバーが負ける感じがあります。これはシートではなくスポンジが柔らかすぎるがために起こる感じですね。スポンジが柔らか過ぎるので、技術全体はやりやすいのですが、どうしても思い切りぶつけた時にスイングを間違えるとボールが落ちますね。こういうところがあるのは否めないので深く深くくい込ませすぎないようにした方がいいと思います。コツとしては深くくい込ませすぎないことですね。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 特に気にならない感じで、キョウヒョウの弾まない感じとかはないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ぶつけすぎると落ちる感じがあります。打点早くカウンター気味にドライブをかける方が自分はやりやすさや威力を感じました。

対下回転に対するループドライブ
 打ちやすいけど、威力は低いと感じました。特にRevoldia CNF (レボルディアCNF)は弾んで棒球になりやすい感じがあるので、そこと相まって回転量は得にくいかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブは打ちやすいですね。多少難しい、低めのツッツキでもスピードドライブで持っていきやすいと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 スマッシュやミート系、ナックル系のボールに対してブロックであわせるときはやりやすいと思います。

カウンタードライブ
 打点の早いカウンタードライブがいいですね。打点を落として相手の回転を掛け返す系のカウンタードライブはあまり向かないかもしれません。

ストップ
 止まります。

ツッツキ
 切れますがブッチではありません。

フォアサーブ
 サーブは切れますがブッチの2歩手前ぐらいのイメージです。サーブは走るのでロングサーブとかはやりやすいです。

バックハンド系

軽打
 違和感ありませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弧線を描くので懐まで引き込める感じがありました。こういう感じは好きですね。V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)とかと比べるとやはり弧線が高いのは嬉しいですね。

対下回転に対するループドライブ
 回転量は低いですが安心して打てると思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 柔らかさのあるラバーなので結構思い切って難しそうなボールでもスピードドライブにいける感じがあります。くい込みが良いのでしょうね。

ブロック
 やりにくいことはないです。

ストップ / ツッツキ
 止まりますね。

チキータ
 やりやすいです。このラバーならスピードを出すためにボールの上を捉えてもいいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 FX > Blue Grip S1 > Rasanter R45

スピード
 Tenergy 80 FX > Blue Grip S1 > Vega DEF

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レビュー Vega DEF (ヴェガDEF)

説明

 XIOM (エクシオン)のラバーは個性的で大好きです。そんなXIOM (エクシオン)さんのラバーから少しVega (ヴェガ)シリーズのマイナーな1枚、Vega DEF (ヴェガDEF)をレビューさせていただきます。話題のJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズとは異なり小・中級者用ラバーシリーズであるVega (ヴェガ)シリーズのラバーでかなり異色ともいえるラバー、Vega DEF (ヴェガDEF)の全容についてレビューさせていただきますので、参考になれば幸いです。

 このラバーは安売りしていたのですが、パッケージが破けるという災難にもあい、貼って試打しました。説明にもあるようにカットマン用を念頭に開発されたラバーで、硬度57.5°のカチコチラバーになります。実はこのラバーよりもさらにスピード性能が低く回転性能の高いVega (ヴェガ)シリーズのラバーが硬度54°のVega China (ヴェガチャイナ)になりますね。Vega China (ヴェガチャイナ)もいつか試打したいところですが、まだ手に入れていません汗。どうやらVega China (ヴェガチャイナ)の方がスポンジの気泡がほとんどなく、おそらくキョウヒョウを意識いたラバーのようなのですよね~。また試打するときが来ましたらレビューしますので、その際には是非ぜひ読んでいただければと思います。Vega DEF (ヴェガDEF)に戻りまして、このラバーの進化系として位置するのが、Omega VII China (オメガVIIチャイナ)シリーズのOmega VII China Guang (オメガVIIチャイナ光)とOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)になりますね。やはり気になる点として、Vega DEF (ヴェガDEF)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)やキョウヒョウとの比較ですよね。そこらへんを意識しながらレビューさせていただきます。

Vega (ヴェガ)シリーズ
 XIOM (エクシオン)といえば、安価なスピン系テンションラバーのVega (ヴェガ)というイメージが強いのではないかと思います。Vega (ヴェガ)シリーズの種類の多さは目を見張るものがあり、一番有名なVega (ヴェガ)はVega Europe (ヴェガヨーロッパ)でしょうか。使いやすいものから、高性能なものまで種々ありますので、一度確認してみましょう。
 Vega X (ヴェガX): シリーズ10周年記念の傑作
 Vega Tour (ヴェガツアー): 上位技術を転用した高品位ギア
 Vega Pro (ヴェガプロ): 攻撃を主体とする中級者に最適
 Vega Asia (ヴェガアジア): 様々な戦型にマッチする幅広さ
 Vega Europe (ヴェガヨーロッパ): 最高の使いやすさで長年大人気
 Vega Asia DF (ヴェガアジアDF): グリップ力抜群の攻撃的ラバー
 Vega Europe DF (ヴェガヨーロッパDF): グリップ力抜群の攻守両用ギア
 Vega Japan (ヴェガジャパン): 日本製ラバーのような安定感
 Vega China (ヴェガチャイナ): 中国製粘着ラバーのティスト
 Vega Elite (ヴェガエリート): スピード感と軽量さにすぐれる
 Vega Intro (ヴェガイントロ): コスパ最強のビギナー用ラバー
 Vega DEF (ヴェガDEF): カットマン用ながら攻撃も秀逸
 Vega SPO (ヴェガSPO): 攻撃的なスピード系表ソフト

 Vega (ヴェガ)を冠するラバーは13種類あり、基本的にはスピン系テンションラバー群になります。初めて卓球をする選手には、Vega Intro (ヴェガイントロ)、ティーンプレイヤーの2枚目のラバーにはVega Elite (ヴェガエリート)が用意されています。そこから戦型や硬度の選択肢、フォア面、バック面などにあわせて、Vega Euro (ヴェガユーロ)Vega Asia (ヴェガアジア)Vega Japan (ヴェガジャパン)などがVega (ヴェガ)シリーズの代表的なラバーになりますね。さらに粘着ラバーやカットマン用、異質選手用のラバーとして、Vega China (ヴェガチャイナ)や本ページでレビューするVega DEF (ヴェガDEF)Vega SPO (ヴェガSPO)がラインナップされています。また最新トップシートを採用した、Vega Europe DF (ヴェガヨーロッパDF)Vega Asia DF (ヴェガアジアDF)、中級者用のVega Pro (ヴェガPro)、トップ選手用のOmega (オメガ)シリーズと同じ技術を採用したVega Tour (ヴェガツアー)、最新技術を採用して高コスパのVega X (ヴェガX)、と展開されます。やはり卓人の戦型の人数や分布から、スピン系テンションラバーの種類が多いです。その中で異色を放つ、Vega DEF (ヴェガDEF)は微粘着系でカットマン用の弾まないラバーとしての立ち位置といえるでしょう。katsuo000はとんがったラバーが好きなので、イメージとしては粘着ラバーだと思って使ってやろうと考えました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
Vega X 1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 Vega DEF (ヴェガDEF)はスピード性能は低いものの、回転性能はVega (ヴェガ)シリーズでもトップレベルになりますね。個人的に回転性能の高いラバーは好みなので、楽しく試打しました。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Vega DEF5531.939.151.952.7-7.2-0.8
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Hurricane NEO II5131.535.048.148.2-3.50-0.1

 Vega DEF (ヴェガDEF)は、想像以上に重いラバーで驚きました。この重量は確かにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と同類の印象を受けました。またシートよりもスポンジが硬いラバーですね。これは、粘着系ラバーにみられる特徴で、これは期待が持てますね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は公表硬度は60°ですので柔らかいラバーではありませんが、Vega DEF (ヴェガDEF)と比べると柔らかいという結果になりました。これには驚きですね。カットマン用ということで、弾みはある程度落としているのかもしれませんね。

Vega DEFの貼りと重量

 今回は銀河さんのアウターアラミドカーボン系ラケット、Venus V-14 (金星V-14)に貼りました。

 なかなか高品質とはいいがたいスポンジ側でした。しかも1枚ものの重量が78 gはかなり重いです。

Vega DEF (ヴェガDEF)
・Sponge Thickness:2.0/MAX mm
・Speed:8
・Spin:12
・Sponge硬度:57.5°
・4,400円 + 税
・78 g (カット前) → 55 g (Venus V-14 (金星V-14)に貼って)

 重たいですね。反対側にはHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)を貼っていましたが、同じようなカチコチ感でした。

Vega DEFの3つの特徴

想像以上に弾む!Hurricane NEO IIよりも弾む!

 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)と比較すると、弾まないと感じました。Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)が強粘着系ラバーであり、おそらくVega DEF (ヴェガDEF)よりもカットマン用のラバーの立ち位置でも良いかもしれません。そのくらいカチコチラバーであるのがHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)になりますね。Vega DEF (ヴェガDEF)は硬度比較では硬いラバーでしたが、プラボールに対し、しっかりくい込むので、思ったより扱いやすくて弾むと感じました。ラケットによってはOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりもあわせやすいかもしれませんね。もちろん、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると、Vega DEF (ヴェガDEF)は弾みませんが、Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)と比べると弾みます。このラバー関係は大切ですね!

回転性能も高く、キョウヒョウのように使える!

 弾むといっても回転性能は抜群でした!いいループドライブが打てましたね。相手のミスを誘えて、低くて飛ばず、回転量の高いドライブが打ちやすかったです。下がっても相手のドライブに負けるわけでもなくなかなかバランスの良さを感じました。逆に弾まないと感じる人の方が多いかもしれませんが、katsuo000としては好きなラバーの1枚かもしれません。キョウヒョウよりも新品が臭くないのもなかなか高評価です。

キョウヒョウよりもバックカウンターしやすい!

 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)やその他のキョウヒョウは、どれもボールをしっかり持ちます。ボールの持ちという点ではトップレベルのラバーと言えるでしょう。その分、ボールを持つ分、返球がワンテンポ、一瞬遅れます。その分、威力や相手の時間を奪いにくいと言えるのかもしれません。一方Vega DEF (ヴェガDEF)は弾みもあるということもあり、バックカウンターで特に良さを感じました。打点の早いブロックやカウンター時にHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)よりも攻撃的に使えて良いと感じました。中陣からでも、キョウヒョウ系ラバーよりミートがしやすいと感じましたね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 思ったよりくい込みを感じましたね。というか、Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)が硬すぎです。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると弾まないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ぼちぼちのスピードと感じました。上手に使えばノータッチも狙えます。なかなかバランスがいいと思います。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 良いドライブが打てました。これはいいですね。こういうラバーは好きです。

対下回転に対するスピードドライブ
 意外と弾むので、相手の時間を奪うくらいのスピードドライブは打てると感じました。

カーブ/シュートドライブ
 打点を落としてカーブドライブがしやすかったですね。というかkatsuo000はカーブドライブをとっさにしやすいようで、意識しなくてもカーブドライブがどんどん出てました。

ブロック
 弾まないので、やりやすかったです。

カウンタードライブ
 やりやすいですね。弾まないので、相手の回転に対し上書きしやすいと感じました。こういうラバー好きですね。しかもあまり個人的に好印象ではなかった、アウターのVenus V-14 (金星V-14)とあわせているのに、やりやすかったです。もしかしたら相性が良かったのかもしれませんが。

ストップ
 もちろん飛ばないので、めちゃめちゃやりやすかったです。 

ツッツキ
 切れますよ~。でもHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)の方が切れます。

フォアフリック

フォアサーブ
 当然抜群にきれます。こういうラバーで気を付けるべきは、ロングサーブのスピードとキレですね。Venus V-14 (金星V-14)などのアウターカーボンとあわせた方が出しやすいと思います。木材系だとやや難しい気がします。

バックハンド系

軽打
 弾まないですが、くい込みがいいので、丁度よく打てました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 中陣でも思ったより良かったです。威力が出しやすかったですね。自分にあっていたのかもしれないです。

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 残念なことに、「え!?」と思う落ち方をする時がありました。くい込みがいい分、安いラバーあるあるのラバーが負けて落ちる、というやつだと思います。自分レベルであれば気にならないレベルだと思います。

ストップ
 よくとまります。

ツッツキ
 よく切れます。

チキータ
 威力のあるチキータよりも安定感のあるチキータがやりやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2) > Vega DEFOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)

スピード
 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Vega DEFHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)

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レビュー Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)

説明

 2022年に引き続き、XIOM (エクシオン)さんの話題の新作であり、大々的に宣伝されているJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズから、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)をレビューします。このラバーは、韓国で話題になったラバーらしく、コロナ禍もあって入手困難となる、そんなラバーのようですね。かなりいいラバと話題になったようで、かなり期待が持てる試打でした。それではまず2023年のXIOMさんのパンフレットからみてみましょう。冒頭からJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズを激しくプッシュしています!

 見開きページを惜しまずドドント3ページも使用してジキ&ハイをアピールしてますね!コンセプトとしてはVega (ヴェガ)シリーズとOmega (オメガ)シリーズをつなぐ、使いやすさと高性能を両立させようとしたシリーズだと思います。katsuo000が今までに試打したジキ&ハイシリーズのラバーは、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)になります。このラバーはOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似つつ、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも使いやすくてスピン系テンションに寄せたラバーでした。今回試打・レビューしたラバーはJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)ですね。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)について言及する前に、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズのついて、確認していきたいと思います。パンフレットなどから、XIOM (エクシオン)さんのJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの説明を抜粋させていただきました。

2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
 相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
 H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
 V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
 X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
 Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様

 C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー

 メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズになりますね。katsuo000はとんがったラバーが好きなので、バランス系ラバーはやや好みではなかったりします。でもなぜでしょう、XIOM (エクシオン)さんのラバーだからなのか、話題のラバーだからなのか、魅力を感じて試打していますね。

 続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)

中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
 ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。

Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)

ミート力とスピン力の双方をMAX強化
 ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。

Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)

超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
 ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

世界代表クラスラバーの一般普及モデル
 世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。 

 Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は説明を読むと、要はOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と類似のラバーではないかと感じました。実際Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)はかなり良いラバーで驚きでしたね。Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は要は、Tenrgy 05 Hard (テナジー05ハード)みたいなラバーで、硬いんですがテナジーライクな打球感と、グルーイングしたような高い打球音、そしてエゲつないドライブが打てるラバーでした。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなシート硬めのラバーではなくて、イキイキして弾力のあるスポンジのラバーでしたね。そんなイメージでJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)を試打・レビューさせていただきました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はJ&Hシリーズの中で、最も性能が高いラバーであることがわかりますね。数字上は、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同等のスピードとスピン性能のラバーになっていますね。興味深いのは、トップ選手用のシリーズであるオメガVIIシリーズのラバーであるOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりもJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が公表硬度が硬いことですね。これはそのままラバーの性能や特徴にも影響するのかどうか気になるところです。続いて硬度チェックです。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Jekyll & Hyde
Z52.5
5231.427.945.943.73.52.2
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Omega VII Tour i505235.129.949.248.25.21.0

 Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はまずまず重いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同じ重さでした。一方、shore aでの硬度比較では、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)が硬く、shore cの硬度比較では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬い、という非常に興味深い結果になりましたね!
 XIOM (エクシオン)さん公式では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬いわけですから、おそらく一般公開されている硬度はshore cに近いということも示唆しているように思います。katsuo000の経験としてshore aの硬度はシートの硬さが反映されやすいと思っていますので、この値が高いということは、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)よりもOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の方が硬いシートを使用しているといえると思いますね。

J&H Z52.5の貼りと重量

 今回はYasaka (ヤサカ)さんのReinforce AC (リーンフォースAC)に貼りました。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)
・Sponge Thickness:2.1/MAX mm
・Speed:16.5
・Spin:16.0
・Sponge硬度:52.5°
・9,800円 + 税
・73 g (カット前) → 52 g (Reinforce AC (リーンフォースAC)に貼って)

 想像通り、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)によく似たラバーといえるでしょう。重量は同じで、シートとスポンジの構成が異なるのではないかと思いますね。

Jekyll &Hyde Z52.5の3つの特徴

もっちもちのTenergy05!

 想像以上に打球感がもちもちで、印象としてはTenergy 05 (テナジー05)と感じました。Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると硬度は硬いので、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)に似ている、と感じる人もいると思いますが、katsuo000はTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほど硬いとは感じず、Tenergy 05 (テナジー05)を少し硬くして、イキイキさせたラバーのように感じました。従って「もっちもちのTenergy 05 (テナジー05)」というのが、katsuo000が、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)に冠した表現です。またOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と比較するとバランスの良いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は弾丸のようなスピード感のあるドライブが特徴的ですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はバランス型のラバーでくい込ませやすく、弧線も強い、安定感のあるラバーだと感じました。

かなりくい込ませやすい!

 スポンジ硬度は52.5°と硬いのですが、shore aはOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりも軟らかく、弱い力でくい込ませやすいと感じました。くい込ませやすいと感じたこともあり、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほどではないと感じて、Tenergy 05 (テナジー05)の方が近いと感じました。もちもち感が非常に強く、くい込ませやすいので、インパクトが苦手な方にゼッサンお薦めしたいラバーでした!

くい込みがいいのにシートが全く負けない!

 くい込みが良いラバーは相手のトップスピンに対し、シートが負けることがあります。XIOM (エクシオン)さんのラバーは使いやすいラバーが多いのですが、Vega (ヴェガ)シリーズのラバーはシートが負けることがあって、カウンタードライブのときなどに、ボールの上を捉えすぎるとラバーがボールを捉えきれずボールが落ちることがあります。くい込みの良いラバーは、柔らかいということなので、Vega (ヴェガ)シリーズではボールの落ちを感じやすいのですが、このJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はボールが落ちることもなく、非常に信頼して打てると感じました。というのも、もちもちしたラバーなので、ぼとっと落ちずラバーが相手のボールに追随して球を持つので、落ちることはないのだと思います。このどんなボールでもしっかり持てて落ちない感じは高級ラバーらしい性能の一つだと思います。逆にVega (ヴェガ)シリーズのラバーは高性能ではありますが、時に変に落ちることがあります。ここらへんは、katsuo000のような一般プレーヤーには気にならないレベルではありますが、トップ選手や全国レベルの方々には、受け入れられない部分なのかもしれないですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 自分は弾みすぎるのでやりにくいと感じてしまいました。回転を掛けすぎると弾道が高くなるし、打点を落として思い切り持ち上げるか、多少打点が低くても、強打に近いドライブができてしまうスピン系テンションラバーらしいラバーですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 ループドライブよりも基本は回転と弾きが1:1くらいのスピードドライブ系で十分プレッシャーをかけられる、そんなラバーだと思います。ぶち切れの下回転を持ち上げる時はループドライブで、他はガンガン前に振っていけると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 よく切れて良かったです。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ
 やりやすかったです。基本的にはくい込ませやすいので、多少低くても持っていけると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ
 くい込みが良いので多少、合わせたり入れにいっても問題なく入ると思います。自分は下手ですが、威力や回転量の多い攻撃的なチキータもやりやすいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying Jekyll &Hyde Z52.5Tenergy 05

スピード
 Omega VII Tour i 50 Jekyll & Hyde Z52.5Jekyll & Hyde H52.5

https://amzn.to/3R3XaJN

レビュー Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

説明

 Timo Boll (ティモボル)シリーズ、といえばやはり名作Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット)の派生であるTimo Boll ALC (ティモボルALC)が有名ですね。Timo Boll ALC (ティモボルALC)は誰もが一度は使ってみようと考えるラケットではないかと思います。そんなTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから、本ページではややマイナーなTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)を試打しましたので、紹介させていただきます。個人的にはかなり良いラケットで、昨今弾むラバーが多いですが、そんな弾むラバーとあわせても打球感をしっかり感じられるラケットだと思います!

 Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は現在販売されているTimo Boll (ティモボル)シリーズの中では、トップラインの1本といえるかと思います。ティモボルシリーズをまとめると次のようになりますね。

Timo Boll ALC (ティモボルALC): 上板コト材、アウターALC、板厚 5.8 mm
 Timo Boll 30th Anniversary: Timo Boll ALCと同じブレード、G-FLESSグリップ
Timo Boll ZLC (ティモボルZLC): 上板コト材、アウターZLC、板厚 5.5 mm
Timo Boll ZLF (ティモボルZLF): 上板コト材、アウターZLF、板厚 5.4 mm
Timo Boll TJ (ティモボルTJ): 10~13歳向け、3枚合板+カーボン、板厚 5.2 mm
Timo Boll CAF (ティモボルCAF): 3枚合板 + Control assited Fiber (CAF)、板厚 5.7 mm

 Timo Boll TJ (ティモボルTJ)とTimo Boll CAF (ティモボルCAF)についてはあまり情報がないのでわかりません。残る3種のラケットTimo Boll ALC (ティモボルALC)、Timo Boll ZLC (ティモボルZLC)、Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は、上板にコト材を使用し、アウター特殊素材5+2枚構成のラケットであり、ブレードサイズは157×150 mmの標準ブレードサイズ、グリップはスクェア (四角形)タイプの形状で内部は空洞の先端重心タイプのラケットになりますね。

Timo Boll (ティモボル)ラケット (ALC、ZLC、ZLF)の共通点
 ・板厚が6 mm未満の薄いブレード
 ・上板にコト材 (Koto)
 ・アウター特殊素材5+2枚構成のラケット
 ・標準ブレード面積 (157×150 mm)
 ・スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ

上板にコト材
 上板にコト材を使用するラケットはアウター特殊素材ラケットに多いです。コト材はインナー特殊素材ラケットの上板によく使用されるリンバ (Limba)材と比べると、密度、重量が大きくて硬いといわれる木材になりますね。katsuo000が感じるコト材のメリット/デメリットは次のようになると思います。 
 メリット: 球持ちを感じつつ強い回転量と高い球質を得やすい木材
 デメリット: 硬いために人によっては球持ちを感じにくく、球離れも早いと感じやすい

アウター特殊素材5+2枚構成
 アウター特殊素材となるとやはり特殊素材の硬さが全面に出てくるラケットになりますね。特殊素材にどの素材を使っているか、によって弧線の出方と球のスピードは変わります。ALCはやはり弧線とスピードのバランスが高くてカーボンでなければ得られないスピードが得られつつ球を持ち弧線も描いてくれる素材になります。ZLCはALCよりもさらにスピードが出てカーボン素材だけの板よりも球持ちを感じやすい素材になります。ZLFは木材らしい弧線にプラスαのスピードがある素材でやはり大人しくなりますがその分強い弧線は安心感も強い素材だと思います。

標準ブレード面積 (157×150 mm)
 個人的に標準ブレード面積のラケットの方がバックハンド系の技術が非常にやりやすいと感じます。一方最近流行りの158×152 mmのブレード面積を持つ張本智和モデルのラケットは、ラケット重量が重く先端重心になりやすく、威力が出しやすく、かつスイートスポットが広くてブロックがしやすいラケットになると思います。ただしブレード面積は好みだと思いますし、個人のフィーリングで選ぶことが大切だと思います。個人的にはブレード面積の広いタイプのラケットは好みではないので、そのタイプのラケットはあまり試打することはありません。

スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ
 グリップ形状は人によってかなりこだわる人もいるものだと思います。個人的にはあまりグリップの好みはなくてあまり良いとも悪いとも感じませんでした。全国レベルの選手やコーチの方の中にはグリップ形状にかなりこだわりがある人が多いイメージで、グリップがあわないから使わないという言葉も聞いたりします。スクェアタイプのグリップは水谷隼選手も好んだグリップですね。
 空洞タイプのグリップでは、軽くなり重心が先端にきて回転が自然とかかりやすかったり威力が出しやすかったりするのが特徴だと思います。この変化はTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから樊振東 (Fan Zhendong、ハンシントウ)シリーズのラケットへ移行したりするときに感じやすいと思いますね。つまりTimo Boll ALC (ティモボルALC) ⇔ Fan Zhendong ALC (樊振東ALC)と移行するときに感じやすいと思います。個人的にはZhang Jike ALC (張継科ALC)などの空洞ではないとされるラケットの方が好みではあります。

 本ページのTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は木材の弧線の強さとTimo Boll (ティモボル)シリーズの良さ球持ちと強い回転量を感じられるラケットといえるでしょう。

Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

 届いたTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は標準的な重量でした。またスクェア (四角形)のフレア (FL)グリップを初めて使ってみましたが非常に使いやすいと感じましたね。スクェア (四角形)のストレート (ST)グリップとはまったくもって異なるフィーリングでした。ラバーはいつも通り、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Dignics 05 (ディグニクス05)を貼らせていただきました。

 正直、一時期メインで使っていました。というのは、最近オーバーミスが多いので、弾みを落としたくてアウターからインナー、インナーからついにアウター繊維系へと興味が移った結果ですね汗。打球感も良くて一発で気に入りました。

Timo Boll ZLFの3つの特徴

上板硬めなのに強い弧線を感じられるアウター繊維系ラケット!

 このラケットに求めていたのは、自分が中学生のときに使用していたBISIDE (バイサイド)というアウターアリレートラケットのような打球感を期待して購入しました。期待通りの打球感でまるで昔から使っていたかのような変になじみを感じさせるラケットでした。とにかく弧線を強く作ってくれますね。弧線が強いので安心して強いボールを打てると感じられるラケットでした。

球持ちと強い弧線が安心感を与えてくれるブレード

 上板コト材でアウター繊維素材のブレード構成、板厚5.4 mmと、とにかく球持ちが強いと想像できるラケットです。硬いプラボールに対しても弱いタッチで強い弧線を与えてくれるブレードでした。手打ちでも弧線を描くので、半粒や変化形のラバーを使っている人のボールを打つときも安心してボールを台に入れることができると感じました。慣れ親しんだ打球感というのもあるのかもしれませんが、弧線が強いので、強く打ってもしっかり弧線を描いて相手のコートに沈んでくれると感じさせるブレードだと思います。良いラケットだと改めて感じました。

バックハンドも振り抜きやすく、つなぎの質がとにかく高い

 86 gの重量で標準よりやや軽い個体といってもいいと思います。フレア (FL)グリップでブレード面積も標準なのでバックハンドを打つときはかなり振り抜きやすくて、かなりバンバン打てると感じました。また弧線を描きやすいというのは強い回転をかけられることよりも、つなぎのボールの質を高くしやすいと感じました。もちろんラリーは続きやすくなる傾向になりますが、硬質プラボールになってラリーはどんどん長くなる傾向にありますので、長いラリーは必然といえるのかもしれません。その中で球質を落とさずにボールをつなぐことができることは、試合でも重要な要素だと感じさせてくれるラケットでした。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Timo Boll ZLF > Fortius FT

スピード
 Fortius FT ver. D > Timo Boll ZLF > Virtuoso+

 

Dignics 05 (ディグニクス05)の難しさと魅力とは

最先端にして新「世界標準」!

 日本トップ選手が選ぶDignics 05 (ディグニクス05)について、結構使い込みましたので改めて深堀するような記事を書きたいと思い立ちました。今や、張本智和選手、戸上隼輔選手、中国選手を脅かす中華台北の林昀儒 (Lin Yun-Ju)選手と現日本男子のトップ選手から世界トップ選手までが使用するラバーであり、Tenergy 05 (テナジー05)の「世界標準」から新たな新「世界標準」と呼ばれるべきラバー、それがDignics 05 (ディグニクス05)ではないかと思います。トップ選手が使用することから、ラバーの性能は折り紙付きであることは明らかですが、一般卓人にとっては、扱いが難しいことでも結構有名なラバーではないかと思います。なぜ難しいのか、を表現するのは容易ではないですが、katsuo000が感じたことについて、綴らせていただければと思います。

Dignics 05はミート系の技術は向いていない

 まずDignics 05 (ディグニクス05)を使うときに気をつけるべきポイントは、ミート系の技術に向いたラバーではないことです。もちろんセンスのある方は関係ないのかもしれませんが、少なくともミート系で使おうとするとボールが暴れる、とkatsuo000は感じました。フォアで使っていたとき、あまりにも弾むのでミート気味に使って中陣から強打しようとしたことは何度かありますが感覚のあるフォアでも安定しませんでした。ドライブのときよりもボールの飛距離が出すぎてオーバーミスすることが多く、オーバーを意識して低く打つとネットに直撃しました。ディグニクス系のラバーはとにかくボールの弾みが尋常ではなくて、まさに「グルーしたような」レベルの弾みを示してくれます。しかしながら、その分扱いが本当に難しいと思いますね。ただ弾むだけであれば感覚があればある程度感覚でおさめられるかもしれませんが、昨今流行りの板薄のラケットを使うとラケットがしなるので、ボールのスピードや回転にも左右されやすくて、余計にミートには向かないなーと感じました。これが木材系の板厚ラケットやカーボン入りの板厚ラケットであると、ミートの感覚も変わってくると思いますが、板薄ラケットにあわせるとミートは神業的なレベルに至っているように思います。そしてミートで使うならもっと別の選択肢もあるようにも思いますね。相手の回転の影響を受けにくいラバーの方がミートには適していてやりやすいと感じるでしょう。例えばDignics 64 (ディグニクス64)などがやはり直線的でミート打ちには期待が持てると思います。このラバーでミートをするのはやはり個人の感想ではありますが、ロビングに対するスマッシュを除いて、ラバーの良さを引き出しにくい結果になると思います。

Dignics 05の打球感は球持ちを感じにくい?

 打球感覚についてがやはりトップ選手でも使用する人と使用しない人を分ける部分ではないかと想像している部分になりますね。正直初めて使うときは、球を持つくらいしっかりくい込ませようとしても、くい込ませる分弾みも強くなりやすいので「球を持つ」前に飛び出してしまうような打球感で球持ちを感じづらいと思います。この球持ちを感じにくいという点がトップ選手の人には難しいと感じさせるのではないかと勝手に想像している部分ですね。一方で無二のラバーでもあり、使いこなせるのであれば中国選手にも必殺のラバーになるようで、それを体現しているといえるのが張本選手や林昀儒 (Lin Yun-Ju)選手だと思います。

Dignics 05は回転をかけドライブするためのラバー

 では、Dignics 05 (ディグニクス05)はどのような技術にもってこいなのか、それはやはり回転をかける技術で非常に優れた性能を示すラバーだと思います。ただし、これも上手な人が使って初めて使いこなせるラバーだと思います。フォアで使っていたときも使い方を掴むために相当打ち込みんで、回転をかけることでスピードドライブが安定すると感じたときに初めて良いと感じました。そのドライブのためには相当なインパクトと準備が必要で大きなラリーなら魅力的ですが、レシーブや台上ではやはり難しさの方が目立つとも感じました。練習のやりこみでもちろん使いこなせるかと思いますが、やはりレシーブはオーバーミスが目立ちとにかく悩まされましたね。難しい要因はとにかく弾むことで、弾むのでボールが引き込めるときは上書きでなんとかおさまりが良いのですが、台上のボールになると引き込みにくくて上書きが難しくなる印象です。ツッツキやストップ、チキータなどの技術含めて小手先ではなく、少なくとも体幹を使って身体で打つようなイメージで初めて安定感が得られるようなラバーだと思いますね。レシーブなどは特に小手先で打とうとしてしまう部分が自分にはあり、また身体を使いすぎると角度を間違えるとオーバーが増えてしまい、ということで難しいと感じました。良いときは本当に良いのですが、良いボールとして相手コートに入るときとミスするときが紙一重のような状態で、やはり練習でいい状態を維持しないといけないと感じさせられました。

Dignics 05は唯一無二のドライブが打てるラバー

 もちろんめちゃめちゃ良いときはとことん良くて、フォアドライブ、バックドライブやチキータ、ツッツキ、ストップもかなり回転がかかって、卓球の質が一段あがるような素晴らしいラバーだと思います。特に前・中陣からネットスレスレのスピードドライブがガンガン打てて、めちゃめちゃ安定する、そんなイメージがあります。良いときはとことん良いラバーであるのは間違いないです。特にエグいのがブロックやかけ返し、カウンターなどで、感覚がついてくるようになるとかなりやりやすいと感じると思います。感覚にもよりますがブロック系は、やはりあまりミート気味に当てると落ちやすく、しっかりボールを持つような、ナチュラルに回転をかけるような打ち方が安定感が出るのですが、その感覚を得るまでにkatsuo000はかなり時間がかかったと思います。ブロックに回ってもやり返せる、ある意味盾でもあり矛にもなる、後の先を狙える最強無二のラバーではないかと思います。相手のドライブに対してもボールを持つことでかけ返し系のブロックやカウンターもやりやすくて安定すると感じると思います。このあたりもまさにドライブや回転をかけることに非常に適したラバーであることを感じさせるラバーだと思いますね。使いこなした時のラリーの安心感やエグさは無二のラバーであり、そのパフォーマンスは中国選手も恐怖するレベルなのだと個人的には思います。

Dignics 05をオススメする選手はどんな選手か?

 使いこなせるかどうかのポイントの最後の部分は、非常識なまでにラケット角度を寝かして、ラバーを信じて?あるいは感覚を信じて?ドライブ回転をかけに行けるかどうか、にかかっているような気がします。チキータに行くときなども相当寝かせるイメージです。katsuo000の言葉で申し上げると、どこまでラバーを信じられるか、「絶対落ちるでしょ?」って角度で打って入ってしまうのがDignics 05 (ディグニクス05)というラバーだと思います。

 個人的にオススメする選手は、長くこのラバーと付き合おう、と思える選手だとkatsuo000は思います。やはり非常識なボールが入るようなラバーなのでその感覚、センスをすぐにつかめる天才的な方は別でしょうが、基本的には慣れて扱えるようになるまで、相当の時間を要すると思います。若手であればやはり練習時間を確保できる選手になると思いますし、ハマると良いですがハマるまでに時間がかかってしまうと大きな大会でコケる原因にもなるかもしれませんので、相当な覚悟を持って挑戦した方が良いと思います。一般の選手では返球がやはり速くなるので両ハンド選手にオススメしたくて、回り込みを多用する選手には中・後陣のラリーが得意かどうかが一つの分岐点ではないかと思います。練習量が確保できる人であるなら、今のボールが何故入ったのかわからなくても気にしなくて、こうすれば入るということを掴んだらあまり色々考えずに練習のように試合で打てる人には向いているのかもしれません。練習量を確保できないのであれば、今のボールが何故入ったのか、その理由をとにかく追求して、その感覚を掴むところまで付き合いできるかどうか、分岐点になるかと思います。是非使うのであれば覚悟と根気を持って付き合うようにしてほしい、そんなラバーになると思います。

 魅了されるような唯一無二の性能を持つが、「暴れ馬」と称されるような扱いにくさがあり、火傷や大けがをする人も出てしまう、男の浪漫のような魅力をもったラバー、それがDignics 05 (ディグニクス05)だと思います。新「世界標準」であり、「唯一無二」であり、扱う人によっては「暴れ馬」とも称されてしまうようなラバー、Dignics 05 (ディグニクス05)。katsuo000から最後に手に取る方には「是非楽しんで、そして卓球という魅力にまた魅了されて。」という言葉を贈りたいです。

レビュー Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)

説明

 Yasaka (ヤサカ)の名作、Ma Lin (馬林)シリーズからMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)をレビューさせていただきます。Ma Lin (馬林)シリーズは長きにわたって人気の名作シリーズですね。Ma Lin (馬林)シリーズは、5枚合板1種、7枚合板1種、インナーカーボン3種と合計5種類のラケットが販売されています。馬琳 (Ma Lin)選手自身は有機溶剤による後加工可の時代では5枚合板を、その後はMa Lin Carbon (Ma Lin Carbon)を使用していたそうです。Ma Lin (馬林)選手といえば豪快なフォアドライブが特徴的ですよね!当時は同じ時代に活躍した、中国出身のWang Liqin (王励勤)選手も5枚合板に有機溶剤、その後、カーボンラケットを使用したようです。2人とも右利きでエゲつないパワードライブを打つ剛腕フォアドライブ型でした。未だに多くの卓人があこがれたり、参考にするのが馬琳選手/監督たちになると思いますね。それではラケットについて言及していきたいと思います。

 Ma Lin (馬琳)選手が使った5枚合板と類似の仕様のラケットが、Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)ですね。情報ではMa Lin (馬琳)選手が使用したMa Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)は、100 gくらいの超ヘビーラケットだったらしいです。そのような固体はさすが流通していない可能性が高く、特注の非常にマレな固体をご本人は好んで使っていたようですね。さらにパワフルな7枚合板仕様のラケットがMa Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)になります。このラケットは最近では愛工大の吉山僚一選手が使用していたラケットになりますね。海外ツアーへ出場するようになり吉山選手はMa Lin Carbon (馬林カーボン)へ変更したようですが、大島祐哉選手がandro (アンドロ)の7枚合板「和の極み -煉-」を使用していて改めて注目しても良いのではないかと思いますね。やはり7枚合板は5枚合板よりもラリーに強くて木材合板らしさもあるラケットに分類されると思いますね。安価でいてトップ選手も使用している、という点は非常に良い選択肢の1つだと思いますね。

 Ma Lin (馬林)シリーズのカーボンは3本ありますが、どれも全てInner Carbon (インナーカーボン)になります。インナーカーボンなのに3種類もラインナップしている点が現代卓球を先んじていたように思いますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はMa Lin (馬林)シリーズを踏襲する、上板硬めの合板構成でインナーにカーボンをはさんだラケットになります。そして今回レビューするのがMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)で上板にウエンジ材というハードな木材を使用して、シリーズ1弾むラケットになります。そして近年流行りのソフトな上板を使ったインナーカーボンがMa Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)になります。
 ここからは個人的なコメントです。Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)は上板が柔らかくかつ板厚も5.7 mmとかなり薄いラケットになります。このラケットを選ぶのであれば、カーボンにアラミドカーボンやALCを使っていないことにこだわるか、上板が柔らかいのに6 mm未満の板厚の薄いラケットを求めるなら良いと思います。インナーラケットの王道を求めるならButterfly (バタフライ)さんのInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)などがやはり王道ですので、そちらを選ぶことをオススメするかと思いますね。
 逆に、上板の硬いインナーカーボンを探すのであれば、このMa Lin Carbon (馬林カーボン)やMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は他のインナーカーボンと一線を画していて、手に入れやすい数少ないインナーカーボンになると思います。個人的には上板硬めのラケットはサーブの切れ味も上がり、回転量も上がるので球の質を求めていくならオススメのラケットになりますね。

 ・Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ): 上板やや硬めの5枚合板
 ・Ma Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル): 上板やや硬めの7枚合板
 ・Ma Lin Carbon (馬林カーボン): 上板やや硬めのインナーカーボン
 ・Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン): 上板ハードなインナーカーボン
 ・Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン): 上板ソフトなインナーカーボン

 ここで突き動かされるような言葉で綴られた、卓球王国さん × Yasakaさんの記事を引用させていただきます。この記事を読むと改めて馬林ラケットシリーズを手に取りたくなるのではないでしょうか。

『馬林カーボン』
 好敵手、王励勤と覇権を争い、中国の”竜虎”と呼ばれた馬琳。その右手に握られた至高のギア。

 99年世界選手権男子シングルスで決勝に進んだ馬琳。その手に握られていたのは、ヤサカの名品『ガシアンエキストラ中国式』 (廃番)だった。古くより中国代表選手の間で絶大な人気を誇っていた、スウェーデン製ラケットである。
 長らくヤサカラケットを愛用していた馬琳だが、2005年に正式にヤサカと用具契約を結んだ。その年、世界選手権上海大会で握り、2度目の決勝に進んだラケットが、新たに馬琳のために開発された『馬林カーボン』なのである。
 ところで、ここまで選手名は馬琳、商品名『馬林カーボン』と、表記が異なることが気になった人も多いのではないか。本名は「馬琳」なのだが、琳は女性の名前に多く使われる文字ということで、本人が「馬林」とサインすることから、ラケット名では「林」が採用されたという理由だ。
 話を戻そう。05年末に一般発売となった『馬林カーボン』は、瞬く間にベストセラーとなった。これほどの選手の名を冠したモデルが売れないわけはない。ただ、そのセールスはヤサカの予想を上回り、嬉しい悲鳴を上げた程だったという。そして卓球王国2007年2月号で発表された、第1回「ベストギア・オブ・ザ・イヤー2006」にて『馬林カーボン』はペンホルダーラケット部門で『吉田海偉』(バタフライ)とともに同率首位のグランプリに輝いたのだ。
 05年に続き、07年にも世界選手権で決勝に進んだ馬琳。90年代末から10年代初頭にかけて長く活躍した馬琳だが、中でも最も脂の乗った時期に本人が使用していたモデル。この『馬林カーボン』以前、そして以後は、馬琳はヤサカの木材ラケットを使用したのだが、なぜ彼が00年代中期にカーボンラケットを選んだのか。神業とも言える台上処理を重視し、パワーはラケットの弾みよりも体全体で出すという馬琳。それだけ聞くと、カーボンモデルは不向きのように思えるが・・・。この疑問に対する答えは、優れた合板構成にあった。

カーボンラケットとしては異例の球持ちの良さ。時代を先取りした超バランス素材

 ヤサカが馬琳との契約にあたって、本人使用モデルとして開発した『馬林カーボン』。もちろん、馬琳本人も開発に関わっている。気むずかしい性格で有名な馬琳。当然ながら用具選びにもこだわり、妥協を見せないのだが、そんな彼が多くの試作品の中から選んだのが、この合板なのである。
 馬琳のプレーというと、3球目の強烈なフォアドライブの印象が強い。そのため、ラケットもパワフルなものを使用しているような錯覚に陥るが・・・。馬琳が最も重視したのは「コントロール」だった。
 以前に馬琳が愛用した5枚合板 (現在は廃番の『ガシアンエキストラ』)も、スウェーデン製5枚合板らしい球持ちとコントロールが特徴だが、その特徴を損なわない範囲で、カーボンにより若干のパワーアップを図ったのが、この『馬林カーボン』なのである。
 『馬林カーボン』の最大のミソである合板構成を見てみよう。サイド写真を見てもわかるとおり、カーボンが表面から3枚目 (上板と芯材のさらに内側)に配置。特殊素材 (木材以外の繊維素材)を、上板のすぐ下ではなく、内側に配置する、いわゆる「インナー」タイプの設計だ。
 またカーボン自体もかなり薄い。そのためカーボンの硬さ・弾みの良さを全面的に押し出さず、木材モデルに近い球持ちが生かされている。板厚も5.7 mmとスリムで、打球時のしなりを持たせている。
 このような合板構成を、スウェーデンのすぐれた合板技術によって製品化した『馬林カーボン』は、結果的にカーボンラケットとしては最も球持ちの良い部類のブレードに仕上がり、世界No.1の台上技術を誇った馬琳を満足させたのだ。
 「板厚がスリムなインナー素材タイプ」というと、近年では人気の合板構成として、各社からリリースされている。しかし、『馬林カーボン』はそのタイプの人気に火が付く以前の2005年にリリースされた。先見性のある設計だったと言って良いだろう。
 シェークのFL・ST、そして中国式ペンと、3種類のグリップが発売された『馬林カーボン』だが、やはりペンの馬琳が実際に使用したということで、中国式は両面に裏ソフトを貼るプレーに適した設計になっている。
 板厚が5.7 mmとスリムなので、両面にラバーを貼っても握りやすい。また平均重量は、カーボンラケットとしては軽めの85 gであり、重量に悩む両面ペンの選手にとっては扱いやすい軽さだ。
 ブレードサイズはスウェーデン製の中国式ペンとしてはオーソドックスな長さ163 mm×幅150 mm。しっかりと面が広いためスイートスポットが広く、また長さもあるのでフルスイングした時には威力を発揮する。馬琳のようなパワーがない選手にとっては、あまり面が大きいと操作性の悪さにつながる可能性があるが、ラケット本体が重くないので、中級者でも扱える範囲だ。
 「ペン両面向きの性能」
 これも『馬林カーボン』の大きな特徴と言えるだろう。以上見てきた設計面・性能面からも、このラケットの人気の理由がわかると思う。

2005年の発売から衰えぬ人気。それの理由は馬琳のネームバリューだけではない
 次々と新製品が登場する卓球用具市場。特にラケットに関しては、毎年各社から多くの新製品が投入される一方で、ほぼ同数の商品が廃番となり、密かに姿を消していく。ラケットの商品サイクルは、ラバーのそれよりも短い傾向にあるのだ。
 そのような中、ヤサカ『馬林カーボン』は2005年の発売から不動の地位を築いている。一般的に選手モデルは、その選手が引退するとすぐに廃番になったり、あるいは売上げ低下によりしばらく後に廃番になるケースも多いが、このラケットは例外だ
 改めて『馬林カーボン』がロングセラーとなっている理由をまとめてみよう。
 成績だけでは語れない馬琳の人気
 やはり、馬琳の人気は絶大だ。世界選手権で3回準優勝、そして北京五輪で金メダルを獲得した、卓球史に残る名選手である。しかし馬琳という選手の魅力は、成績だけでは語れない。その魅力のひとつが、裏面打法にある。中国で開発され、発展を遂げたペンホルダーラケットの裏面打法は劉国粱 (96年五輪金メダリスト/前・中国男子総監督)が第一世代と言われる。プレーの軸はフォアハンド (またはバックショート)であり、それを補助する目的で裏面打法でのバックハンドが使用された。そのスタイルを継承、発展させ、より攻撃的な裏面バックハンドを確立させたのが、第二世代と言われる馬琳なのだ。その後、シェークのような自在な両ハンドプレーを見せた王皓が第三世代と呼ばれるが、王皓は中国でも例外的存在と言われ、馬琳の時点でペン両面スタイルは完成に近づいたと言ってもいい。
 裏面打法を高いレベルに引き上げた功労者である一方で、馬琳のプレーの軸足は「ペンドラ」ならではの強烈なフォアドライブにある。この点も、ペンホルダーのファンにとって大きな魅力だ。複雑なフェイクモーションを交えた強烈な変化サービスと、世界トップクラスのテクニカルな台上技術、そして台上のボールをフルスイングで持っていくエグいまでの3球目攻撃。裏面打法を駆使しながらも、「シェークの亜種」ではなく、ペンホルダーならではのダイナミックなプレーこそが、我々を惹きつけるのだ。

https://world-tt.com/ps_maker/yasaka/002/page.php?pg=1

 馬林シリーズが使いたくなったのではないでしょうか。名作であり王道の板構成を知ると手に取りたくなるのが卓人だと思います。

Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)

 届いたMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)はなんと、93 gの超ヘビー級でした。重い方が好みなので、いいね~と思った次第です。黒と赤のデザインがなかなか特徴的でかっこいいなーと思いつつ、赤の「HC」はひねりがなくてやや少し残念かなーと思ったりしました。ラバーはいつも通り、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Dignics 05 (ディグニクス05)を貼らせていただきました。

馬林ハードカーボンの3つの特徴

上板硬めでトルネードキングパワーに似たパワフルブレード!

 このラケットを購入する動機はただ1つ、上板硬めでブレード面積の狭いラケットを購入することでした。今回購入して打ってみて、Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)はまさに上板硬めの名前通りのハードラケットでした。打球感は新しいコトもあってかなりハードでTornado King Power (トルネードキングパワー)よりも弾むと感じましたね。上板硬めで質はかなり高いですが、それ以上に硬さで弾みすぎる感じもありましたね。上板硬めのインナーカーボンラケットはアウターカーボンラケットのようなパワフルさがありますが、このMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)も類にもれず非常にパワフルなラケットでした。

ノーマルカーボンのため、しなりよりも弾きの良いラケット!

 Tornado King Power (トルネードキングパワー)と比較してどうか、という観点で試打しました。やはりカーボンがノーマルカーボンということもあって、弾きの良さを強く感じましたね。Tornado King Power (トルネードキングパワー)は、アラミドカーボンを使用しているため、やはり弾みの中にしなりの良さを改めて認識できました。一方でMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は、例えば表ラバーを貼ってミートすると丁度良い硬さと弾みが得られそうなラケットだと感じました。粘着ラバーもいいですが、ミートやスマッシュを多用する人にあっていると感じましたね。

ブレード面積157 × 151 mmとヘビー級の重量93 g!

 90 gを超える重量になるとやはり7枚合板のようなパワフルさ、相手のボールの影響を受けにくい芯の強さを感じるラケットだと思います。個人的には重量は重いですが、ブレード面積は狭いのでバックハンドは振り抜きやすくて良いと思いました。ただ弾みも強かったので、カーボンはもっと薄いやつかなくても良いようにも感じましたね。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tornado King Power > Ma Lin Hard Carbon > Mizutani Jun SZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC > Ma Lin Hard Carbon > Ice Cream AZXi

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レビュー Blue Star A1 (ブルースターA1)

説明

 DONIC (ドニック)さんが2023年に本気の一枚を発売しました。その名もBlue Star A1 (ブルースターA1)です。2022年インターハイ3冠王の鈴木颯選手がBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)から両面、Blue Star A1 (ブルースターA1)へ変更しました。トップ選手が使用して満足いくラバー、それがBlue Star A1 (ブルースターA1)のようですね。既に元卓球王国のゆうさんのレビュー動画も配信されました。どのようなラバーなのか、見る前にブルーラバーについて確認しましょう。

・Blue Grip(粘着ラバー)6種
 Blue Grip C1 (ブルーグリップC1)
 Blue Grip C2 (ブルーグリップC2)
 Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)
 Blue Grip S2 (ブルーグリップS2)
 Blue Grip V1 (ブルーグリップV1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Grip R1 (ブルーグリップR1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
・Blue Storm(ブルーストーム)7種

 Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 Blue Stom PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 Blue Stom Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)
 Blue Storm Z1 (ブルーストームZ1)
 Blue Storm Z2 (ブルーストームZ2)
 Blue Storm Z3 (ブルーストームZ3)
 Blue Storm Big Slam (ブルーストームビッグスラム)
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種

 Blue Fire M1 Turbo (ブルーファイヤM1ターボ)
 Blue Fire M1 (ブルーファイヤM1)
 Blue Fire M2 (ブルーファイヤM2)
 Blue Fire M3 (ブルーファイヤM3)
 Blue Fire JP01 Turbo (ブルーファイヤJP01ターボ) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP01 (ブルーファイヤJP01) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP02 (ブルーファイヤJP02) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP03 (ブルーファイヤJP03) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire Big Slam (ブルーファイヤビッグスラム) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)

 廃盤と思われるラバー含め、22種類のブルーラバーがあります。数が多いですね。未だにBlue Fire (ブルーファイヤ)シリーズが販売されているのはスゴイと思いますね。最近のDONIC (ドニック)最新ラバーは非常にいいラバーが多く、昨年2022年発売のBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)は税抜7,800円と高いだけありTenergy 05 (テナジー05)を超える高い回転性能を有する高性能ラバーでした。今回のBlue Star A1 (ブルースターA1)も税抜8,600円と高いだけあり抜群の性能が期待できます!実際、高評価が多いようですね。2023年の卓球王国の別冊卓球グッズでも高い評価をされているようですね。それでは各情報を一つ一つ確認していきましょう。

Blue Star A1 (ブルースターA1)

ブルーの新星、ここに。

 最新のOPTEスポンジを採用した『ブルースターA1』は、選手が打った瞬間に従来のラバーとは完全に異なることが分かる新感覚のラバーです。特にボールの飛び出しが上にいくカタパルト効果とそのスピードは特筆すべき点です。また、『ブルーグリップ』シリーズとは異なる、新たなフィーリングのグリップ力も究極のスピンを生み出す力となります。

2023年DONICパンフレット

時代を照らす星となれ。
独自のフィーリングが生む、衝撃の弧線と回転性能!

 『ブルースター』は粘着性トップシートに、新開発のOPTE (Optimized Energy)スポンジを搭載。「打った瞬間に従来のラバーとは異なるとわかる」ほどの性能に仕上がっているという。(中略)

 「開発段階のテストラバーを実際に試打してみて、従来のラバーとの違いが感じられないこともあります。でも『ブルースター』はボールの上がり方がこれまでのラバーとは全然違いました。性能が大きくアップデートされていますね。上級者が最大の回転量を追求するラバーに感じます。重量は若干重めですが、それもあまり気にならない。また、個人的な感想ですが、一見してトップシートが『上品』ですね」(ドニック瀧澤さん)

 『ブルースター』登場以前から、ドニックのラバーラインナップに粘着テンションの『ブルーグリップ』シリーズがあった。
 『ブルースター』と『ブルーグリップ』シリーズの違いについて瀧澤さんに話を聞くと、『ブルースター』は『ブルーグリップC2』を進化させたイメージだという。
 『ブルーグリップC2』も、ヨーロッパを中心に多くのドニック契約選手が使用しているハイスペックラバー。そこから『ブルースター』はどのように進化を遂げたのか。
 「『ブルーグリップ』シリーズは中国製のようなガチガチの粘着よりははるかに使いやすいけれど、どうしても粘着特有のクセはあった。その中でも『ブルーグリップC2』はクセを少なくしたラバーでした。
 『ブルースター』は『ブルーグリップC2』より、粘着特有のクセがさらに薄くなり、扱いやすさも向上しました。これまでドイツ製テンションを使用していた方でも、スムーズに移行できると思います。そのうえで性能も高めた、いわば『良いトコ取り』のラバーですね」(瀧澤さん)
 「『ブルーストームPRO』は自然に回転がかかり、使い手の技術不足を性能で補ってくれるようなラバー。それに対し『ブルースター』は上級者の技術をさらに補強し最大の回転を追求するラバー。『ブルーストームPRO』は使いやすさと安定感があり、『ブルースター』は尖った性能というイメージです」

 『ブルースター』について語ってもらう中で、瀧澤さんは「カタパルト」という単語を口にした。「カタパルト」とは航空母艦などから航空機を射出するための装置のこと。それをラバーとボールの飛び出しになぞらえ、「カタパルト効果」と表現するが、『ブルースター」とにかくその要素が強い。
 打った瞬間に「ビックリするほど」ボールが上に飛び、自然と弧線を描く。これは『ブルースター』を試打したほとんどの人が口にした感想であり、それこそが「打った瞬間に従来のラバーとは異なると感じる」という言葉の真意だ。
 普段は別のラバーを使用している選手が『ブルースター』で何気なしに持ち上げるようなスイングでドライブを打つと、独特の飛び出しでボールがオーバーする場面も試打の最中にたびたび見られた。
 「上へ飛び出す」ということは、ラケット面を被せ、前方向へのスイングでもボールをキャッチし、強い回転をかけられるということ。その性能は前陣から後陣まで、どのプレー領域でも生きる。また、直線的に飛ぶアウター特殊素材との相性も良さそうだ。
 日本におけるドニックの看板プレーヤー鈴木颯(愛工大)選手も、長く愛用していた『ブルーストームZ1ターボ』から両面『ブルースター』に変更。昨年の世界ユース選手権U15男子シングルスを制しコトン(フランス)選手など、若手契約選手も『ブルースター』を使い始めているという。

 現在、両面に『ブルースターA1』を使用している鈴木颯選手。過去に何度か粘着テンションの『ブルーグリップC2』をテストしたが、粘着特有の使用感が合わずに変更を断念んしていた。しかし、『ブルースター』にはスムーズに移行でき、性能も好みだという。「新製品ということで興味があって試打してみましたが、これまでのドニックのラバー以上にボールが上に飛んでくれた。そのため、弧線を作りやすかったので変更することに決めました。自分が伝えたいパワーを存分に発揮できて、微粘着のトップシートの特徴が活かしたクセのあるボールも作れます。相手にとって嫌な攻撃ができるラバーだと思いますね。」(鈴木選手)

卓球グッズ2023 7月号別冊

 発売を聞いてすぐに購入し、試打したいと思ってすぐに貼りました。触ってみると確かに微粘着シートで球をついた印象は、思わずDignics 09C (ディグニクス09C)に似ていると感じました。これは期待が持てると思います!

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedControlRubber Stiffness
Blue Star A1
(ブルースターA1)
11++11++5+52.5°微粘着
Blue Grip C1
(ブルーグリップC1)
11++11560.0°強粘着
Blue Grip C2
(ブルーグリップC2)
11+106-55.0°強粘着
Blue Grip V1
(ブルーグリップV1)
11+10+650.0°強粘着
Blue Grip R1
(ブルーグリップR1)
11106+50.0°微粘着
Blue Grip S1
(ブルーグリップS1)
1110647.5°粘着
Blue Grip S2
(ブルーグリップS2)
119+742.5°粘着
Blue Storm PRO
(ブルーストームPRO)
1111+5+50.0°
Blue Storm Z1 Turbo
(ブルーストームZ1ターボ)
10+++11650.0°
Blue Fire M1 Turbo
(ブルーファイヤM1ターボ)
10+++10+750.0°
Blue Fire JP01 Turbo
(ブルーファイヤJP01ターボ)
10+++10+6+47.5°

 他のブランドと比較しても、DONICさんのラバー公表値は、本当に参考にならないなーと感じてしまいます汗。正直スピンもスピードも同じ値でも全然打球感や飛んでいく感覚、弧線は異なりそれぞれこだわって作られているラバーなのですが、ちょっとよろしくないなーと個人的には思います。手に取って確認してほしいという思いがあるのかもしれませんね。

Weight
重量
shore ashore ashore cshore csheet-sponge
(shore a)
sheet-sponge
(shore c)
gsheetspongesheetsponge
Blue Star A15331.827.846.243.84.02.3
Blue Grip C15734.033.049.949.51.00.4
Blue Storm PRO5029.626.343.240.63.32.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 硬度比較をするとラバーの特徴が出ると感じます。katsuo000が所有しているDONICさんのラバーの中では、やや重たいですが、shore aのシート側とスポンジ側の硬度差が大きく、扱いやすさもあるラバーであることがうかがえます。というか、粘着ラバーはシートの方がスポンジよりも軟らかいということがあるのですが、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はスポンジの方が硬い仕様でスピン系テンションラバーに近い設計になっていると感じました。やはりTenergy 05 (テナジー05)と比較するとやや硬く、ディグニクスシリーズと比較すると柔らかめのラバーになりますね。やはりDignics 09C (ディグニクス09C)に方向性が近そうですね。

ブルースターA1の貼りと重量

 最近はインナーメインにしています。Rally Ace (ラリーエース)さんんのLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

 53 gはやや重いですね。バックで使えるか不安になる重さだと思います。一方で打球感はDignics 09C (ディグニクス09C)ほど硬くないので、バックでも使おう思えば使えるラバーだと思います。

Blue Star A1(ブルースターA1)
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・Speed: 11++
・Spin:11++
・Control:5+
・Sponge硬度:52.5°
・8,600円 + 税
・75 → 53 g (Limba Inner (リンバインナー)に貼って)

Blue Star A1の3つの特徴

一言でいうとスピードも出る09C!

 このラバーは弧線が高いですね!初めの直観通り、Dignics 09C (ディグニクス09C)に非常に似た弧線の高さでした。この弧線の高さはまさにDignics 09C (ディグニクス09C)!ただ、Dignics 09C (ディグニクス09C)は打球感がマッドで癖は出る分、粘着らしく打球直後のスピードよりも、相手のコートについてからのボールの上に上がる伸びの方で特徴のあるラバーです。一方、このブルースターA1は非常にスピード感のあるボールが打ちやすかったです。試打した季節がちょうど夏だったこともあってスポンジが柔らかく感じたこともあいまってか、かなりスピードを感じました。このスピードは武器になると感じました。若干クセや相手のコートについてからの伸びは弱く、取りやすいドライブになっているようにも感じましたが、ループドライブの回転量はしっかりあり、決して回転量が低いようなラバーではありませんでした。ただ、使いやすくてスピードが出しやすい分、クセ球はほとんど出にくいといえるかもしれません。ただ弧線がここまで出ると多少のループドライブを前にふって上手にカウンターしやすいと思いました。

回転性能はディグニクスなみか!?でもどちらかというとテナジー系のラバー!

 粘着シートということで、回転量はしっかりとしていて、折り紙付きの高い性能でした。こういったラバーで粘着ですので、やはりシートはかなり柔らかめというわけではないのですが、シートとスポンジの硬度差があるようなラバーになっていて、テナジー系の打球感に近いラバーだと感じました。こういったラバーの方が球持ちを強く感じやすく、ループドライブなどのドライブのスピードと回転量を変化させる打法で、扱いやすさを感じやすいラバーだと思います!

もちろん台上もやりやすい!

 粘着シートですので、やはり台上はしっかりとまります。この安心感を維持しながら、弾ませる、非常に現代的なラバーに仕上がっていると感じました。Dignics 09C (ディグニクス09C)はいいラバーですが、もう少し自分の個性や色を出していきたいなら、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はかなりオススメになります。そうでなくとも、このラバーはオススメして外れの少ない非常に高性能なラバーでした。やや高いラバーですが、手に取ってみて悪い経験はさせない、そんなラバーだと思います。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアサーブ
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

ブロック
 

ストップ / ツッツキ
 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C ≧ Blue Star A1 > Dignics 80 

スピード
 Dignics 05 > Blue Star A1 > Dignics 09C

https://amzn.to/46OjMFk


 

2023年版 球持ちの良いスピン系テンションラバーランキングトップ5!

回転性能 ≠ 球持ちの良いラバー!

 最近強く感じることは、ラバー性能が格段に上がっていること、そして、シートの硬いラバーが増えたことです!このシートの硬さというのが、現代卓球において、非常に重要になってきているようにkatsuo000は感じております。シートは硬すぎず柔らかすぎず、まさにバランスが要求されます。硬すぎるとインパクトを強くしないとくい込まないので、思ったような回転がかからなかったりします。逆に柔らかすぎると、最大の回転量はやや下がるし、相手の回転の影響も強く受けるようになります。このようにシートはラバーのキーマテリアルとなってきました。また昨今の卓球用具では、ラケットへラバーをあわせるのではなく、ラバーを選んでラバーにあうラケットを選ぶという考え方も増えてきました。それくらいラバーが主役となりつつあるということです。
 そこで本ページでは、改めて球持ちに特化したラバーについて、独断と偏見でランキングしていきたいと思います。基本的には、スポンジよりもシートの方が柔らかいラバーが球持ち抜群といえると考えています。実はそういったラバーは、Hurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)などの粘着ラバーに多いです!ただしこのページではあくまでも、スピン系テンションラバーにこだわって取り上げていきたいと思います。回転性能ではなく球持ちの良いラバーたちを、初めに各社のブランドから1枚選びつつ、最後にトップ5を示させていただきます。それでは確認していきましょう!

Butterfly (バタフライ)

Tenergy 05 series (テナジー05シリーズ)

・Tenergy 05 (テナジー05)
・Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
・Tenergy 05 FX (テナジー05FX)

 このラバーはやはりシリーズでランクインだと考えました。やはり球持ちを議論する上で世界標準、Tenergy 05 (テナジー05)シリーズは外せませんよね。硬度も、HardからFXまであってレベルや技量にあわせて選ぶことができますね。抜群の球持ちと回転量、そしてバランスの取れた弾み、と今だ世界標準のテナジー05シリーズは、一度は通るラバーとなっているかもしれません。ラバーが多いと言っても、このラバーは一度は試すラバーになってしまったといっても過言ではないくらい、最も標準的なラバーになりますね。

VICTAS (ヴィクタス)

V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

 VICTASさんからは最新ラバーの1つ、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)を挙げます。このラバーは非常に球持ちが良いラバーになっていますね。スプリングスポンジのように硬度のわりに食い込ませやすいスポンジを搭載し、バックハンドでも使いやすいラバーになっています。しっかりボールを掴むのに、シートがやや曇り系で硬く、VICTASラバーらしいカウンターのやりやすさのあるラバーに仕上がってますね。やや寿命が短いようですが、キャンペーンなどで5,000円台で購入可能なラバーというのも良い点ですね。正直フォアもバックも迷ったらこのラバーを使うというのはアリだと思いますね!

Nittaku (ニッタク)

Fastarc G-1 Max (ファスタークG-1マックス)

 やはりこのラバーも外せません!日本一売れているラバー、G-1です。個人的にはスポンジ厚さが一番厚いMaxが一番ボールを持ちやすいと感じました。特厚でも、食い込みが良すぎてラケットの芯に当たっている感じが強く感じたんですよね。シートは粒太目の球持ちを強く感じるものなので、このラバーで感じない人はいないはず、という感じです。しっかりボールが沈んでくれるので思い切り振ることができますし、初期のドイツ製ラバーということで、ボールの回転量が結構変化が出るため、慣れないと取りにくいと思います。一方でG-1使用者側はドイツ製ラバーらしくなれるとあまり相手の回転の影響は受けにくいという試合に勝ちやすさを持ったラバーになっていますね。自分が使うならフォアだと思いますが、未だに売れている名ラバーだと思います。

Yasaka (ヤサカ)

Rigan Spin (ライガンスピン)

 Yasaka (ヤサカ)さんからは、Rakza (ラクザ)シリーズのラバーではなく中級者用のRigan Spin (ライガンスピン)を挙げさせていただきます。人によってはRakza X (ラクザX)Rakza XX (ラクザXX)を推す人もいらっしゃると思います。katsuo000もかなり迷いました。Rakza X (ラクザX)はフォアで使えば非常に球を持てるのですが、Non Slip Sheet (NSS)はやや硬く、またドイツ製ラバーらしさもあって硬いラバーなので、バックやインパクトが弱い人にとっては難しいラバーではないかと思います。Rakza XX (ラクザXX)はスポンジが最新のものとなってくい込みも良くなってかなり球持ちを感じやすくなって良いラバーなのですが、シートが若干Rakza X (ラクザX)よりで硬くドイツ製らしさもあって今回は見送りました。コスパ、抜群の球持ち、ハイエンドラバーに負けない回転量と、3拍子揃うRigan Spin (ライガンスピン)をここは選ばせていただきました。このラバーは個人的にはかなり推してます。ただし寿命はやや短いので、しっかりラバーケア (粘着シートなどで酸素との接触をなるべくなくすようにする、埃をさけるなど)をすることをオススメします。NittakuのシートよりもButterflyさんのシートがオススメですかね。やや重たいラバーではありますが、Rigan Spin (ライガンスピン)を是非ぜひ試してみてほしいです!

andro (アンドロ)

Rasanter R53 (ラザンターR53)

 andro (アンドロ)さんからは、Rasanter R53 (ラザンターR53)を選ばせていただきました。Rasanter C53 (ラザンターC53)などはかなりスピン系テンションラバーに近いといえば近いのですが、Cのシートは一応微粘着シートということで外しています。R53は食い込みがめちゃめちゃ良くて非常に球持ちを感じるラバーになっています。それでいて、他のラバーにはない、「荒れ」たドライブが打てるラバーでもあります。個人的にはフォアに使ってこそ活きるラバーではないかと思いますが、かなり強烈なラバーでありオススメですね。個人的にはC53よりも個性的で木材系のラバーにもバッチリあう、なかなかないラバーだと思います。C53は強烈な弧線は出しやすいですが、あまりボールが荒れなかったのが残念といえば残念でした。andro (アンドロ)はやはりR53だと思います!

DONIC (ドニック)

Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)

 DONIC (ドニック)さんも近年、かなり万人受けする球持ちの良いラバーが増えました。Blue Star A1 (ブルースターA1)は高いですが、かなりいい粘着ラバーでしたし、今後のラバーもかなり注目しています。そんなDONIC (ドニック)さんから選んだラバーは、Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)になりますね。このラバーはかなりいいラバーですね。Rasanter R53 (ラザンターR53)をよりTenergy 05 (テナジー05)に近くして、軽くして扱いやすくしたイメージのラバーですね。非常に回転量豊富なドライブとボールの伸びがあるラバーです。隠れた良いラバーですので、興味あれば是非手に取ってほしいラバーですね。

cornilleau (コニヨール)

Target PRO XD-52.5 (ターゲットPRO XD-52.5)

 このラバーもややマイナーなラバーですが、かなりいいラバーですね。ドイツの新スポンジ発売後すぐに発売されたラバーで、高いですが、丁度良い食い込ませやすさと回転量でした。気になる人は是非ぜひ使ってほしいですね。回転量を求めつつ前にスイングしたい人にオススメしたいラバーになっています!

Joola (ヨーラ)

Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)

 やや古いラバーになりますが、Joola (ヨーラ)さんからは、Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)を挙げさせていただきます。やや食い込みが強く弾みのあるラバーではありますが、球持ちは抜群にあるラバーですね。

STIGA (スティガ)

DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)

 このラバーもシリーズで紹介できるならシリーズで紹介しても良いくらい、球持ち抜群の良いラバーだと思いますね。STIGA (スティガ)さんからはDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)を挙げさせていただきます。このラバーは、もうドイツ製Tenergy 05 (テナジー05)といえるくらい、Tenergy 05 (テナジー05)に近いラバーです。じゃっかん、DNAプラチナXHの方が重かったりしますが、価格が高い分性能も折り紙付きの素晴らしいラバーですね。

TIBHAR (ティバー)

Evolution MX-P (エボリューションMX-P)

 古いラバーではありますが、未だに使用者の多いラバー、TIBHAR (ティバー)からEvolution MX-P (エボリューションMX-P)を挙げさせていただきます。このラバーは、ドイツの新技術が出来上がる前にTenergy 05 (テナジー05)を目指して作ったラバーではないかと思います。非常に打球感が気持ちいいラバーですね。しっかりボールを持ちます。やや古い分、やや回転量が弱いと感じましたが、今でも十分使えるラバーだと思いますね。

XIOM (エクシオン)

Vega Tour (ヴェガツアー)

 XIOM (エクシオン)からは、Vega Tour (ヴェガツアー)を挙げます。食い込みが良く、45°の中間硬度ともいえるスポンジに、柔らかめのシートを合わせつつも、ツアーを冠するだけあって非常に高性能なラバーになっています。ボールを持ちすぎるのと柔らかいため、オーバーミスが増えやすいラバーではありますが、球持ちは抜群に感じること、この上ないラバーだと思います。

球持ちランキング

 それでは、katsuo00の独断と偏見のつまった、球持ちランキングは以下のとおりになります!参考になるかわかりませんが、楽しんでいただければ幸いです!

5位: Rigan Spin (ライガンスピン)

4位: V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

3位: Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)

2位: Tenergy 05 series (テナジー05シリーズ)

・Tenergy 05 (テナジー05)
・Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
・Tenergy 05 FX (テナジー05FX)

1位: DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)

 1位は最新のDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)としました。もう、正直Tenergy 05 (テナジー05)シリーズと同率1位だと思いますが、やはり進化も大切、ということでDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)を1位にしました。いいラバーが増えたのはいいのですが、ドイツ製ラバーは高くなってしまいました。個人的には、V>20やライガンスピンがオススメラバーになりますね~。

レビュー C-Hack (Cハック)

説明

 元卓球王国のゆうさんと粘着ラバー第一人者の岩崎栄光コーチ監修の粘着専用ラケットC-Hack (Cハック)をレビューします。製作は卓球ラケットメーカーとして玄人受けの良いダーカーさんになりますね。このラケットはアウターにイザナスカーボンをもちいたアウターラケットで、粘着ラバーを活かすためのアウターカーボンをコンセプトにデザインされたラケットということです。卓球ナビさん販売のラケットになっていますね。

粘着ラバープレイヤーの第一人者の岩崎栄光さんが性能を監修! 卓球用具アナリストのゆうさんが合板を構成! そしてダーカーが制作した粘着ラバー専用ラケットがついに発売!お待たせしました。告知から3カ月、ついに完成しました。粘着ラバーの性能を高める究極のラケット「C-Hack」引退して間もない岩崎栄光氏が、いや、引退した今だからこそ試打に全精力を注ぐ時間が確保できて、完成することができたと言えます。

板厚:5.8 mm
サイズ:FL・ST全長257×150mm
グリップ:100×24mm(STは23mm)
中国式のサイズは全長240×150mm
グリップ:83×22mm
重量:80 g前半
C-Hackの合板構成は5枚合板+イザナスカーボン2枚のアウター系のラケットです。

衝撃です。打ってみればわかります。
粘着ラバーを貼る時を考慮した重量
前〜中陣でのスピード感とコントロール性能
振り抜きやすいグリップ
粘着のクセをなくさない回転量

どれをとっても皆さんが求めている一級品になっています。そして今までの卓球界になかったデザインを見てください。唯一無二がそこにはあります。※C-Hackは卓球ナビでしか買えないショップ専用ラケットです。

ダーカー C-Hackのレビュー評価・口コミ評判 – 卓球ナビ (takkyu-navi.jp)

 非常に期待させる説明がそえられたラケットですね。katsuo000は速攻で予約してしまいました。

C-Hack (Cハック)

 届いたC-Hack (Cハック)の重量は84 gでした。軽いですね~!ゆうさん監修ポイントですね。重たいラバー、例えばOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)を使いこなそうとしたときに、これらのラバーは従来ラバーよりも7~10 g前後重く、ラケット重量の大きな増加が障害となっていました。そこでラバーを中心に考えた際にラケットを軽くして使いやすさを上げる効果を狙った、ラケット設計になっています。84 gはそこそこ軽いので、これなら重たいラバーを貼っても、重量を抑えられるといえるでしょう。実際、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は、57~58 gくらいありますが、それでも190 gにおさまりました。

Cハックの3つの特徴

球持ちを強く感じるLimba系の上板!これは粘着ラバーやスピン系テンションを活かす粘り強いブレード!

 おそらく、上板はリンバまたはそれに準ずる非常に球持ちを感じやすい上板を使用していると感じました。従って球持ちをしっかり感じられると思います。アウターで上板にリンバ系となると結構限られますね。katsuo000が知っている範囲では、Butterfly (バタフライ)さんのMarcos Freitas ALC (フレイタスALC)やMizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC)などが挙げられるでしょう。他にも廃盤ですがTornado King Speed (トルネードキングスピード)も上板がリンバで非常に球持ちを感じました。アウターなのに柔らかすぎて、まるでインナーラケットのような打球感でした。確かに上板に球持ちの良いリンバ系上板で、さらにアウターカーボンという組み合わせは種類が少なく、特徴となっているでしょう。この打球感としなりは、使い込むほどにボールを掴んでくれるラケットだと感じました。粘着ラバーはもちろんスピン系テンションでもしっかりボールを掴んでくれる、そんなラケットだと思いました!まさに粘り強いブレードというのがぴったりだと思いました。

バタフライではまずない板厚5.8 mm

 先述の話にもかぶるのですが、バタフライさんは上板に球持ちの良いリンバ系の上板をもちいた場合、上板にやや硬いコト材を使った時と比較して、板厚を0.2 mm厚くするラケットが多いです。先ほどのMarcos Freitas ALC (フレイタスALC)は板厚6.0 mmで、上板をコト材にしたTimo Boll ALC (ティモボルALC)やFan Zhendong ALC (樊振東ALC)、Viscaria (ビスカリア)の5.8 mmより0.2 mm厚いんですね。柔らかめの上板を使っている分、弾みを補うために厚くしているのではないかと思います。同じ理論で、Fan Zhendong ZLC (樊振東ZLC)の板厚5.5 mmに対し、Mizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC)は板厚5.7 mmとなっているんですね。従って上板に柔らかめの木材を使っていて、かつアウターカーボンで5 mm台の板厚を探すことは、バタフライでは難しいんですよね。板厚が厚くなると中陣や後陣から打ち抜きやすくなる一方で、台上やレシーブが難しくなります。卓球において、後陣からの打球機会よりもサーブレシーブの機会の方が圧倒的に多いので、板厚は薄いラケットをkatsuo000は推しています。威力を求めるならバタフライのラケットですが、レシーブなどを用具でカバーする考え方として薄いラケットを使うというのはありだと思います。

ブレード面積157 × 150 mmとバランスのよい重量84 g!

 自分が好み、というのもありますが、ブレード面積はオーソドックスな157 × 150 mmで、バタフライではレギュラーサイズのブレード面積サイズになります。アウターラケットなので、ラケット面積を広げる、ということはあまり聞きませんので、当然といえば当然のブレード面積ですが、そのレギュラーなブレード面積がしっくりくるなーと感じました。
 そして特徴的な重量です。軽すぎず重すぎず、丁度よい重さです。70 g台になると軽すぎてドライブも軽くなると思いますし、88 gや90 gに届くとそれは重すぎるでしょう。粘着ラバーのことを意識した非常にバランスのとれた84 gという重量だと感じました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Zhang Jike ALCTornado King SpeedC-HackMizutani Jun ZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC > C-Hack > Tornado King Speed

レビュー TRiAD (トライアド)

説明

 WRMさんのチャパさん設計・監修のラケット、TRiAD (トライアド)をレビューします。このラケットは特徴だらけのラケットで、ブロガー冥利につきます笑。板厚5.5 mm、11枚合板ラケット、ラケット重量95±5 g、特徴的なラケット形状と、1つだけでも特徴として挙げられるのに、これだけ揃っていると、数え満貫のような特徴だらけのラケットになりますね。一つ一つ触れていきたいと思います。まず合板に関してですね!

合板構成

5枚合板

 最もオーソドックスな合板構成は5枚合板になります。例えば、2023年新発売のMizutani Jun Major (水谷隼メジャー)は初心者向けの5枚合板ラケットになりますね。この5枚合板が最もオーソドックスなラケットと表現されます。各社、1種類はこのオーソドックスといわれる5枚合板ラケットを販売しており、非常に安価な値段で販売しています。でも、間違えないで欲しいことが5枚合板は初心者のためのラケットではなくトップ選手も使用するラケットであることです。例えばギリシャのGionis Panagiotis (ジオニス)選手はカットマンですが、 Butterfly (バタフライ)の名作で名高いPetr Korbel (コルベル)という5枚合板を使用しています。板厚は平均的な5.9 mmで5枚合板の中ではやや薄い方ですが上級者でも使用するラケットですね。上級者が使用する5枚合板はおそらく弾みや威力を求めてやや重量の重い固体であることが多いと思います。個人的にも5枚合板はかなり手に響くので重くて重量のあるラケットの方が中級者以上は安定感と威力が出るので良いと思いますね。個人的にオススメはVirtuoso + OFF (ヴィルトーソ+OFF)ですね。

7枚合板

 5枚合板を基準に、さらに合板数を増やしたラケット構成が7枚合板ラケットになります。7枚合板ラケットは5枚合板ラケットよりも剛性感の強いラケットとなる傾向にあります。そもそも貼り合わせる板の数が増えることで、接着層が増え、接着層が増えるとより弾むようになる、というのが一般的のようです。個人的には剛性感といえるようなイメージです。剛性感と言うのは相手のボールに負けにくく響きにくくなるという意味で使ってます。板厚にもよりますが後陣からでも強いボールを打ちやすくなるのが7枚合板ラケットの特徴です。よりラリー思考で相手と打ち合うラケットになってきます。最近の合板ラケットは、前述の5枚合板と7枚合板が主流であり、5枚合板または7枚合板でないラケットはそれだけでかなり特徴のあるラケットと言えると思います。7枚合板のラケットを使用するトップ選手は結構多く、例えばペンドラの小西海偉選手がKaii Yoshida (吉田海偉)という中ペンラケットを使っていますね。本人の選手モデルラケットで7枚合板の中ではかなり厚い6.8 mmの板厚になります。類似のラケットとしては、SK7 Classic (SK7クラシック)などが挙げられるでしょう。

9枚合板

 9枚合板ラケットは、探さないとありませんし、メーカーによっては取り扱いがありません汗。9枚合板で有名なラケットは、Avalox (アバロックス)のP900 (ピー900)でしょう。卓球王国別冊卓球グッズ2023でも特集・試打されていました。インナーラケットの方が人気が出てきて前陣の選手が流行する近代卓球では、こういった木材感の強いラケットも温故知新で人気が出るかもしれませんね。P900は9枚合板でありながら、板厚は5.8 mmと薄く現代的な仕様で、このページでレビューするTRiAD (トライアド)にも似ているラケットがP900といっても過言ではないかもしれませんね。

11枚合板

 TRiAD (トライアド)は11枚合板になりますね!11枚ってどんだけ!?って枚数ですよね。11枚ということは、5枚合板と比較するとフォアもバックもさらに3層の接着層が挟んでいるということですね。これは圧倒的です!WRMさんでも11枚合板を強調していますね。7枚合板と比較しても弾んで、全くしならないラケットがTRiAD (トライアド)といえるでしょう。

板厚

 板厚は、個人的には、ラケットを選ぶうえでかなり重要な数字だと思っています。現代卓球において、木材ラケットは厚ラケが流行る傾向にあり、5枚合板でも6 mmを超えるラケットが増えています。例えば、XIOM (エクシオン)と契約する前のHugo Calderano (ウーゴ・カルデラノ)選手は、cornilleau (コニヨール)のHugo Calderano Foco OFF (ウーゴ・カルデラノ フォコ)という合板ラケットを使っていました。5枚合板ラケットのこのラケットは、OFF+とOFF-があり、カルデラノ選手はもちろん厚いOFF+でブレード厚さ7.2 mmの方を使用していたようです。7 mm越えの5枚合板ということで、下がっても飛距離が出しやすい設計になっているラケットだと思います。

 7枚合板ラケットでは、最近の流行りはやはり6 mm台のラケットが多いイメージですが、名作といわれるSK7 Classic (SK7クラシック)のように厚ラケットももちろん多くあります。板厚を厚くするのはやはり弾みを増やして後陣からの威力を出すためになります。個人的には6 mm台の7枚合板の方が台上もやりやすく好みですね。例えばFortius FT (フォルティウスFT)などは非常にフィーリングの良い7枚合板ラケットでした。7枚合板ラケットユーザーといえば、契約が変わってしまいましたが神巧也選手がMa Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)を長く愛用していたイメージですね。Ma Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)の板厚は6.3 mmと現代的な6 mm台です。2023年で変更してしまいましたが、andro (アンドロ)のSimon Gauzy (シモン・コーズィー)選手も7枚合板ラケットのGauzy SL OFF (ゴーズィSLオフ)という上板に硬い黒檀を使用したラケットを使っていました。板厚は6.2 mmとこちらも薄めですね。同じく2023年に変更してしまいましたが、大島祐哉選手もmizuno (ミズノ)契約時はFortius FT ver D RE (フォルティウスFT ver. D RE)を使用していました。このラケットは7枚合板+アウターにDual WEB (デュアルウェブ)という特殊繊維を挿入したラケットで、板厚は6.1 mmと薄いですね。このようにトップ選手で活躍する7枚合板ラケットの板厚はだいたい6 mm台が流行ですね。

 合板数を増えると板厚は薄くなる傾向にあるのも現代ラケットの流行でもあり、11枚合板という多合板ということもあり、TRiAD (トライアド)の板厚はなんと5.5 mmとかなり薄い板厚になります。薄いといっても11枚合板という構成ですので、しなりは弱いためちょうどよい板厚といえるのかもしれません。5.5 mmで攻撃用のラケットというと、Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)とInner Force Layer ALC.S (インナーフォースレイヤーALC.S)が思い浮かびます。やはり板厚が薄いとアウターZLCでもしなりを感じやすくなり、5枚合板のような一面ものぞかせますね。果たしてTRiAD (トライアド)はどのようなラケットなのか、比較していきたいと思います。

ラケット重量

 ラケット重量は、個人的にはあまり気にしておりませんが、世の中の卓人、特に中級者以上はかなり気にする値だと思います。個人的には軽くなければOKで、90 g以上であれば「いいね」って感じです。80 g前半は逆に軽すぎてあかんと感じる方ですね。世の中的には、100 gを超えるラケットを好んで使うトップ選手もいらっしゃいますね。

 80 g前半から85 gくらいまでは、軽いと表現されるラケット群になりますね。この軽い固体を探して使おうとする選手も結構いると思います。個人的には威力以上に回転がかかりにくいイメージが強いですね。ただしメリットもあって、軽い分切り返しがしやすいことと、弾まない分ブロックがしやすいという傾向にあると思います。

 88 g前後。この重量が最もオーソドックスな重量のラケットという認識です。ただし、ジュニアやレディースではまだ重いと感じる選手もいると思います。個人的には88 g台は軽いかも、と思うラケットです。

 90 g台に入ると、世の中は重いと判断する重量になってきます。個人的にも重たいと感じる重量で、7枚合板ラケットはこのくらいの重量になりやすいですね。元金メダリストのMa Lin (馬林)選手は100 g台の5枚合板ラケットを使用していたと聞きますので、90 gでもトップ選手には軽いのかもしれませんが、90 g台は中上級者が好み重量となってくると思います。

 本ページのTRiAD (トライアド)はなんと95 ± 5 gという超重量級になります。これは接着層が増えた分だけ重くなりやすい、合板ラケットの性質から逃れられないといったところだと思います。合板数を増やせば増やすほど重くなるのは仕方ありません。その分、しならないので相手のボールの影響は受けにくくブロックやラリーがしやすいことが期待できますね。

TRiAD (トライアド)

 TRiAD (トライアド)は購入して、驚いたのがこの形ですね。ブレード面積は154 mm × 146 mmとなっています。一般的なラケットが157 mm × 150 mmですので、かなり短いラケットとなっていますね。握ってみるとラケット長さが短い分、95 ± 5 gの重量でもかなり軽く感じました。このラケット形状は、特殊すぎて正直他のラケットと比較が難しいと感じましたね汗。もう違いすぎる汗。ラバーもこのラケットにあわせて貼ってしまうと、他のラケットに貼りにくいサイズ感です。丸いブレード面積形状なんですね。もしラケットのブレード面積が一般的なものに近いものを購入したいのであれば、TRiAD (トライアド) FNグリップの方が良いかもしれません。正直、今買うならFNの方がいいです涙。

トライアドの3つの特徴

7枚合板とは比較にならないくらいしならない!

 合板ラケットとは信じられないくらい、しなりませんでした。このしならない打感はミートにも向いていると感じました。ぶつけるように打つと、しならないわけではなく、木材の打球感を感じました。7枚合板系ラケット → 7枚合板+アウターDual WEB (デュアルウェブ) → TRiAD (トライアド) → Revoldia CNF (レヴォルディアCNF) → Inner Carbon (インナーカーボン) → Outer Carbon (アウターカーボン)の順番にしなりの強さは減るイメージですね。重量の点で軽いRevoldia CNF (レヴォルディアCNF)の方がある意味でトガリを丸くしているといえるのかもしれません。このしならなさは、好みがわかれそうですが、非常に個性的と感じつつも手に全く響かないので、カーボンなしのラケットの中ではありと感じるラケットの1本でした。

重量を感じない操作性!

 当然といえば当然ですが、ラケット面積が横に広く、縦に短いので、非常に操作性の高いラケットに仕上がっていました。ただその分、遠心力を使いにくくなっていることと、ブレード面積が狭い分、カウンターはしやすいかもしれませんが、速球への対応が難しく感じるかもしれません。少なくとも個人的にはブレード面積が狭くて違和感を感じましたね。

回転量がエグイ!

 自分が回転量の高いラバーを使っているのであまり感じませんでしたが、ラバーとして中間硬度のラバーを使ってあげて上手にサーブや回転系の技術をすると非常に回転性能の高さを感じると思います。逆に、Dignics 05 (ディグニクス05)のようなラバーを使うと、 あわないと感じました。このDignics 05 (ディグニクス05)はバタフライのラケットにあわせて開発されているようで上板に一定の硬さを有するラケットの方が相性が良いと感じるラバーです。そのため、TRiAD (トライアド)のボールを木材系で板薄で球を持つ特徴が逆にDignics 05 (ディグニクス05)のような最新ラバーには相性は悪くなるようですね。このあたりはご注意いただきたいです。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso OFF+TRiADRevoldia CNF (レヴォルディアCNF)

スピード
 Revoldia CNF (レヴォルディアCNF) > TRiAD > Virtuoso OFF+