レビュー Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)

説明

 リクエストもいただいていたXIOM (エクシオン)さんのOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)をレビューさせていただきます!トップ仕様で、エクシオンのラバーの中でも最も高価、最も性能の高いラバーになりますね。同類のラバーは、Omega VII Tour i 48 (オメガVIIツアーi48)、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)だと思われます。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は購入済みで今年中にはレビューしたいなーと思っておりますのでその際に比較したいと考えております。それでは、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の説明になります。

Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)
オメガVIIツアーiとは?
 完全ハンドメイドによる特別仕様のプレミアムラバー。これまでトップ・オブ・トップのプロフェッショナルにのみ提供されていた門外不出の超希少品をリリース。圧倒的なパフォーマンスと感動的なフィーリングは、既存のラバーすべてを凌駕する。
完全オリジナルの特級スポンジ
 最大の特徴は、オメガVII ツアー i専用のスペシャルスポンジ。素材の原料を一から見直して研究を繰り返し、熟練したラバー職人が長年の経験と繊細な感覚をもとに弾力性や気泡の大きさなどをコントロール。究極の球持ちと反発力を兼備した特級品となっている。
トップシートにも職人技を
 トップシートの構造や素材は通常盤と共通ながら、ゴム原料の配合から加硫、カッティングまでに至る製造工程を量産ラインから分離。1枚1枚が職人の手仕事によって丁寧に練り込まれ、精密に焼き上げられている。その仕上がりは超高品質で極上の性能を誇る。
48度&50度一一柔か剛か
 今回リリースするのは、実際に使用するトップ選手からの評判がすこぶる良い48度と50度のスポンジを搭載した2バージョン。48度ではディープなつかみと驚異的なボールの伸び、50度では激烈な回転量と圧倒的な球速が手に入る。スタイルによって選択しよう。
突き抜けた価格に見合う性能
 常識的に考えて、この価格をラバー1枚に投資できるプレーヤーが多くないことはわかっている。しかし、オメガVII ツアー iの製作にかかる手間暇、唯一無二の打球感、勝利を約束する高性能には値段以上の価値がある。選ばれし者の世界へ、意を決して踏み込もう。

https://xiom.jp/?pid=157086344

 エクシオンさんの説明は誇張表現が凄いですね。でもこれを読むとラバーを使うときにとても楽しみになると思います。説明は、Omega VII Tour i 48 (オメガVIIツアーi48)と同じもので共通になっています。まープロ仕様を強調してますね。原産国はドイツですので、他のOmegaやVegaのラバー同様に、基本的には同じ工場で製造されているということのようです。

 katsuo000は少し古いのですが、過去にOmega VII Tour (オメガVIIツアー)やOmega VII Hyper (オメガVIIハイパー)を試打レビューしています。また現在メインで使用しているOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)もわかりますので、それらと、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)を比較しつつレビューしていきたいと思います。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。2022年のパンフレットから引用しております。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は高い性能を持つことが良くわかると思います。唯一Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較すると、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は回転性能で劣ることになっていますが、その分、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)はスピード性能は、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の足元にも及ばないという数値になっていますので、やはりOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)はエクシオンのラバーの中でもトップオブトップのラバーだということがわかりますね。続いて、硬度比較になります。

Weightshore ashore ashore cshore csheet-spongesheet-sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
Omega VII Tour i505132.028.643.341.83.41.4
Omega VII Tour5235.129.949.248.25.21.0
Omega VII Hyper5433.929.646.946.04.30.9
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 どちらかというと、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)Tenergy 05 (テナジー05)くらいの硬さに収まりました。エクシオンさんの発表の硬度どおり、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)の硬度50°ということでOmega VII Tour (オメガVIIツアー)やOmega VII Hyper (オメガVIIハイパー)よりも柔らかいラバーとなりました。このようにやや柔らかくなりますが、Omega VII Tour (オメガVIIツアー)以上の回転性能が発揮するのか楽しみですね。

Tour i50の重量と貼り

 やはりここはオールエクシオンにしたいなーということで、Ice Cream AZXi (アイスクリームAZXi)に貼りました。もちろん、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)の反対側はOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)です。もしかしたら、ジョン・ヨンシク (Jung Yougsik)選手モデルですね。↓

「Specification」のチェックに48、50に加え、55がありますね。おそらくカルデラノ選手のようなハードヒッターな選手は55°のオメガVIIツアーiを使用しているのでしょう。一般市販で55°のツアーiが発売されることはあったら是非レビューしてみたいですね~。

Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50
・Sponge Thickness:MAX mm
・Speed:16.5
・Spin:16.0
・Sponge硬度:50.0
・10,600円 + 税
・71 g(切断前) → 51 g(Ice Cream AZXi (アイスクリームAZXi)に貼って)

 Omega VII Tour (オメガVIIツアー)と比べると軽いですね。これでスピードもスピンもOmega VII Tour (オメガVIIツアー)よりも高いなら、かなり性能の高いラバーになると思います。

Omega VII Tour i50の3つの特徴

 このラバー、凄いポテンシャルのラバーですね。やはりOmega VII Tour (オメガVIIツアー)とテイストやマッドな打球感は似ていると感じましたが、上手にボールを捉えたときの威力やエネルギー効率はレベチで、Omega VII Tour i50の方が上でした。ボールの走り方、回転量、伸び、重量など、まさにトップオブトップの超高性能のラバーだと感じました。

マッドな打球感なのに、スピード性能も回転性能も超一級品!

 もの凄いラバーですね。まずものすごく弾みます。例えると、有機系溶剤を使ったときのような弾みを感じました(もちろん一度も使っておりません)。打感はややマッドなのですが、スポンジとシートの戻りが綺麗にそろっているような、そんな品質の高さを感じました。この打球感は驚きましたね。ドライブを打ってみるとボールがうねるとともに、もの凄いボールの伸びを感じました。粘着ラバーで弧線の強いラバーを使っていることもあってか、このOmega VII Tour i50(オメガVIIツアーi50)は制御が難しくて、扱いきれないと感じました。このポテンシャルの高さは尋常じゃないですね。とにかく、今まで様々なハイエンドラバーを試打してきましたが、3本の指に容易に入るエネルギー効率のラバーでした。
 ものすごさは、まだあって、普通スピードが出せるラバーというのは、あまりハードにぶつけるとスポンジやシートの粒がつぶれたり倒れたりしすぎて、ラケットにダイレクトにあたるような打感となって弾いてしまい、回転をかけにくくなってしまうことがよくあります。打感がマッドなこのOmega VII Tour i 50(オメガVIIツアーi50)は、ものすごい容易にスピードドライブが打てるのに、思い切りドライブを打っても、ちゃんと回転がかかりスピードドライブも打てる素晴らしいラバーだと感じました。この性能はもの凄いですね。このラバーは、明らかにTenergy 05 (テナジー05)を超えていて、Dignics 05 (ディグニクス05)級かそれ以上のラバーと言えるでしょう。

ボールの弧線は低く、スピードドライブはかなり伸びる!

 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると、弧線は明らかに低いですね。Dignics 05 (ディグニクス05)もかなり弧線の高いラバーなので、この弧線の低さは、このラバーの特徴だと思います。非常に弧線が低いので、スピードドライブが非常に直線的に感じ、相手にプレッシャーを与えることが可能だと思います。それでいて、ドライブの回転量もマニュアルですが、最大値は青天井のような感じで、最大限しっかりかけることができるラバーなので、驚異的だと思います。これ以上ないスペックでこれ以上を作ることが難しいといえるようなラバーだと思います。

ツッツキはぶち切れ、ストップもとまり、カウンターも抜群にやりやすい!

 ほめちぎる言葉しか出てこなくて、恐縮なのですが、ツッツキもストップもとまるし切れますね。弧線が低いので、カウンタードライブもやりやすいと感じました。ボールをしっかりもって、どちらかというとテナジー系のモチモチした打感の方が強く、滑ることなくボールを掴むこともしやすいです。このラバーを使って負けるということは、実力で負けたと強く感じるラバーでもあるかもしれません。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 他のスピン系テンションラバーと比べても結構弧線が低いと思います。使いにくさはないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弧線が低いですね。いい加減なスイングでスピードを出すとオーバーミスしやすいですが、しっかり回転をかけてスピードを出せば、相手のコートにドライブが突き刺さるように入りました。またドライブの重さもあるようで相手へのプレッシャーを与えられると感じました。とっさに打つと思ったより弧線が出ないのでミスがありましたが、このあたりは慣れだと思います。

面を開いたドライブ
 いいですね。エグイスピードドライブがガンガン打てますし、回転をかければしっかりボールが沈むので安心してスピードドライブを狙うことができると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 弧線が低いので、ネットに浅くて低い、質の高いループドライブをうつことがやりやすかったです。回転量も青天井感のあるラバーでした。

対下回転に対するスピードドライブ
 ボールの伸びが最高です。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 軽いラバーだと、相手の回転に影響を受けやすいと感じると思いますが、このラバーはそこまで難しいと感じませんでした。やりやすいですね。

カウンタードライブ
 ミート系も回転系もどちらもやりやすかったです。素晴らしいですね。

ストップ
 やりやすいんですよ。驚きでした。切ることもできます!

ツッツキ
 これも問題なくいけます。ブチっと切れます。回転量は粘着ラバーに負けないくらいで、Dignics 05 (ディグニクス05)なみだと感じました。

フォアフリック

フォアサーブ
 弾みますが、高い回転量を感じました。良いラバーです。

バックハンド系

軽打
 正直、打感がマッドでバックハンドでは扱い切れるようなラバーではなかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 いいボールは打てなくはないですが、自分の腕ではオーバースペック過ぎると感じました。というのは押すように打球してもボールが伸びるんですね。このラバーに慣れてしまうと変な癖もつきそうだと感じました。しっかりドライブが打てる人が使った方が良いと思います。

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。ボールを持つので、アクティブブロック(伸ばすブロック)をやりやすいです。

カウンタードライブ
 ミートっぽくうつこともドライブすることもできます。ミートしても前身回転がかかっているような感じでした。

ストップ
 よくとまりました。回転をかけたほうがいいと思います。

ツッツキ
 切れます。武器になります。

チキータ
 弧線が低いので、思い切り回転をかけにいきやすいと感じました。やりやすいです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C > Omega VII Tour i50 ≧ Dignics 05

スピード
 Bryce Highspeed > Omega VII Tour i50 > Dignics 05

レビュー V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)

説明

 やっとV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)をレビューします。既に巷でレビューがあふれていますが、このタイミングになってしまってもうしわけないです。既に

7年間の沈黙を破り、新たなモンスターが動き出す

V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)と比べると随分短い気もします。続いて、月刊 卓球王国12月号のPick UPから情報を抜粋させていただきます。

7年の時を経て今解き放たれるVICTAS渾身のパワフルラバー

 2015年、後にVICTASのフラグシップラバーとなる『Triple Extra (トリプルエキストラ) (硬度 55°)、VS>401 (VS>401) (硬度57.5°)くらいでしょうか。V>20、V>22ではダブルエイキストラはインパクトのある言葉として使っている印象です。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。2022年のパンフレットから、ラバーの公表性能値におけるスピード (≒反発力)とシートの強さ (スピン)の関係を図として示されるようになりました。バタフライでいうところのスピードとスピン性能の図と同じようなものだと思われます。VICTASさんのラバーはドイツ製ラバーがフラグシップラバーであり、シートの強いラバーほど回転性能が高いということも明らかとなったといえるでしょう。実は最もシートの強いラバーはV>11 Extraになります。ポテンシャルとして、シートの強いラバーほど回転の最大値が高いことを示しているのでしょう。一方で、弧線の高さなども示してくれています。VICTASのラバーは弧線が低い、攻撃的なラバーも多いので、回転がかかる≠弧線が高いラバーが多いブランドといえるかもしれません。では、代表的なVICTASラバーを比較してみます。

SheetRepulsionSpeedArc HeightDriveSponge
シートの強さ反発速さ弧線の高さドライブの精度硬度
V>22 Double Extra9.08.39.06.77.350.0
V>20 Double Extra7.28.59.17.08.252.5
V>15 Extra9.28.88.47.47.147.5
V>15 Stiff8.89.39.16.77.545.0
V>15 Limber8.88.68.47.26.740.0
V>11 Extra9.78.58.86.97.147.5
V>038.78.58.46.77.542.5
V>016.78.99.06.47.547.5
V>01 Stiff7.18.68.86.57.545.0
V>01 Limber6.78.98.66.97.540.0
Ventus Extra9.08.58.87.77.547.5
Ventus Stiff8.67.98.68.17.545.0
Ventus Limber8.68.08.57.87.640.0
Ventus Regular6.06.57.26.36.742.5
Ventus Regular α6.87.38.36.97.242.5
VJ>07 Regular6.38.18.16.36.742.5
VJ>07 Stiff6.78.88.86.57.545.0
VJ>07 Limber6.39.39.25.77.540.0
VJ>07 Sticky Extra6.77.57.06.97.147.5
Triple Double Extra8.05.86.29.47.357.5
Triple Extra7.86.87.17.97.555.0
Triple Regular6.86.36.88.77.042.5
VS>4015.48.58.47.46.757.5
VS>402 Double Extra5.48.89.37.47.950.0
VS>402 Limber5.48.98.96.76.740.0

 また卓球王国2022年10月号で新たに発信されたVICTASさんの広告の一部を紹介します。

 V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)に注目してみます。ぱっと見た印象でも、V>15 Extra (V>15エキストラ)に近いスポンジ形状と粒形状に見えるというのが一つの特徴といえるでしょう。おそらく、今ある最も良い技術で、V>15 Extra (V>15エキストラ)と同じコンセプトで作り上げたラバーがV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)ではないかと思います。続いて重量と硬度計比較になります。

Weightshore ashore ashore cshore csheet-spongesheet-sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
V>22 Double Extra5029.926.142.440.83.81.6
V>20 Double Extra5133.329.444.543.33.91.3
Triple Double Extra5025.131.842.146.1-6.7-4.0
V>15 Extra5029.525.341.640.84.30.8
Ventus Extra4929.927.842.141.02.21.1
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 偶然にもTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)とほぼ同値になりました。硬さでいうとVentus Extra (ヴェンタスエキストラ)と同じくらいの硬さとみることもできる値になりました。ディグニクス系のラバーと比較すると扱いやすくて使いやすいラバーと感じるかもしれません。重量はやはり重いのでこのあたりは注意したほうがいいかもしれません。

V>22の貼りと重量

 サブラケットとして非常に扱いやすいLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)
 ハイエナジーテンション裏ソフト
・Sponge Thickness:2.0/MAX mm
・弧線の高さ:6.7
・Speed:9.0
・ドライブの精度:7.3
・シートの強さ:9.0
・反発:8.3
・Sponge硬度:50.0 ± 3°
・7,500円 + 税
・71 g(切断前) → 50 g(Limba Inner (リンバインナー)に貼って)

 重たいです。人によっては重たいと感じるでしょう。ブルーラバーはいいですね!

V>22 Double Extraの3つの特徴

 このラバーはシート形状から想像つくとおり、本質的な方向性はTenergy 64 (テナジー64)やBryce Highspeed (ブライスハイスピード)のようにスピード特化系のテンションラバーになります。この点をおさえておかないと、多分おそらくおかしいことになる気がしました。スピード特化系のテンションラバーであるのに、とても回転性能が高い。少なくともBryce Highspeed (ブライスハイスピード)よりもしっかり球を持つし、なんならTenergy 05 (テナジー05)よりも回転がかかるかもしれません。スピード性能を確保したうえで、回転性能をMaxまで高めたラバーがV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)だと思います。なかなか、厳しいレビューも多いですが、Tenergy 64 (テナジー64)やRasanter V47 (ラザンターV47)を使っていて、ツッツキやストップ、ループドライブで質の低さを補いつつ、スピードドライブで打ち抜いていきたい選手にはかなり良いラバーではないかと思います。

スピード系ラバーなのに、めちゃめちゃ回転がかかるしボールを持つ!

 全体的な方向性は、V>15 Extra (V>15エキストラ)に見られた扱いにくさは、ほとんど感じませんでしたね。またディグニクス系のラバーと比べると弧線がやや低いので、その分思い切り回転をかけにいっても、しっかりおさまる安心感もありました。スピード系のラバーなのに、です!もちろん、球離れのギリギリ感じられる設計になっていて、人によっては球を持てないと感じるかもしれません。要はスピン系テンションラバーのように使える回転のかけやすさ、扱いやすさがしっかりあると感じられました。この感じは試打しないとわからないので、いい意味で意外でした。回転量もかなりかけられると感じ、上手に使えばテナジー系以上の回転量が得られると思います。

スピードドライブはかなり伸びる!

 スピードドライブを打った時に感じましたが、ボールがめちゃめちゃ伸びますね。弧線を描かずにある意味スマッシュのように超直線的だと感じました。これをスピードととらえるか威力ととらえるかは人にもよると思いますが、相手の時間を奪う、という点では、相手の脅威であることは間違いないでしょう。粘着ラバーに慣れていると少し弧線を描かない感じがいやになるかもしれません。このあたりは慣れが必要かもしれません。

バックでエネルギーロスなくスピードドライブが打てる!

 チキータはとにかくボール持つし、持ちすぎないのでかなりやりやすかったですね。そして、バック対バックでも少ない力でドライブがかけることができて、しかもスピードも出しやすいのでまさにバックに最適なラバーかもしれません。ボールを持ちたい時に持って、思い切りスピードを出したいときには出せるラバー。こんなラバーは今までなかったかもしれません。katsuo000のオススメはバックでの使用ですね。かなりいいと思います。しかも、今までのスピード系ラバーと比べると、ストップやツッツキが全然浮かない!この点でも驚きでした。どちらかというとトップ選手よりも中上級者で、抜群に相性のいいひとがいるのではないかと思いました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 他のスピン系テンションラバーと比べても結構弧線が低いと思います。使いにくさはないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 個人的にはボールが沈まないと感じました。打点を落とした場合は、少しスピードドライブは難しくなるかもしれません。そのかわり突き刺すようなスピードドライブは、他のラバーよりもスピード感があって相手にプレッシャーかけるでしょう。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 グリップ力があって、非常にやりやすかったです。このやりやすさは、扱いやすさにもつながる部分だと思いますね。これができると、無理に回り込んで、無理だと思ったときにループへ切り替えが可能ということだと思います。しかも、回転量は最低限 (といってもTenergy 05 (テナジー05)なみ)にはかかるとなると、良いラバーだと思いますね。

対下回転に対するスピードドライブ
 少し難しいかもしれませんが、慣れれば行けると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。これはシートの形状のおかげだと思いますね。

カウンタードライブ
 やりやすかったです!スピード系がいい感じですね。

ストップ
 やりやすいんですよ。驚きでした。切ることもできます!

ツッツキ
 これも問題なくいけます。ブチっと切れます。回転量は粘着ラバーほどではないが、というレベルだと思います。

フォアフリック

フォアサーブ
 少し弾むので回転を強めにかける意識をした方がいいと思います。一方でナックルロングサーブでスピードを出すのはかなりいいです。練習はしっかりしたほうがいいと思います。

バックハンド系

軽打
 思ったより打球感が軽快でマッドでなかったのが驚きでした。もしVICTASで用具を揃えるなら、katsuo000はバックにV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)を選ぶこと間違いないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 これもかなり良かったです!かなり決められるような、スピードドライブが簡単に打てると思いました。ただ、フォアでも若干感じましたが、ボールの重さは軽いともいます。触られると簡単にかえってくっる感じがありました。ただ、このスピードは相手に強いプレッシャーをかけると思いますね。

対下回転に対するループドライブ
 Dignics 05 (ディグニクス05)と比較すると、弧線は低いので、想像以上にネットミスが多かったです。慣れていないだけだと思いますね。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。ボールを持つので、アクティブブロック(伸ばすブロック)をやりやすいですね。

カウンタードライブ
 ミートっぽくうつこともドライブすることもできますが、ドライブの方が安定するのでオススメです。

ストップ
 よくとまりました。回転をかけたほうがいいと思います。

ツッツキ
 切れるとは思いますが、ややボールが浮くときもあると思いました。このあたりは好みもあるように思います。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなボールへの吸い付きはなかったです。

チキータ
 最近Dignics 05 (ディグニクス05)を使っていて感覚が少し違うと感じました。どんなボールが来るかわからない中では、V>22の方が絶対にやりやすいと思います!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > V>22 Double Extra ≧ Tenergy 05

スピード
 Bryce Highspeed > V>22 Double Extra > Rasanter V47

https://amzn.to/3kBcAIS

レビュー Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)

説明

 2023年初のレビューは、GEWO (ゲオ)のハイエンドラバーになります。GEWOはドイツの卓球用具メーカーで、有名な契約選手はナイジェリアのQuadri Akinade Aruna (クアドリ・アルナ)選手になりますね。アルナ選手はGEWOと契約する前は、joola (ヨーラ)の契約選手でそのころからヒノキ系合板のラケットを使ったパワフルで豪快なラリーを展開する選手でした。そんなヒノキ系のラケットを豪快パワフルに扱うアルナ選手が、ラバーに使用するのが今回レビューするGEWONexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)になります。このNexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)を使用する前は、Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)を使用されていたようです。以前のラバーは、katsuo000もレビューしておりますので、そちらをご参考ください。本レビューでは、Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と比較しながら、Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)をレビューしていきたいと思います。

GEWOのサイトからの引用

Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)
 警告! ハイパフォーマンスゾーン 〜次のステップに進む準備はできていますか?
攻めるプレーのための究極の選択。最大限のダイナミクスと実現可能な限界に近いスピードと回転が、あなたの潜在能力を最大限に引き出すプレーをサポートします。セレクトクオリティーの職人技とパフォーマンス。GEWOのラバーで初めてSSTTとOTTの技術を組み合わせたGEWO Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)は、そのスポンジの高硬度を考えると、想像以上に弾力性と柔軟性に富んでいます。しかし、究極のスピード、最適なボールコンタクト、最大のスピンを提供します。小さい爆発的なスイングをする選手に最適で、台の近くでのパワープレーに理想的なラバーです。
プレーヤーのタイプ/特徴
– 現代的で攻撃的なストロークテクニックを駆使し、素早くポイントを獲得することを目指すアタッカー向け。
– ハードスポンジのラバーとしては、最大のカタパルト、スピン、究極のスピード。
– プロ選手レベルの卓球のために、妥協のないパワーとダイナミクスを実現。
GEWOリンク: https://gewo-tt.com/gewo-products/gewo-belag-nexxus-el-pro-53-superselect/


Nexxus EL Pro 53 Hard (ネクサスELプロ53ハード)
 ルールを破るには、まずルールをマスターしなければならない!?GEWO ネクサスプロハード
最高の選択:トッププレーヤーと妥協のないパワーラバーを楽しむプレーヤーのためのラバーシリーズ。継続的な改善への取り組み、優れたパフォーマンスと卓越した品質は、常にGEWOの伝統の中核をなす価値観です。ほとんどのプレーヤーは、すでに新しいABSボールにうまく適応し、自分のテクニックに必要な変更を加えています。この調整の最初の頃は、プレーヤーはどちらかというとソフトなトップシートのラバーを好んでいましたが(ボールの回転とスピードを上げるため)、今ではトップレベルのプレーヤーは、テーブルに近いところでのパワープレーで最高のパフォーマンスを発揮するハードから非常にハードなラバーを使うことが多くなっています。このレベルにおいても完璧なソリューションを提供するために、GEWOのデザイナーとワールドクラスのプレーヤー、そしてあらゆるレベルの野心的なプレーヤーがチームを組み、数え切れないほどのテストシリーズを行い、個々のプレーヤーの特定の要求を満たす完璧なラバーを見つけ出しました。その目的は、卓球に必要不可欠なコントロール性を失うことなく、最高のスピード、スピン、フィーリングの理想的な組み合わせを見つけることでした。新しいNexxus Hardラバーで、GEWOはこの高難度の演技を完璧にマスターしました。Nexxus Hardシリーズでは、さらなるパフォーマンスを求めるすべてのプレーヤーに、新しくて非常に興味深いラバーの選択肢を自信を持って提供します。
より速く、より硬く – GEWO Nexxus EL Pro 53 Hard!
ネクサスシリーズの中で最も若く、最も硬いこのラバーは、世界的に成功したネクサスシリーズの中で最も速いラバーでもあります。このラバーの力を最大限に発揮するためには、確かな技術と素早くダイナミックな腕の動きが必要です。このラバーを使いこなすことで、最高のスピードとさらなるスピンの可能性を手に入れることができます。新しいABSボールは、まさに現代のアタッカーに欠かせないパラメータです。
ハードELスポンジの直線的なカタパルト効果と、DGC40+表面技術との組み合わせによる最大のスピンをお楽しみください。
プレイヤータイプ/特徴
– 妥協を許さない、テーブルに近い場所での攻撃のための絶対的なパワーパックです。
– 短くて速い腕の動きを使い、プレーに最大限のスピードを必要とするプレーヤーに最適。
– 優れたテクニックを持つ勤勉なプレーヤー向け。ボールを完璧に加速させる最大のパワー。
nexxTT / N.E.P (Nano.Elastic.Plus) / Maxximum.Power.Play.
新しいABSボールの導入など、製品の恒久的な調整のため、ラバーもこれらのトレンドに合わせて調整しなければなりませんでした。最新のボールの世代では、回転とスピードが低下します。この回転とスピードの低下を補うためには、2つの選択肢があります。テクニックを調整するか、素材を調整するかです。GEWOは、必要な物理的調整を革新的なソリューションアプローチでサポートすることを目指しています。薄くてグリップ力の高いトップシート(nexxTT)は、その固有のダイナミクスと高いテンション(N.E.P.)によって、スピードと回転の損失を補います。さらに、ミディアムポアのダイナミックなスポンジは、選択したパフォーマンスバリエーション(XT→スピード、EL→スピン)に応じて、Nexxus Proシリーズを真の「エナジーモンスター」にします。特に、最大の厚さ(2.2mm/2.3mm = Maxximum.Power.Play.
DGC40+ 2.0
GEWO HYPE EL / XT / KRラバーの成功要因の一つは、革新的なDGC40+トップシートテクノロジーでした。DGC40+は、ボール接触時の安定した信頼性の高いカップリングを意味し、グリップ力のある表面がボールの「滑り」を防ぎます。しかし、最新世代のボール(例:GEWO Select Pro 40+ ***)の導入には、トップシートのさらなる開発と適合が必要です。その結果が DGC40+ “Dynamic-Grip-Concept” 2.0です。このトップシートは、最新世代のボールの要件に合わせて特別に開発されたものです。前に進まなければ、後ろに進むことになります。
フレックステック
GEWOのために特別に開発された柔軟なスポンジ/ラバーデザインのフレックステック(XT)は、印象的なスピードを生み出します。XTシリーズのラバーとDGC40+ 2.0トップシートの組み合わせは、相手のトップスピンのスピードをエネルギーに変え、ボールがバットから離れるときに自分のストロークで再びこのエネルギーを放出します。ラバー内のピンプルヘッドは、ELラバーよりも距離を離して配置されており、やや薄めになっています。主にスピードを重視したラバーです。
エラスティックラバー
ELラバー(Elastic Rubber)は、そのコンパクトさにもかかわらず、優れたボールコンタクトフィードバックと独特の感触を提供します。このシリーズのラバーは、すべてスピン用に作られています。ラバー内のピンプルヘッドは、XTラバーよりも間隔が狭く、やや厚めに配置されています。DGC40+ 2.0のトップシートは、ボールコンタクト時の接触面積を少し大きくしているので、スピンを発生させる際に、本来の力(信頼性の高い結合と最大のスピン)を発揮します。新たな体験をお楽しみください。
GEWOリンク: https://gewo-tt.com/gewo-products/gewo-belag-nexxus-el-pro-53-hard/

 フラグシップラバーとして発売されたNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)の方がボリュームのある情報が掲載されていますが、そのNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)を超えるラバーとして発売されたのが、本ページでレビューしている Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)になりますね。短いですが、公表されている性能も最も高く、新フラグシップラバーといえるでしょう。

NEXXUS(ネクサス)シリーズ

 英語の情報を拝見しますと、色々と書かれていますが、「NEXXUS」のEL系がスピン重視、XT系がスピード重視のラバーシリーズになるようです。

RubberSpinSpeedControlRubber-Hardness
Nexxus EL Pro 53 Super Select12714077Hard+
Nexxus EL Pro 48 Super Select12613488Hard-
Nexxus EL Pro 45 Super Select12412895Medium
Nexxus EL Pro 5312413383Hard+
Nexxus EL Pro 5012513087Hard
Nexxus EL Pro 4812412591Medium+
Nexxus EL Pro 4312811896Merdium
Nexxus EL Pro 38127109101Soft
Nexxus XT Pro 5012113285Hard
Nexxus XT Pro 4812312690Medium+
Codexx EF Pro 5412713779
Codexx EF Pro 5212813581

 性能表になります。表からわかることは、どのラバーを使っても高いスピン性能が得られる、悪くいうとどのラバーも大差がない、といったところでしょうか。この表記の仕方はDONIC (ドニック)さんも似ていると思います。実際に打つとかなり異なるということが、よくあります。

 1年前の時点でWRMさんでは、「Nexxus」のELシリーズとXTシリーズ、および粘着ラバーの「Codexx」シリーズでしたが、現在は、最新の「SuperSelect」シリーズも扱うようになりました。続いて大切な硬度計比較になります。

Weight / gShore a
(Sheet)
Shore a
(Sponge)
Shore c
(Sheet)
Shore c
(Sponge)
ΔShore a
(Sheet-Sponge)
ΔShore c
(Sheet-Sponge)
Nexxus EL
Pro 53
SuperSelect
5031.827.944.342.33.92.0
Nexxus EL
Pro 53
5031.630.546.845.61.11.3
Nexxus XT
Pro 50
5029.826.843.340.53.02.8
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.326.844.643.35.41.3

 Gewo (ゲオ)さんのラバーは、Dignics 09C (ディグニクス09C)と同じ重量になりますね。重いと感じてくる重量ですね。ただしShore cで比較すると、Dignics 09C (ディグニクス09C)と比較して柔らかいこともわかりますね。どちらかというとディグニクスシリーズよりもTenergy 05 (テナジー05)に近いラバーがGewo (ゲオ)さんのラバーといえそうです。shore aの差を比較するとNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりも差が大きく、Tenergy 05 (テナジー05)の5.4に近い、3.9になりました。このようにshore aの差が大きい値を示すことからも、Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)Tenergy 05 (テナジー05)に近いラバーだと言えると思います。近年の技術革新によって、Butterfly (バタフライ)の日本製ラバーにしかみられないような、硬度が硬いわりに打球感は柔らかくてくい込みが良いスプリングスポンジ技術に近い技術が、ドイツでも製造できるようになりました。最も早い段階で採用したと思われるラバーがRasanter R53 (ラザンターR53)であると思います。また、Rasanter R53 (ラザンターR53)の後から発売されるドイツ製のハイエンドラバー (Blue Storm Pro (ブルーストームPro)Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)Target Pro XD-52.5 (ターゲットプロXD-52.5)Evolution MX-D (エボリューションMX-D)DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)など)は、基本的にはTenergy 05 (テナジー05)と比べると硬かったり重かったりするものの、スピン量はTenergy 05 (テナジー05)に匹敵するくらいかかるラバーに仕上がっていると思います。従ってNexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)も例にもれず、Tenergy 05 (テナジー05)に近い回転性能が期待できるでしょう。

Nexxus EL Pro 53 Super Selectの貼りと重量

 970XX-KLC (上板硬めインナー)に貼りました。970XX-KLC (上板硬めインナー)は、球持ちがあるんですが、思ったより回転量が少ないと感じており、あまり試打結果に納得いきませんでした。そこで、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼り替えて、試打もしました。

Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)
・Speed:140
・Spin:127
・Control:77
・Sponge Thickness: 2.1 mm、maXXimum
・Sponge硬度:53°
・5,500 円 + 税
・72 g(切断前) → 50 g(970XX-KLC (上板硬めインナー)に貼って)

 Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と同様、YASAKAののり助さんを使って貼りました。Gewo (ゲオ)さんのラバーは綺麗に50 gです。やや重いって感じですかね。katsuo000はフォアには問題なし、バックには重いと感じました。

Nexxus EL Pro 53 Super Selectの3つ特徴

Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりテナジーっぽい!

 予想通り、テナジーっぽさが、今までのGewo (ゲオ)さんのラバーの中でもダントツで高いラバーでした。非常にくい込みが良くて弧線も高かったです。Tenergy 05 (テナジー05)と比べると、シートは硬めで、ややはね返りが強く、ドイツ製ラバーらしいシートでした。スポンジはくい込みがいいんですが、重量も重めなので、ややパワーは必要ですが、その分の回転量や威力が出しやすいと感じましたね。近いと感じたのはTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)でした。ただTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)よりは、弧線が沈みにくくその分スピードが出しやすい、要はバランス型のTenergy 80 Hard (テナジー80ハード)というラバーがあればかなり近いのではないかと感じましたね。

しっかりくい込ませることで、しっかり回転がかかる!

 この特徴はNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)にも書かせていただいた特徴です。特にフォアで使ったときに思い切りドライブをかけると相手が何度かふかしてくれました。この回転量はNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりも高いと感じました。Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と比べるともしかしたら回転量はそろいやすくテナジーらしくなっているかもしれませんが、その分、高いスピン性能は個人的に好みな特徴でした。

良いラバーでコスパの高い5,500円+税!

 品質や性能が高く、6,000円台で買えると思うと非常にコスパの良い選択肢であると感じました。コスパが高いというのは一つのメリットですね。特に近年ラバーの高騰が進んでいますので、Gewo (ゲオ)さんのコスパの高さは維持してほしいところです。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感ありません。結構弾むと感じました。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 粘着テンションラバーと比較すると明らかにボールは速いですね。ただ思い切り打つとボールの弧線があがる割に沈まないので、結構オーバーミスが目立ちました。オーバーだけ気を付ければ、チョリったり回転をかけて入れるドライブはかなり良かったですね。

面を開いたドライブ 

対下回転に対するループドライブ
 シートが硬いためか、思ったより弾んで初めはオーバーミスが多かったのですが、使い方がわかるとかなり質の高いループドライブが打てると感じました。ボールが上がりやすいわりに、上記にも書きましたが、ややボールが沈みにくいとも感じましたね。それでも回転量はかなり満足です。 

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードは申し分ないです!ただし、ややボールは軽そうでした。

カーブ/シュートドライブ
 結構ラバーじたいは走るので、カーブやシュートでも非常にスピードのあるドライブが打てると思いました。 

ブロック
 Dignics 05 (ディグニクス05)と比較すると、相手の回転の影響を受けやすいのでボールを持ちつつしっかり身体で相手のコートへおくってやる必要があると感じました。それでも柔らかいラバーではないので、ブロックはやりやすかったです。

カウンタードライブ
 こちらも問題なくやりやすかったです。ただ弾みも結構強いので、インナーラケットや木材系の方がコントロールしやすいと思います。アウターカーボンだとちょっと弾み過ぎると思います。

ツッツキ / ストップ
 おさまりますし、切れます。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べるとやや浮きやすいですね。

フォアサーブ
 切れますし、特にナックルの走りが気に入りました。

バックハンド系

軽打
 個人的には硬いですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 打てなくはないですが、連打はきつかったです。正直重たくて、打感もマットでした。このラバーをバックで使用する人は相当パワーがあると思います。

対下回転に対するループドライブ
 回転量は得られますが、少し軽いように感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 実力不足で打てそうにありませんでした。

ブロック
 打球感がマッドな分、ブロックは押されなくてよかったです。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べると弧線がでにくいと感じましたが、慣れれば普通だと思います。

カウンタードライブ
 やりやすかったです。マッドで相手の回転は受けますが、受けすぎるということもないので、しっかり身体を使えば問題なく打てると思います。

ツッツキ
 少し浮きやすいですが、抜群に切れますね。

チキータ
 やりやすかったです。回転もかけやすかったです!ただ、自分の腕の影響もあると思いますが球を持っている感じはあまり感じにくいと思いました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 (ディグニクス05)Nexxus EL Pro 53 Super SelectTenergy 05 (テナジー05)

スピード
 Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5) Nexxus EL Pro 53 Super SelectRazanter C53 (ラザンターC53)

2023/1/7~13 世界卓球ダーバン大会 アジア大陸予選

世界卓球ダーバン大会 アジア大陸予選

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/10689
ATTU: https://asia.ittf.com/pages/30/asia%20continental%20stage_2935

日本の出場選手

男子

 ・張本 智和選手(IMG)   WR5
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・篠塚 大登選手(愛知工業大学)   WR29
  ブレード:Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)

 ・吉村 真晴選手(TEAM MAHARU)  WR126
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

 ・戸上 隼輔選手(明治大学)  WR46
  ブレード: Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
  バック: Tenergy 05 (テナジー05)

 ・及川 瑞基選手(木下グループ)  WR72
  ブレード: 特注 (スーパーALC)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・宇田 幸矢選手(明治大学)  WR23
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

女子

 ・早田 ひな選手(日本生命)  WR6
  ブレード: Hina Hina H2
  フォア: キョウヒョウ(特注)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

・伊藤 美誠選手(スターツ)  WR5
  ブレード:Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)
  フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)
  バック:Moristo SP(モリストSP)

・平野 美宇選手(木下グループ)  WR22
  ブレード:Viscaria(ビスカリア)
  フォア: Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80)

・木原 美悠選手(JOCエリートアカデミー/星槎)  WR15
  ブレード:木原美悠90thモデル (Fire Fall VC)
  フォア:Tenergy 05 (テナジー05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

レビュー Rigan Spin (ライガンスピン)

説明

 Yasaka (ヤサカ)さんのステップアップラバー、Rigan Spin (ライガンスピン)をレビューします。ヤサカさんの看板ラバーであり初めてのラバーの代名詞Mark V (マークファイブ)から、トップ選手も使用するハイエンドラバーRakza (ラクザ)シリーズへとつなぐ、中級者志向のラバー、それがRigan Spin (ライガンスピン)になりますね。このページでレビューするRigan Spin (ライガンスピン)は、ハイエンドラバーのRakza (ラクザ)シリーズ同様に、ハイブリッドエナジー型ラバー (いわゆるテンション系ラバー)になりますね。またRigan Spin (ライガンスピン)には、兄弟ラバーであるRigan (ライガン)というラバーもあり、Rigan (ライガン)の方が先に発売されました。Rigan (ライガン)シリーズが発売される前は、テンション系ラバーであるXTEND (エクステンド)シリーズが、中級者志向ラバーのポジションでしたが、Rakza (ラクザ)シリーズや現在のトレンドのスピン系テンションラバーとは性能が異なるベクトルのラバーだったため、改めてRigan (ライガン)シリーズが発売され、徐々に拡販している状況だと思います。それでは、ヤサカさんの紹介を引用させていただきます。

Rigan Spin (ライガンスピン)

高い安定性を維持しながらもスピン性能が向上
 ライガンでも搭載されている抜群の食い込みと弾力を持つ「RIGAN スポンジ」をライガンと 同じ硬度で使用しながらも、トップシートの粒形状をライガンよりも大きくすることにより、 より強いスピンとパワーを生み出すことが可能になりました。安定性とスピン性能を高いレベ ルで両立したハイブリットエナジー型ラバーです。

ライガンの扱い易さを維持しながらも、回転力をUPさせた
 ライガンと同様に柔らかめのトップシートやスポンジを採用しながらも、トップシートの粒形状をライガンと比べてやや大きくし、密度も高くする事により強打でのエネルギーロスが少なくなりました。ライガン同様に高いコントロール性能を持ちながらも、強打時にはより強い回転を生み出す事が可能になります。安定性を重視しながらも、しっかりとした回転をかけたプレーをしたいという選手にオススメです。

Rigan (ライガン)

安定性抜群でコントロール性能に優れたハイブリッドエナジー型ラバー
 天然ゴムを主体としたトップシートが安定したスピンを作り出し、抜群の食い込みと弾力を持つ新感覚「RIGAN スポンジ」との相乗効果により理想的な放物線を描きます。極めて高いパワー伝導率を誇り、打球時のエネルギーを正確に伝える事ができます。
 グリップ力の高いトップシートにテンションスポンジを組み合わせる「ハイブリッドエナジー」を搭載しつつも、柔らかめのシートやスポンジを採用する事でより扱いやすくなりました。
 しっかりとボールを掴みながら回転をかける事が出来るため、どんなボールに対しても安心して打球する事が出来ます。

コントロール性能や扱い易さを重視したハイブリッドエナジー型ラバー
 「RAKZA」シリーズよりも柔らかめのトップシートやスポンジを組み合わせる事により、軽打でもラバーがボールをしっかりと掴み、打球が高い弧線を描くため非常に安定した連打が可能になります。高いコントロール性能を持つためこれから新しい技術を習得したいという初~中級者や、ラリーでの安定性を重視したいという選手にオススメです。

ライガンスピンとライガンの比較

 ということで、このページでレビューするRigan Spin (ライガンスピン)についてまとめると、
・粒形状は太目、粒間隔は狭い
・スポンジ硬度は40~45° (平均42.5°で、ミディアム硬度のラバー)だが、打感はハード
・4,000円 + 税のドイツ製ラバー

となるでしょうか。回転性能の高いラバーが好みであれば、フォアでもバックでも、なかなか使えるコスパ良のラバーといえるでしょう。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinControlSpongePrice (without tax)
Rigan Spin10+13-11-40~454,000
Rigan10+12+1140~453,900
Rakza Z Extra Hard11-14+952~575,500
Rakza Z11-14+947~525,500
Rakza X1113+1045~505,500
Rakza X Soft10+1410+40~455,500
Rakza 71114945~505,200
Rakza 7 Soft11-14+9+37~425,200
Rakza 911+13+8+40~455,200

 Rigan Spin (ライガンスピン)は回転性能については、Rakza (ラクザ)シリーズなみの高い性能を有することがわかりますね。続いて硬度計による硬度チェックになります。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetSpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Rozena4831.429.342.438.85.53.7
Rigan Spin4730.125.142.840.95.01.9
Rakza X5027.824.741.339.33.21.9

 硬度比較すると、個人的にはよくわかると思うのですが、Rigan Spin (ライガンスピン)Tenergy 05 (テナジー05)Rozena (ロゼナ)に近いラバーといえるでしょう。近いと考える理由は、shore aのシート側とスポンジ側の硬度差が5と大きいためです。この値が大きいことが、テナジーシリーズやスプリングスポンジ搭載ラバーの特徴だと思います。一方、Rakza X (ラクザX)はRakza (ラクザ)シリーズの中でも高いグリップ力を謳っていて、05らしさのあるラバーのように思うかもしれませんが、テナジーらしさは、Rigan Spin (ライガンスピン)ほどはないと思います。というのは、Rakza X (ラクザX)はノンスリップシート (NSS)を採用していますが、このシートはやや硬めなんですよね。NSSは、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-S (エヴォリューションMX-S)に採用されているようなコシのあるくもり系シートに近く、テナジーらしさよりもドイツ製ラバーらしさを感じさせることに一役かっています。要点として、Rigan Spin (ライガンスピン)は廉価版Tenergy 05 (テナジー05)またはRozena (ロゼナ)と言っても良いと思います。

ライガンスピンの貼りと重量

 Tornado King Power (トルネードキングパワー)に貼りました。またRigan (ライガン)のシートがついているものを購入しました。

 貼った後の写真を撮影し忘れました。すみません。m( _ _ )m

Rigan Spin (ライガンスピン)
・Sponge Thickness:中厚 / 厚 / 特厚 mm
・Speed:10+
・Spin:13-
・Control:11-
・Sponge硬度:40~45°
・4,000円 + 税
・67 g (カット前) → 47 g (Tornado King Power (トルネードキングパワー)に貼って)

 中間硬度のラバーにしては、やや重いと思います。今回ヤサカさんの「のり助さん」業務用ではりました。重さが増えにくいことが「のり助さん」の特徴であるにもかかわらず、この重さということで、やや重くなりやすいことが、Rigan Spin (ライガンスピン)の課題かもしれません。

Rigan Spinの3つの特徴

中級者用だけど、めっちゃ回転かかる!

 ラケットに上板コト材使用のTornado King Power (トルネードキングパワー)に貼ったこともあり、期待以上の回転性能の高さを示してくれました。対下回転ループドライブで相手が結構ふかしましたね。この回転性能はかなり良いと感じました。Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると、平均の回転量はTenergy 05 (テナジー05)の方が上かもしれませんが、上手に回転をかけられればTenergy 05 (テナジー05)と遜色のない回転が得られると思います!

抜群のグリップ力!

 硬度計の確認結果から、予想がつきましたが、shore aのシート側とスポンジ側の差が5と大きいので、非常に球を持ちます!バックハンドで使用したときのラリーのときの安心感は非常に高かったです。粘着ラバーほどではないですが、フォアでスピードドライブを狙うときも弧線を描いてボールが台に入る感覚が強いので、思い切り打ちに行けると感じました。こういうラバーは非常に好みですね。スピン系テンションラバーですが、感覚的には粘着ラバーに片足入っているようなラバーだと思います。

ドイツ製らしく、ブロックも思ったよりしやすい!

 今回意外だったのが、ブロック性能です!一般的には中間硬度のラバーは、回転をかけやすくて扱いやすい分、相手の回転や強打の影響を受けやすくなるイメージです。しかしライガンスピンは中間硬度のラバーで回転性能が高いラバーであるにもかかわらず、かなりブロックしやすかったですね!ヤサカさんのラバーは重たくて、威力を出すためにはパワーを要するラバーが多いのでブロックしやすいラバーが多いのですが、ライガンスピンも例に漏れずドイツ製ラバーらしい、ブロックのやりやすさでしたです。つまりRigan Spin (ライガンスピン)もヤサカらしいラバーといえるのかもしれません。ブロックがしやすいということは、そのままカウンターもしやすいということで、ヤサカさんのホームページにある通り、Rigan (ライガン)よりもカウンター性能がやりやすい仕上がりとなっているといえるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 いいですね。しっかりボールが沈むのと、中間硬度といいながらかなりハードなラバーなので、フォアでも十分使えるラバーだと思います。

面を開いたドライブ
 面を開くことで、スピードドライブが打ちやすくなると思います。粒が広く粒間隔も狭いので、開いたドライブに適したシート形状だと感じました。

対下回転に対するループドライブ
 思い切り回転をかけることが出来ましたし、かけたときの回転量は良かったですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 インパクトはかなり必要ですね。ただ、50 gになるようなラバーではないので、全然使いこなせないラバーではないと思います。アウターカーボンの方が打球感や打球音は良いような気がしました。というのは、少しこもったような打球音で気持ち良さはそこまでないです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 非常にやりやすかったです。回転の影響を受けにくいんだと思いますね。

カウンタードライブ

ストップ
 グリップするので、やりやすかったです。

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 まずまず切れますが、粘着ラバーの方が切れますね。

バックハンド系

軽打
 違和感ありませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 やりやすいです!というか自分の質力的にはちょうどよいのかもしれません汗。

対下回転に対するループドライブ
 持ち上げやすかったです。回転量は、少し低いかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ
 これもやりやすかったですね。球をしっかり持ちます。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Rozena ≧ Rigan Spin ≧ GTT

スピード
 Rakza 7 > Rigan Spin > キョウヒョウ系粘着ラバー

https://amzn.to/3GmegP2

レビュー Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)

説明

 2022年XIOM (エクシオン)さんの話題の新作、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)をレビューします。このラバーは、2022年の話題の1枚になりました。火付け役はYou tuber のごぶりんずさんでしょうか。Dignics 09C (ディグニクス09C)からこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)へ変更して結果を出ているとなると、注目が集まることは納得ですね。その他では、元卓球王国のゆうさんが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)の試打動画で、絶賛していたことも大きいように思います。そんな話題のJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)を試打してみました。

 まず、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズについての説明になります。

2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
 相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
 H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
 V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
 X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
 Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様

 C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー

 メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズのようですね。また卓球王国のゆうさんの情報では、人気の低価格テンションラバーシリーズ、Vega series (ヴェガシリーズ)と、上級者用をコンセプトとしているOmega series (オメガシリーズ)をつなぐシリーズとして発売されたのが、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズだということです。katsuo000は現在、とんがったラバーのOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っていますので、それなりに気になるシリーズになりますね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較できるようなレビューがしたいと思います。

 続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)

中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
 ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。

Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)

ミート力とスピン力の双方をMAX強化
 ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。

Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)

超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
 ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

世界代表クラスラバーの一般普及モデル
 世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)はJ&Hシリーズの中で粘着ラバーの位置付けになりますね。やや価格が安くなって、扱いやすく、手に取りやすくなったラバーがJ&H H52.5といえそうです。続いて硬度チャックです。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Omega VII Tour5235.129.949.248.25.21.0

 Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は想像以上に軽いラバーでした。一方で、触った感触はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似た粘着感とラバーの質感でした。表からわかるようにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は55 gを超える超重量級ラバーですので、使いやすくなったOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)が、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)と考えることもできそうです。またshore aのシート側とスポンジ側の差が、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも大きいので、より扱いやすいラバーになっていると予想できると思います。粘着ラバーはこの差が大きいラバーが多いのですが、Dignics 09C (ディグニクス09C)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)など差が小さいラバーも増えてきた印象です。ドイツテイスト感が増したラバーほど、この差が小さくなり、扱いが難しくなる傾向があるように思います。

J&H H52.5の貼りと重量

 Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)に貼りました。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
・Sponge Thickness:2.1/MAX mm
・Speed:13.5
・Spin:15.5
・Sponge硬度:52.5°
・6,500円 + 税
・70 g (カット前) → 49 g (Virtuoso ACに貼って)

 硬いラバーなんですが、XIOMのラバーにしてはかなり軽いと感じました。個体差によって軽いものをだったかもしれませんが、この重量なら扱いやすいラインに入ってくると思います!

Jekyll &Hyde H52.5の3つの特徴

スピード性能が抜群に高い粘着テンション系ラバー
オメガVIIチャイナ影よりもスピードが抜群に出る!

 このラバー、初めはかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似たラバーと思いましたが、フォアクロスのドライブ連打のときのスピード性能が抜群に高く、まるで、Dignics 64 (ディグニクス64)やBryce Highspeed (ブライスハイスピード)系の驚くようなスピード性能を体感しました。これは目が覚める速さですね!打球感はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似てるんですが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも格段にスピードが速いと感じました。というか、弧線が弱い分直線的に飛ぶイメージがこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)だと思います。粘着テンションラバーといいながら、ここまでスピード性能の高いラバーは面白く特徴になると思いました。またスピード性能の高いスピン系テンションラバーは直線的な弾道であるために、やや下回転打ちは難しかったり、打点を落とせない感じがあります。ですがJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は粘着ラバーらしさもあるので、下回転打ちもやりやすくて、多少打点を落としても弧線で入れやすいと感じました。現代プラボールや抗菌ボールにあうようなラバーだと思います。

ストップは抜群にとまる!

 1つ目で高いスピード性能について触れました。そうなると気になるのが、台上になりますね。実際、スピード性能に特徴のあるラバーは台上が止まりにくいということはよくあります。ですが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は台上、ピタどまりでした!初めて使ってみて一発ピタリと止められたのはかなりいい感触でした。これだけストップが止めやすいのは、まさに粘着ラバーと呼んでいいラバー性能だと思います!

回転をかけたい時にはしっかりかかる!

 スピードも出るのに、台上が止まり、回転がかけたい時にはかかる。まさに矛盾をあわせもったようなラバーといえるのが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)というラバーでした。回転量は確かにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が高いと感じましたが、スピード性能が高い分、想像以上の回転量に相手は困惑するような感じでした。ラリーにおいて、打点を落としてしまった時にループドライブのように回転量の多いドライブを打つことがあると思いますが、このラバーも粘着ラバーのように、ラリーのつなぎのドライブで相手のブロックをオーバーミスさせられるくらい、回転差をつけられるラバーでした。こういった使い方ができるラバーは非常に好みですね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 思い切りくい込ませるとボールがかなり走って驚きました。めちゃめちゃ速いです。でも思い切り回転をかけると、回転もかかるんですね。この感じはかなり好みでした。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも弧線は低いと感じました。弾みますが弧線はイメージに近くて打ちやすかったです。ただOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が回転量はやはり上ですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 これは早くていいですね!走ってます!ただ、ボールはやや軽いかもしれません。ただ、地方大会レベルならこの速さでノータッチ量産だと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ
 グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 切れますが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が切れますね。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying > Jekyll &Hyde H52.5 ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > Jekyll & Hyde H52.5 > Omega VII China Ying

https://amzn.to/3hz5inU

だいぶご無沙汰してしまいました

約20日ぶりの記事

 レビューを書いていなくて申し訳ありませんでした。色々と日々、記事を書いてきましたが、やはり読んでいただける記事は当たり前ではありますがレビュー記事ですよね。Tリーグの記事も書いてみましたが、やはり付け焼刃の記事はよろしくないと思いなおし、やめさせていただきました。一方でやはりレビュー記事は、注目度の高いラバーになればなるほど、のびることも再認識できました。レビュー記事の更新頻度は週一を可能な限り維持しておりましたが、やはり質の低下も生じていたので、月2回をベースにレビューを発信できたらと考えております。また記事の更新も基本は週一にしたいと思ってます。小生が書く記事を読んでいただける人、またTwitterなどで直接メールをくれる方もいらっしゃり、このブログ自体は本当に大切な無形財産だなーなんて思っております。2023年に向けて、本記事の今後の予定を発表する記事とさせてください。

今後のブログの予定

・katsuo000ブログはやっぱりレビューを中心に!

・レビュー記事のリライト (場合によっては更新したことを発信する記事も書く予定)

・レビューは月2回をメドに発信 (記事更新は週1回をメド)

以上よろしくお願いします。

直近レビューしたいラバー

 こんなにたくさんあります。今後もせっせとレビュー記事を書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

2022/11/22~25 Feeder Dusseldorf III

WTTフィーダー デュッセルドルフ (ドイツ)

 男子はドイツの有名選手が多数出場ですね。レベルの高い大会になりそうです。一方女子は、今年大注目の長﨑選手と張本美和選手の出場のようですね!頑張って!

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/9111
WTT: https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=2658

日本の出場選手

男子

 ・神 巧也選手(ファースト) WR160
  ブレード: Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)
  フォア: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)
  バック: Rakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)

 ・濵田 一輝選手(早稲田大学) WR383
  ブレード: Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・吉山 和希選手(愛工大名電付属中学) WR454
  ブレード: Harimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)
  フォア: Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
  バック: Dignics 80 (ディグニクス80)

女子

 ・長﨑 美柚選手(木下グループ)  WR42
  ブレード: Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)
  フォア: Tenergy 05(テナジー05)
  バック: Dignics 05(ディグニクス05)

 ・張本 美和選手(木下アカデミー)  WR47
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

結果

優勝
・Dimitrij Ovtcharov選手 (ドイツ)  WR9
  ブレード:Ovtcharov Inner Force ALC (オフチャロフインナーフォースALC)
  フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

優勝
・Xiaona Shan選手 (ドイツ)  WR20

レビュー Q Quality (キュークオリティー)

説明

 mizuno (ミズノ)さんの2022年の新製品、Q Quality (キュークオリティー、キューキュー)をレビューします。ミズノさんはやはり大手で判断やアクションが速く、トップ選手も使用するフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)や回転系の表ラバーとして、これまたトップ選手も使用するBooster SA (ブースターSA)が廃盤となるようです。ブースターSAに関しては、継承されるラバーとしてBooster JP (ブースターJP)が発売になるみたいなので良いですが、Q5についてはどうなるのか情報は出てきていないですね。特にQ5については、使用している選手が多いと思いますし、何よりフラグシップラバーですので、後継ラバーが確実に出ると予想していますが、その間が出来てしまうのかどうかが気になるところですね。

 本ページでレビューするQ Quality (キュークオリティー)は非常に人気で、欠品も相次ぐ非常に売れているラバーになります。火付け役はおそらく、元卓球王国の編集者で卓球用具については非常に詳しいゆうさんが、You tube上で絶賛したためではないかと想像します。ゆうさん曰く、Q Quality (キュークオリティー)は、まさにTenergy 05 (テナジー05)やDignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感で、ちょうどTenergy 05 (テナジー05)とDignics 05 (ディグニクス05)の間のようなラバーと表現したことと、他のQシリーズよりも中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーになります。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。正直公表されている情報は下の図のみになりますね。

 QQは、なんとフラグシップラバーQ5よりも高いスピン性能を持つラバーのようですね。これはシートの材質の変更によるものではないかと予想します。というのも、QQは今までのQシリーズのラバーよりも耐久性を抜群に高くしたラバーという売り込みで、発売されました。実際触ってみてもシートの変化を感じます。言葉にすると、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-P (エボリューションMX-P)のシートが今までのQシリーズ、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のシートがQQのシート、というようにQQのシートは非常にピンと張りがあってツヤヤかで、強い感じがしました。

 続いて硬度計になります。中級者志向のラバーということで、Q5と比較すると軽くて柔らかいラバーに仕上がっていました。バタフライさんと比較しても、重量はディグニクス05と同程度で硬さはテナジー05よりも柔らかい結果となりました。

Weightshore ashore ashore cshore c
gsheetspongesheetsponge
Dignics 09C5033.431.850.849.1
Dignics 054834.331.350.048.2
Tenergy 054732.226.844.643.3
Q Quality4830.127.840.339.5
Q55131.831.145.844.3

 硬度を比較すると、やや威力不足が心配になるラバーだと思いますが、その分扱いやすさをもったラバーがQQとなりそうですね。テナジーよりも回転がかかるのか否か、ここがポイントになりそうです。

QQの貼りと重量

 インナーラケットの970XX-KLCに貼りました。

Q Quality (キュークオリティー)
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Sponge硬度:46°
・5,300円 + 税
・67 g(切断前) → 48 g(970XX-KLCに貼って)

 過去のQシリーズにたがわず、あいかわらずの反り返りの凄さでした。一方で今までのQシリーズ特有の臭さはなくなっており、非常に好印象でしたね。今後発売の新しいQラバーはニオイが抑えられたラバーになっていそうですね。今回主にバックで使用したレビューになります。

Q Qualityの3つの特徴

テナジーのようなくい込みの良さ!

 このラバーは抜群の扱いやすさでした。シートに張りを感じますので、スポンジが柔らかいということでしょう。今までのQシリーズと比較するとやはり硬度が柔らかいので、中間硬度のラバーに近い立ち位置のラバーになります。比較するのであれば、テナジーシリーズよりもテナジーFXシリーズやRozena (ロゼナ)の方が妥当とも感じました。他メーカーであればRasanter R48 (ラザンターR48)Rasanter R45 (ラザンターR45)Evolution EL-S (エボリューションEL-S)などになると思います。R45よりは硬く、R48と同じくらいの立ち位置と表現できると思います。R48はやや、倒れやすい粒形状でドライブ回転でボールを沈ませにくいラバーですが、QQは回転でボールを沈めやすい日本人好みのラバーになっていると思いました。

扱いやすいラバーの中で十分な回転量と球持ち

 特に気に入った点としては、球持ちの良さですね。ドイツ製ラバーやディグニクスシリーズのラバーがどうしても性能が高い分、やや球持ちを感じにくいラバーになりつつある中で、高性能かつ球持ちを強く感じられるラバーというのは刺さる人には刺さるラバーだと思います。球を持つことで、どんな技術も自信をもってスイングできると思います。

コスパ最高のテナジー

 この性能で市場価格4,000円台はかなりコスパの良いラバーだと思います。ラザンターシリーズでも4,000円台ですが、4,000円台後半でしょう。ラバーの高騰が進む中、このレベルのラバーを4,000円台前半で発売してくるあたり、ミズノさんのマーケティングレベルの高さを感じますね。これは売れるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 ディグニクスらしさはあまり感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 安定感抜群でした。ただ威力は他のトップラバーと比べるとやや落ちると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 安定感と球持ちを感じるドライブができました。

対下回転に対するスピードドライブ
 少しくい込みがいいので、しっかり身体で振った方が入ると思います。弾みもあるラバーなので、慣れればミート気味でも入ると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 2022年発売の他のスピン系テンションラバーと比較するとくい込みがいい分、少し回転の影響を受けやすいラバーと感じました。

カウンタードライブ
 ブロックと同じく、相手の回転の影響を受けやすかったです。

ストップ
 ゆうさんもおっしゃっていましたが、やはりややボールが浮きやすいですね。これは重要なポイントだと思います。

ツッツキ
 ストップ同様にツッツキは浮きますね。この特徴は、残念ながらマイナスですね。

チキータ
 やりやすいですね!素晴らしかったです!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Q quality ≧ Tenergy 05

スピード
 Dignics 05 > Q Quality ≧ Tenergy 05

2022/11/17~19 第33回 アジアカップ2022

第33回 アジアカップ (タイ)

 もう始まっていて本日最終日。日本勢はまだ残ってますね!難敵ぞろいなのに、素晴らしい日本代表選手です!

JTTA: https://jtta.or.jp/tour/8581
ITTF: https://www.ittf.com/tournament/5448/2022/ittf_attu_asian_Cup/

日本の出場選手

男子

 ・張本 智和選手(IMG)   WR5
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

 ・宇田 幸矢選手(明治大学)  WR23
  ブレード: 特注 ZL カーボンシェーク / インナーファイバー
  フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
  バック: Dignics 09C (ディグニクス09C)

女子

・伊藤 美誠 選手(スターツ)  WR5
  ブレード:Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)
  フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)
  バック:Moristo SP(モリストSP)

 ・早田 ひな選手(日本生命)  WR6
  ブレード: Hina Hina H2
  フォア: キョウヒョウ(特注)
  バック: Tenergy 05(テナジー05)

結果

男子

優勝

 ・張本 智和選手(IMG)   WR5
  ブレード:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)
  フォア:Dignics 05(ディグニクス05)
  バック:Dignics 05(ディグニクス05)

女子

優勝