レビュー

レビュー Q Power (キューパワー)

説明

 mizuno (ミズノ)さんの2023年秋の本気の新製品、Q Power (キューパワー)をレビューさせていただきます。mizuno (ミズノ)さん、やはり発売してくれました!廃盤となってしまったフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)を超える、新たなフラグシップラバー、トップ選手用の新製品、Q Quality (キュークオリティー)をパワーアップさせたQ Power (キューパワー)です!

 まずおさらいですがQ Quality (キュークオリティー)Tenergy 05 (テナジー05)Dignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感と表現され、中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーでした。
 Q Power (キューパワー)は、そのQ Quality (キュークオリティー)をさらにパワーアップしたラバーということで、自然と期待が持てますね!卓球王国2024年1月号 (2023年11月発売)に特集記事が掲載されていました。mizuno (ミズノ)アドバイザリースタッフで水谷隼選手と同門の坂本竜介氏が紹介しています。記事から引用させていただきます。

 今、勝てるラバーには「回転」と「飛び」の両方が求められています。最近は微粘着など回転重視のラバーが増えていますが、男子は中・後陣でのラリーが多く、女子でも台から下がってプレーするケースが増えているため、「飛び」も重要な要素になるのです。
 ミズノはこれまで、廃盤になった『Q5 (キューファイブ)』がトップ選手向けのラバーでしたが、中・後陣に下がった時の飛距離にやや物足りなさがあり、ブロックや守備技術でボールが落ちやすかった。この『Q Power (キューパワー)』(以下『QP』)は『Q5 (キューファイブ)』にさらに飛びと回転をプラスした、いわば『Q5 (キューファイブ)』スペシャル。ガンガン打ちたいトップ選手が使えるラバーが出たな、と感じます。
 スポンジ硬度は52度とかなり硬いですが、従来の硬いラバーはパワーがないと飛ばせないイメージだったのが、『QP (キューパワー)』は飛距離が出て回転とのバランスも良い。実際に私も試打していますが、『Q5 (キューファイブ)』をさらにパワーアップさせながら、『Q Quality (キュークオリティー)』のような使いやすさもあるラバーに仕上がっている。
 打球音が出るのも良いですね。選手にとっては音は重要で、『飛んでいる』と感じさせてくれる。使って気持ち良くプレーできるラバーですね。

「卓球王国」2024年1月号より

 ミズノにとって、まさに「本命」と呼べる1枚だろう。この秋にリリースされたテンション系裏ソフト『Q』シリーズの最新作、その名は『Q Power (キューパワー)』。「パワー」というネーミング、「強打で突き破れ」といったキャッチコピーに並ぶ力強い文言からも、自信のほどがうかがえる。
 『Q Power (キューパワー)』は前作の『Q Quality (キュークオリティー)』発売後にユーザーから寄せられた「もう少し硬く、もう少しパワーのあるラバーがほしい」という声を受けて開発がスタート。トップ選手を満足させるだけのスピードとスピン、そして威力を追求した、ひと言で言えば「王道のストロングラバー」となっている。
 まず、パワーのある選手が使用しても、その力をロスなくボールに伝えられるよう、『Q』シリーズ史上最もハードな52度のスポンジを採用。さらにトップシート、スポンジともに材料自体のエネルギー効率を向上させることで、よりパワフルな性能に仕上げた。
 加えて、従来の『Q』シリーズよりもトップシートを薄くすることで、打球時に ボールが食い込みやすく、「ひきつれ」が起きやすい設計に。高いグリップ力と回転のかけやすさを持たせている。
 これまでの『Q』シリーズはトップ選手が使用した際に「中・後陣でドライブを打った時の飛距離、威力が物足りない」という声もあったそうだが、『Q Power (キューパワー)』はそうした課題も解消。前陣から後陣、どのポジションでも打ち負けることなく、強く回転をかけ返していける。
 ミズノ契約選手の多くが使用してきた『Q5 (キューファイブ)』 (廃盤)に替わり、新たな最高峰モデルとしてシリーズの頂点に君臨した『Q Power (キューパワー)』。ミズノが放つビッグインパクト、この新作はヤワじゃない。

「卓球王国」2024年1月号 Pick Up Productより

 Pick Up Productsでも特集され、注目のラバーであることがわかりますね。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。公表されているホームページの図になります。

(引用: https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series)

 Q Quality (キュークオリティー)は、廃盤になってしまったフラグシップラバーQ5 (キューファイブ)よりも高いスピン性能を持つラバーでした。そして、Q Power (キューパワー)は、Q Quality (キュークオリティー)よりもさらに高いスピン性能と、Q5 (キューファイブ)よりも高いスピード性能を持つラバーだとわかります。
 また特設ページでは、現在も販売継続しているQ Quality (キュークオリティー)、Q 1 (キューワン)、そしてQ Power (キューパワー)について特徴を説明しています。Q Power (キューパワー)の設枚は次のようになります。

 どこまでもハードな打球を追い求める上級者向けラバー。Qシリーズ最高の硬さを誇り、エネルギーロスを抑えて強い打球が打ち込める。飛距離と打球スピードを最大化するために設計されたQシリーズ史上最硬ラバーが、力の限界を引き出す。

Point 01:
 硬度化ラバー品質係数を高めたことで、相手のボールの勢いを 弱めることなく、スピンやスピードの乗った返球が出来るように。 パワーでねじ伏せるQシリーズ史上最硬ラバー。
Point 02:
 高威力粒の形状はQ5と同じ。 粒の間隔を少し狭くすることで、ボールの威力、スピード、スピン、持ち上がりをよくした。

https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series

 Q5 (キューファイブ)はシートがもっちりしていて、TSPの粘着シートを使って保管すると粘着のような感触となるシートでした。一方、Q Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも記載しているとおり、シートがややピンと張っていて硬さとコシのあるシートでした。このQ Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも触れているとおり、Evolution EL-S (エボリューションEL-S)のシートに近いと感じました。多分同じではないと思うのですが、類似の成分や思想で設計されたシートだと思います。当然、Q Power (キューパワー)についても、Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版として発売されていますので、予想通り、Q Power (キューパワー)のシートはしっかりしていて、Q Quality (キュークオリティー)のシートと類似のシートだと感じました。Dignics (ディグニクス)シリーズもシートが硬く設計されています。昨今のButterfly (バタフライ)さんが作り出したラバートレンド、シートの硬いラバーですね。シートの硬さがあるため、相手の回転の影響を受けにくく、インパクトと技術があれば今までのシートよりも高い回転量も生み出せるラバー設計だと思います。その分、技術力やインパクトの強さも求められる上級者用のラバーとなりますね。mizuno (ミズノ)さんは競合他社のButterfly (バタフライ)さんを研究しているでしょうから、トレンドを追ってシートを硬く設計したのではないかと想像します。ですのでButterfly (バタフライ)さんのラバーに慣れている方なら、mizuno (ミズノ)のラバーもあまり違和感なく使いこなせるのではないかと思います。もし王道Butterfly (バタフライ)とは違う色や味を出したいならQ Quality (キュークオリティー)Q Power (キューパワー)もオススメですね。そして、シートの硬いラバーですので、うまく使いこなせば、カウンターがしやすかったり、しっかりインパクトできるとしっかりボールをグリップして高い回転量を得られるラバーだろうことは想像できますね。

 続いて硬度計になります。

Weightshore ashore ashore cshore c
gsheetspongesheetsponge
Q Power5031.229.443.842.7
Dignics 054834.331.350.048.2
Tenergy 054732.226.844.643.3
Q Quality4830.127.840.339.5
Q55131.831.145.844.3

 情報通り、硬度を比較すると、Q Power (キューパワー)Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版ということで、重量、硬度どれも重く硬くなっていることがわかりました。またQ Power (キューパワー)Dignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると重いわりに柔らかいラバーであることがわかりました。ただDignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)が凄いのは、スプリングスポンジやスプリングスポンジXの効果で計測硬度よりも軟らかく感じるんですよね。実際、世界標準Tenergy 05 (テナジー05)を初心者の方に使用してもらっても、ものすごい回転量のボールが打ててしまうくらい、インパクトの強さを必要としません。Q Power (キューパワー)はやや重いと感じるかもしれませんが、打球感はButterfly (バタフライ)製のラバーに似てくると想像できますね。

Qパワーの貼りと重量

 Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼りました。

Q Power (キューパワー)
・Sponge Thickness:1.9/2.1 mm
・Sponge硬度:52°
・7,000円 + 税
・74 g(切断前) → 50 g(Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼って)

 過去のQシリーズにたがわず、ラバーの反り返りは凄かったです。ただし、Q Quality (キュークオリティー)と同じく、廃盤となったQシリーズの、特有の臭さ、はなくなっていました。今後のmizuno (ミズノ)さんのラバーは臭いことはなさそうですね。

Q Powerの3つの特徴

ディグニクス系の高いカウンター性能!と質の高いドライブ!

 このラバーは、めちゃめちゃ良かったですね。主にバックに使ったのですが、いきなり使って違和感なく良いボールがばんばん入っていて気持ち良かったです。特に気持ち良かったのがカウンターで相手のドライブをジャストミートでカウンタードライブ返球できたのは良かったですね。想像どおりカウンター性能は高かったです。Q Quality (キュークオリティー)もカウンターがしづらいわけではないのですが、バックハンドドライブでの伸ばし合いをすると少し威力不足を感じやすいのがQ Quality (キュークオリティー)でした。Q Quality (キュークオリティー)は使いやすくて安定感はあるんですが、威力の部分は少しとパワフルさの部分で不安ですね。ディグニクスほどのボールの伸びはないと思いますが、Q Power (キューパワー)は世界標準Tenergy 05 (テナジー05)と同等以上の質の高いボールをになっていると思いました。

立ち位置としてはGlayzer (グレイザー)の上位互換?

 あくまでも個人の、katsuo000の感じたことですが、ラバーの回転レベルを比較すると次のようになると思います。
 Spin: Rozena < Glayzer < Tenergy 05Q Power < Dignics 80 < Dignics 05
シートの硬さと打球感から、Tenergy 05 (テナジー05)よりもシートの硬さを感じると思いますので、ディグニクスシリーズとGlayzerの間くらいが、Q Power (キューパワー)の位置だと感じました。もちろん、技術力のある人が使えばQ Power (キューパワー)はディグニクス側によった性能を示すと思います。

やや直線的な弾道!

 シートはQ5 (キューファイブ)に類似の形状という情報がありましたので、粒は太く密度はやや広い設計だと思います。このシートの特徴は回転量もスピードも出しやすい形状ですね。従ってButterfly (バタフライ)さんの05系のシートと比較すると弧線はやや弱いと感じると思います。その分直線的で決定打やノータッチを狙いやすいでしょう。弧線が欲しい場合は、木材系のラケットやインナーカーボン系のラケットとあわせることをオススメしますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はインナーカーボンでやはり弧線が出しやすく非常に相性がいいと感じました。試打するなら、是非インナーか木材ラケットで打ってほしいですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 Q Power Tenergy 05

スピード
 Dignics 05Q PowerTenergy 05

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レビュー Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)

説明

 本ページでレビューするのはスポーツメーカーの大手、mizuno (ミズノ)が扱うトップ選手用のハイエンドラケット、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になります!日本男子代表だった大島祐哉選手が使用したラケットですね。大島祐哉選手は2023年春先に契約終了し、現在はandro (アンドロ)さんと契約していますね。大島祐哉選手がmizuno (ミズノ)さんと契約していたとき最後に使用していたのが、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になります。
 大島祐哉選手Fortius FT (フォルティウスFT)からFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)へ変更し、最後にはFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の板厚を薄く、ブレード面積を狭くしたラケット、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)を使用していました。個人的にも興味があって使いたいと思っていて、セール時にようやく買うことができました。それでは、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)について、どのようなラケットか確認していきましょう。

Fortius FT (フォルティウスFT)

 標準的なパワフル系7枚合板ラケット、Fortius FT (フォルティウスFT)は、大島祐哉選手が使用して人気がでました。FTの意味はFine Touch (ファインタッチ)の略で、上板にLimba (リンバ)という球持ちの良い板を使うことで非常に扱いやすい良質なラケットに仕上がっていると思います。
 木材構成は芯材がAyous (アユーズ)、添え材に中心からHinoki (ヒノキ)2枚、アユーズ2枚、上板にLimba (リンバ)2枚の計7枚の合板構成になります。メーカー公表値 (重量92 g、板厚6.4 mm、ブレード面積158 × 150 mm)になります。
 合板構成: Limba (1/7) / Ayous (2/6) / Hinoki (3/5) / Ayous (4)
 板厚: 6.4 mm
 ブレード面積: 158 × 150 mm
 重量: 92 g

Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)

 Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)のver. Dとは、Dual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)のことをさし、カーボンのような際立った弾みを付与するのではなく台上の繊細なプレイには木材らしさを維持しながら後陣からの強打時などには特殊素材らしい弾みをサポートする素材として使用されています。Dual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)という特殊素材を採用したラケットは今までにありませんでしたが、AL (アリレート)と類似の特殊繊維と考えて良いと思います。Butterfly (バタフライ)の名品、Key Shot (キーショット)などと類似の打球感を想像すると良いのではないかと思いますね。
 木材構成はFortius FT (フォルティウスFT)と同じ芯材Ayous (アユーズ)に、添え材に中心からHinoki (ヒノキ)2枚、アユーズ2枚、そしてDual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)2枚を挟んで上板にLimba (リンバ)2枚の計7+2枚の合板構成になります。メーカー公表値 (重量92 g、板厚6.4 mm、ブレード面積158 × 150 mm)になります。
 合板構成: Limba (1/9) / Dual Web (2/8) / Ayous (3/7) / Hinoki (4/6) / Ayous (5)
 板厚: 6.4 mm
 ブレード面積: 158 × 150 mm
 重量: 92 g

Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)

 Fortius FT (フォルティウスFT)Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)は非常にパワフルで素晴らしいラケットになりますが、ブレード面積が158 × 150 mmと広く、どうしてもフォアとバックの切り返しが遅くなったり、バックハンドの振り抜きが難しくなったりします。また現代卓球の潮流は中・後陣からの引き合いよりも前・中陣のカウンターの奪い合いへと移りつつあります。大島祐哉選手がそこで選んだラケットは、ブレード面積を157 × 149 mmとやや狭くし、かつ板厚も6.4 mmから6.1 mmへ薄くしたFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になりますね。Fortius FT (フォルティウスFT)のブレード面積を狭く、板厚を薄くしたラケットがFortius FT RE (フォルティウスFT RE)というラケットもあり、類似の変更になりますね。Fortius FT (フォルティウスFT)はいくつかの変更品が発売されており、その変更の趣旨はFortius FT (フォルティウスFT)をより扱いやすくしようとする変更になります。使いやすいように、Fortius FT (フォルティウスFT)を5枚合板バージョンに変更したFortius FT 5 (フォルティウスFT5)や、Fortius FT (フォルティウスFT)をより軽くしたFortius FT Light (フォルティウスFT Light)など、Fortius FT (フォルティウスFT)の威力をそのままに扱いやすくしようとする趣旨で仕様を変更したものになりますね。そして、Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の後に発売されたのが、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)Fortius FT RE (フォルティウスFT RE)になりますね。Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)はより扱いやすくなっていて現代卓球的な仕様になっていて、注目でした。その仕様を確認しましょう。

 合板構成: Limba (1/9) / Dual Web (2/8) / Ayous (3/7) / Hinoki (4/6) / Ayous (5)
 板厚: 6.1 mm
 ブレード面積: 157 × 149 mm
 重量: 90 g

 上記の変更に加えて、mizuno (ミズノ)のブランドロゴは小さくなり、グリップもやや細くなって振り抜きの良い仕様になっていますね。うん、これは購入してすぐ使いたいと思わせるラケットでした。個人的にはTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)の強化版のイメージで、より飛距離を出しやすくスピードを求めたラケットがFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)だと思います。

 届いたFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)は91 gとやや重い個体で、フォアにHurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)、バックにJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)を貼りました。

フォルティウスFT ver. D REの特徴

Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の良質な打球感をそのままに振り抜きの良さが抜群なブレード!

 何より注目だったのが、ブレード面積の変更によるバックハンドの振り抜きのしやすさですね。想像通り非常に振り抜きやすく、かつ威力も申し分ないラケットになっていました。チキータでは一撃のスピードチキータがめちゃめちゃやりやすかったです。Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)にも感じましたが、Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)はmizuno (ミズノ)のブランドの中ではハードなラケットとなっていますが、上板にリンバを採用していることもあり、バックハンド時には非常に球持ちを感じられるラケットだと思っています。この打感はかなり好みですね。チキータや前中陣のバックハンドドライブ時も球を持てるので安心して振りぬけるラケットだと思います!またFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)はブレード面積が広いためにチキータ時に手首を思い切り使うと、手首が痛かったですが、そういった重さはFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)には感じなくて使いやすいと感じました。

板厚6.1 mmだけど、威力は十分!

 中陣から後陣まで下がるとさすがに威力不足を感じやすいかもしれませんが、前・中陣からだと板厚6.1 mmでも弾むと感じました。少なくとも6 mm未満の板薄のインナーカーボン系のラケットよりも飛距離が出しやすいので、中陣からドライブを引き合うときは非常に頼りになるブレードだと思います。6 mm未満の板薄インナーカーボンラケットで中陣での威力が欲しい、中国粘着ラバーを使っていて球持ちを落とさずにもっとボールを走らせたいと思うのであれば、ありなラケットだと思います!

粘着ラバーとの相性も抜群!

 Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)にも感じましたが、非常に球持ちを感じやすい上板リンバのブレードであるため、中国粘着ラバーとの相性も抜群でした。自分はHurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)をあわせましたが、抜群の相性でした。最近粘着ラバーが増えてきていますが、どの粘着ラバー (ドイツ製粘着、日本製粘着、中国製粘着)でも気にせずあわせられるブレードだと思います!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転ループドライブ

対下回転スピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンター

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

サーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso AC > フォルティウスFT ver. D RE > 和の極み -煉-

スピード
 Lin Gaoyuan ALC > フォルティウスFT ver. D RE > Virtuoso +

https://amzn.to/3RQOHdg

レビュー Ma Lin Carbon (馬林カーボン)

説明

 Yasaka (ヤサカ)の名作、Ma Lin (馬林)シリーズからMa Lin Carbon (馬林カーボン)をレビューさせていただきます。Ma Lin (馬林)シリーズは長きにわたって人気の名作シリーズですね。Ma Lin (馬林)シリーズは、5枚合板1種、7枚合板1種、インナーカーボン3種と合計5種類のラケットが販売されています。馬琳 (Ma Lin)選手自身は有機溶剤による後加工可の時代では5枚合板を、その後はこのページでレビューするMa Lin Carbon (Ma Lin Carbon)を使用していたそうです。Ma Lin (馬林)選手といえば豪快なフォアドライブが特徴的ですよね!当時は同じ時代に活躍した、中国出身のWang Liqin (王励勤)選手も5枚合板に有機溶剤、その後、カーボンラケットを使用したようです。2人とも右利きでエゲつないパワードライブを打つ剛腕フォアドライブ型でした。未だに多くの卓人があこがれたり、参考にするのが馬琳選手/監督たちになると思いますね。それではラケットについて言及していきたいと思います。

 Ma Lin (馬琳)選手が使った5枚合板と類似の仕様のラケットが、Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)ですね。情報ではMa Lin (馬琳)選手が使用したMa Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)は、100 gくらいの超ヘビーラケットだったらしいです。そのような個体はさすが流通していない可能性が高く、特注の非常にマレな固体をご本人は好んで使っていたようですね。さらにパワフルな7枚合板仕様のラケットがMa Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)になります。このラケットは最近では愛工大の吉山僚一選手が使用していたラケットになりますね。海外ツアーへ出場するようになり吉山選手はMa Lin Carbon (馬林カーボン)やその他Yasaka (ヤサカ)さんのインナーカーボンへ変更したようです。大島祐哉選手がandro (アンドロ)の7枚合板「和の極み -煉-」を使用しているので、トップでも7枚合板で活躍する選手は多数いることが明らかだと思います。改めて注目しても良いのではないかと思いますね。やはり7枚合板は5枚合板よりもラリーに強くて木材合板らしさもあるラケットに分類されると思います。安価でいてトップ選手も使用している、という点は非常に良い選択肢の1つだと思いますね。

 Ma Lin (馬林)シリーズのカーボンは3本ありますが、どれも全てInner Carbon (インナーカーボン)になります。インナーカーボンなのに3種類もラインナップしている点が現代卓球を先んじていたように思いますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はMa Lin (馬林)シリーズを踏襲する、上板硬めの合板構成でインナーにカーボンをはさんだラケットになります。続いてMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は上板にウエンジ材というハードな木材を使用して、シリーズ1弾むラケットになります。そして近年流行りのソフトな上板を使ったインナーカーボンがMa Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)になります。
 ここからは個人的なコメントです。Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)は上板が柔らかくかつ板厚も5.7 mmとかなり薄いラケットになります。このラケットを選ぶのであれば、カーボンにアラミドカーボンやALCを使っていないことにこだわるか、上板が柔らかいのに6 mm未満の板厚の薄いラケットを求める卓人にはもってこいかと思います。インナーラケットの王道かつ中陣からの威力とドライブを打つ時のラケットのALCらしいしなりを求めるならButterfly (バタフライ)さんのInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)やHarimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)がずばり王道で、王道ではなく弾まず木材らしい打感としなりとミートを求めるなら、Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)を選ぶことをオススメすると思います。
 逆に、上板の硬いインナーカーボンを探すのであれば、今回のMa Lin Carbon (馬林カーボン)Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は他のインナーカーボンと一線を画していて、手に入れやすい上板硬めのインナーカーボンになると思います。個人的には上板硬めのラケットはサーブの切れ味も上がり、回転量も上がるので球の質を求めていくならオススメのラケットになりますね。

 ・Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ): 上板やや硬めの5枚合板
 ・Ma Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル): 上板やや硬めの7枚合板
 ・Ma Lin Carbon (馬林カーボン): 上板やや硬めのインナーカーボン
 ・Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン): 上板ハードなインナーカーボン
 ・Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン): 上板ソフトなインナーカーボン

 ここで突き動かされるような言葉で綴られた、卓球王国さん × Yasaka (ヤサカ)さんの記事を引用させていただきます。この記事を読むと改めて馬林ラケットシリーズを手に取りたくなるのではないでしょうか。

『馬林カーボン』
 好敵手、王励勤と覇権を争い、中国の”竜虎”と呼ばれた馬琳。その右手に握られた至高のギア。

 99年世界選手権男子シングルスで決勝に進んだ馬琳。その手に握られていたのは、ヤサカの名品『ガシアンエキストラ中国式』 (廃番)だった。古くより中国代表選手の間で絶大な人気を誇っていた、スウェーデン製ラケットである。
 長らくヤサカラケットを愛用していた馬琳だが、2005年に正式にヤサカと用具契約を結んだ。その年、世界選手権上海大会で握り、2度目の決勝に進んだラケットが、新たに馬琳のために開発された『馬林カーボン』なのである。
 ところで、ここまで選手名は馬琳、商品名『馬林カーボン』と、表記が異なることが気になった人も多いのではないか。本名は「馬琳」なのだが、琳は女性の名前に多く使われる文字ということで、本人が「馬林」とサインすることから、ラケット名では「林」が採用されたという理由だ。
 話を戻そう。05年末に一般発売となった『馬林カーボン』は、瞬く間にベストセラーとなった。これほどの選手の名を冠したモデルが売れないわけはない。ただ、そのセールスはヤサカの予想を上回り、嬉しい悲鳴を上げた程だったという。そして卓球王国2007年2月号で発表された、第1回「ベストギア・オブ・ザ・イヤー2006」にて『馬林カーボン』はペンホルダーラケット部門で『吉田海偉』(バタフライ)とともに同率首位のグランプリに輝いたのだ。
 05年に続き、07年にも世界選手権で決勝に進んだ馬琳。90年代末から10年代初頭にかけて長く活躍した馬琳だが、中でも最も脂の乗った時期に本人が使用していたモデル。この『馬林カーボン』以前、そして以後は、馬琳はヤサカの木材ラケットを使用したのだが、なぜ彼が00年代中期にカーボンラケットを選んだのか。神業とも言える台上処理を重視し、パワーはラケットの弾みよりも体全体で出すという馬琳。それだけ聞くと、カーボンモデルは不向きのように思えるが・・・。この疑問に対する答えは、優れた合板構成にあった。

カーボンラケットとしては異例の球持ちの良さ。時代を先取りした超バランス素材

 ヤサカが馬琳との契約にあたって、本人使用モデルとして開発した『馬林カーボン』。もちろん、馬琳本人も開発に関わっている。気むずかしい性格で有名な馬琳。当然ながら用具選びにもこだわり、妥協を見せないのだが、そんな彼が多くの試作品の中から選んだのが、この合板なのである。
 馬琳のプレーというと、3球目の強烈なフォアドライブの印象が強い。そのため、ラケットもパワフルなものを使用しているような錯覚に陥るが・・・。馬琳が最も重視したのは「コントロール」だった。
 以前に馬琳が愛用した5枚合板 (現在は廃番の『ガシアンエキストラ』)も、スウェーデン製5枚合板らしい球持ちとコントロールが特徴だが、その特徴を損なわない範囲で、カーボンにより若干のパワーアップを図ったのが、この『馬林カーボン』なのである。
 『馬林カーボン』の最大のミソである合板構成を見てみよう。サイド写真を見てもわかるとおり、カーボンが表面から3枚目 (上板と芯材のさらに内側)に配置。特殊素材 (木材以外の繊維素材)を、上板のすぐ下ではなく、内側に配置する、いわゆる「インナー」タイプの設計だ。
 またカーボン自体もかなり薄い。そのためカーボンの硬さ・弾みの良さを全面的に押し出さず、木材モデルに近い球持ちが生かされている。板厚も5.7 mmとスリムで、打球時のしなりを持たせている。
 このような合板構成を、スウェーデンのすぐれた合板技術によって製品化した『馬林カーボン』は、結果的にカーボンラケットとしては最も球持ちの良い部類のブレードに仕上がり、世界No.1の台上技術を誇った馬琳を満足させたのだ。
 「板厚がスリムなインナー素材タイプ」というと、近年では人気の合板構成として、各社からリリースされている。しかし、『馬林カーボン』はそのタイプの人気に火が付く以前の2005年にリリースされた。先見性のある設計だったと言って良いだろう。
 シェークのFL・ST、そして中国式ペンと、3種類のグリップが発売された『馬林カーボン』だが、やはりペンの馬琳が実際に使用したということで、中国式は両面に裏ソフトを貼るプレーに適した設計になっている。
 板厚が5.7 mmとスリムなので、両面にラバーを貼っても握りやすい。また平均重量は、カーボンラケットとしては軽めの85 gであり、重量に悩む両面ペンの選手にとっては扱いやすい軽さだ。
 ブレードサイズはスウェーデン製の中国式ペンとしてはオーソドックスな長さ163 mm×幅150 mm。しっかりと面が広いためスイートスポットが広く、また長さもあるのでフルスイングした時には威力を発揮する。馬琳のようなパワーがない選手にとっては、あまり面が大きいと操作性の悪さにつながる可能性があるが、ラケット本体が重くないので、中級者でも扱える範囲だ。
 「ペン両面向きの性能」
 これも『馬林カーボン』の大きな特徴と言えるだろう。以上見てきた設計面・性能面からも、このラケットの人気の理由がわかると思う。

2005年の発売から衰えぬ人気。それの理由は馬琳のネームバリューだけではない
 次々と新製品が登場する卓球用具市場。特にラケットに関しては、毎年各社から多くの新製品が投入される一方で、ほぼ同数の商品が廃番となり、密かに姿を消していく。ラケットの商品サイクルは、ラバーのそれよりも短い傾向にあるのだ。
 そのような中、ヤサカ『馬林カーボン』は2005年の発売から不動の地位を築いている。一般的に選手モデルは、その選手が引退するとすぐに廃番になったり、あるいは売上げ低下によりしばらく後に廃番になるケースも多いが、このラケットは例外だ
 改めて『馬林カーボン』がロングセラーとなっている理由をまとめてみよう。
 成績だけでは語れない馬琳の人気
 やはり、馬琳の人気は絶大だ。世界選手権で3回準優勝、そして北京五輪で金メダルを獲得した、卓球史に残る名選手である。しかし馬琳という選手の魅力は、成績だけでは語れない。その魅力のひとつが、裏面打法にある。中国で開発され、発展を遂げたペンホルダーラケットの裏面打法は劉国粱 (96年五輪金メダリスト/前・中国男子総監督)が第一世代と言われる。プレーの軸はフォアハンド (またはバックショート)であり、それを補助する目的で裏面打法でのバックハンドが使用された。そのスタイルを継承、発展させ、より攻撃的な裏面バックハンドを確立させたのが、第二世代と言われる馬琳なのだ。その後、シェークのような自在な両ハンドプレーを見せた王皓が第三世代と呼ばれるが、王皓は中国でも例外的存在と言われ、馬琳の時点でペン両面スタイルは完成に近づいたと言ってもいい。
 裏面打法を高いレベルに引き上げた功労者である一方で、馬琳のプレーの軸足は「ペンドラ」ならではの強烈なフォアドライブにある。この点も、ペンホルダーのファンにとって大きな魅力だ。複雑なフェイクモーションを交えた強烈な変化サービスと、世界トップクラスのテクニカルな台上技術、そして台上のボールをフルスイングで持っていくエグいまでの3球目攻撃。裏面打法を駆使しながらも、「シェークの亜種」ではなく、ペンホルダーならではのダイナミックなプレーこそが、我々を惹きつけるのだ。

https://world-tt.com/ps_maker/yasaka/002/page.php?pg=1

 馬林シリーズが使いたくなったのではないでしょうか。名作であり王道の板構成を知ると手に取りたくなるのが卓人だと思います。

Ma Lin Carbon (馬林カーボン)

 届いたMa Lin Carbon (馬林カーボン)はなんと、92 gのヘビー級でした。重い方が好みなので、いいね~と思った次第です。黒のシックなデザインはかっこ良くてかなり好みです。ラバーは今回、フォア面に省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジ (Hurricane NEO III Blue Sponge)を、バック面にはGlayzer (グレイザー)を貼りました。

馬林カーボンの3つの特徴

上板は確かに硬く、それでいて抜群のおさまり!これはいい!

 季節が冬ということもあるかもしれませんが、上板が硬いのでバチっと回転がかかって、それでいて飛びすぎない非常に扱いやすいラケットでした。このMa Lin Carbon (馬林カーボン)Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)Tornado King Power (トルネードキングパワー)と比べるとやはり弾まず、控えめで、まるで5枚合板のようなスピード感のラケットでした。上板硬めの5枚合板と間違えてしまいそうなラケットだと思います。少なくとも自分は上板硬めの5枚合板と感じながら使っていました。それくらい板厚が薄いことでしなって柔らかく感じる、上板硬めのラケットでした。これかなり好みのラケットだと感じましたね。

強打時はカーボンラケットらしい直線性!

 Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)でも感じましたが、弾いた時の弾道がとても直線的だと感じました。この特徴はやはり普段からALCやアラミドカーボン系の特殊素材入りラケットを使っているから感じるのだと思いますね。安い分、どうしても仕方ないかもしれませんが、このカーボン感は正直苦手と感じました。特に中陣からドライブ強打を打とうとすると、結構ネットミスをするんですね。感覚以上にボールが直線的に飛ぶのだと思います。強打時の弧線を求めるのであれば、やはりアラミドカーボンやALCなどの特殊素材を選ぶ必要があるといえるでしょう。そういう意味ではやはりTornado King Power (トルネードキングパワー)が廃盤になってしまったのは残念でなりませんね。Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)Ma Lin Carbon (馬林カーボン)には期待していたのですが、この直線性ですぐの移行は諦めました。逆に表やバックミートを多用するのであれば、直線的に飛ぶのでやりやすいし攻撃的で好みの飛び方をするのではないでしょうか。

ブレード面積157 × 151 mmでバックハンドはやはり振り抜きやすい!

 90 gを超える重量でしたが、Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)と比べると大人しいので、安心してバックハンドは振りぬくことができました。またしなるので、イメージ通りの弧線を出しやすくて良かったですね。上板の硬さからは想像できないくらい打球感が柔らかくてそれでいて輪郭のはっきりした打感なので、バックハンドを楽しめました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Ma Lin Carbon > Ma Lin Hard Carbon

スピード
 Fortius FT > Ma Lin Carbon > Virtuoso+

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レビュー Glayzer (グレイザー)

説明

 もう2024年になってしまいました。バタフライさんの2023年の大本命商品、Glayzer (グレイザー)をレビューします。Rozena (ロゼナ)が発売後、常に売れ筋ラバー上位にくい込んでいるように、Glayzer (グレイザー)およびGlayzer 09C (グレイザー09C)も売れるだろう、高性能・高コスパラバーがこのGlayzer (グレイザー)シリーズでしょうね。このラバーは、ディグニクスの廉価品ということで、性能に加え、ディグニクスのようにシートの耐久性も高く、購入後長く使い続けるという話を伺いますね。だいたい3ヵ月スパンごとにGlayzer (グレイザー)シリーズの追加発注があるそうで売れまくっているみたいですね。価格的には小-中学生でも手に入る価格体で、他メーカーは戦々恐々でしょう。実際価格、性能、そして重量の面で、多くの卓人に刺さるラバーなのは疑いようがないです。今回はDignics 05 (ディグニクス05)の廉価品であるGlayzer (グレイザー)をレビューしますので、よろしくお願いします。

『ディグニクス』の魅力をそのままに。そして、その魅力を
より多くのプレーヤーに体験してもらえるように。

その性能で、可能性を引き出せ
 スプリングスポンジXを搭載。ディグニクスシリーズの技術を用いて開発したシートを採用。そして、手に入れやすい価格設定。目指すプレーに応じて選べる2種類のラインナップ。あなたの可能性を引き出せる性能に、今、手は届く。さぁ、その手応えを、実感しよう。

威力と安定した弧線を両立するハイパフォーマンスラバー
 グレーの「スプリングスポンジX」を採用した『グレイザー』。球持ちがよく、表面の摩耗耐久性が高いシートと、スポンジ硬度38°に設計された「スプリングスポンジX」の組み合せは、打球に回転による威力をもたらすとともに、安定した弧線を描く打球を可能にします。回転を重視したパワフルな両ハンドドライブやカウンターが打てる喜びを、より幅広いレベルの選手に提供します。

ディグニクスシリーズよりも軟らかいスプリングスポンジXを採用し、使いやすさが向上
 グレイザーシリーズに採用した「スプリング スポンジX」は、ディグニクス シリーズで採用したスポンジをベースに開発したものです。

https://www.butterfly.co.jp/catalog/ または https://www.butterfly.co.jp/product/glayzer/

 ということで、Glayzer (グレイザー)の魅力は、特設サイトを読めば非常にわかりやすいのではないかと思います。バタフライさんは看板ラバーや看板製品については、特設サイトを作成してくれますので、情報も得やすいと思いますね。
特設サイト: https://www.butterfly.co.jp/product/glayzer/

メーカー公表性能

WeightSpinSpeedArcSponge
g °
Glayzer (グレイザー)4673818238
Dignics 05 (ディグニクス05)4885868840
Dignics 09C (ディグニクス09C)5096799644
Tenergy 05 (テナジー05)4776837936
Glayzer 09C (グレイザー09C)4887759542
Rozena (ロゼナ)4870837535

 公表の性能表になります。特に新しくなったバタフライさんの性能表には弧線の項目が加わり、打球点を落とした場合や中・後陣からのドライブのイメージがしやすい点は非常に良いと思います。寿命はともかく回転性能の面でなかなか素晴らしいものがあるRozena (ロゼナ)は、弧線値 (Arc)が最も低く75になっていますね。ボールが直線的になること、ブロックやカウンターなどでは相手のスピードを奪いやすいことが伺えますね。打点を落とす場合は少し上方向へスイングしないとネットにかかるかもしれませんね。Dignics 05 (ディグニクス05)はやはり弧線値 (Arc)が高いですね。弧線値 (Arc)は高いですが、それを感じられるほどのインパクトと球を持つ打ち方ができるか、がポイントですね。やはりこのラバーは扱いの難しいラバーだと思います。使いこなすとエゲつないことも事実だと思いますが。弧線値 (Arc)で注目するとやはり09CシートのDignics 09C (ディグニクス09C)Glayzer 09C (グレイザー09C)の値が目立ちますね。これらのラバーは下回転打ちまでは素晴らしいですが、ラリーになったときのボールのスピードをどのように保つかがカギなイメージです。本ページでレビューするGlayzer (グレイザー)は実はTenergy 05 (テナジー05)よりも回転値 (Spin)もスピード値 (Speed)も低い値になりますね。その代わり、弧線値 (Arc)はTenergy 05 (テナジー05)を上回るということで、Tenergy 05 (テナジー05)よりも中級者にオススメのラバーといえるでしょうね。この立ち位置ということは、ゆくゆくはTenergy FX (テナジーFX)系のラバーと競合しそうなポジションなので、もしかしたら、移行していくのかもしれませんね。個人的にもTenergy FX (テナジーFX)系ラバーのポジションがぼんやりしていると感じますし、価格に見合わないと感じてやめる人が出てくるとBryce FX (ブライスFX)などのように廃盤に向かうかもしれませんね。逆にRozena (ロゼナ)だけだった廉価版のポジションにGlayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)が加わったのはこの廉価版のポジションのラバーの種類の拡充につながりユーザー目線にたったときには嬉しいと思います。価格的にTenergy (テナジー)と冠するラバーは高すぎるから使わない、と考えた時にRozena (ロゼナ)だけだとどうしても気に入らない人がいたと思いますが、Glayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)が加わることで選択肢とカバーするラバー種類が増えたのは大きいと思います。両面テナジーがいい、という一般層は多いと思いますがそういった選手が継続的にラバーを変えることが難しくて他ブランドへ逃がさずに抱え込めるようにGlayzer (グレイザー)が加わっているイメージですかね。また柔らかさと直線性を求めるならRozena (ロゼナ)もあるので、まとまりがいいと思います。少なくとも迷ったならGlayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)、とRozena (ロゼナ)を貼れば、まー間に合うなーと思いますね。このバタフライのラバーと比較して、弧線や回転性能、その他無二の性能を有してかつコスパもある他ブランドのラバーがあまり思い浮かばないですね。特にGlayzer (グレイザー)がいいですね。いくつかある他ブランドのトップラバーを貼るか、Glayzer (グレイザー)を貼るか、迷った時にはとりあえずGlayzer (グレイザー)を選ぶってことがこれから増えそうです。使ってみた印象からもまずは安心してスイングできるのはGlayzer (グレイザー)ですね。

硬度計比較

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Glayzer4630.021.041.235.89.005.33
Rozena4831.425.942.438.85.503.67
Dignics 054834.331.350.048.22.921.83
Tenergy 054732.226.844.643.35.421.25
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Glayzer 09C4826.323.340.736.73.084.00

 Glayzer (グレイザー)を確認すると、今まで見たことないくらいシートとスポンジの数値差が大きい結果となりました。またRozena (ロゼナ)よりも軟らかい結果となりました汗。どれも室温で測定していますので季節の影響を受けているのかもしれないですね。比較しているどのラバーよりもシート側ととスポンジ側の硬度差が高いため、これは扱いやすくて球持ちも強く感じるラバーであることが予想できました。おそらく廉価版Tenergy 05 (テナジー05)としても使えることは確実でしょうね。変わらないか、同等以上の性能とTenergy 05 (テナジー05)以上の寿命が期待できることがGlayzer (グレイザー)にはあるといえるでしょう。人によっては、違いは感じるがほとんど同じラバーとして使える、という人も出てくるのではないかなーと思いますね。これはもうこの時点でめちゃめちゃありなラバーと思います。

Glayzerの貼りと重量

 Glayzer (グレイザー)はMa Lin Carbon (馬林カーボン)に貼りました。

Glayzer (グレイザー)
・Sponge Thickness:厚 (1.9)、特厚 (2.1) mm
・Sponge硬度:38°
・Spin:73
・Speed:81
・弧線:82
・5,500円 + 税
・46 g (Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼って)

 グレイのスポンジはやや玄人的な外観ですが、重量も軽いのでGlayzer (グレイザー)は脅威的ですね。これでTenergy (テナジー)級の回転性能と弾みが得られるのであれば、こりゃ使わない手はないですよね。

グレイザーの3つの特徴

廉価版Dignics 05に加え、廉価版Tenergy 05らしさもある!

 硬度計測した段階で感じましたが、Dignics 05 (ディグニクス05)の廉価版というよりも、Tenergy 05 (テナジー05)の廉価版というフレーズとして浮かびました。実際シートの粒間隔を広げているDignics 80 (ディグニクス80)Dignics 05 (ディグニクス05)と比べて使いやすく、評判のいいラバーです。Tenergy 05 (テナジー05)から移行しやすいラバーがDignics 80 (ディグニクス80)でした。硬度を柔らかくすることで、扱いやすくなり、かつシートは同等となると、Dignics 80 (ディグニクス80)よりもGlayzer (グレイザー)の方が、Tenergy 05 (テナジー05)からディグニクスらしさを求めるなら移行しやすいことになるでしょう。よりディグニクスらしい、攻撃的で高い威力を求めるのであれば、Dignics 05 (ディグニクス05)一択でしょうが、扱いの難しさを考慮すると、Glayzer (グレイザー)は非常に良い選択肢となるでしょうね。個人的には抜群の扱いやすさがありすぎて、自分としては、「これTenergy 05 (テナジー05)?」と感じるくらい球持ちを感じました。シートは05系なのでツッツキなど回転もしっかりかかるし、自分はバックハンドにはGlayzer (グレイザー)の方が安心感をもってスイングできるから練習なく試合するならGlayzer (グレイザー)がいいなーと感じました。

フルスイング時の回転量やスピードはやはり低いか!?その分オートマ感は加点!

 思い切りフルスイングしたときの感動はやはり、Dignics 05 (ディグニクス05)Dignics 80 (ディグニクス80)の方が高いと思います。一方で、特にDignics 05 (ディグニクス05)についてはかなりマニュアル感が強いラバーで自然と強烈なボールが出るというよりは使いこなして初めて強烈なボールが出る感じがDignics 05 (ディグニクス05)でしたが、Dignics 05 (ディグニクス05)と比較して、Tenergy 05 (テナジー05)によったので、オートマ感は感じられるかもしれません。くい込みも良いので自然と強烈なボールを打ちやすいのも、Glayzer (グレイザー)に軍配があがると思います。オートマ性能はディグニクスシリーズになって消えたイメージがありますが、そんなディグニクスシリーズと比べるとオートマに良いボールにしてくれる感じがあるのがGlayzer (グレイザー)といえると思います!一方で渾身のパワーでフルスイングしたときのボールの質とスピード、回転量はやはりDignics 05 (ディグニクス05)に軍配があがるでしょう。

Dignics 80よりもツッツキやストップは止めやすい!

 Dignics 80 (ディグニクス80)は使いやすくて非常に高性能ラバーで、販売も伸びていると聞きます。ディグニクスシリーズのスピン系テンションラバーの中で回転もかかって、普通に使ってTenrrgy (テナジー)シリーズよりも回転もスピードもレベルアップしたと感じるラバーがDignics 80 (ディグニクス80)だと思います。ただこのラバー、唯一台上がやや収まりにくさのあるラバーで、ナックル系のサーブに対して普通に当てると棒球になってしまいますね。この部分で止めやすさ、ストップやツッツキの質の高さを得やすいのがDignics 05 (ディグニクス05)でした。この違いはまさにシート形状の結果であると思います。より粒と粒の間隔がせまいDignics 05 (ディグニクス05)の方がツッツキやストップが止めやすく、質の高いボールを送りやすいと思います。もちろん水谷隼選手のように技術とブロッキングのレベルの高さでレシーブストップやレシーブ台上を補うことでラバーの難しさを補う戦略もありだと思いますが、ストップなどの台上技術のやりやすさを求める場合は、Dignics 80 (ディグニクス80)は選択肢として、少し考えてしまうラバーではないかと思いますね。そこに新しい選択肢としてGlayzer (グレイザー)が加わったことは大きいと思います。やはりツッツキやレシーブはしっかり止まりますし、回転もかかるので多少浮いても相手のミスも期待できる高い質を得やすいのがGlayzer (グレイザー)でした。くい込みの良さは相手の回転の影響の受けやすさも受けやすいので、上書きのしやすさではやや心もとないかもしれませんが、相手の回転にあわせつつ回転を上乗せするのであればGlayzer (グレイザー)は良い選択肢だと思います!これはありですわ!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に気になりませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ 

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ 

ストップ

ツッツキ 

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 バックで使った印象として、Dignics 05 (ディグニクス05)よりも硬さで落ちる印象は少なかったです。硬度以上にくい込ませやすいと感じると思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 ラリー時はボールを持てるので、当てるだけなら安心して相手コートに入れやすいと思います。回転のかかるラバーなので少しでも回転をかけたいと思った時にかけやすいラバーだと思います。 

対下回転に対するループドライブ
 やりやすいですが、やや回転量は低い気がしました。自分の腕の低さによるかもしれません。 

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすかったです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 違和感なくブロックできました。 

カウンタードライブ

ストップ
 よくとまりました。

ツッツキ
 きれますね。

チキータ
 かなりやりやすかったです。しっかりくい込むのと、多少一歩目が出遅れてしまっても大雑把に振って相手のコートに入れることができると感じました。ただ使い込むことで雑な処理になりやすくなりそうなので、あまりオススメはできないかもしれないです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 80 (ディグニクス80) >≧ Glayzer (グレイザー) > Tenergy 80

スピード
 Dignics 80 (ディグニクス80)Glayzer (グレイザー) > Tenergy 05 FX

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レビュー Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)

説明

 DONIC (ドニック)さんの粘着テンションラバー、Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)をレビューします。このラバーはDONIC (ドニック)さんのラバーで、1を冠していますが、どちらかというと中級者や柔らかいラバーを好む選手向けの位置づけラバーになりますね。安定感の中で少しでも威力が出したい選手が求める、そんなラバーになります。Acuda (アクーダ)シリーズやCoppa (コッパ)などの系譜のラバーが、ブルーグリップのSシリーズになりますね。「Blue Grip C1&C2 (ブルーグリップC1&C2)よりも柔らかい」という、フレーズで、粘着性のトップシートと弾力のあるスポンジを搭載したラバーになります。

 DONIC (ドニック)さんのトップラバーといえばBlue Star A1 (ブルースターA1)です。2022年インターハイ3冠王の鈴木颯選手が両面、Blue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)から両面、Blue Star A1 (ブルースターA1)へ変更しました。たしかにBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)はやや古いラバーで、ディグニクスが販売される前のラバーです。スピン系テンションラバーのカテゴリーの中には、回転がかかればかかるほど良い、硬ければ硬いほど良い、というカテゴリーに入るラバーもあります。一方で、回転性能も高くかつ扱いやすさやスピード性能の高いスピン系テンションラバーを好むという人も少なくありません。さらに扱いやすくて相手の回転の影響を受けにくく、相手とのラリーにも強いラバーが欲しい、という人にはBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)がとても刺さると思います。その後、DONIC (ドニック)さんのラバーとして発売されたのが、Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)シリーズになりますね。Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)は非常に高性能なラバーでテナジーレベルの高い回転性能をもった高性能なラバーだと思います。鈴木颯選手も試していたようですが、彼がインターハイで選んだラバーはBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)だったようですね。そして2023年に発売されたのが最新のトップ選手用ラバーBlue Star A1 (ブルースターA1)になります。これはButterfly (バタフライ)さんでいうところのDignics 09C (ディグニクス09C)を意識したようなラバーでした。台上ではトップシートの微粘着で止められて、フルスイングの時にはDignics 09C (ディグニクス09C)以上のスピードで相手コートに突き刺さるようなドライブが打てるラバーに仕上がっています。ラバー価格はやや高いですが、TIBHAR (ティバー)さんのHybrid K3 (ハイブリッドK3)やVICTAS (ヴィクタス)さんのTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)、Stiga (スティガ)さんのDNA Dragon Grip (DNAドラゴングリップ)、Yasaka (ヤサカ)さんのRakza Z Extra Hard (ラクザZエキストラハード)などと並ぶ新世代粘着テンションラバーの1枚といえるでしょう。本ページで試打レビューするBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)もこれら粘着戦国時代の中ではやや存在感は薄いものの、粘着ラバー界に参戦するドイツ製粘着テンションラバーとして注目に値する一枚ではないかと思います。まずはDonic (ドニック)さんのブルーラバーには、どのようなラバーがあるのか確認してみましょう。

・Blue Grip(粘着ラバー)6種
 Blue Grip C1 (ブルーグリップC1)
 Blue Grip C2 (ブルーグリップC2)
 Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)
 Blue Grip S2 (ブルーグリップS2)
 Blue Grip V1 (ブルーグリップV1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Grip R1 (ブルーグリップR1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
・Blue Storm(ブルーストーム)7種

 Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 Blue Stom PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 Blue Stom Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)
 Blue Storm Z1 (ブルーストームZ1)
 Blue Storm Z2 (ブルーストームZ2)
 Blue Storm Z3 (ブルーストームZ3)
 Blue Storm Big Slam (ブルーストームビッグスラム)
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種

 Blue Fire M1 Turbo (ブルーファイヤM1ターボ)
 Blue Fire M1 (ブルーファイヤM1)
 Blue Fire M2 (ブルーファイヤM2)
 Blue Fire M3 (ブルーファイヤM3)
 Blue Fire JP01 Turbo (ブルーファイヤJP01ターボ) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP01 (ブルーファイヤJP01) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP02 (ブルーファイヤJP02) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP03 (ブルーファイヤJP03) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire Big Slam (ブルーファイヤビッグスラム) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)

 廃盤と思われるラバー含め、多くのブルーラバーがラインナップされています。本当に数が多いですね。未だにBlue Fire (ブルーファイヤ)シリーズが販売されているのはスゴイと思います。最近のDONIC (ドニック)最新ラバーは非常にいいラバーが多く、昨年2022年発売のBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)は税抜7,800円と高いだけありTenergy 05 (テナジー05)を超える高い回転性能を有する高性能ラバーでした。粘着ラバーはGrip (グリップ)を冠しているラバーで、6種類と他メーカーと比べても充実のラインナップだと思います。Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)についてさらに深堀してみます。

Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)

 『ブルーグリップS2』よりも硬く、『ブルーグリップC1&C2』よりも柔らかい『ブルーグリップS1』。粘着性の力強いトップシートと弾力性のあるスポンジが、あなたのプレーにダイナミックさとバランスをもたらします。

DONICのホームページ

 ラバーの立ち位置としては、粘着バージョンのアクーダブルー系のラバーと思いました。球持ちが良くて安定感のあるラバーであることは情報などから予想はついていましたので、あとは+αの性能があるか、などが気になる点ですかね。卓球王国などでも、ちょくちょく取りあげられていて、中級者おすすめラバーの代名詞的な扱いを受けていますね。個人的な見解ですが、中級者向けラバーを真剣に選ぼうとするとコスト以外で決めてが難しかったりします。中級者向けという時点で、既に扱いやすさは平均点以上ですので、扱いやすさは基本あるとして、そこにプラスαで性能 (スピードか回転か、カウンター性能か)を追求する形になると思います。扱いやすさは、上級者向けといわれるラバーでも差があり、どこに標準を置くか、で本当に変わってくる印象ですね。でも2024年はどこかで、ラバーの分類、ラケットの分類を実施したいなーなどと考えております。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedControlRubber Stiffness
Blue Grip S1
(ブルーグリップS1)
1110647.5°微粘着
Blue Star A1
(ブルースターA1)
11++11++5+52.5°微粘着
Blue Grip C1
(ブルーグリップC1)
11++11560.0°強粘着
Blue Grip C2
(ブルーグリップC2)
11+106-55.0°強粘着
Blue Grip V1
(ブルーグリップV1)
11+10+650.0°強粘着
Blue Grip R1
(ブルーグリップR1)
11106+50.0°微粘着
Blue Grip S2
(ブルーグリップS2)
119+742.5°粘着
Blue Storm PRO
(ブルーストームPRO)
1111+5+50.0°
Blue Storm Z1 Turbo
(ブルーストームZ1ターボ)
10+++11650.0°
Blue Fire M1 Turbo
(ブルーファイヤM1ターボ)
10+++10+750.0°
Blue Fire JP01 Turbo
(ブルーファイヤJP01ターボ)
10+++10+6+47.5°

 他のブランドと比較しても、DONICさんのラバー公表値は、本当に参考にならないなーと感じてしまいます汗。正直スピンもスピードも同じ値でも全然打球感や飛んでいく感覚、弧線は異なりそれぞれこだわって作られているラバーなのですが、ちょっとよろしくないなーと個人的には思います。手に取って確認してほしいという思いがあるのかもしれませんね。

Weight
重量
shore ashore ashore cshore csheet-sponge
(shore a)
sheet-sponge
(shore c)
gsheetspongesheetsponge
Blue Grip S14725.323.534.837.01.8-2.3
Blue Star A15331.827.846.243.84.02.3
Blue Grip C15734.033.049.949.51.00.4
Blue Storm PRO5029.626.343.240.63.32.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 予想通り、Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)は標準的な重量と硬さでした。気になる点としては、shore aで測るとシート側が硬く、shore cで測るとスポンジ側が硬くなる点でしょうか。粘着性ラバーではスポンジ側の方が硬いということが往々にしてあり、球持ちと回転のかけやすさのあるラバーレシピでもあります。こういったラバーは若干ですが、フォアでカウンタードライブ時にスリップすることもあるので、少しカウンターがしにくいイメージがありますね。ただし、その他の技術は全体的にやりやすくこのあたりがポイント1つのポイントかなーというイメージです。shore cの方が平均的かつ全体的な硬度を反映していて、ドイツ製硬度とも対応している印象ですので、基本的には柔らか系で粘着ラバーのような硬さはなく、だけど粘着ラバーのような設計のラバーがBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)といえるでしょう。

ブルーグリップS1の貼りと重量

 やや弾むラケットにあわせてみて使いやすさを確認したいと感じ、Butterfly (バタフライ)さんのRevoldia CNF (レボルディアCNF)に貼りました。

 Acuda S1 (アクーダS1)のスポンジとブルーグリップ系の粘着性のトップシートをあわせたラバーであることがわかります。やはりアクーダ系ラバーの粘着ラバーという立ち位置ですね。

 47 gと全体的に軽い仕上がりです。ラケット自体は結構重い個体だったのですが、この軽さは一般的な軽さですかね。しかもグリップも細いので、より振り抜きやすいと思います。個人的には190 g後半から200 g程度のラケットを使っているのでやや軽すぎる気はしました。

Blue Grip S1(ブルーグリップS1)
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・Speed: 11
・Spin:10
・Control:6
・Sponge硬度:47.5°
・6,000円 + 税
・68 → 47 g (Revoldia CNF (レボルディアCNF)に貼って)

Blue Grip S1の3つの特徴

廉価版Dignics 09C系ラバー

 このラバーは回転性能は生粋粘着ラバーほどありませんが、ストップやツッツキの止めやすさはピカ一で、そこからラリーへとつなげて、一発放り込むようなラバーでした。良い意味でバックハンドも使えるDignics 09C (ディグニクス09C)Dignics 09C (ディグニクス09C)よりももっとスピン系テンションラバーに近いポジションだと思います。ドイツ製ラバーで競合しそうなラバーはRasanter C48 (ラザンターC48)でしょうか。ラザンターのCシリーズはややクセがあってドライブという点では、弾き系よりは擦り系の方が回転で沈むラバーだと思います。粘着ラバーのポジションですがシート設計が他のラバーと異なっているために、違いが如実で粘着ラバーのポジションとしつつ打ち方はスピン系テンションラバー系でスイングする必要があると思います。一方Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)ではぶつける系のドライブでも回転がかかって沈むイメージですが、やはり柔らかいスポンジを組み合わせていいるので、ラバー全体が負けるか、柔らかすぎて板の硬い部分に当たってしまって結果として弾いてしまうイメージですね。ただ使いやすい粘着系のラバーとしては、個人的にはBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)の方がオススメですね。ステップアップしてよりハードな粘着ラバーを使うことを想定するならBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)を、最後までスピン系テンションラバーでテンション系を意識するならRasanter C48 (ラザンターC48)がオススメになると思います。自分は粘着ラバーをバックでも使うようになってきているので、やはりBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)の方がしっくりきましたし、扱いやすいと感じました。

回転性能はエグさはなくスピードが特徴的!

 粘着系のラバーではありますが、インパクトがあるのはスピード性能でした。弧線も球持ちもありますが、やわらかいラバーなのでスピードが出しやすかったです。例えばですがフォアハンドには回転系のラバーを使いバックハンドにBlue Grip S1 (ブルーグリップS1)を貼るのは王道的で、良いと思います。チキータやバックハンドドライブでも先手を取りつつ、チキータやバックハンドドライブは回転量よりもスピードでプレッシャーをかけたり、ツッツキやストップで相手の出鼻をくじいてバックブロックや伸ばすブロックで動かすような戦略がとりやすいと思います。少なくとも自分はそういう使い方でフィットすると感じました。バックハンドブロックや伸ばすブロックも柔らかいので、思った以上にスピードが出しやすい印象ですね。

少しラバーがまけるか!?

 粘着系のラバーの中では珍しい?気がしますが、やはりラバーが負ける感じがあります。これはシートではなくスポンジが柔らかすぎるがために起こる感じですね。スポンジが柔らか過ぎるので、技術全体はやりやすいのですが、どうしても思い切りぶつけた時にスイングを間違えるとボールが落ちますね。こういうところがあるのは否めないので深く深くくい込ませすぎないようにした方がいいと思います。コツとしては深くくい込ませすぎないことですね。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 特に気にならない感じで、キョウヒョウの弾まない感じとかはないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ぶつけすぎると落ちる感じがあります。打点早くカウンター気味にドライブをかける方が自分はやりやすさや威力を感じました。

対下回転に対するループドライブ
 打ちやすいけど、威力は低いと感じました。特にRevoldia CNF (レボルディアCNF)は弾んで棒球になりやすい感じがあるので、そこと相まって回転量は得にくいかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブは打ちやすいですね。多少難しい、低めのツッツキでもスピードドライブで持っていきやすいと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 スマッシュやミート系、ナックル系のボールに対してブロックであわせるときはやりやすいと思います。

カウンタードライブ
 打点の早いカウンタードライブがいいですね。打点を落として相手の回転を掛け返す系のカウンタードライブはあまり向かないかもしれません。

ストップ
 止まります。

ツッツキ
 切れますがブッチではありません。

フォアサーブ
 サーブは切れますがブッチの2歩手前ぐらいのイメージです。サーブは走るのでロングサーブとかはやりやすいです。

バックハンド系

軽打
 違和感ありませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弧線を描くので懐まで引き込める感じがありました。こういう感じは好きですね。V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)とかと比べるとやはり弧線が高いのは嬉しいですね。

対下回転に対するループドライブ
 回転量は低いですが安心して打てると思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 柔らかさのあるラバーなので結構思い切って難しそうなボールでもスピードドライブにいける感じがあります。くい込みが良いのでしょうね。

ブロック
 やりにくいことはないです。

ストップ / ツッツキ
 止まりますね。

チキータ
 やりやすいです。このラバーならスピードを出すためにボールの上を捉えてもいいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 FX > Blue Grip S1 > Rasanter R45

スピード
 Tenergy 80 FX > Blue Grip S1 > Vega DEF

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レビュー Vega DEF (ヴェガDEF)

説明

 XIOM (エクシオン)のラバーは個性的で大好きです。そんなXIOM (エクシオン)さんのラバーから少しVega (ヴェガ)シリーズのマイナーな1枚、Vega DEF (ヴェガDEF)をレビューさせていただきます。話題のJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズとは異なり小・中級者用ラバーシリーズであるVega (ヴェガ)シリーズのラバーでかなり異色ともいえるラバー、Vega DEF (ヴェガDEF)の全容についてレビューさせていただきますので、参考になれば幸いです。

 このラバーは安売りしていたのですが、パッケージが破けるという災難にもあい、貼って試打しました。説明にもあるようにカットマン用を念頭に開発されたラバーで、硬度57.5°のカチコチラバーになります。実はこのラバーよりもさらにスピード性能が低く回転性能の高いVega (ヴェガ)シリーズのラバーが硬度54°のVega China (ヴェガチャイナ)になりますね。Vega China (ヴェガチャイナ)もいつか試打したいところですが、まだ手に入れていません汗。どうやらVega China (ヴェガチャイナ)の方がスポンジの気泡がほとんどなく、おそらくキョウヒョウを意識いたラバーのようなのですよね~。また試打するときが来ましたらレビューしますので、その際には是非ぜひ読んでいただければと思います。Vega DEF (ヴェガDEF)に戻りまして、このラバーの進化系として位置するのが、Omega VII China (オメガVIIチャイナ)シリーズのOmega VII China Guang (オメガVIIチャイナ光)とOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)になりますね。やはり気になる点として、Vega DEF (ヴェガDEF)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)やキョウヒョウとの比較ですよね。そこらへんを意識しながらレビューさせていただきます。

Vega (ヴェガ)シリーズ
 XIOM (エクシオン)といえば、安価なスピン系テンションラバーのVega (ヴェガ)というイメージが強いのではないかと思います。Vega (ヴェガ)シリーズの種類の多さは目を見張るものがあり、一番有名なVega (ヴェガ)はVega Europe (ヴェガヨーロッパ)でしょうか。使いやすいものから、高性能なものまで種々ありますので、一度確認してみましょう。
 Vega X (ヴェガX): シリーズ10周年記念の傑作
 Vega Tour (ヴェガツアー): 上位技術を転用した高品位ギア
 Vega Pro (ヴェガプロ): 攻撃を主体とする中級者に最適
 Vega Asia (ヴェガアジア): 様々な戦型にマッチする幅広さ
 Vega Europe (ヴェガヨーロッパ): 最高の使いやすさで長年大人気
 Vega Asia DF (ヴェガアジアDF): グリップ力抜群の攻撃的ラバー
 Vega Europe DF (ヴェガヨーロッパDF): グリップ力抜群の攻守両用ギア
 Vega Japan (ヴェガジャパン): 日本製ラバーのような安定感
 Vega China (ヴェガチャイナ): 中国製粘着ラバーのティスト
 Vega Elite (ヴェガエリート): スピード感と軽量さにすぐれる
 Vega Intro (ヴェガイントロ): コスパ最強のビギナー用ラバー
 Vega DEF (ヴェガDEF): カットマン用ながら攻撃も秀逸
 Vega SPO (ヴェガSPO): 攻撃的なスピード系表ソフト

 Vega (ヴェガ)を冠するラバーは13種類あり、基本的にはスピン系テンションラバー群になります。初めて卓球をする選手には、Vega Intro (ヴェガイントロ)、ティーンプレイヤーの2枚目のラバーにはVega Elite (ヴェガエリート)が用意されています。そこから戦型や硬度の選択肢、フォア面、バック面などにあわせて、Vega Euro (ヴェガユーロ)Vega Asia (ヴェガアジア)Vega Japan (ヴェガジャパン)などがVega (ヴェガ)シリーズの代表的なラバーになりますね。さらに粘着ラバーやカットマン用、異質選手用のラバーとして、Vega China (ヴェガチャイナ)や本ページでレビューするVega DEF (ヴェガDEF)Vega SPO (ヴェガSPO)がラインナップされています。また最新トップシートを採用した、Vega Europe DF (ヴェガヨーロッパDF)Vega Asia DF (ヴェガアジアDF)、中級者用のVega Pro (ヴェガPro)、トップ選手用のOmega (オメガ)シリーズと同じ技術を採用したVega Tour (ヴェガツアー)、最新技術を採用して高コスパのVega X (ヴェガX)、と展開されます。やはり卓人の戦型の人数や分布から、スピン系テンションラバーの種類が多いです。その中で異色を放つ、Vega DEF (ヴェガDEF)は微粘着系でカットマン用の弾まないラバーとしての立ち位置といえるでしょう。katsuo000はとんがったラバーが好きなので、イメージとしては粘着ラバーだと思って使ってやろうと考えました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
Vega X 1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 Vega DEF (ヴェガDEF)はスピード性能は低いものの、回転性能はVega (ヴェガ)シリーズでもトップレベルになりますね。個人的に回転性能の高いラバーは好みなので、楽しく試打しました。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Vega DEF5531.939.151.952.7-7.2-0.8
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Hurricane NEO II5131.535.048.148.2-3.50-0.1

 Vega DEF (ヴェガDEF)は、想像以上に重いラバーで驚きました。この重量は確かにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と同類の印象を受けました。またシートよりもスポンジが硬いラバーですね。これは、粘着系ラバーにみられる特徴で、これは期待が持てますね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は公表硬度は60°ですので柔らかいラバーではありませんが、Vega DEF (ヴェガDEF)と比べると柔らかいという結果になりました。これには驚きですね。カットマン用ということで、弾みはある程度落としているのかもしれませんね。

Vega DEFの貼りと重量

 今回は銀河さんのアウターアラミドカーボン系ラケット、Venus V-14 (金星V-14)に貼りました。

 なかなか高品質とはいいがたいスポンジ側でした。しかも1枚ものの重量が78 gはかなり重いです。

Vega DEF (ヴェガDEF)
・Sponge Thickness:2.0/MAX mm
・Speed:8
・Spin:12
・Sponge硬度:57.5°
・4,400円 + 税
・78 g (カット前) → 55 g (Venus V-14 (金星V-14)に貼って)

 重たいですね。反対側にはHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)を貼っていましたが、同じようなカチコチ感でした。

Vega DEFの3つの特徴

想像以上に弾む!Hurricane NEO IIよりも弾む!

 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)と比較すると、弾まないと感じました。Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)が強粘着系ラバーであり、おそらくVega DEF (ヴェガDEF)よりもカットマン用のラバーの立ち位置でも良いかもしれません。そのくらいカチコチラバーであるのがHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)になりますね。Vega DEF (ヴェガDEF)は硬度比較では硬いラバーでしたが、プラボールに対し、しっかりくい込むので、思ったより扱いやすくて弾むと感じました。ラケットによってはOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりもあわせやすいかもしれませんね。もちろん、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると、Vega DEF (ヴェガDEF)は弾みませんが、Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)と比べると弾みます。このラバー関係は大切ですね!

回転性能も高く、キョウヒョウのように使える!

 弾むといっても回転性能は抜群でした!いいループドライブが打てましたね。相手のミスを誘えて、低くて飛ばず、回転量の高いドライブが打ちやすかったです。下がっても相手のドライブに負けるわけでもなくなかなかバランスの良さを感じました。逆に弾まないと感じる人の方が多いかもしれませんが、katsuo000としては好きなラバーの1枚かもしれません。キョウヒョウよりも新品が臭くないのもなかなか高評価です。

キョウヒョウよりもバックカウンターしやすい!

 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)やその他のキョウヒョウは、どれもボールをしっかり持ちます。ボールの持ちという点ではトップレベルのラバーと言えるでしょう。その分、ボールを持つ分、返球がワンテンポ、一瞬遅れます。その分、威力や相手の時間を奪いにくいと言えるのかもしれません。一方Vega DEF (ヴェガDEF)は弾みもあるということもあり、バックカウンターで特に良さを感じました。打点の早いブロックやカウンター時にHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)よりも攻撃的に使えて良いと感じました。中陣からでも、キョウヒョウ系ラバーよりミートがしやすいと感じましたね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 思ったよりくい込みを感じましたね。というか、Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)が硬すぎです。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると弾まないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ぼちぼちのスピードと感じました。上手に使えばノータッチも狙えます。なかなかバランスがいいと思います。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 良いドライブが打てました。これはいいですね。こういうラバーは好きです。

対下回転に対するスピードドライブ
 意外と弾むので、相手の時間を奪うくらいのスピードドライブは打てると感じました。

カーブ/シュートドライブ
 打点を落としてカーブドライブがしやすかったですね。というかkatsuo000はカーブドライブをとっさにしやすいようで、意識しなくてもカーブドライブがどんどん出てました。

ブロック
 弾まないので、やりやすかったです。

カウンタードライブ
 やりやすいですね。弾まないので、相手の回転に対し上書きしやすいと感じました。こういうラバー好きですね。しかもあまり個人的に好印象ではなかった、アウターのVenus V-14 (金星V-14)とあわせているのに、やりやすかったです。もしかしたら相性が良かったのかもしれませんが。

ストップ
 もちろん飛ばないので、めちゃめちゃやりやすかったです。 

ツッツキ
 切れますよ~。でもHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)の方が切れます。

フォアフリック

フォアサーブ
 当然抜群にきれます。こういうラバーで気を付けるべきは、ロングサーブのスピードとキレですね。Venus V-14 (金星V-14)などのアウターカーボンとあわせた方が出しやすいと思います。木材系だとやや難しい気がします。

バックハンド系

軽打
 弾まないですが、くい込みがいいので、丁度よく打てました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 中陣でも思ったより良かったです。威力が出しやすかったですね。自分にあっていたのかもしれないです。

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 残念なことに、「え!?」と思う落ち方をする時がありました。くい込みがいい分、安いラバーあるあるのラバーが負けて落ちる、というやつだと思います。自分レベルであれば気にならないレベルだと思います。

ストップ
 よくとまります。

ツッツキ
 よく切れます。

チキータ
 威力のあるチキータよりも安定感のあるチキータがやりやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO II (キョウヒョウNEO2) > Vega DEFOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)

スピード
 Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Vega DEFHurricane NEO II (キョウヒョウNEO2)

https://amzn.to/3GKnLqs

レビュー Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)

説明

 2022年に引き続き、XIOM (エクシオン)さんの話題の新作であり、大々的に宣伝されているJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズから、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)をレビューします。このラバーは、韓国で話題になったラバーらしく、コロナ禍もあって入手困難となる、そんなラバーのようですね。かなりいいラバと話題になったようで、かなり期待が持てる試打でした。それではまず2023年のXIOMさんのパンフレットからみてみましょう。冒頭からJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズを激しくプッシュしています!

 見開きページを惜しまずドドント3ページも使用してジキ&ハイをアピールしてますね!コンセプトとしてはVega (ヴェガ)シリーズとOmega (オメガ)シリーズをつなぐ、使いやすさと高性能を両立させようとしたシリーズだと思います。katsuo000が今までに試打したジキ&ハイシリーズのラバーは、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)になります。このラバーはOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似つつ、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも使いやすくてスピン系テンションに寄せたラバーでした。今回試打・レビューしたラバーはJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)ですね。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)について言及する前に、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズのついて、確認していきたいと思います。パンフレットなどから、XIOM (エクシオン)さんのJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの説明を抜粋させていただきました。

2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
 相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
 H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
 V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
 X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
 Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様

 C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー

 メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズになりますね。katsuo000はとんがったラバーが好きなので、バランス系ラバーはやや好みではなかったりします。でもなぜでしょう、XIOM (エクシオン)さんのラバーだからなのか、話題のラバーだからなのか、魅力を感じて試打していますね。

 続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)

中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
 ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。

Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)

ミート力とスピン力の双方をMAX強化
 ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。

Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)

超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
 ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

世界代表クラスラバーの一般普及モデル
 世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。 

 Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は説明を読むと、要はOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と類似のラバーではないかと感じました。実際Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)はかなり良いラバーで驚きでしたね。Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は要は、Tenrgy 05 Hard (テナジー05ハード)みたいなラバーで、硬いんですがテナジーライクな打球感と、グルーイングしたような高い打球音、そしてエゲつないドライブが打てるラバーでした。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなシート硬めのラバーではなくて、イキイキして弾力のあるスポンジのラバーでしたね。そんなイメージでJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)を試打・レビューさせていただきました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はJ&Hシリーズの中で、最も性能が高いラバーであることがわかりますね。数字上は、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同等のスピードとスピン性能のラバーになっていますね。興味深いのは、トップ選手用のシリーズであるオメガVIIシリーズのラバーであるOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりもJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が公表硬度が硬いことですね。これはそのままラバーの性能や特徴にも影響するのかどうか気になるところです。続いて硬度チェックです。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Jekyll & Hyde
Z52.5
5231.427.945.943.73.52.2
Omega VII China Ying5734.332.650.550.31.70.2
Omega VII Tour i505235.129.949.248.25.21.0

 Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はまずまず重いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同じ重さでした。一方、shore aでの硬度比較では、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)が硬く、shore cの硬度比較では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬い、という非常に興味深い結果になりましたね!
 XIOM (エクシオン)さん公式では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬いわけですから、おそらく一般公開されている硬度はshore cに近いということも示唆しているように思います。katsuo000の経験としてshore aの硬度はシートの硬さが反映されやすいと思っていますので、この値が高いということは、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)よりもOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の方が硬いシートを使用しているといえると思いますね。

J&H Z52.5の貼りと重量

 今回はYasaka (ヤサカ)さんのReinforce AC (リーンフォースAC)に貼りました。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)
・Sponge Thickness:2.1/MAX mm
・Speed:16.5
・Spin:16.0
・Sponge硬度:52.5°
・9,800円 + 税
・73 g (カット前) → 52 g (Reinforce AC (リーンフォースAC)に貼って)

 想像通り、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)によく似たラバーといえるでしょう。重量は同じで、シートとスポンジの構成が異なるのではないかと思いますね。

Jekyll &Hyde Z52.5の3つの特徴

もっちもちのTenergy05!

 想像以上に打球感がもちもちで、印象としてはTenergy 05 (テナジー05)と感じました。Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると硬度は硬いので、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)に似ている、と感じる人もいると思いますが、katsuo000はTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほど硬いとは感じず、Tenergy 05 (テナジー05)を少し硬くして、イキイキさせたラバーのように感じました。従って「もっちもちのTenergy 05 (テナジー05)」というのが、katsuo000が、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)に冠した表現です。またOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と比較するとバランスの良いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は弾丸のようなスピード感のあるドライブが特徴的ですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はバランス型のラバーでくい込ませやすく、弧線も強い、安定感のあるラバーだと感じました。

かなりくい込ませやすい!

 スポンジ硬度は52.5°と硬いのですが、shore aはOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりも軟らかく、弱い力でくい込ませやすいと感じました。くい込ませやすいと感じたこともあり、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほどではないと感じて、Tenergy 05 (テナジー05)の方が近いと感じました。もちもち感が非常に強く、くい込ませやすいので、インパクトが苦手な方にゼッサンお薦めしたいラバーでした!

くい込みがいいのにシートが全く負けない!

 くい込みが良いラバーは相手のトップスピンに対し、シートが負けることがあります。XIOM (エクシオン)さんのラバーは使いやすいラバーが多いのですが、Vega (ヴェガ)シリーズのラバーはシートが負けることがあって、カウンタードライブのときなどに、ボールの上を捉えすぎるとラバーがボールを捉えきれずボールが落ちることがあります。くい込みの良いラバーは、柔らかいということなので、Vega (ヴェガ)シリーズではボールの落ちを感じやすいのですが、このJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はボールが落ちることもなく、非常に信頼して打てると感じました。というのも、もちもちしたラバーなので、ぼとっと落ちずラバーが相手のボールに追随して球を持つので、落ちることはないのだと思います。このどんなボールでもしっかり持てて落ちない感じは高級ラバーらしい性能の一つだと思います。逆にVega (ヴェガ)シリーズのラバーは高性能ではありますが、時に変に落ちることがあります。ここらへんは、katsuo000のような一般プレーヤーには気にならないレベルではありますが、トップ選手や全国レベルの方々には、受け入れられない部分なのかもしれないですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 自分は弾みすぎるのでやりにくいと感じてしまいました。回転を掛けすぎると弾道が高くなるし、打点を落として思い切り持ち上げるか、多少打点が低くても、強打に近いドライブができてしまうスピン系テンションラバーらしいラバーですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 ループドライブよりも基本は回転と弾きが1:1くらいのスピードドライブ系で十分プレッシャーをかけられる、そんなラバーだと思います。ぶち切れの下回転を持ち上げる時はループドライブで、他はガンガン前に振っていけると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 よく切れて良かったです。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ
 やりやすかったです。基本的にはくい込ませやすいので、多少低くても持っていけると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ
 くい込みが良いので多少、合わせたり入れにいっても問題なく入ると思います。自分は下手ですが、威力や回転量の多い攻撃的なチキータもやりやすいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying Jekyll &Hyde Z52.5Tenergy 05

スピード
 Omega VII Tour i 50 Jekyll & Hyde Z52.5Jekyll & Hyde H52.5

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レビュー Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

説明

 Timo Boll (ティモボル)シリーズ、といえばやはり名作Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット)の派生であるTimo Boll ALC (ティモボルALC)が有名ですね。Timo Boll ALC (ティモボルALC)は誰もが一度は使ってみようと考えるラケットではないかと思います。そんなTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから、本ページではややマイナーなTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)を試打しましたので、紹介させていただきます。個人的にはかなり良いラケットで、昨今弾むラバーが多いですが、そんな弾むラバーとあわせても打球感をしっかり感じられるラケットだと思います!

 Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は現在販売されているTimo Boll (ティモボル)シリーズの中では、トップラインの1本といえるかと思います。ティモボルシリーズをまとめると次のようになりますね。

Timo Boll ALC (ティモボルALC): 上板コト材、アウターALC、板厚 5.8 mm
 Timo Boll 30th Anniversary: Timo Boll ALCと同じブレード、G-FLESSグリップ
Timo Boll ZLC (ティモボルZLC): 上板コト材、アウターZLC、板厚 5.5 mm
Timo Boll ZLF (ティモボルZLF): 上板コト材、アウターZLF、板厚 5.4 mm
Timo Boll TJ (ティモボルTJ): 10~13歳向け、3枚合板+カーボン、板厚 5.2 mm
Timo Boll CAF (ティモボルCAF): 3枚合板 + Control assited Fiber (CAF)、板厚 5.7 mm

 Timo Boll TJ (ティモボルTJ)とTimo Boll CAF (ティモボルCAF)についてはあまり情報がないのでわかりません。残る3種のラケットTimo Boll ALC (ティモボルALC)、Timo Boll ZLC (ティモボルZLC)、Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は、上板にコト材を使用し、アウター特殊素材5+2枚構成のラケットであり、ブレードサイズは157×150 mmの標準ブレードサイズ、グリップはスクェア (四角形)タイプの形状で内部は空洞の先端重心タイプのラケットになりますね。

Timo Boll (ティモボル)ラケット (ALC、ZLC、ZLF)の共通点
 ・板厚が6 mm未満の薄いブレード
 ・上板にコト材 (Koto)
 ・アウター特殊素材5+2枚構成のラケット
 ・標準ブレード面積 (157×150 mm)
 ・スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ

上板にコト材
 上板にコト材を使用するラケットはアウター特殊素材ラケットに多いです。コト材はインナー特殊素材ラケットの上板によく使用されるリンバ (Limba)材と比べると、密度、重量が大きくて硬いといわれる木材になりますね。katsuo000が感じるコト材のメリット/デメリットは次のようになると思います。 
 メリット: 球持ちを感じつつ強い回転量と高い球質を得やすい木材
 デメリット: 硬いために人によっては球持ちを感じにくく、球離れも早いと感じやすい

アウター特殊素材5+2枚構成
 アウター特殊素材となるとやはり特殊素材の硬さが全面に出てくるラケットになりますね。特殊素材にどの素材を使っているか、によって弧線の出方と球のスピードは変わります。ALCはやはり弧線とスピードのバランスが高くてカーボンでなければ得られないスピードが得られつつ球を持ち弧線も描いてくれる素材になります。ZLCはALCよりもさらにスピードが出てカーボン素材だけの板よりも球持ちを感じやすい素材になります。ZLFは木材らしい弧線にプラスαのスピードがある素材でやはり大人しくなりますがその分強い弧線は安心感も強い素材だと思います。

標準ブレード面積 (157×150 mm)
 個人的に標準ブレード面積のラケットの方がバックハンド系の技術が非常にやりやすいと感じます。一方最近流行りの158×152 mmのブレード面積を持つ張本智和モデルのラケットは、ラケット重量が重く先端重心になりやすく、威力が出しやすく、かつスイートスポットが広くてブロックがしやすいラケットになると思います。ただしブレード面積は好みだと思いますし、個人のフィーリングで選ぶことが大切だと思います。個人的にはブレード面積の広いタイプのラケットは好みではないので、そのタイプのラケットはあまり試打することはありません。

スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ
 グリップ形状は人によってかなりこだわる人もいるものだと思います。個人的にはあまりグリップの好みはなくてあまり良いとも悪いとも感じませんでした。全国レベルの選手やコーチの方の中にはグリップ形状にかなりこだわりがある人が多いイメージで、グリップがあわないから使わないという言葉も聞いたりします。スクェアタイプのグリップは水谷隼選手も好んだグリップですね。
 空洞タイプのグリップでは、軽くなり重心が先端にきて回転が自然とかかりやすかったり威力が出しやすかったりするのが特徴だと思います。この変化はTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから樊振東 (Fan Zhendong、ハンシントウ)シリーズのラケットへ移行したりするときに感じやすいと思いますね。つまりTimo Boll ALC (ティモボルALC) ⇔ Fan Zhendong ALC (樊振東ALC)と移行するときに感じやすいと思います。個人的にはZhang Jike ALC (張継科ALC)などの空洞ではないとされるラケットの方が好みではあります。

 本ページのTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は木材の弧線の強さとTimo Boll (ティモボル)シリーズの良さ球持ちと強い回転量を感じられるラケットといえるでしょう。

Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

 届いたTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は標準的な重量でした。またスクェア (四角形)のフレア (FL)グリップを初めて使ってみましたが非常に使いやすいと感じましたね。スクェア (四角形)のストレート (ST)グリップとはまったくもって異なるフィーリングでした。ラバーはいつも通り、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Dignics 05 (ディグニクス05)を貼らせていただきました。

 正直、一時期メインで使っていました。というのは、最近オーバーミスが多いので、弾みを落としたくてアウターからインナー、インナーからついにアウター繊維系へと興味が移った結果ですね汗。打球感も良くて一発で気に入りました。

Timo Boll ZLFの3つの特徴

上板硬めなのに強い弧線を感じられるアウター繊維系ラケット!

 このラケットに求めていたのは、自分が中学生のときに使用していたBISIDE (バイサイド)というアウターアリレートラケットのような打球感を期待して購入しました。期待通りの打球感でまるで昔から使っていたかのような変になじみを感じさせるラケットでした。とにかく弧線を強く作ってくれますね。弧線が強いので安心して強いボールを打てると感じられるラケットでした。

球持ちと強い弧線が安心感を与えてくれるブレード

 上板コト材でアウター繊維素材のブレード構成、板厚5.4 mmと、とにかく球持ちが強いと想像できるラケットです。硬いプラボールに対しても弱いタッチで強い弧線を与えてくれるブレードでした。手打ちでも弧線を描くので、半粒や変化形のラバーを使っている人のボールを打つときも安心してボールを台に入れることができると感じました。慣れ親しんだ打球感というのもあるのかもしれませんが、弧線が強いので、強く打ってもしっかり弧線を描いて相手のコートに沈んでくれると感じさせるブレードだと思います。良いラケットだと改めて感じました。

バックハンドも振り抜きやすく、つなぎの質がとにかく高い

 86 gの重量で標準よりやや軽い個体といってもいいと思います。フレア (FL)グリップでブレード面積も標準なのでバックハンドを打つときはかなり振り抜きやすくて、かなりバンバン打てると感じました。また弧線を描きやすいというのは強い回転をかけられることよりも、つなぎのボールの質を高くしやすいと感じました。もちろんラリーは続きやすくなる傾向になりますが、硬質プラボールになってラリーはどんどん長くなる傾向にありますので、長いラリーは必然といえるのかもしれません。その中で球質を落とさずにボールをつなぐことができることは、試合でも重要な要素だと感じさせてくれるラケットでした。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Timo Boll ZLF > Fortius FT

スピード
 Fortius FT ver. D > Timo Boll ZLF > Virtuoso+

 

レビュー Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)

説明

 Yasaka (ヤサカ)の名作、Ma Lin (馬林)シリーズからMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)をレビューさせていただきます。Ma Lin (馬林)シリーズは長きにわたって人気の名作シリーズですね。Ma Lin (馬林)シリーズは、5枚合板1種、7枚合板1種、インナーカーボン3種と合計5種類のラケットが販売されています。馬琳 (Ma Lin)選手自身は有機溶剤による後加工可の時代では5枚合板を、その後はMa Lin Carbon (Ma Lin Carbon)を使用していたそうです。Ma Lin (馬林)選手といえば豪快なフォアドライブが特徴的ですよね!当時は同じ時代に活躍した、中国出身のWang Liqin (王励勤)選手も5枚合板に有機溶剤、その後、カーボンラケットを使用したようです。2人とも右利きでエゲつないパワードライブを打つ剛腕フォアドライブ型でした。未だに多くの卓人があこがれたり、参考にするのが馬琳選手/監督たちになると思いますね。それではラケットについて言及していきたいと思います。

 Ma Lin (馬琳)選手が使った5枚合板と類似の仕様のラケットが、Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)ですね。情報ではMa Lin (馬琳)選手が使用したMa Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)は、100 gくらいの超ヘビーラケットだったらしいです。そのような固体はさすが流通していない可能性が高く、特注の非常にマレな固体をご本人は好んで使っていたようですね。さらにパワフルな7枚合板仕様のラケットがMa Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)になります。このラケットは最近では愛工大の吉山僚一選手が使用していたラケットになりますね。海外ツアーへ出場するようになり吉山選手はMa Lin Carbon (馬林カーボン)へ変更したようですが、大島祐哉選手がandro (アンドロ)の7枚合板「和の極み -煉-」を使用していて改めて注目しても良いのではないかと思いますね。やはり7枚合板は5枚合板よりもラリーに強くて木材合板らしさもあるラケットに分類されると思いますね。安価でいてトップ選手も使用している、という点は非常に良い選択肢の1つだと思いますね。

 Ma Lin (馬林)シリーズのカーボンは3本ありますが、どれも全てInner Carbon (インナーカーボン)になります。インナーカーボンなのに3種類もラインナップしている点が現代卓球を先んじていたように思いますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はMa Lin (馬林)シリーズを踏襲する、上板硬めの合板構成でインナーにカーボンをはさんだラケットになります。そして今回レビューするのがMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)で上板にウエンジ材というハードな木材を使用して、シリーズ1弾むラケットになります。そして近年流行りのソフトな上板を使ったインナーカーボンがMa Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)になります。
 ここからは個人的なコメントです。Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)は上板が柔らかくかつ板厚も5.7 mmとかなり薄いラケットになります。このラケットを選ぶのであれば、カーボンにアラミドカーボンやALCを使っていないことにこだわるか、上板が柔らかいのに6 mm未満の板厚の薄いラケットを求めるなら良いと思います。インナーラケットの王道を求めるならButterfly (バタフライ)さんのInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)などがやはり王道ですので、そちらを選ぶことをオススメするかと思いますね。
 逆に、上板の硬いインナーカーボンを探すのであれば、このMa Lin Carbon (馬林カーボン)やMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は他のインナーカーボンと一線を画していて、手に入れやすい数少ないインナーカーボンになると思います。個人的には上板硬めのラケットはサーブの切れ味も上がり、回転量も上がるので球の質を求めていくならオススメのラケットになりますね。

 ・Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ): 上板やや硬めの5枚合板
 ・Ma Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル): 上板やや硬めの7枚合板
 ・Ma Lin Carbon (馬林カーボン): 上板やや硬めのインナーカーボン
 ・Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン): 上板ハードなインナーカーボン
 ・Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン): 上板ソフトなインナーカーボン

 ここで突き動かされるような言葉で綴られた、卓球王国さん × Yasakaさんの記事を引用させていただきます。この記事を読むと改めて馬林ラケットシリーズを手に取りたくなるのではないでしょうか。

『馬林カーボン』
 好敵手、王励勤と覇権を争い、中国の”竜虎”と呼ばれた馬琳。その右手に握られた至高のギア。

 99年世界選手権男子シングルスで決勝に進んだ馬琳。その手に握られていたのは、ヤサカの名品『ガシアンエキストラ中国式』 (廃番)だった。古くより中国代表選手の間で絶大な人気を誇っていた、スウェーデン製ラケットである。
 長らくヤサカラケットを愛用していた馬琳だが、2005年に正式にヤサカと用具契約を結んだ。その年、世界選手権上海大会で握り、2度目の決勝に進んだラケットが、新たに馬琳のために開発された『馬林カーボン』なのである。
 ところで、ここまで選手名は馬琳、商品名『馬林カーボン』と、表記が異なることが気になった人も多いのではないか。本名は「馬琳」なのだが、琳は女性の名前に多く使われる文字ということで、本人が「馬林」とサインすることから、ラケット名では「林」が採用されたという理由だ。
 話を戻そう。05年末に一般発売となった『馬林カーボン』は、瞬く間にベストセラーとなった。これほどの選手の名を冠したモデルが売れないわけはない。ただ、そのセールスはヤサカの予想を上回り、嬉しい悲鳴を上げた程だったという。そして卓球王国2007年2月号で発表された、第1回「ベストギア・オブ・ザ・イヤー2006」にて『馬林カーボン』はペンホルダーラケット部門で『吉田海偉』(バタフライ)とともに同率首位のグランプリに輝いたのだ。
 05年に続き、07年にも世界選手権で決勝に進んだ馬琳。90年代末から10年代初頭にかけて長く活躍した馬琳だが、中でも最も脂の乗った時期に本人が使用していたモデル。この『馬林カーボン』以前、そして以後は、馬琳はヤサカの木材ラケットを使用したのだが、なぜ彼が00年代中期にカーボンラケットを選んだのか。神業とも言える台上処理を重視し、パワーはラケットの弾みよりも体全体で出すという馬琳。それだけ聞くと、カーボンモデルは不向きのように思えるが・・・。この疑問に対する答えは、優れた合板構成にあった。

カーボンラケットとしては異例の球持ちの良さ。時代を先取りした超バランス素材

 ヤサカが馬琳との契約にあたって、本人使用モデルとして開発した『馬林カーボン』。もちろん、馬琳本人も開発に関わっている。気むずかしい性格で有名な馬琳。当然ながら用具選びにもこだわり、妥協を見せないのだが、そんな彼が多くの試作品の中から選んだのが、この合板なのである。
 馬琳のプレーというと、3球目の強烈なフォアドライブの印象が強い。そのため、ラケットもパワフルなものを使用しているような錯覚に陥るが・・・。馬琳が最も重視したのは「コントロール」だった。
 以前に馬琳が愛用した5枚合板 (現在は廃番の『ガシアンエキストラ』)も、スウェーデン製5枚合板らしい球持ちとコントロールが特徴だが、その特徴を損なわない範囲で、カーボンにより若干のパワーアップを図ったのが、この『馬林カーボン』なのである。
 『馬林カーボン』の最大のミソである合板構成を見てみよう。サイド写真を見てもわかるとおり、カーボンが表面から3枚目 (上板と芯材のさらに内側)に配置。特殊素材 (木材以外の繊維素材)を、上板のすぐ下ではなく、内側に配置する、いわゆる「インナー」タイプの設計だ。
 またカーボン自体もかなり薄い。そのためカーボンの硬さ・弾みの良さを全面的に押し出さず、木材モデルに近い球持ちが生かされている。板厚も5.7 mmとスリムで、打球時のしなりを持たせている。
 このような合板構成を、スウェーデンのすぐれた合板技術によって製品化した『馬林カーボン』は、結果的にカーボンラケットとしては最も球持ちの良い部類のブレードに仕上がり、世界No.1の台上技術を誇った馬琳を満足させたのだ。
 「板厚がスリムなインナー素材タイプ」というと、近年では人気の合板構成として、各社からリリースされている。しかし、『馬林カーボン』はそのタイプの人気に火が付く以前の2005年にリリースされた。先見性のある設計だったと言って良いだろう。
 シェークのFL・ST、そして中国式ペンと、3種類のグリップが発売された『馬林カーボン』だが、やはりペンの馬琳が実際に使用したということで、中国式は両面に裏ソフトを貼るプレーに適した設計になっている。
 板厚が5.7 mmとスリムなので、両面にラバーを貼っても握りやすい。また平均重量は、カーボンラケットとしては軽めの85 gであり、重量に悩む両面ペンの選手にとっては扱いやすい軽さだ。
 ブレードサイズはスウェーデン製の中国式ペンとしてはオーソドックスな長さ163 mm×幅150 mm。しっかりと面が広いためスイートスポットが広く、また長さもあるのでフルスイングした時には威力を発揮する。馬琳のようなパワーがない選手にとっては、あまり面が大きいと操作性の悪さにつながる可能性があるが、ラケット本体が重くないので、中級者でも扱える範囲だ。
 「ペン両面向きの性能」
 これも『馬林カーボン』の大きな特徴と言えるだろう。以上見てきた設計面・性能面からも、このラケットの人気の理由がわかると思う。

2005年の発売から衰えぬ人気。それの理由は馬琳のネームバリューだけではない
 次々と新製品が登場する卓球用具市場。特にラケットに関しては、毎年各社から多くの新製品が投入される一方で、ほぼ同数の商品が廃番となり、密かに姿を消していく。ラケットの商品サイクルは、ラバーのそれよりも短い傾向にあるのだ。
 そのような中、ヤサカ『馬林カーボン』は2005年の発売から不動の地位を築いている。一般的に選手モデルは、その選手が引退するとすぐに廃番になったり、あるいは売上げ低下によりしばらく後に廃番になるケースも多いが、このラケットは例外だ
 改めて『馬林カーボン』がロングセラーとなっている理由をまとめてみよう。
 成績だけでは語れない馬琳の人気
 やはり、馬琳の人気は絶大だ。世界選手権で3回準優勝、そして北京五輪で金メダルを獲得した、卓球史に残る名選手である。しかし馬琳という選手の魅力は、成績だけでは語れない。その魅力のひとつが、裏面打法にある。中国で開発され、発展を遂げたペンホルダーラケットの裏面打法は劉国粱 (96年五輪金メダリスト/前・中国男子総監督)が第一世代と言われる。プレーの軸はフォアハンド (またはバックショート)であり、それを補助する目的で裏面打法でのバックハンドが使用された。そのスタイルを継承、発展させ、より攻撃的な裏面バックハンドを確立させたのが、第二世代と言われる馬琳なのだ。その後、シェークのような自在な両ハンドプレーを見せた王皓が第三世代と呼ばれるが、王皓は中国でも例外的存在と言われ、馬琳の時点でペン両面スタイルは完成に近づいたと言ってもいい。
 裏面打法を高いレベルに引き上げた功労者である一方で、馬琳のプレーの軸足は「ペンドラ」ならではの強烈なフォアドライブにある。この点も、ペンホルダーのファンにとって大きな魅力だ。複雑なフェイクモーションを交えた強烈な変化サービスと、世界トップクラスのテクニカルな台上技術、そして台上のボールをフルスイングで持っていくエグいまでの3球目攻撃。裏面打法を駆使しながらも、「シェークの亜種」ではなく、ペンホルダーならではのダイナミックなプレーこそが、我々を惹きつけるのだ。

https://world-tt.com/ps_maker/yasaka/002/page.php?pg=1

 馬林シリーズが使いたくなったのではないでしょうか。名作であり王道の板構成を知ると手に取りたくなるのが卓人だと思います。

Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)

 届いたMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)はなんと、93 gの超ヘビー級でした。重い方が好みなので、いいね~と思った次第です。黒と赤のデザインがなかなか特徴的でかっこいいなーと思いつつ、赤の「HC」はひねりがなくてやや少し残念かなーと思ったりしました。ラバーはいつも通り、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Dignics 05 (ディグニクス05)を貼らせていただきました。

馬林ハードカーボンの3つの特徴

上板硬めでトルネードキングパワーに似たパワフルブレード!

 このラケットを購入する動機はただ1つ、上板硬めでブレード面積の狭いラケットを購入することでした。今回購入して打ってみて、Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)はまさに上板硬めの名前通りのハードラケットでした。打球感は新しいコトもあってかなりハードでTornado King Power (トルネードキングパワー)よりも弾むと感じましたね。上板硬めで質はかなり高いですが、それ以上に硬さで弾みすぎる感じもありましたね。上板硬めのインナーカーボンラケットはアウターカーボンラケットのようなパワフルさがありますが、このMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)も類にもれず非常にパワフルなラケットでした。

ノーマルカーボンのため、しなりよりも弾きの良いラケット!

 Tornado King Power (トルネードキングパワー)と比較してどうか、という観点で試打しました。やはりカーボンがノーマルカーボンということもあって、弾きの良さを強く感じましたね。Tornado King Power (トルネードキングパワー)は、アラミドカーボンを使用しているため、やはり弾みの中にしなりの良さを改めて認識できました。一方でMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は、例えば表ラバーを貼ってミートすると丁度良い硬さと弾みが得られそうなラケットだと感じました。粘着ラバーもいいですが、ミートやスマッシュを多用する人にあっていると感じましたね。

ブレード面積157 × 151 mmとヘビー級の重量93 g!

 90 gを超える重量になるとやはり7枚合板のようなパワフルさ、相手のボールの影響を受けにくい芯の強さを感じるラケットだと思います。個人的には重量は重いですが、ブレード面積は狭いのでバックハンドは振り抜きやすくて良いと思いました。ただ弾みも強かったので、カーボンはもっと薄いやつかなくても良いようにも感じましたね。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tornado King Power > Ma Lin Hard Carbon > Mizutani Jun SZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC > Ma Lin Hard Carbon > Ice Cream AZXi

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レビュー Blue Star A1 (ブルースターA1)

説明

 DONIC (ドニック)さんが2023年に本気の一枚を発売しました。その名もBlue Star A1 (ブルースターA1)です。2022年インターハイ3冠王の鈴木颯選手がBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)から両面、Blue Star A1 (ブルースターA1)へ変更しました。トップ選手が使用して満足いくラバー、それがBlue Star A1 (ブルースターA1)のようですね。既に元卓球王国のゆうさんのレビュー動画も配信されました。どのようなラバーなのか、見る前にブルーラバーについて確認しましょう。

・Blue Grip(粘着ラバー)6種
 Blue Grip C1 (ブルーグリップC1)
 Blue Grip C2 (ブルーグリップC2)
 Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)
 Blue Grip S2 (ブルーグリップS2)
 Blue Grip V1 (ブルーグリップV1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Grip R1 (ブルーグリップR1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
・Blue Storm(ブルーストーム)7種

 Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 Blue Stom PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 Blue Stom Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)
 Blue Storm Z1 (ブルーストームZ1)
 Blue Storm Z2 (ブルーストームZ2)
 Blue Storm Z3 (ブルーストームZ3)
 Blue Storm Big Slam (ブルーストームビッグスラム)
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種

 Blue Fire M1 Turbo (ブルーファイヤM1ターボ)
 Blue Fire M1 (ブルーファイヤM1)
 Blue Fire M2 (ブルーファイヤM2)
 Blue Fire M3 (ブルーファイヤM3)
 Blue Fire JP01 Turbo (ブルーファイヤJP01ターボ) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP01 (ブルーファイヤJP01) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP02 (ブルーファイヤJP02) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP03 (ブルーファイヤJP03) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire Big Slam (ブルーファイヤビッグスラム) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)

 廃盤と思われるラバー含め、22種類のブルーラバーがあります。数が多いですね。未だにBlue Fire (ブルーファイヤ)シリーズが販売されているのはスゴイと思いますね。最近のDONIC (ドニック)最新ラバーは非常にいいラバーが多く、昨年2022年発売のBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)は税抜7,800円と高いだけありTenergy 05 (テナジー05)を超える高い回転性能を有する高性能ラバーでした。今回のBlue Star A1 (ブルースターA1)も税抜8,600円と高いだけあり抜群の性能が期待できます!実際、高評価が多いようですね。2023年の卓球王国の別冊卓球グッズでも高い評価をされているようですね。それでは各情報を一つ一つ確認していきましょう。

Blue Star A1 (ブルースターA1)

ブルーの新星、ここに。

 最新のOPTEスポンジを採用した『ブルースターA1』は、選手が打った瞬間に従来のラバーとは完全に異なることが分かる新感覚のラバーです。特にボールの飛び出しが上にいくカタパルト効果とそのスピードは特筆すべき点です。また、『ブルーグリップ』シリーズとは異なる、新たなフィーリングのグリップ力も究極のスピンを生み出す力となります。

2023年DONICパンフレット

時代を照らす星となれ。
独自のフィーリングが生む、衝撃の弧線と回転性能!

 『ブルースター』は粘着性トップシートに、新開発のOPTE (Optimized Energy)スポンジを搭載。「打った瞬間に従来のラバーとは異なるとわかる」ほどの性能に仕上がっているという。(中略)

 「開発段階のテストラバーを実際に試打してみて、従来のラバーとの違いが感じられないこともあります。でも『ブルースター』はボールの上がり方がこれまでのラバーとは全然違いました。性能が大きくアップデートされていますね。上級者が最大の回転量を追求するラバーに感じます。重量は若干重めですが、それもあまり気にならない。また、個人的な感想ですが、一見してトップシートが『上品』ですね」(ドニック瀧澤さん)

 『ブルースター』登場以前から、ドニックのラバーラインナップに粘着テンションの『ブルーグリップ』シリーズがあった。
 『ブルースター』と『ブルーグリップ』シリーズの違いについて瀧澤さんに話を聞くと、『ブルースター』は『ブルーグリップC2』を進化させたイメージだという。
 『ブルーグリップC2』も、ヨーロッパを中心に多くのドニック契約選手が使用しているハイスペックラバー。そこから『ブルースター』はどのように進化を遂げたのか。
 「『ブルーグリップ』シリーズは中国製のようなガチガチの粘着よりははるかに使いやすいけれど、どうしても粘着特有のクセはあった。その中でも『ブルーグリップC2』はクセを少なくしたラバーでした。
 『ブルースター』は『ブルーグリップC2』より、粘着特有のクセがさらに薄くなり、扱いやすさも向上しました。これまでドイツ製テンションを使用していた方でも、スムーズに移行できると思います。そのうえで性能も高めた、いわば『良いトコ取り』のラバーですね」(瀧澤さん)
 「『ブルーストームPRO』は自然に回転がかかり、使い手の技術不足を性能で補ってくれるようなラバー。それに対し『ブルースター』は上級者の技術をさらに補強し最大の回転を追求するラバー。『ブルーストームPRO』は使いやすさと安定感があり、『ブルースター』は尖った性能というイメージです」

 『ブルースター』について語ってもらう中で、瀧澤さんは「カタパルト」という単語を口にした。「カタパルト」とは航空母艦などから航空機を射出するための装置のこと。それをラバーとボールの飛び出しになぞらえ、「カタパルト効果」と表現するが、『ブルースター」とにかくその要素が強い。
 打った瞬間に「ビックリするほど」ボールが上に飛び、自然と弧線を描く。これは『ブルースター』を試打したほとんどの人が口にした感想であり、それこそが「打った瞬間に従来のラバーとは異なると感じる」という言葉の真意だ。
 普段は別のラバーを使用している選手が『ブルースター』で何気なしに持ち上げるようなスイングでドライブを打つと、独特の飛び出しでボールがオーバーする場面も試打の最中にたびたび見られた。
 「上へ飛び出す」ということは、ラケット面を被せ、前方向へのスイングでもボールをキャッチし、強い回転をかけられるということ。その性能は前陣から後陣まで、どのプレー領域でも生きる。また、直線的に飛ぶアウター特殊素材との相性も良さそうだ。
 日本におけるドニックの看板プレーヤー鈴木颯(愛工大)選手も、長く愛用していた『ブルーストームZ1ターボ』から両面『ブルースター』に変更。昨年の世界ユース選手権U15男子シングルスを制しコトン(フランス)選手など、若手契約選手も『ブルースター』を使い始めているという。

 現在、両面に『ブルースターA1』を使用している鈴木颯選手。過去に何度か粘着テンションの『ブルーグリップC2』をテストしたが、粘着特有の使用感が合わずに変更を断念んしていた。しかし、『ブルースター』にはスムーズに移行でき、性能も好みだという。「新製品ということで興味があって試打してみましたが、これまでのドニックのラバー以上にボールが上に飛んでくれた。そのため、弧線を作りやすかったので変更することに決めました。自分が伝えたいパワーを存分に発揮できて、微粘着のトップシートの特徴が活かしたクセのあるボールも作れます。相手にとって嫌な攻撃ができるラバーだと思いますね。」(鈴木選手)

卓球グッズ2023 7月号別冊

 発売を聞いてすぐに購入し、試打したいと思ってすぐに貼りました。触ってみると確かに微粘着シートで球をついた印象は、思わずDignics 09C (ディグニクス09C)に似ていると感じました。これは期待が持てると思います!

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedControlRubber Stiffness
Blue Star A1
(ブルースターA1)
11++11++5+52.5°微粘着
Blue Grip C1
(ブルーグリップC1)
11++11560.0°強粘着
Blue Grip C2
(ブルーグリップC2)
11+106-55.0°強粘着
Blue Grip V1
(ブルーグリップV1)
11+10+650.0°強粘着
Blue Grip R1
(ブルーグリップR1)
11106+50.0°微粘着
Blue Grip S1
(ブルーグリップS1)
1110647.5°粘着
Blue Grip S2
(ブルーグリップS2)
119+742.5°粘着
Blue Storm PRO
(ブルーストームPRO)
1111+5+50.0°
Blue Storm Z1 Turbo
(ブルーストームZ1ターボ)
10+++11650.0°
Blue Fire M1 Turbo
(ブルーファイヤM1ターボ)
10+++10+750.0°
Blue Fire JP01 Turbo
(ブルーファイヤJP01ターボ)
10+++10+6+47.5°

 他のブランドと比較しても、DONICさんのラバー公表値は、本当に参考にならないなーと感じてしまいます汗。正直スピンもスピードも同じ値でも全然打球感や飛んでいく感覚、弧線は異なりそれぞれこだわって作られているラバーなのですが、ちょっとよろしくないなーと個人的には思います。手に取って確認してほしいという思いがあるのかもしれませんね。

Weight
重量
shore ashore ashore cshore csheet-sponge
(shore a)
sheet-sponge
(shore c)
gsheetspongesheetsponge
Blue Star A15331.827.846.243.84.02.3
Blue Grip C15734.033.049.949.51.00.4
Blue Storm PRO5029.626.343.240.63.32.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 硬度比較をするとラバーの特徴が出ると感じます。katsuo000が所有しているDONICさんのラバーの中では、やや重たいですが、shore aのシート側とスポンジ側の硬度差が大きく、扱いやすさもあるラバーであることがうかがえます。というか、粘着ラバーはシートの方がスポンジよりも軟らかいということがあるのですが、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はスポンジの方が硬い仕様でスピン系テンションラバーに近い設計になっていると感じました。やはりTenergy 05 (テナジー05)と比較するとやや硬く、ディグニクスシリーズと比較すると柔らかめのラバーになりますね。やはりDignics 09C (ディグニクス09C)に方向性が近そうですね。

ブルースターA1の貼りと重量

 最近はインナーメインにしています。Rally Ace (ラリーエース)さんんのLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

 53 gはやや重いですね。バックで使えるか不安になる重さだと思います。一方で打球感はDignics 09C (ディグニクス09C)ほど硬くないので、バックでも使おう思えば使えるラバーだと思います。

Blue Star A1(ブルースターA1)
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・Speed: 11++
・Spin:11++
・Control:5+
・Sponge硬度:52.5°
・8,600円 + 税
・75 → 53 g (Limba Inner (リンバインナー)に貼って)

Blue Star A1の3つの特徴

一言でいうとスピードも出る09C!

 このラバーは弧線が高いですね!初めの直観通り、Dignics 09C (ディグニクス09C)に非常に似た弧線の高さでした。この弧線の高さはまさにDignics 09C (ディグニクス09C)!ただ、Dignics 09C (ディグニクス09C)は打球感がマッドで癖は出る分、粘着らしく打球直後のスピードよりも、相手のコートについてからのボールの上に上がる伸びの方で特徴のあるラバーです。一方、このブルースターA1は非常にスピード感のあるボールが打ちやすかったです。試打した季節がちょうど夏だったこともあってスポンジが柔らかく感じたこともあいまってか、かなりスピードを感じました。このスピードは武器になると感じました。若干クセや相手のコートについてからの伸びは弱く、取りやすいドライブになっているようにも感じましたが、ループドライブの回転量はしっかりあり、決して回転量が低いようなラバーではありませんでした。ただ、使いやすくてスピードが出しやすい分、クセ球はほとんど出にくいといえるかもしれません。ただ弧線がここまで出ると多少のループドライブを前にふって上手にカウンターしやすいと思いました。

回転性能はディグニクスなみか!?でもどちらかというとテナジー系のラバー!

 粘着シートということで、回転量はしっかりとしていて、折り紙付きの高い性能でした。こういったラバーで粘着ですので、やはりシートはかなり柔らかめというわけではないのですが、シートとスポンジの硬度差があるようなラバーになっていて、テナジー系の打球感に近いラバーだと感じました。こういったラバーの方が球持ちを強く感じやすく、ループドライブなどのドライブのスピードと回転量を変化させる打法で、扱いやすさを感じやすいラバーだと思います!

もちろん台上もやりやすい!

 粘着シートですので、やはり台上はしっかりとまります。この安心感を維持しながら、弾ませる、非常に現代的なラバーに仕上がっていると感じました。Dignics 09C (ディグニクス09C)はいいラバーですが、もう少し自分の個性や色を出していきたいなら、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はかなりオススメになります。そうでなくとも、このラバーはオススメして外れの少ない非常に高性能なラバーでした。やや高いラバーですが、手に取ってみて悪い経験はさせない、そんなラバーだと思います。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアサーブ
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

ブロック
 

ストップ / ツッツキ
 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C ≧ Blue Star A1 > Dignics 80 

スピード
 Dignics 05 > Blue Star A1 > Dignics 09C

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