レビュー Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)

説明

 andro (アンドロ)さんの中級者志向のラバー、Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)をレビューします。近いのかなーと思っていたラバーはRigan Spin (ライガンスピン)ですね。同じようなラバーなのかなーと思って試打しました。ちなみに、NUZN (ニューゾーン)、発注しましたよ!(^^)/

 話題のラバーも早く試打したいところですが、今回本ページは、Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)ですね。このラバーは中級者志向の安価、またはコスパの良い高性能ラバーとして発売されました。ヘキサーシリーズ自体は4種類のラバーが発売されています。円安の影響で、今は良コスパとはいいづらいのが辛いですが、使いやすくてしっかり球を持つイメージかなーということで、試してみたくなり、レビューさせていただきます。

公表性能値

 andro (アンドロ)さんの過去の公表性能値を記載させていただきました。直近のパンフレットでは性能値は公表されていなくて、少し寂しいですね。またかなり使いやすいRasanter C45 (ラザンターC45)は公表性能値ではありませんが、他のラバー性能値からの推定性能値を記載してみました。おそらく当たらずとも遠からずかと思います。

硬度SpinSpeedControl
Hexer Power Gripヘキサーパワーグリップ47.511811779
Hexer Gripヘキサーグリップ45.011711383
Rasanter C48ラザンターC4848.012911389
Rasanter C45ラザンターC4545.0128?91?
Rasanter R48ラザンターR4848.012411989
Rasanter R45ラザンターR4545.012311791

 公表性能値を比較するとスピード性能はRasanter R45 (ラザンターR45)と同等ということで、結構弾む印象を受けました。やはりRasanter (ラザンター)シリーズの代名詞Energy Cell (エナジーセル)による回転性能は高くて、Hexer (ヘキサー)シリーズの中で最も硬いHexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)でも、回転性能は劣るとなると、中級者志向という言葉が分かる気がしました。つまり、相手の回転の影響は受けにくい分、回転性能もやや低いということなのではないかと想像できますね。使いやすいことにもつながるので大事なラバー特性だと思います。

硬度計測定

 続いてお馴染みの硬度計測定です。

公表
硬度
Spin重量
/ g
Shore a
Sheet
Shore a
Sponge
Shore c
Sheet
Shore c
Sponge
Sheet –
Sponge
(a)
Sheet –
Sponge
(c)
Hexer Power Grip47.51185029.026.141.439.62.921.83
Rasanter R45451234930.524.543.137.16.006.00
Rigan Spin40-45 /4730.125.142.840.95.001.92
Rigan40-45 /4427.622.935.531.94.673.58

 Rasanter R45 (ラザンターR45)は技術が一世代先のものであるため、スポンジ側はかなり柔らかく食い込みの良さを利用して、高い回転性能が引き出せるラバーということがわかりますね。特にシート側硬度とスポンジ側の硬度の差が大きいほど、球持ちと食い込みを感じやすくなりますね。一方、本ページでレビューするHexer ower Grip (ヘキサーパワーグリップ)は一世代古い製造技術で作られているためか、全体的に硬めですね。比較で、Yasaka (ヤサカ)さんのRigan Spin (ライガンスピン)とRigan (ライガン)の硬度を比較しています。思ったより、Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)は柔らかく、Rigan Spin (ライガンスピン)の方が硬い結果となりましたね。これは思ったより回転性能重視のラバーではなく、軟テンション系よりのラバーかもしれないですね。

ヘキサーパワグリの貼りと重量

 Virtuoso + OFF (ヴィルトゥーソ+OFF)に貼りました。余談ですが、抗菌仕様など含めて最近のプラボールはさらに硬く、回転がかからなくなり、5枚合板系のラケットでも全然手に響かないなーと久々に使って感じましたね。5枚合板は手に響き過ぎて苦手でしたがこれはありやなーと久々に使って強く感じました。

Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)
・Speed: 117
・Spin: 118
・Control: 79
・Sponge Thickness: 2.1 mm
・Sponge硬度: 47.5°
・5,600 円 + 税
・72 g(切断前) → 50 g (Virtuoso + OFF (ヴィルトゥーソ+OFF)に貼って)

 Virtuoso + OFF (ヴィルトゥーソ+OFF)に貼りました。上板Limba (リンバ)の5枚合板で、このラケットがダメな人は多分いないだろってくらい球持ちを感じられるのに、めちゃめちゃ板がしっかりしてて威力も抜群のラケットです。スピードと飛距離は出しづらいですが、その分オールラウンドに立ち回れるラケットですね~。ではではヘキサーパワグリ

ヘキサーパワグリの3つ特徴

掴んで飛ばせるヨーロッパ系ラバー!

 ラバー硬度は47.5°と最近の高硬度化が進む卓球ラバー界では、ヘキサー系の中でも最も硬いラバーではあるものの、柔らか目で正直フォアで使うには硬さ不足を感じさせるラバーでした。思い切りドライブで回転をかける時も少し沈み込みが甘い感じがあって、どちらかというとRozena (ロゼナ)っぽさがありましたね。その分5枚合板でも十分下がって打点を落として引き込んでも攻撃的に飛ばせるのはヨーロッパ系の軟テンション系を彷彿とさせられました。名前の通り、グリップ感は強いですが、andro (アンドロ)さんらしい軟テンション系ラバーの1枚だと感じました!

扱いやすさ抜群のオールラウンドラバー

 軟らかさがあるため、非常に扱いやすかったです。中級者向けという言葉のとおり、扱いやすさを感じました。例えば、チキータのときも、ゆっくりスイングしたとしても球を持って回転をかけられるので、かなり引き付けて安定して台におさめることができると感じました。個人的にはバックに使いやすいラバーで台上から中陣までこなしやすいと感じました。軟テンションなので、下がって思い切りくい込ませてのドライブで、驚きのあるボールが打ちやすいですが、バックハンドの技量が不足してそこまではできなかったですね。ただこのラバーならそういった新しい技術にも挑戦しやすいと感じました。

パワーグリップという名前通り、扱いやすさと回転とスピードで押すラバー

 実際に使う前はHexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)というラバーは、Hexer (ヘキサー)シリーズ最硬硬度のラバーということで、回転性能の高いラバーと思い込んでいて軟テンション系ラバーという認識ではありませんでした。名前、使ってみた印象、そしてドイツ製ということを考慮すると、しっかり球を持ちつつ、回転とスピードで押すラバー、Tenergy (テナジー)系のラバーの中では80の立ち位置のラバーであると感じました。回転でもスピードでもどちらでも押していく扱いやすいラバーとして、Tenergy 80FX (テナジー80FX)というラバーもあります。Tenergy 80FX (テナジー80FX)はもう少し回転性能が高い印象で、ラバーももう少し柔らかいラバーになりますね。Hexer Power Grip (ヘキサーパワーグリップ)は硬さがあって回転性能が低い分、相手の回転にも鈍感でラリーを引いて勝負していく方に向いているラバーだと思います。またコスパも良いですね。回転性能が鈍感というのも、一つの特徴でありラリー勝負したい選手には良い選択肢だと思います!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 違和感ありません。

ロングボールやラリーでのドライブ
 思い切り回転をかけてみましたが、ボールは沈むものの、威力は低い気がしました。スピードが出ないのは仕方ないですが組み合わせ的には回転は良いはずだと思っていたので、残念でしたね。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 入るけど、質は低いかもです。

対下回転に対するスピードドライブ
 Virtuoso + OFF (ヴィルトゥーソ+OFF)としては、スピードドライブの方が個性が出て良かった気がしました。かなりやりやすいと感じましたね。 

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ツッツキ/ストップ

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック 

ツッツキ/ストップ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 80FXHexer Power GripRasanter V47

スピード
 Dignics 80Hexer Power GripTenergy 80FX

https://amzn.to/4edNSFb

レビュー DNA Hybrid (ハイブリッド) XH

説明

 2024年話題のSTIGA (スティガ)さんから、新ラバーが登場ですね!その名もDNA Hybrid Series (DNAハイブリッドシリーズ)!STIGA (スティガ)は最近評判良いですよね!まずはラケットですよね、Cycber Shape Series (サイバーシェイプシリーズ)!そしてこれまた評判の良いDNA Platinum Series (DNAプラチナシリーズ)!katsuo000が初めてSTIGA (スティガ)を知った時は木材ラケットのイメージが強かったですが、今では明らかにラバーでも存在感があるSTIGA (スティガ)さんですね!katsuo000はDNA Platinum XH (DNAプラチナエキストラハード)DNA Dragon Grip (DNAドラゴングリップ)Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)をレビューしています!DNAを冠するラバーはどちらも素晴らしいラバーでしたね。特にオススメはDNA Platinum XH (DNAプラチナエキストラハード)で多くのレビュワーやYou tuberが絶賛していますね!ドイツ製ラバーの中でも、1、2を争う球持ち感と、抜群の回転量、弾み、まさにTenergy 05 (テナジー05)に近く、誰も文句のつけようのないスピン系テンションラバーだと思います。そしてインパクトのある見た目で、使用者が一発でわかるCycber Shape Series (サイバーシェイプシリーズ)のラケットですね。売れていて種々展開していますね。

 インナーのCyber Shape Carbon (サイバーシェイプカーボン)はやや板厚で、Dimitrij Ovtcharov Innerforce ALC (オフチャロフトインナーフォースALC)に近い仕様ですね。個人的には今年発売のCyber Shape Clipper (サイバーシェイプクリッパー)の方が気になりますね。ラケットが今までにない形だと、新しい感覚の発見とかがありそうでそれだけでも気になったりします。それにしても、ドイツブランドは上手ですね。andro (アンドロ)しかり、TIBHAR (ティバー)しかり、上手に日本人トップ選手と契約しています。ドイツは働き方が日本と真逆で残業する奴が無能とされ、法律のため週末はコンビニであれ全てのお店が閉まったりするそうです。日本もそういう働き方してほしい、そしてもっともっと皆で卓球できたらいいのに、と思います。ドイツの世界的に有名なメーカーにはNike (ナイキ)がありますが、戦略は明確で一番有名な選手と契約して、ブランド力を築く、ということをしっかりしてますよね。おそらく、日本選手で日本メーカーと契約していた選手たちは日本メーカーへの恩を感じつつ、それ以上の大きな敬意を示されて契約しているのではないかと想像します。決して日本を日本メーカーを裏切ったわけではない、と。契約は一個人として大きな転機でもあるはずで、色々な思いがあったのではないかと思いますね。日本もそういうブランドメイクをしてほしいと強く強く思いますね。「春はマーク⚪︎の季節」なんて言っていたらあかんと思います。変化の激しい世界、卓球界も変化しないと。今まで通りのやり方、今まで通りの考え方でなく、アスリートファーストで先進的な考えをもつべきでしょう。Butterfly (バタフライ)さんなんかは、グレイザーマンとか、色々とアプローチしていて面白いなーと思いますね。この2024年のビッグニュースとして、Tリーグなどで大活躍する及川選手五十嵐選手は2024年にSTIGA (スティガ)契約となりました。かなりの激震でしたね。トップ選手ネタで挙げると、吉山僚一選手がandro (アンドロ)と契約になりましたね。これも致し方ないとしか言えないと思います。andro (アンドロ)の最新ラバーNUZN (ニューゾーン)と一緒に劇的な移籍ですね。

 ちなみに、Rasanter C53 (ラザンターC53)の回転性能は132 (単位はrpsではないですが)ですので、NUZN (ニューゾーン)の方が回転性能も高そうだなーと思います。どのような設計のラバーなのか今から楽しみですね。

 余談が長くなりました。本記事でレビューするのは今ホットな五十嵐選手が使用するラバー、DNA Hybrud XH (DNAハイブリッドエキストラハード)になります!

 DNAと冠するラバーシリーズは、現在までに3種類あります。DNA Pro(DNAプロ)シリーズDNA Platinum Series (DNAプラチナシリーズ)DNA Dragon Grip (DNAドラゴングリップ)になりますね。2024年春、このDNAシリーズに新しいラバーが加わりました。その名もDNA Hybrid Series (DNAハイブリッドシリーズ)ですね!この新しいDNA Hybrid Series (DNAハイブリッドシリーズ)DNA Platinum Series (DNAプラチナシリーズ)DNA Dragon Grip (DNAドラゴングリップ)の間をとったようなラバーのようですね。ではメーカーの説明を確認してみましょう。

DNA Hybrid XH (DNAハイブリッドエキストラハード)
:驚異的な回転と最高のスピードを求める選手に (2024年2月16日販売)

非常に強いトップシートで回転系の技術がやりやすく、スピードとのバランスもミックスされていて、より威力が出る。ボールの弧線が出しやすく、コントロール性も良いラバー。テンション系ラバーのスピードに回転力、グリップ力+コントロール性能を最大限に兼ね備えた、まさにハイブリッドラバー。

エクストラハードスポンジは、驚異的な回転と最高スピードを求める選手のために開発されました。非常に強いトップシートにより、困難な状況でボールをより簡単に回転をかけることができます。

DNA HYBRID XH | stiga (stigasports.jp)

 コンセプトから、尖がったというより使いやすくてスピードも回転量もいいところどり、悪く言うと中途半端で回転量もスピードもあいのこ、というイメージですね。またHybrid (ハイブリッド)という名前からXIOM (エクシオン)のVega Hybrid Series (ヴェガハイブリッドシリーズ)も同じような製造ラインで作られているのでは、などと想像してしまったりしてしまいました。この手のコンセプトはあまり好みではないので、期待値はあまり高くなく、試打に入りました。ちなみにVega Pro Hybrid (ヴェガプロハイブリッド)も試打予定です!

公表性能値

 STIGA(スティガ)さんのサイトから引用させていただきました。

硬度SpinSpeedControl
DNA Hybrid XHDNA Hybrid エキストラハード52.514416474
DNA Hybrid HDNA Hybrid ハード5014416076
DNA Hybrid MDNA Hybrid M47.514415678
Mantra Pro XHマントラProエキストラハード5313515678
DNA Dragon GripDNAドラゴンGrip5514613280
DNA Platinum XHDNAプラチナエキストラハード52.514016872

 DNA Hybrid XH (DNA Hybrid エキストラハード)は性能としては、DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)DNA Dragon Grip (DNAドラゴンGrip)の間の性能になりますね。これは予想通りといえる性能だと思います。それぞれかなり日本人好みのラバーといえるラバーでしたので、DNA Hybrid XH (DNA Hybrid エキストラハード)も期待はできますね。

硬度計測定

 続いてお馴染みの硬度計測定です。

公表
硬度
Spin重量
/ g
Shore a
Sheet
Shore a
Sponge
Shore c
Sheet
Shore c
Sponge
Sheet –
Sponge
(a)
Sheet –
Sponge
(c)
DNA Hybrid XH52.51445030.728.148.645.82.582.83
Mantra Pro XH531355031.030.446.145.30.580.83
DNA Dragon Grip551465231.630.545.546.91.08-1.42
DNA Platinum XH52.51405333.630.346.243.73.332.50
DNA Pro H501345130.126.343.540.83.752.75
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67

 硬度計の結果になります。比較は日本製粘着の代表であるDignics 09C (ディグニクス09C)ですね。公表硬度は52.5°で重量も50 gですので、この数字だけだとスピン系テンションぽいと思えると思います。DNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)は硬度比較でもDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)DNA Dragon Grip (DNAドラゴンGrip)の間に入るような性能になっていると思いますね。

DNAハイブリッドXHの貼りと重量

 Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)に貼りました。

 ラバーのソリを感じましたね。いいそりです!

DNA Hybrid XH (DNA Hybrid エキストラハード)
・Speed: 164
・Spin: 144
・Control: 74
・Sponge Thickness: Max
・Sponge硬度: 52.5°
・9,900 円 + 税
・71 g(切断前) → 50 g (Virtuoso ACに貼って)

 Virtuoso ACに貼りました。上板Limba (リンバ)のかなり球持ちの良いラケットですね。シートの粘着感はほとんどなく、微々粘着かそれ以下の粘着ですね。ドイツ製粘着ラバーは、白いシートが貼ってあって、わかりやすいですね。中国粘着ラバーと比べれば卓球を知らない人でも気にならないレベルのニオイでドイツ製粘着ラバーはいいですね。粘着テンションラバーとして販売されないとそもそも粘着ラバーと認識しづらいレベルで、正直粘着って何?ってなる卓人と思います。

DNA Hybrid XHの3つ特徴

しっかり掴んでコントロールできて、抜群の回転量!

 普段使いのOmeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較しても、高い回転量は顕在でとても好印象でした。このレベルの回転量が得られないとなかなか使いたい、とはならないですね。また遜色なく使える感じがあって、意外でした。やはりDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)は粘着ラバーといえば粘着ラバーなのでしょう。またやはりOmeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較するとスピードはDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)の方が速かったと感じました。回転の話に戻りますが、katsuo000はループドライブを多用します。DNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)は違和感なくしっかりおさまり、しかも回転量で相手がふかすレベルでしたね。自分にとってラバー選択の上で重要な要素であるループドライブの質を十分保ちつつ、スピードも出せるということで非常に気に入りましたね。普通にメインラバーで使えると感じました。Omeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は重いラバーでとてもとんがってますので、一般受けするのはむしろ、DNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)だと思います。ただ昨今のいわゆるスピン系テンション、Dignics 05 (ディグニクス05)などと比較するとスピードの威圧感は若干抑え気味といえるでしょう。この辺りは好みが分かれるかもしれませんね。

後ろに下がった時のスピードは抜群!

 Omeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は良いラバーでかなり気に入っているのですが、下がって打ち合ってしまうとややスピード不足を感じやすく、身体をしっかり使って打ち込む必要があります。特に中陣での打ち合いではこれを良く感じますね。多分、Omeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は中陣からなら、パワー勝負と玄人らしい回転量やカーブ、シュートを駆使する方が味が出ます。とにかく打ち込んでいくような勝負をするならやはりスピン系テンションらしさの割合が多いDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)の方が手数+スピードでつめられると感じますね。このあたりは相手の力量のブロックの好みにもよると思いますので、どちらが優れるかというのも甲乙つけがたいです。ただ粘着感を持ちつつ、スピードで打ち抜きたいと思うのであれば、DNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)が良いでしょう。こういった気づきを与えてくれたのは素晴らしいラバーだと感じました。

扱いやすさは想像以上!テンションも粘着も選べないときはありな選択!

 扱いやすさが抜群で驚きました!この扱いやすさは、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズに通じる扱いやすさと角度コントロールの緩さを感じましたね。最近のドイツラバーはカチコチ系からこういった許容性という特徴をもつラバーが増えてきている印象です。この許容性はV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)などのラバー群が挙げられるでしょうか。入れたいときに修正の必要なく入ってくれるラバーは試打していても自分がうまくなったような錯覚を生むので気持ちいいですね。現在めちゃめちゃ楽しみにしている、Hugo Calderano (ウーゴ カルデラノ)選手も使用するというJekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)がそろそろ発売だと思いますので、そちらとも比較しながらメインラバーを考えていきたいですね。
 余談ですが、Jekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)が発売されると、XIOM (エクシオン)のラバーの中で回転性能が最も高いラバーがJekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)になるみたいです。Omega VIII (オメガVIII)シリーズが発売になり、Omega VIII China (オメガVIIIチャイナ)もおそらく同時のタイミングで発売になるみたいで、Omega VIII China (オメガVIIIチャイナ)の方がスピード性能が高いラバーとなっているみたいですね。Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズはかなり扱いやすいラバーでもありましたし、Jekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)にはかなり期待を持っています。ドイツ製ラバーの最新ラバーが個性的な方向へ行くのか、扱いやすい方向へ行くのか楽しみですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 軽打からドライブ打ちで、少し角度を調整しましたが、それ以外はあまり意識せずに使えると感じましたね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールは走ると感じました。特に下がった時のボールの走り方が気持ち良かったですね。Omeg VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)も別に遅いラバーではないのですが、やはりボールの伸びがなくて、下がると取りやすいボールになる感じはあります。一方DNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)は下がっても抜けるくらいのスピードは出せる感じがありました。もちろん、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)はインナーで薄いのにめちゃめちゃ弾むので、そのおかげもあると感じました。

面を開いたドライブ
 粘着感は若干低いですが、スポンジが強いので面を開いても十分ドライブできると思います。めちゃめちゃ気持ち良く打てると思います。

対下回転に対するループドライブ
 かなりしっかり回転がかかるので、粘着っぽくドライブでチョリチョリしつつ裏からでも決められる卓球ができると思います。最近はゆっくり低いループドライブを打つ選手が少ないので、相手に打たせないループドライブも打てると思います。ただやや弾むので、打点をしっかり落としてから思い切りかけた方が低くて質の高いループドライブになりますね。逆に最近のループといいつつやや速いドライブも出せると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすいですね。粘着ラバーらしくしっかりくい込むのでスポンジで打球している感があると思います。スポンジにしっかりくい込ませて飛ばすことで安定したスピードドライブが打てると思います。 

カーブ/シュートドライブ
 ややボールが走るので、あまり曲がる感じは少ないと感じました。 

ブロック
 やや弾みますね。角度調整があわなかったです。

カウンタードライブ
 打てますね。しっかりボールを掴んではなしてあげると安定すると思います。こういうラバーが好きなんだなーと実感しました。

ツッツキ/ストップ
 切れますし短くコントロールできると思います。

フォアサーブ
 切れますね。これくらいの回転量は必要最低限ほしいです。

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック 

ツッツキ/ストップ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO III Blue SpongeDNA Hybrid XHTenergy 05

スピード
 Dignics 05DNA Hybrid XHOmega VII China Ying

https://amzn.to/3SbjG4Q

レビュー Mantra Pro XH (マントラPro エクストラハード)

説明

 ドイツメーカーはうまいですね。andro (アンドロ)しかり、TIBHAR (ティバー)しかり、上手に日本人トップ選手と契約しています。ドイツは働き方が日本と真逆で残業する奴が無能とされ、週末はコンビニであれ全てのお店が閉まったりするそうです。日本もそういう働き方してほしい、そしてもっともっと皆で卓球できたらいいのに、と思います。ドイツの世界的に有名なメーカーにはNike (ナイキ)がありますが、戦略は明確で一番有名な選手と契約して、ブランド力を築いてますよね。おそらく、日本選手で日本メーカーと契約していた選手たちは日本メーカーへの恩を感じつつ、それ以上の大きな敬意を示されて契約しているのではないかと想像します。それが厚意というものでしょう。日本もそういうブランドメイクをしてほしいと強く思いますね。今まで通りのやり方、今まで通りの考え方でなく、アスリートファーストで先進的な考えをもつべきだと思います。

 話がだいぶそれてしまいました。Tリーグなどで活躍する及川選手、五十嵐選手は2024年にSTIGA(スティガ)契約となりました。そんなノリノリのSTIGA (スティガ)さんから、日本製粘着テンションラバー、Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)をレビューします。最近メインラケットのラバーを両面粘着ラバーにしています。そして世の粘着ラバーブームで粘着ラバー増えてますねー。気になってしまいます。DNA Hybrid XH (DNAハイブリッド XH)は後日レビューしますので少々お待ちください。ちなみにかなり良かったです。粘着ラバーは多くなりましたが、なかなか気に入るラバーに出会えることはないですね。これはkatsuo000がど粘着のキョウヒョウとかが好きだから仕方ないのかもしれません。

 さてスティガさんはドイツ製ラバーのDNAシリーズを発売するまでは、基本的には日本製のラバーを発売取り扱いしておりました。そんなスティガさんの元祖日本製ラバー、Mantra (マントラ)シリーズのラバー、Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)をレビューします。日本製粘着は初なので楽しみに試打しました。Mantra (マントラ)シリーズは、一時期トップ選手のモーレゴート選手などが使用していた時もあったと思いますが、今はトップ選手に人気があるラバーではないようです。古くMantra (マントラ)シリーズのラバーが販売されていて、新しくProシリーズが販売となり、その一番硬いMantra Pro XH (マントラProエキストラハード)を試打しました。2024年現在Mantra (マントラ)シリーズは種類が増えていて硬度違いで複数販売されています。早速STIGA (スティガ)さんの公表性能値表を確認してみましょう。

公表性能値

 STIGA(スティガ)さんのサイトから引用させていただきました。

硬度SpinSpeedControl
Mantra Pro XHマントラProエキストラハード5313515678
Mantra Pro HマントラProハード5013515280
Mantro Pro MマントラPro M4713514882
Mantra Hマントラ H5213215677
Mantra Mマントラ M4813215577
Mantra Sマントラ S4413214684
Mantra Soundマントラ サウンド4290141131
Mantra Controlマントラ コントロール4510899140
DNA Hybrid XHDNA Hybrid エキストラハード52.514416474
DNA Dragon GripDNAドラゴンGrip5514613280
DNA Platinum XHDNAプラチナエキストラハード52.514016872
DNA Pro HDNAプロ H5013416076

比較のため、DNAシリーズのラバーも掲載しています。Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)をDNAと比較すると、DNA Pro H (DNAプロH)と比較すると、回転性能と扱いやすさは高いということがわかりますね。DNA Pro H (DNAプロH)は正直Fastarc G-1 (ファスタークG-1)にかなり似ています。発売されたころは、日本一売れているラバーがFastarc G-1 (ファスタークG-1)でしたので、納得といえば納得ですが、元祖ドイツ製ラバーらしいラバーでしたね。Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)は扱いやすいのに性能もあがった良いラバーといえるのかもしれないですね。ただ2024年現在は最新のDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)やDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)、DNA Dragon Grip (DNAドラゴンGrip)などと比較すると見劣りすることが予想されますね。このあたりは「頑張れMade in Japan!」という感じですね。実際にどのようなラバーか打ってみてレビューしていきたいと思います。
 まだMantra (マントラ)シリーズはMantra Pro (マントラPro)シリーズが加わるとともに、DONIC (ドニック)のようにSound (サウンド)などかなり軟らかいラバーも発売となりました。意図はわかりませんが、初心者やビギナー向けのラバーとしてMantra (マントラ)を推したいのかもしれませんね。粘着ラバーではありますが回転をかけるということを覚えたりラリーを楽しむという点では現代卓球ではむしろ粘着こそスタンダードなのかもしれません。また世界一強いのは中国であり、中国選手が使うのは粘着ラバーですからね。Hurricane (キョウヒョウ)の次のスタンダードとしての粘着ラバーの立ち位置を得られれば売れることは期待できますし、ビギナー用粘着の位置を狙っているのかもしれませんね。ここまでやわらかくなると個人的には粘着ラバーではなくてスピン系テンションラバーに近づく感じもあるので、個人的にはあまり好きではないですね。

硬度計測定

 続いてお馴染みの硬度計測定です。

公表
硬度
Spin重量
/ g
Shore a
Sheet
Shore a
Sponge
Shore c
Sheet
Shore c
Sponge
Sheet –
Sponge
(a)
Sheet –
Sponge
(c)
Mantra Pro XH531355031.030.446.145.30.580.83
DNA Hybrid XH52.51445030.728.148.645.82.582.83
DNA Dragon Grip551465231.630.545.546.91.08-1.42
DNA Platinum XH52.51405333.630.346.243.73.332.50
DNA Pro H501345130.126.343.540.83.752.75
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67

 硬度計の結果になります。比較は日本製粘着の代表であるDignics 09C (ディグニクス09C)ですね。公表硬度は53°ですが、思ったより柔らかい印象で、Shore cで比較するとDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)より柔らかい値となりました。粘着ラバーとして代表的なHurricane (キョウヒョウ)などではシート側の方が柔らかいということがよくあるのですが、Mantra Pri XH (マントラProエキストラハード)はシートが柔らかいということもなく、スピン系テンションと同じようにSheet側が硬いラバーでした。そこまで硬くなく、扱いやすさとスピード性能もある粘着ラバーなのかもしれないと思いましたね。

マントラProXHの貼りと重量

 今回はYasaka (ヤサカ)のReinforce AC (リーンフォースAC)に貼りました。

樊の字が何故書いてあるのか、謎です汗。

Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)
・Speed: 156
・Spin: 135
・Control: 78
・Sponge Thickness: 特厚
・Sponge硬度: 53.0°
・5,400 円 + 税
・76 g(切断前) → 50 g(Reinforce AC (リーンフォースAC)に貼って)

 50 gということで、やや重たいですね!粘着は触ってもわかるかわからないかの微々粘着で、そこまでべたべたしているとかそういうのはないラバーでした。日本製って、Butterfly (バタフライ)製か否かで大きく変わるイメージで、そのイメージを覆す感じもない感じだと思います。

Mantra Pro XHの3つ特徴

粘着ラバーなのに爽快な弾き安さ!

 正直、個人的には良い感想ではないのですが、粘着ラバーのカテゴリーなのにめちゃめちゃ弾きやすいラバーでした。バックハンドでミートを多用するならありかもしれませんが、あまりそういう選択をする人もいないのではないかと感じるレベルですね。フォアでミート打ちを目指すならありかもですね汗。粘着ラバーですが、3球目スピードドライブを狙ってカチコム人には快速なスピードドライブが出しやすいかもしれないですね。スピードは良いですが、ボールはやや軽い気がしましたし、ボールが沈まないので、回転をしっかりかけないと安定もしない気がしましたね。このあたりの難しさはハードなラバーらしさも感じました。

粘着だけど扱いやすい!

 粘着ですがかなりスピン系テンションラバーらしいラバーであるため、良い意味でも悪い意味でもやりにくさもなく、驚きもなく、個人的には回転量が粘着のわりに低い気がしましたが、それ以外は可もなく不可もないラバーでした。ただ無二のラバーでもないので、自分には選択肢としてはないですね。STIGA (スティガ)のラケットは木材系のラケットが多く、球持ちの良いラケットが多いので、球持ちの良さで回転をしっかりかけて、木材のデメリットであるスピードをラバーでサポートするイメージで使うと良いのかもしれませんね。使いやすさと価格がメリットだと思いますので、その2点で選ぶのはありだと思います。
 余談ですが反対側にはJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)を貼って試打しました。球持ち感は正直、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)の方が上で、もっちり感が良かったと再認識しましたね。まーJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は非常に高額なラバーでトップ選手や契約選手も使うラバーですので、納得といえば納得です。Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)は高性能なマークVに近い感じでシートが粘着のラバーというイメージで良いかもしれません汗。

威力よりもラリー重視なラバー

 やはり威力を求めると他のラバーの方が威力があるといえるかもしれません。プラボールの硬質化に伴い、回転量や質を求めても相手のミスを誘いにくい方向へドンドン卓球が進んでいますので質よりラリー重視の選手には安定感のあるラバーとしてありといえるかもしれませんね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 テンション系ラバーのような弾みで違和感ありませんでした。結構ボールが飛ぶので、どらいかというとぶつけるよりもコスリ強めで打った方が安定すると思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 重いボールを打てている感じはあまりしませんでした。フォアだと使えますが柔らかすぎるかもしれないですね。

面を開いたドライブ
 面は開かない方がいいと思います。そこまでスポンジが強くないと思いますので。コスリ打ちの方がいいかなーと思いました。

対下回転に対するループドライブ
 結構弾いてしまうので、打点を落としてもいいかもですね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っているとそういうループドライブを使うので、違和感はなかったですが粘着のループドライブ感はやや薄かったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 面を開くと回転をかけにくいと感じたので、擦った方が良いと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 ブロックはやりやすいですね。粘着の落ちる感じは皆無です。  

カウンタードライブ
 やりやすいですね。他のハイエンドで回転量が良くかかるラバーと比べると相手の回転の影響は受けにくいと感じました。

ツッツキ/ストップ

フォアサーブ
 回転量は弱い気がしました。

バックハンド系

軽打
 ほぼスピン系テンションと感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 最近粘着を使うので、ボールが沈まなくてオーバーミスが多かったですね。 

対下回転に対するループドライブ
 自分のバックハンドの技術力ではややおさまりが悪かったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 オーバーミスが多かった気がします。ナックルとかをスピードドライブを打つときは良かったですね。 

ブロック
 やりにくさはそこまでありませんでした。

カウンタードライブ
 伸ばすのもやりやすいですが、あまり伸びているとかは感じませんでした。

ツッツキ/ストップ 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 HardMantra Pro XHBlue Storm Z1 Turbo

スピード
 Rakza Z Extra HardMantra Pro XHHurricane NEO III

https://amzn.to/3xV2Hgc

レビュー Apollo V 38° (アポロV 38°)

説明

 銀河 (YINHE)さんのラバー、Apollo 5 (アポロ5)の中間硬度38°のラバーをレビューさせていただきます。WRM (ワールドラバーマーケット)さん販売のラバーですね。銀河 (YINHE)のラバーは面白くて安価なラバーが多いので個人的には面白いなーと思うメーカーさんです。種々ラバーがあるようで、全貌を垣間見たいと感じますが、中国語はよくわからず、DHS (Double Happiness Shanghai, 紅双嬉)同様にネットで調べてもよくわからないことが多いですね。是非情報求むです。
 さて、今回レビューするApollo 5 (アポロ5)は、Apollo (アポロ)シリーズの5番目のラバーということ、そしてWRM (ワールドラバーマーケット)さんが取り扱っているものは非常に品質の高いラバーになった国用のもののようですね。国用といいつつ、価格は3000円台ということで嬉しいですよね。中国ラバーということで前加工されていて、しかもラミネート加工もしっかりされているため空気の入り込む余地なく長持ちする点も嬉しい限りです。WRM (ワールドラバーマッケット)さんが取り扱いするApollo 5 (アポロ5)の硬度は36、38、40°の3種類になりますね。過去にも40°のApollo 5 (アポロ5)を使ったことがあり、WRM (ワールドラバーマーケット)さんのレビューへ投稿もしたことがあります。

 Apollo 5 (アポロ5) 40°: アポロ5【銀河】 – katsuo000 : 卓球ラバーレビュー[卓球用品比較評価サイト] (blog.jp)

今総括するとApollo 5 (アポロ5) 40°は、フォア主戦型の選手のフォアに適したラバーで、サーブの切れ味、ループドライブの質と回転量は非常に素晴らしいものがありました。打感は木星IIブルースポンジ (Jupiter 2 Blue Sponge)と比較するとシートが特に硬さを感じやすく、ミートもしやすい打感であるところが異なる点ですね。ぶつけるようにボールを打球するとカチっと結構いい音とともに適度にボールが弾けるイメージで、粘着ラバーにしては回転性能も高くかつミートもしやすいラバーということで主揃さのあるラバーだと思います。シートが硬いのでテナジーよりもディグニクスらしさがある、という表現でいいのかわかりませんが、相手の回転の影響を受けにくいのでカウンターはしやすいと思います。ただ硬いので、バックハンドで上手に上書きして、というのは個人的には難しいかなーと思います。

 最近自分はバックハンドに粘着ラバーを使っていて、メインはHurricane NEO 3 Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)を回してます。多少傷んでしまっているラバーでも粘着ともちもち感が素晴らしいので古いやつ含めて流用して使っていますね。バックハンドで使う分にはスピードが遅いと感じるようなことはなくて全く気にならず、レシーブやツッツキの操作性の高さ、ロングサーブに対するドライブやループドライブ、加えてバックハンドドライブもまずまずイケると感じて今に至ります。今回中間硬度の38°のApollo 5 (アポロ5)をバックハンドに使ってみようと感じて、試してみました。それではApollo 5 (アポロ5) 38°のレビューをしていきます。

性能値

 硬度計での硬さ比較になります。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet-Sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
Apollo 5 38°5135.840.254.253.3-4.420.92
Jupiter II
Blue Sponge
39°
5232.838.351.751.7-5.580.00
Venus II
Blue Sponge
5032.635.551.451.0-2.920.42
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Hurricane Pro III
Turbo Blue
5836.841.453.157.6-4.67-4.50
Triple Double Extra5025.131.842.146.1-6.67-4.00
Rakza Z Extra Hard5530.330.846.547.8-0.50-1.25
Rasanter C535228.426.142.839.22.333.67
Hybrid K35128.525.342.240.33.171.92
Omega VII
China Ying
6134.734.851.049.6-0.171.42
Hurricane NEO III
Blue Sponge
4729.833.245.644.9-3.330.67

 Moon Blue Sponge (月ブルー)でも言及しましたが、やはり中国製ラバーということで重いです。全て50 gを超えてくる、ということで使用者を制限する重さですね。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは高価な分、軽くて50 gを切ります。そしてApollo 5 (アポロ5)は中国製粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジの方が硬いラバー群の1枚ですね。個人的にはこういうラバーは相手の回転の影響に敏感ではありますが、球持ちが良くて好みです。Apollo 5 (アポロ5) 38°は思ったより硬く、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に匹敵する硬さ、という結果になりました。38°でここまで硬いのは違和感ありますが個体差ですかね?

アポロ5の貼りと重量

 5枚合板のVirtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼りました。

Jupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、38°、40°
・3,480円 + 税
・74 g (切断前) → 51 g (Virtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼って)

 中国製らしい強粘着ラバーでした。中国製の粘着ラバーはやはりこのベタつきがいいですよね。そしてコチコチということで、癖のあるラバーであることは間違いありませんね。

Apollo 5 38°の3つの特徴

強粘着とカチコチの共演!

 Apollo 5 (アポロ5)はカチコチですね。このカチコチがポイントでループドライブのエグイ回転量を特徴としながら、簡単に弾けるので、スマッシュで決めにいけるような戦型にバチっとあるようなラバーになります。カチコチラバーであるためなかなかApollo 5 (アポロ5)はくい込みにくいラバーになるため、スピードドライブはくい込ませる系のスピードドライブではなく、擦る系のスピードドライブがメインになるのではないかと思います。イメージではスピード重視のドライブではなく、最大でもスピン5、スピード5のドライブが安定するようなスピードドライブのイメージになるかなーと思います。柔らかい38°や、まだ使っていませんが36°の硬度のApollo 5 (アポロ5)を選んで、思い切りぶつけてインパクトを出せば、くい込ませるスピードドライブも可能になってくるかもしれませんが、硬度計で測っても38°でカチコチ感が凄いので、そういう設計のラバーになるのかなーと思います。Nittaku (ニッタク)さんのHurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウPro3ターボブルー)なみか、それ以上にくい込ませるドライブが難しいイメージです。3球目スピードドライブをメインで考える場合は難しさを感じると思うので、気を付けてほしいと思うところです。

Apollo 5 (アポロ5)の38°で、台上や球離れを活かしたバックハンド技術は操作性〇!

 38°を今回使ってみて、微妙に柔らかいので思ったよりも球を持ったりできた印象です。ツッツキ、ストップ、ミートも球持ちを感じられました。ただ他のラバーと比べるとやや硬いので、40°と比べた体感やりやすいと感じたレベルですね。また5枚合板のラケットに貼ったので、弧線が普段より強く感じ、かつ飛距離も抑えられたためにも、操作性が良いと感じた部分はあったかと思っています。
 そういった副次的な操作性の良さを感じつつ、Apollo 5 (アポロ5) 38°はバックで十分使えると感じました。特にツッツキ、ミート、あとフリックまたは乗せ打ちのような打ち方をするときにバックハンドでやりやすいと感じました。逆にドライブは硬すぎるのと球離れが早いことがあるので、ナックルをドライブするくらいならいいですが、ぶち切れのボールを持ち上げるのは苦労しそうな気がしました。

バックで使えてバックハンドループの質がかなり高い!

 持ち上げるのはやや難しい感はありますが、カチコチラバーのため回転量はえぐく、しっかり身体でバックハンドループドライブが打てれば、バックハンドのループドライブで点数を稼げるレベルでした。バックハンドドライブは、多分一発狙うのはレベル差があるときか、バックハンド主戦型の取れる戦術で基本フォアハンド主戦はバックハンドドライブは、とっさのループさえできれば十分合格だと思ってます。そういうループドライブで点数も狙えるなら十分良い選択肢になると思います。
また粘着なので、ストップやツッツキも非常に質高く返球できるはずですので、相手が打ち急げば打ち急ぐほど懐深い卓球ができるかもしれませんね。個人的にやりにくいと感じた技術はやはりブロックで硬い分、角度がすべてで角度を間違えるとオーバーかネットミスしてしまうと感じました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 軽く使いましたがフォアには個人的には40°でいけると思います。ただ、くい込ませた感がないラバーなので、その感覚が好きな人には少し敬遠されるかもしれません。キョウヒョウよりもミート打ちやスマッシュがしやすいラバーなので、下がらず前陣で使う選手にはあうと思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 カチコチなので、思い切りぶつけて感じになると思うのですが、ラケットによっては回転がかからず沈まないことがあるので、このあたりの修正はいるかもしれません。少し中陣からのドライブがやりにくいと感じました。

面を開いたドライブ
 面を開いた方が良いのは明白ですが、くい込みにくいのでそれでも上へスイングすることになると思います。 

対下回転に対するループドライブ
 しっかり準備すればかなり質の高いループドライブが打てると思います。どうしても硬い分、インパクト強めに打つことになると思いますので、思い切って打球点を落として低くツーバウンドを狙うぐらいでちょうどいいと思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 これはやや難しいです。コスリ強めの方が安定はすると思いますが、スピードが出しづらいと思います。 

カーブ/シュートドライブ
 ややくい込みにくいので、打点を落としてカーブしてもあまり曲がらないかもしれません。シュートは打点を早めにとると思いますので、威力が出しやすいと思います。

ブロック
 難しいですね。硬いから仕方ないですが。まだ38°は気持ちやりやすいかもです。

カウンタードライブ
 カウンターはしやすいというか、相手の回転はあまり影響されにくいですが、とっさのカウンターはくい込ませられるほどインパクトを出せなくて落ちる、ということがありそうです。

ストップ / ツッツキ
 ぶち切れが簡単に出せます。飛距離が出やすいですが、多少思い切り切って相手をけんせいするのはありかもです。

フォアフリック

フォアサーブ
 切れますね。巻き込みでも下回転が切りやすいです。 

バックハンド系

軽打
 硬いですね。ミートに寄せた方がいいかもです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 少し難しいです。それはやはり硬さからくるインパクト不足ですね。こういう硬いラバーは結構振り遅れしたりインパクト強すぎてオーバーしたり、安定させることが難しいです。

対下回転に対するループドライブ
 入ればエグイ回転の超ループになります。上方向に振る意識が良いと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 このApollo 5 (アポロ5) 38°の場合、ミート打ちか乗せ打ちの方が楽にスピードが出せると思います。

チキータ
 できますが、自分の力量ではなかなか使いこなしが難しいと感じました。

ブロック
 やりにくいですね。できなくはないですが。

カウンタードライブ
 回転重視のかけ返しに近いカウンターは自分には難しかったです。

ツッツキ
 切れていいですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO IIApollo 5 > Tenergy 05

スピード
 Tenergy 05Apollo 5Hurricane NEO II

 

レビュー Rasanter C45 (ラザンターC45)

説明

 andro (アンドロ)さんの大人気ラバー、Rasanter C45 (ラザンターC45)をレビューします。もしかしたら一般層にとっては、硬いRasanter C53 (ラザンターC53)Rasanter C48 (ラザンターC48)よりも、人気のラバーなのかもしれないですね!柔らかい硬度で、かつ球を持ちやすいシート形状ということでイメージとしてはTenergy 05 FX (テナジー05FX)と同系統のラバーといえるかなーと思います。まだ試打できていませんが、DNA Platinum S (DNAプラチナS)も近いラバーではないかと思いますね。柔らかいラバーとなると、回転量は落ちますが、その分容易に回転をかけられるので、バックに貼ってもスピードドライブやスピードチキータがしやすいことが特徴の1つになってきますよね。またブロックもしやすかったり扱いやすいということも特徴として挙げられると予想されますね。そのあたり確認していきたいと思います。そもそもRasanter (ラザンター)は非常に人気のラバーとなった印象で、You tubeを中心に流行っているイメージですね。2024年春はRasanter (ラザンター)の新商品の発売はないようです。ちなみに最新のハイエンドラバー、Nuzn (ヌーズ?)も英語などのサイトでは掲載されていますね!秋くらいに発売でしょうか、気になります!それではRasanter C45 (ラザンターC45)を確認していきましょう。

Rasanter (ラザンター)シリーズ

 Rasanter C Serieas (ラザンターCシリーズ)はシートの粒形状を変更し、微々粘着系のテイストを加えたラバーになっています。粘着は近年一つの流行ではありますが、中国製粘着などと比べると、Rasanter C Series (ラザンターCシリーズ)は粘着感はほとんどなく、スピン系テンションらしさの方が強いですね。ボールをしっかりカミつきつつ、初速から相手のコートに向けて伸びる感じがあるラバーになってきていると思います。またシートの硬さがしっかりあるため、カウンターもしやすいラバーシリーズになっています。Counter Spin (カウンタースピン)のC Series (Cシリーズ)ですので、時代にあったラバーだと思いますね。

 まずはandro (アンドロ)さん公式HPのRasanter C45 (ラザンターC45)の説明ですね!

カウンタースピンダンパー搭載 高次元の回転力と安定感の両立

 ラザンターC48の高性能はそのままに、エナジー・セル搭載の45度スポンジを合わせることで最高級の球持ちを実現。攻守のバランスや回転量を求めるプレーヤーにオススメ。

https://www.andro.de/ja/rasanter-c45jp

 安定感が売りだということがよくわかりますね。やはり柔らかいラバーを選ぶ一番の理由は安定感を求めるからでしょう。

 ラザンターのVは「Velocity」=速さRは「Rotation」=回転、という意味を持たせてネーミングされています。今回のCは「Counter Spin」=カウンタースピン、というネーミングになります。andro (アンドロ)初の粘着ラバーとして、そしてEnergy・Cell (エナジー・セル)搭載の新ラバーとして発売されたのが、Rasanter C53 (ラザンターC53)Rasanter C48 (ラザンターC48)、そして本ページのRasanter C45 (ラザンターC45)ですね。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。探してみましたが、見つけられませんでした。ボールの変化もあるためか非公表のようですね汗。

SpinSpeedControlSponge Stiffness
Rasanter C531301148753
Rasanter C481291138948
Rasanter C4545
Rasanter R531251188753
Rasanter R481241198948
Rasanter R451231179145
Rasanter R501221208050
Rasanter R471211198547
Rasanter R421191169342
Rasanter R371171129737
Rasanter V471191218847
Rasanter V421161199642
Hexer Power Grip1181177947.5
Hexer Grip1171138345.0
Hexer Power Grip SFX1231099742.5
Hexer Grip SFX1231069940.0
GTT45108999145.0
GTT40108939940.0
Plaxon 5251081168052.5
Plaxon 4501081088945.0
Plaxon 400911059140.0
Plaxon 350108989635.0

 ラザンターCシリーズは他のエナジーセル搭載のラザンターラバーよりも、スピード性能が5ポイント程度下がっています。その分スピン性能は抜群に高くて、Rasanter R53 (ラザンターR53)でもかなり高かったですがR53からさらに5ポイント高くなっています。テナジーシリーズの05的ポジションのイメージだと思うとよさそうですね。硬度から、Rasanter C53 (ラザンターC53)が、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)Rasanter C48 (ラザンターC48)Tenergy 05 (テナジー05)のようなラバーととらえて良いのではないかと思いますね。もちろん打球感は、やや異なりますが性能は次のようにまとめることができるでしょう。

Rasanter C53Tenergy 05 Hard
Rasanter C48Tenergy 05
Rasanter C45Tenergy 05 FX
Rasanter R53(Tenergy 80 Hard)
Rasanter R48Tenergy 80
Rasanter R45Tenergy 80 FX

 続いて硬度計での硬さの確認になります。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet-Sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
Rasanter C455028.923.240.136.85.83.3
Rasanter C485030.325.340.838.85.02.0
Rasanter R484831.525.339.636.06.23.6
Rasanter C535228.426.142.839.22.33.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Tenergy 05 FX4628.821.437.834.77.33.2

 Rasanter C45 (ラザンターC45)は、想定より重い値となりました。固体差でしょうか。やはり硬度はRasanter C48 (ラザンターC48)と比べて全て柔らかいですね。

C45の貼りと重量

 今回はMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)に貼りました。

Rasanter C45 (ラザンターC45)
 微粘着テンション
・Sponge Thickness:2.0/Ultra Max mm
・Sponge硬度:45°
・7,200円 + 税
・73-4 g (シートなし、切断前) → 50 g (馬林ハードカーボンに貼って)

 シートに粘着は感じませんでした。微微々々粘着という感じでしょうか。最近のドイツ製粘着テンションのようなシートだと思います。重量は、50 gで予想より重いです。やや硬めのシートですが、ボールに吸い付くような感じがあり、扱いこなせれば高い回転性能の得られるシートだと思いますね。

Rasanter C45の3つの特徴

 抜群の扱いやすさと安定感でしたね。やはりバックハンドに持って来いの安定感でラリーが良く続くようなラバーでした。バックハンドで安定感と、プラスαを求めるなら、選択肢の1つとして良いと思います。また近年のトップラバー群は、柔らかい硬度でもストップがやりやすいです。これはシートの進化があるのではないかと思いますね。ツッツキ、ストップが止められるなら柔らかいラバーへ移行するのもありだなーと感じました。

バックに持ってこい!チキータ、ドライブ、ブロックなどなど技術がやりやすい!

 練習などしなくても簡単に合わせやすくて使いやすかったです!スピードドライブの角度は修正要でしたが、その他の技術、入れるチキータやドライブ、ブロックなどは入る角度やスイングの強さの幅が広く、違和感なく使えました。最近プラボールが硬くなって回転や球質で決まりにくくなっているので、思い切ってラリー志向をあげて、こういったラバーを使うのもありだなーと改めて思いました。

ツッツキ、ストップが質高い!

 最近のラバーの素晴らしい点ですね。スピードが出しやすいRasanter V47 (ラザンターV47)は、ストップやツッツキが難しかったです。最近のラバーでもDignics 80 (ディグニクス80)もツッツキはいけますが、ややストップが難しいんですよね。使いやすいと感じた意外なラバーはV>22 Double Extra (V22ダブルエキストラ)Evolution MX-D (エボリューションMX-D)などですね。最近のラバーは弾むのに結構ストップしやすいんですよね。この心はラバーにもよりますが、シートが一番重要だと思います。シートが硬いため、シートだけで打球するようなタッチで止まるんですよね。柔らかいのに、シートの力によって、Rasanter C45 (ラザンターC45)もストップが良かったです。Rasanter C series (ラザンターCシリーズ)はかなりストップがやりやすいので、自分に合った硬度を選ぶことはアリですね!

ラリー力が素晴らしい!

 試合で強烈なスピードドライブを打たれても、柔らかいスポンジで相手のボールを上手につかんで威力を吸収してくれるラバーでした。硬いラバーはかなりシビアなのですが、やはり柔らかいラバーはブロックがしやすいですね。 

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に変な感じはなかったです。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 個人的には柔らかすぎて無理でした。くい込みすぎて板に当たっている感じがあり、くい込ませないで打とうとすると柔らかすぎて酷いとボールが落ちます。こういうことがあるため、柔らかいラバーはやはりフォアにはあわせませんね。

対下回転に対するループドライブ
 柔らかすぎて、回転量はそこまで高くないと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすいです。

ブロック
 やりやすかったです。良く止まります。

カウンタードライブ
 ミート系のカウンターの方がやりやすいかもですね。

ストップ
 粘着ラバーまではいかないものの、やりやすさを感じました。止まりまくりです。

ツッツキ
 軟らかいので、切るのはシートだけを意識しないと切りにくく、切れたと思ってもあまり切れていないと思います。

バックハンド系

軽打
 違和感ありませんでした。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 馬林ハードカーボンのせいですかね、少し飛距離が出すぎました。馬林ハードカーボンは打感について違和感なく移行できそうだったのですが、使っていくと、オーバーミスが多いんですよね。カーボンがノーマルカーボンで直線的で弧線を描かないのだと思います。上板硬めのインナーカーボンで良いのですが、カーボンらしい直線性が前へ出ていることに慣れないと使いこなせないと感じました。
 C45はその中でも柔らかいので、ゆっくりふってもくい込みでしっかり回転がかかりますね。自分のスイングをしっかり確認しながらスイングできるのは技術確認や打点を確認するとき、制御したいと思うときに非常に良いですね。

対下回転に対するループドライブ
 やりやすかったです。しっかりボールをかみますね。回転量も思ったよりあった気がしました。 

対下回転に対するスピードドライブ
 角度は結構被せた方がいいんですよね。最近分かってきた気がしています。

ブロック 
 やりやすかったです。最強の安定感。

カウンタードライブ
 ミート系の方が良かったです。

ストップ
 良く止まります。いいですね。安定感を求めるならありです!

ツッツキ
 ストップの質が高いのでそちらを良く使った方がいいと思います。

チキータ
 やりやすかったです。スピードも出しやすいですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05Rasanter C45Tenergy 05 FX

スピード
 Dignics 05Rasanter C45Tenergy 05 FX

https://amzn.to/3USjfwU

レビュー Tenergy 25 (テナジー25)

説明

 Butterfly (バタフライ)さんのTenergy 25 (テナジー25)をレビューします。なかなかレビューできていなかったですね。今年の春は新商品の動向はそこまで激しくなく、試打ラバーはそこまで増えないのかなーと感じている今日この頃ですね。個人的に期待していたXIOM (エクシオン)さんの新作Omega VIII (オメガ8)シリーズの発売を楽しみにしていました。しかしながら、日本ではまだ未発売で海外か韓国など本国で、先行発売のようですね。韓国代表男子が2024年世界卓球団体で中国男子チームに肉薄しましたから韓国における卓球熱も熱くなっているのではないかと思いますね。今のうちに試打できていなかったラバーを試打しようというkatsuo000の魂胆です。
 さてさてTenergy 25 (テナジー25)ですが、知り合いの方もメインラバーで使用されていて、結構いやらしいなーと感じていました。どのようなラバーなのか実際に使ってみて把握したいと感じて、積みラバーしている山から探し出して今回試打しようと思い立ちました。このTenergy 25 (テナジー25)というラバーは、Tenergy (テナジー)を冠するラバーですが、めちゃめちゃ癖のあるラバーですね。想像以上に癖があったので、同じ裏ラバーであったとしても、試合前の段階でラケット交換時に確認したら、気にした方がいいラバーではないかと思います。粒高と同じレベルかもしれないですね。

Tenergy (テナジー)シリーズ

 久々のテナジーですね、ということでもう耳タコかもしれませんが、Tenergy (テナジー)シリーズについて説明していきたいと思います。Tenergy (テナジー)がTenergy (テナジー)たり、特徴を引き出すために忘れてはならない理由はオレンジ色のスポンジ、Spring Sponge (スプリングスポンジ)ですね。硬さの割にくい込みがよい点が特徴で、過去はButterfly (バタフライ)だけのスポンジでした。もちろん今でもButterfly (バタフライ)さんだけのスポンジなのですが、類似の性能を示すスポンジがドイツメーカーでも生産できるようになってきたと感じます。性能は類似ですが、Spring Sponge (スプリングスポンジ)でなければ再現できない点として、重量が挙げられますね。とにかくSpring Sponge (スプリングスポンジ)は軽いです!Butterfly (バタフライ)さんのラバーの特徴でもありますね。とにかく軽く、同性能の他メーカーのラバーと比較すると3~5 g程度軽いと思います。世界のトップ選手は1秒より短い時間を競う世界でスピードと威力、そしてラリーが続くようになって持久力、が問われるようになったのではないかと想像します。そんな世界で競い合うにはButtterfly (バタフライ)は1つの選択肢だと思います。一般層においてもラケット重量が軽くできる点は非常に魅力だと思いますね。現在はSpring Sponge (スプリングスポンジ)から進化したSpring Sponge X (スプリングスポンジX)を搭載するDignics (ディグニクス)シリーズが発売されて、やや存在感は減った部分があるかと思いますが、それでも一般層では存在感は健在だと思います。
 続いてTenergy (テナジー)の特徴はテンションがかかったトップシートですね。このトップシートは5種類あり、それぞれ特徴があります。

トップシートの粒形状

 テナジーはトップシートに採用している粒形状によって、それぞれのラバーの特徴がわかれます。現在までにシート形状の違いによって05、80、64、25、19と5種類が存在します。それぞれのトップシートにはそれぞれキーフレーズが付されて販売されており、「回転の05」「バランスの80」「スピードの64」「前陣の25」「パワーの19」というキーフレーズを冠されて発売されています。
 Tenergy 25 (テナジー25)のトップシートには、「開発コードNo. 25」が採用されています。台上プレーにおけるスピンやカウンタープレーにおいて優れた性能と攻撃力を示すのが特徴ですね。
 No. 051.7 mmの粒間隔が狭い。回転性能が高い。
 No. 25:2.65 mmの粒の高さが低い。台上プレーやカウンターがやりやすい。
 No. 641.7 mmの粒間隔が広い。スピード性能が高い。
 No. 1801.7 mmの粒間隔が中間。回転もスピードもバランスが取れている。
 No. 2091.5 mm粒の高さが低い。粘着力と弾みを高次元に両立する。
 No. 2191.5 mmの粒間隔が狭い。ボールをよくつかみパワーを出しやすい。
トップシートは既に200番を超え、それだけの粒形状について検討してきたことがわかりますね。上記には粒について言及していますが、粒形状には、粒の高さ、粒の太さ、粒の間隔の3つの因子があり、それらを、おそらく粒の太さだけでも0.01 mm~3.00 mm位(これだけでも300種類)でふっているんでしょうか。粒の高さ、感覚のコンビネーションがいくつあるかわかりませんが、1000種類くらいありそうですね。細かくふるよりも狙いを定めたり量産技術を考慮して狙いを定めて開発しているのだと思います。こういった検討、理系卓人のkatsuo000も是非やりたいですね~。楽しそうだなーと思ってしまいました。(苦笑)Tenergy 25 (テナジー25)はかなり初期に発売されていて、Tenergy 05 (テナジー05)とは方向性が異なるラバーとして発売されたのかもしれませんね。
 Tenergy 25 (テナジー25)はTenergy (テナジー)シリーズの中でも異色のラバーではないかと思います。まず、粒形状が極めて太く、粒が太いとされるTenergy 05 (テナジー05)の粒の太さが直径1.7 mmに対し、このTenergy 25 (テナジー25)はなんと、2.65 mmと1 mm近く厚い形状となっています。この太さは、例えばHurricane (キョウヒョウ)などの粘着ラバーにみられるような粒の太さですね。この太さによってラバーへのくい込み感が少なく、回転のかかったボールに対しても影響を受けずに打ち返すカウンターがしやすいといえるのでしょう。また腐ってもTenergy (テナジー)ですので、回転もしっかりかかると思われます。くい込ませて球をもって回転をかける、というよりは擦って回転をかける系のラバーであるといえるでしょう。

公表性能値

 Butterfly(バタフライ)さんの公表性能値 (旧と新)を示します。

 テナジー25の注目ポイントは、Tenergy 05 (テナジー05)と同等の回転性能、Tenergy 05 (テナジー05)を超える高い弧線でしょうか。逆にスピード性能はやや低いのも特徴と言えるかもしれません。スピード性能がやや低いということでトップ選手で愛用されない理由がこの部分にありますね。中陣から後陣で勝負したり、威力が出したりできないといえるのでしょう。男子トップ選手は特にドライブ主戦型が多いのでなかなか受け入れられないでしょう。

やりやすい技術

 Butterflyさんホームページ上には、各テナジーのやりやすい技術についてレーダーチャートが掲載されています。各技術のやりやすさを、モノサシで測り、その数値を下記図にしてみました。項目は
 ・ループドライブのかけやすさ
 ・スピードドライブの打ちやすさ
 ・カウンタードライブのやるやすさ
 ・台上プレーのやりやすさ
 ・ブロックのしやすさ
 ・スマッシュのしやすさ

の6つになります。個人的に重要な項目はループドライブ、スピードドライブ、台上プレー、ブロック、カウンタードライブになります。スマッシュも粘着ラバーでなければ慣れで打てるでしょう。

 このチャートを見ると、テナジー25は、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)に似た部分が多く、唯一スピードドライブがやりにくいラバーといえるでしょう。Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)はスポンジの硬さによって近い性能が得られる一方、テナジー25はシートの硬さでその性能を出しているということで、本質的にはかなり異なると思います。

おすすめラケット組み合わせ

 メーカー推奨の組み合わせも掲載されるようになりました。こちらも掲載していこうと思います。以下全てButterflyさんホームページより引用させていただきました。

Tenergy 25(テナジー25)
 ・Jun Mizutani Super ZLC(水谷隼Super ZLC)
  相手のプレーを利用したい選手へ
 ・Inner Force Layer ALC.S(インナーフォースレイヤーALC.S)
  前陣で回転を駆使する選手へ

 テナジー25のスピード性能をSuper ZLCで補うか、回転と前陣に特化するか、という提案といえるでしょうか。特徴のあるテナジー25の特徴を補うか活かすか、の2択というのは面白いですね。個人的には特徴を活かすInner Force Layer ALC.S(インナーフォースレイヤーALC.S)との組み合わせが気になりますね。

硬度比較

 硬度計で硬さを比較しました。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetSpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Tenergy 254931.625.342.838.56.34.3
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Tenergy 05 Hard5035.832.647.746.93.20.8
Rozena4831.425.942.438.85.53.7
Glayzer4630.021.041.245.89.05.3

 shore aでの硬度をみると、05系のラバーと同じくらいの硬度を示していますが、shore c側で比較すると、柔らかさがよくわかりますね。ただこの硬度よりも特徴の方が尖っているので、そちらの方が気になってあまり硬度は気にならないかもしれません。

テナジー25の貼りと重量

 今回は5枚合板のVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)にはりました。

Tenergy 25(テナジー25)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:中(1.7 mm)、厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:11 (旧)、76
・スピード:13.25 (旧)、64
・弧線:86
・Sponge硬度:36
・オープン価格(8,900円 + 税)
・72 g(切断前) → 約49 g(Virtuoso+ (ヴィルトーソ+)に貼って)

 テナジー25はバタフライのラバーの中では重い方で、それでも40 g後半におさまる軽量なラバーになりますね。

Tenergy 25の3つの特徴

1. 全然くい込まない!くい込まないことが特徴!

 まず驚きだったのが、ドライブが全然伸びません汗。打点を落とした時なんかは顕著なんですが、くい込まないんで、全然ドライブが伸びないんですね。5枚合板ラケットで重みもあるVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)に貼っていて、伸びがないということなんでくい込ませて伸びのあるドライブを打つことは出せないといえるでしょう。これは面白かったですね。Tenergy (テナジー)やDignics (ディグニクス)特有のボールの高く跳ね上がる伸びは、このラバーに期待しない方がいいかもしれません。むしろ、この硬さでも思い切りくい込ませてられれば、ものすごい癖球が出るのかもしれませんが、やや非現実的な気がしました。そういった癖を求めるならラケットは合板系ではなく、硬い方がいいでしょうね。SK Carbon (SKカーボン)とかが良いかと思います。とにかく、このラバーはくい込ませて打つラバーではなく、擦って回転をかける系のラバーですね。特徴から自ずと下がってくい込ませて飛ばす系のドライブはあまりむかない一方で、くい込みにくいので相手の回転にも負けず、カウンターで打ち返しもしやすいラバーでもありますね。スピンテンション系ラバーですが、スピンテンション系というより高弾性によったラバーといってもいいかもしれません。高弾性と考えてアウターカーボン系のラケットに貼っても面白いと感じます。
 またくい込まないので、厚く当てたときの球離れはかなり早くて表ラバーのような部分もありました。相手の時間を奪うこともできるんですね。昨今のハイテンションラバーとは明らかに逆ぶりしたような性能とも言えると思います。球離れの早さで攻めるのも面白いかもしれません。

2. 擦る系の打ち方で回転性能が高い!くい込ませてドライブはむかないかも。

 粘着ラバーのように粒形状が太いので、回転性能はやはり高かったです。ただこれはVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)のおかげもありそうな気がしました。硬いラバーでシートで擦る系がもちろん良い回転量を得られる打ち方になりますね。昨今のくい込ませて回転をかける系のラバーとは、真逆のラバーなんで打ち方を変える必要を感じるかもしれませんね。擦る系なんで低くて浅いループドライブをしたいなら、かなりとてもやりやすいラバーですし、相手のドライブに対し、カウンターループドライブみたいなのもかなりやりやすいと思います。感覚を覚える意味でもいいラバーかもしれませんね。特に浅いボールを意図的に打ちたいならかなり面白いラバーだと思います。チキータも自然と浅くなるので、安定感が出ると思いますね。

3. ブロックが容易

 シートが全然変形しないので、相手の回転の影響は本当にないですね。飛距離が勝手に出すぎることもないので、ブロックは本当にやりやすいと思います。これはこれで壁や盾として使えるラバーだなーと感じました。一方で伸ばす系のアクティブブロックはくい込まないので、やりやすいかもしれませんが、ボールの伸びは得づらいと感じました。この部分が昨今の硬いラバーとは似て非なるラバーと言えそうだなーと感じました。これは唯一無二で面白いですよ。レビュワーとしてこういうラバーに出会えるのは楽しいですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Tenergy25 > Rasanter V47

スピード
 Dignics 05 > Tenergy25Rasanter V47

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レビュー Liberta Glorious (リベルタグロリアス)

説明

 Darker (ダーカー)製のラケット、Liberta Glorious (リベルタグロリアス)をレビューします。Darker (ダーカー)といえば、ヒノキ単板ラケットで有名なブランドで、ペンドラ御用達のブランドになりますね。近年はLiberta (リベルタ)シリーズというラケットシリーズを展開しています。このLiberta (リベルタ)シリーズでは、特殊素材としてIZANAS (イザナス)という繊維を採用しています。IZANAS (イザナス)は超高分子量Polyethylene (ポリエチレン)系の材料ということで、他社の繊維とは化学構造から大きく異なる繊維ではないかと思いますね。このあたりに注目してレビューしていきたいと思います。

Izanas (イザナス)

 他社と差別化が計られているだろう、Liberta (リベルタ)シリーズの特徴であるIzanas (イザナス)について確認していきたいと思います。他社がよくもちいているArylate (アリレート)、Aramid (アラミド)、Zylon (ザイロン)、などとは化学構造が大きく異なっていて、Aromatic (芳香族)構造を全く含まないPolyethylene (ポリエチレン)系の繊維になりますね。それでは各素材について確認していきます。

Arylate (アリレート)
 Arylate (アリレート)といえばButterfly (バタフライ)の商標登録された繊維で、芳香族ポリエステル系の繊維ではないかと思います。近い素材と感じたのはmizuno (ミズノ)さんのDual Web (デュアルウェブ)というポリエステル繊維ですね。木材よりもクッション性と一定の硬さのある繊維のイメージで、ボールを掴んで飛ばすことのできる特殊素材の代名詞だと思います。未だに卓球界で主力の特殊素材であり、カーボンの硬さを補って柔軟性とか球持ちを与えるためにカーボン繊維とArylate (アリレート)繊維を編み込んだ素材がALC (アリレートカーボン)になりますね。katsuo000も大好きな素材で、ただのカーボン繊維と比べるとドライブ強打時でも確かな球持ちと強い弧線を示してくれるとともに、カーボンらしいスピードと威力の出しやすさ、は世界中で認められる特殊繊維の構成だと思います。他の素材と比べても高いわけでもなく非常にオススメの素材ですね。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC) (廃盤)
 ・Zhang Jike ALC (張継科ALC) (廃盤)
 ・Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット) (廃盤)
 ・Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5) (アリールカーボン?海外製)

Aramid (アラミド)
 先述のとおりArylate (アリレート)はButterfly (バタフライ)の商標登録された繊維であり、しかもワールドワイドにラケットにおける世界標準となっています。他社ブランドも、使いたい!となるのですが、商標登録の壁などがあるようでなかなか使えず、世界的に広まっているArylate (アリレート)に近い繊維は、こちらのアラミドになりますね。アラミドは防弾チョッキにも採用される硬い繊維で、Aromatic (芳香族)構造に加え、amide (アミド)結合を有し、分子間や分子内で水素結合するので、比重はArylate (アリレート)に近いと思いますが、Arylate (アリレート)よりも硬いイメージになります。海外製のラケットに多く採用されていてAramid (アラミド)カーボン ≒ ALC (アリレートカーボン)と位置付けて卓球王国などでは紹介されていますね。katsuo000としては、じゃっかんAramid (アラミド)カーボンの方が硬いイメージがありますが、ALC (アリレートカーボン)をAramid (アラミド)カーボンに変更したラケットというものがあるわけではないので、そのあたりはよくわかりません。使い込んでいくと徐々にALC (アリレートカーボン)のように柔らかくなる感じがある気がしますが、ALC (アリレートカーボン)も使い込むとさらに球持ちが上がる気がします。素材が完全に同じではないので、やはり微妙に異なる気がしています。なお、Aramid (アラミド)繊維には多くの種類が存在し、Kevlar (ケプラー)繊維もAramid (アラミド)繊維のうちの1つになり、KLCはKevlar (ケプラー)カーボンになりますね。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Tornado King Speed (トルネードキングスピード) (廃盤)
 ・Tornado King Power (トルネードキングパワー) (廃盤)
 ・970XX-KLC (海外製)

Zylon (ザイロン)
 ザイロンは現在Butterfly (バタフライ)さんの主力繊維の一つで、過去はArylate (アリレート)繊維のみを採用したラケットが種々存在しましたが、現在は廃盤となりZylon (ザイロン)繊維のみを採用したラケットが主ですね。Zylon (ザイロン)はArylate (アリレート)よりもAromatic (芳香族)性が高い材料で、Arylate (アリレート)と化学構造で異なる点は、窒素原子を芳香族部に有する構造になりますね。この結果、Aromatic (芳香族)部の電子の偏りが生じ、強固な分子間力が得られているような繊維だと思います。要は、Arylate (アリレート)繊維よりも極めて硬い繊維であるといえますね。
 またALC (アリレートカーボン)を超える威力と球持ちを求めると、Zylon (ザイロン)とカーボンを編み込んだZLC (ザイロンカーボン)が挙げられます。katsuo000もこちらの繊維も使っていた時代がありますね。個人的にはインナーに配したラケットはこするときと厚く当てた時の差が大きくなって苦手と感じたので、使うならアウター系が好きですね。またZylon (ザイロン)ファイバー (ZLF)を配したラケットは木材系と変わらぬ球持ちと威力およびスイートスポットの拡大が計られたラケットとなり、非常に使いやすくてオススメです。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) (廃盤)
 ・Mizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC)
 ・Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)
 ・Inner Force Layer ZLF (インナーフォースレイヤーZLF)

Izanas (イザナス)
 やっとここまで来ました汗。Izanas (イザナス)は超高分子量Polyethylene (ポリエチレン)繊維ということです。Polyethylene (ポリエチレン)とは、ジップロップやユニパックなどで使われている透明で柔らかい材料になります。超高分子量化することで、分子の結晶性があがり、性質も大きく変わる材料になります。他の特殊繊維と比べるとAromatic (芳香族)を有さないため、熱履歴の影響を受けやすいのではないかと思いますね。素材の原料はおそらく安いので、その分他の部分にお金を掛けられるのではないかと想像します。また材料から密度が低く軽量化をはかりやすい材料でもあると思います。釣り糸などに採用されていて、防弾チョッキに採用されるAramid (アラミド)よりも軽く軟らかさのあるような材料ではないかと想像して今回購入しました。実際に試打してみてこのあたりはコメントしたいと思います。

Liberta (リベルタ)シリーズ

 Liberta (リベルタ)シリーズは2023年までに6種類が存在し、それぞれ差別化されているようです。現在までに発売されているLiberta (リベルタ)シリーズについて、確認してきます。

Liberta Synergy (リベルタシナジー)
 Liberta (リベルタ)シリーズの代表的なラケットがこちらになると思います。インナーカーボンラケットであり流行りにしっかり乗っていますね。おそらく上板にLimba (リンバ)を採用し王道インナーカーボンラケットであるといえるでしょう。Izanas (イザナス)とカーボンを編み込んだIzanas Carbon (イザナスカーボン)を採用しています。ブレード面積はレギュラーの157 mmで普通の面積サイズになり、ブレード厚さは6 mmになります。ALC (アリレートカーボン)よりも吸収性のありそうなIzanas Carbon (イザナスカーボン)を使っていて、近いラケットはInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)が挙げられますね。

Liberta Synergy + (リベルタシナジープラス)
 Liberta (リベルタ)シリーズのアウターカーボンラケットになります。情報がないのでわかりませんが、おそらく上板にLimba (リンバ)を採用したアウターラケットではないかと思いますね。Izanas Carbon (イザナスカーボン)を採用し、ブレード面積はレギュラーの157 mmでブレード厚さは6 mmになります。近いラケットはMarcos Freitas ALC (フレイタスALC)やTornado King Speed (トルネードキングスピード) (廃盤)が挙げられますね。球持ちのあるアウターカーボンになります。また板厚を薄く5.8 mmにしたラケットがおそらくC-Hack (Cハック)になると思います。

Liberta Arcs (リベルタアークス)
 Liberta Synergy (リベルタシナジー)よりも硬く弾きの良さを付与したラケットがこちらになるそうです。板厚は5.6 mmと薄く、上板も硬い素材を使っているのではないかと想像しますね。今回のLiberta Glorious (リベルタグロリアス)を購入する際に最も迷ったのがこちらですね。名前からすると、弧線を強く描きそうですが、弾きも良いということで、今回は見送りました。現在かなり気になってはいるラケットでもあります。

Liberta Solid Aim (リベルタソリッドエイム)
 アウターにIzanas (イザナス)繊維を採用したラケットで、カーボンなしのラケットになります。板厚は6.0 mmとやや厚いですね。おそらくではありますが、飛距離はTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)の間にくるようなラケットだと思います。個人的に板厚6 mm以上は厚いイメージなんで飛距離が出しやすい分、弾むイメージですね。

Liberta Solid Pro (リベルタソリッドプロ)
 インナーにIzanas (イザナス)繊維を採用したラケットで、こちらもカーボンなしのラケットになります。板厚は6.0 mmですね。インナーに繊維を採用したラケとは各ブランド、1種類あるかないかですが、ほぼ木材に近いラケットで、スイートスポットが広く、相手のボールに対し振動しづらい以外はほぼ木材ですね。木材が好きな方はこのようなラケットがオススメです。おそらく、木材の方が癖球 (1球1球の球の変化)が出やすいイメージなので、その癖が欲しいなら木材の方が良いでしょう。

Liberta Glorious (リベルタグロリアス)
 今回レビューしたラケットになりますね。Izanas Carbon (イザナスカーボン)をインナーに採用したラケットで上板に硬めの素材を採用、粘着ラバーとの相性が抜群ということで、こちらを購入しました。板厚5.8 mmでTornado King Power (トルネードキングパワー)とほぼ同じ仕様のラケットになるのではないかと思って購入しました。そのあたりも触れていきたいと思います。

Liberta Glorious (リベルタグロリアス)

 届いたLiberta Gloriou (リベルタグロリアス)は88 gで標準的な重量でした。あまり軽いのは好みではないので、まずまずという感じでしたね。ラバーは今回、フォア面に省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジ (Hurricane NEO III Blue Sponge)を、バック面もHurricane NEO III (キョウヒョウNEO3)を貼りました。グルーはNittaku (ニッタク)製のFine Zip (ファインシップ)を使いました。

 やはりFine Zip (ファインジップ)を使うと重くなりますが、狙いでもありました。いろいろと試してきましたが、個人的にはFine Zip (ファインジップ)は層が厚くなりやすくてラバーの良さをぼかすので、好みではなくなってきています。接着力と安定感を考えるとやはりButterfly (バタフライ)のFree Chack II (フリーチャック2)がいいですかね。

リベルタグロリアルの3つの特徴

上板が硬く、かつ弾む!それでいて軽さもある!

 季節が冬ということもあるかもしれませんが、上板が硬かったですね。そして弾みを感じました。カーボンにガツンとあたっている感じがあって威力は申し分ないと感じたことも確かです。ただ、軽いんですよね。ここは好みがわかれる部分だと思います。7枚合板などのように重量系ではなく、5枚合板に近い軽さと振動を感じました。これはこのDarker (ダーカー)の本領なのかもしれませんね。この5枚合板らしさはkatsuo000はあまり好みではないのですが、5枚合板らしさを好むユーザーにはかなりささるイメージです。使い込んでいくことで球持ちを強く感じられるラケットに仕上がるのではないかと思います。

粘りのある打球感!

 Ma Lin Carbon (馬林カーボンと比較するとただのカーボンらしさではなく、特殊繊維と編み込んだ粘りのあるカーボンとなっていました。これは期待していた点であり、大事な特徴だと思います。ただのカーボンだけでは、球離れの良さがある一方で強打時に引っ張れないんですよね。この粘りのあるカーボンだけでは出せない打球感は期待していたもので、良かったです!

上板硬めのインナーカーボンで粘着との相性はいいものの使用者は選ぶ!

 インナーカーボンといっても上板が硬いので、これは使用者を選ぶやつだと思います。カチっとした打球感は好みが分かれると思います。一方で、粘着ラバーのスピードを補ったり、高い回転量を求めるとこういったラケットにたどり着くんですよ。個人的にTornado King Power (トルネードキングパワー)の代替となるようなラケットの探索はここで終わったのではないかと感じています。廃盤だったTornado King Power (トルネードキングパワー)と限りなく近いラケットはこのLiberta Glorious (リベルタグロリアス)だと感じました。ただ、使い込んであげないとやや硬さが取れていないので、すぐに本使用とはなりませんでした。またラケット重量もやや軽いのでこの部分は好みが出るかもしれませんね。柔らかいラバーを貼った時の回転量と質が今後気になっている点ですね。試打にどんどん組み込んでいきたいと思います!

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Timo Boll ZLF > Tornado King Power = Liberta Glorious > Ma Lin Hard Carbon

スピード
 Ma Lin Hard Carbon > Tornado King Power = Liberta Glorious > Timo Boll ZLF

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全日本選手権ランカーの使用用具 2024年 女子

位 選手 年齢
ラケット
フォア
バック

優勝~ベスト4

優勝 早田ひな選手 当時23歳
 ラケット:Hina Hayata H2 (早田ひなH2)、FL (特注)
 フォア:Hurricane (キョウヒョウ)、特注
 バック:裏ソフトラバー、特厚

準優勝 張本美和選手 当時15歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

3位 横井咲桜選手 当時19歳
 ラケット:Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

4位 赤江夏星選手 当時19歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

5位~8位

5位 平野美宇選手 当時23歳
 ラケット:Viscaria (ビスカリア)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

6位 木村香純選手 当時24歳
 ラケット:Inner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

7位 長﨑美柚選手 当時21歳
 ラケット:Viscaria (ビスカリア)、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

8位 木原美悠選手 当時19歳
 ラケット:非公開
 フォア:非公開
 バック:非公開  

9位~16位

9位 伊藤美誠選手 当時23歳
 ラケット:Mima Ito Carbon (伊藤美誠カーボン)、ST
 フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)、特厚
 バック:Moristo SP (モリストSP)、厚

10位 橋本帆乃香選手 当時25歳
 ラケット:Goriki (剛力)、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Do Knuckle (ドナックル)、中

11位 枝廣瞳選手 当時22歳
 ラケット:インナーフォースレイヤーZLC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

12位 南波侑里香選手 当時28歳
 ラケット:Acoustic Carbon (アコースティックカーボン)、FL
 フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)、特厚
 バック:Moristo SP (モリストSP)、厚

13位 芝田沙季選手 当時26歳
 ラケット:Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5)、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Hurricane (キョウヒョウ)、特厚

14位 佐藤瞳選手 当時26歳
 ラケット:Goriki Super Cut (剛力スーパーカット)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Do Knuckle (ドナックル)、中

15位 成本綾海選手 当時28歳
 ラケット:剛力、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Super Do Knuckle (スーパードナックル)、薄

16位 大藤沙月選手 当時23歳
 ラケット:張本智和インナーフォースALC、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚

2024年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。ラケットの分母は16、ラバーの分母は32になります。木原選手は非公開ですが、インナーカーボンでドイツ製テンションラバーと表ラバーとしてカウントさせていただきます。

 アウターカーボン率: 5/16 = 31.25%
  ALC:2、SUPER ALC:1、FE Carbon:2
 インナーカーボン率: 8/16 = 50%
  PKC:1、ALC:3、Super ZLC:1、ZLC:2、Vカーボン:1
 木材合板率: 3/16 = 18.75%
  7枚合板:3

 ディグニクス率: 14/32 = 43.75%
  09C率: 7/32 = 21.875%
  05率: 7/32 = 21.875%

 テナジー率: 3/32 = 9.375%
  05ハード率: 3/32 = 9.375%

 ドイツ製ラバー: 3/32 = 9.375%

 中国ラバー: 5/32 = 15.625%

 表ラバー / 粒ラバー: 6/32 = 18.75%

全日本選手権ランカーの使用用具 2024年 男子

位 選手 年齢
ラケット
フォア
バック

優勝~ベスト4

優勝 張本智和選手 当時20歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

準優勝 戸上隼輔選手 当時22歳
 ラケット:Fan Zhendong ALC (樊振東ALC)、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

3位 吉村真晴選手 当時30歳
 ラケット:樊振東ALC、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

4位 篠塚大登選手 当時20歳
 ラケット:Timo Boll ALC (ティモボルALC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

5位~8位

5位 大島祐哉選手 当時29歳
 ラケット:Synteliac VCI (シンテリアックVCI)、FL
 フォア:Rasanter C53 (ラザンターC53)、ULTRA MAX
 バック:Rasanter C53 (ラザンターC53)、ULTRA MAX

6位 宇田幸矢選手 当時22歳
 ラケット:バタフライ特注 (Inner ZLC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

7位 高木和卓選手 当時35歳
 ラケット:バタフライ特注 (ZLC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

8位 田中佑汰選手 当時23歳
 ラケット:Dimitrij Ovtcharov Inner Force ALC (オフチャロフインナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚  

9位~16位

9位 村松雄斗選手 当時27歳
 ラケット:7枚合板、FL
 フォア:V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)、特厚
 バック:Spectol S1 (スペクトルS1)、中

10位 松島輝空選手 当時16歳
 ラケット:樊振東ALC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

11位 横谷晟選手 当時21歳
 ラケット:Lin Yun-Ju Super ZLC (林昀儒SZLC)
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

12位 加山雅基選手 当時17歳
 ラケット:Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)、FL
 フォア:Dignics 80 (ディグニクス80)、特厚
 バック:Tenergy 05 (テナジー05)、特厚

13位 松平健太選手 当時32歳
 ラケット:MK Carbon (MKカーボン)、FL
 フォア:Hybrid MK (ハイブリッドMK)、MAX
 バック:Hybrid K3 (ハイブリッドK3)、MAX

14位 吉山僚一選手 当時19歳
 ラケット:Viscaria Super ALC (ビスカリアSALC)、ST
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

15位 丹羽孝希選手 当時29歳
 ラケット:Koki Niwa ZC (丹羽孝希ZC)、FL
 フォア:V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)、MAX
 バック:V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)、MAX

16位 小野寺翔平選手 当時23歳
 ラケット:ビスカリアSALC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

2024年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。ラケットの分母は16、ラバーの分母は32になります。

 アウターカーボン率: 10/16 = 62.5%
  ALC:4、SUPER ALC:2、ZLC:1、SUPER ZLC:1、クリプトカーボン:1、Zカーボン:1
 インナーカーボン率: 5/16 = 31.2%
  ALC:3、ZLC:1、ヴォルティーマカーボン:1
 木材合板率: 1/16 = 6.3%
  7枚合板:1

 ディグニクス率: 22/32 = 68.8%
  09C率: 8/32 = 25%
  05率: 13/32 = 40.6%
  80率: 1/32 = 3.13%

 テナジー率: 2/32 = 6.2%
  05ハード率: 1/32 = 3.13%
  05率: 1/32 = 3.15%

 ドイツ製ラバー: 7/32 = 21.9%
  ラザンターC53: 2/32 = 6.2%
  V>22: 2/32 = 6.2%
  V>20: 1/32 = 3.15%
  ハイブリッドMK: 1/32 = 3.15%
  ハイブリッドK3: 1/32 = 3.15%

 表ラバー (スペクトル): 1/32 = 3.15%

Hurricane (キョウヒョウ)の素晴らしさ

 Hurricane (キョウヒョウ)、たくさんの種類がある中、このページでお話させていただくHurricane (キョウヒョウ)はDouble Happiness Shanghai (紅双嬉、DHS)製のHurricane (キョウヒョウ)にフォーカスして記述させていただきます。最近、Hurricane (キョウヒョウ)の良さを再認識したり、語りたいなーと思うことがあったので、このような記事を書きたいと思いました。それではDHS製Hurricane (キョウヒョウ)について語らせていただきます。

中国トップの長年の相棒!そして王道チャイラバ!

 中国トップ選手が長年変わらぬ信頼を向けるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)ですね。男子シングルスで世界選手権三連覇、ワールドカップ2回優勝、オリンピック2回優勝、のMa Long (馬龍、中国)選手は、フォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を使っています。そしてMa Long (馬龍、中国)選手がフォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を選んで以降、若手選手含めて、中国選手は両面Hurricane (キョウヒョウ)の選手ばかりになりました。なぜそこまで長く愛用されるのか。何故、未だにトップ選手が愛用するのか、は正直、katsuo000ごときにはわかりません (汗)。高い信頼と実績が、選手たちの信頼を勝ち取っているのでしょう。

 日本のトップ選手では驚くほど、Hurricane (キョウヒョウ)の使用者を確認することができません。最近では日本大学の加山選手が両面Hurricane (キョウヒョウ)を使っているそうですが、2024年全日本選手権ランカーに名前を刻んだ選手の中でHurricane (キョウヒョウ)を使っている選手は、おそらく女子の早田選手のみだと思われます。このことと、過去に水谷隼さんが後加工に対する批判をしたこと、の2点をあわせると、おそらく中国トップ選手は後加工をしていること、そして後加工をしないとトップでは通用しないということが予想されます。過去には木下グループの大島祐哉選手も使うことを検討した時があったようなのですが、残念ながら継続には至らず、そのまま使うのではやはりスピードが足りないようですね。

 本記事では、一般卓人が使うレベルの話であり、そのレベルなら後加工なくても十分使えること、そして、後加工を推進したりする記事ではないことをあらかじめ申し上げます。

 今までにkatsuo000がレビューさせていただいたHurricane (キョウヒョウ)は以下のとおりです。
Hurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)
Hurricane NEO II (普狂NEO2、40°、2.2 mm)
Hurricane NEO III (普狂NEO3、41°、2.2 mm)

Hurricane = 高い回転性能と弾まないラバー

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴といえば、とにかくまずは高い回転性能、そして弾まないことですね。スピードだけであれば、日本製ラバーの方が高いものはいくつもあります。中国という国では日本製ラバー、スピン系テンションラバーの世界標準であるTenergy 05 (テナジー05)でもスピード系のラバーと表現されるそうです。確かに確かに卓球という競技は、スピードや飛距離を競うのではなく、相手のコートにボールをおさめなくちゃいけない協議で、そういう意味ではスピードや飛距離を出すことは重要ではないですね。Hurricane (キョウヒョウ)はとにかく高い回転性能、そして弾まないことが特徴のスペシャルラバーだと思います。
 中国トップ選手は後加工しているのでしょうが、イメージとしては高い回転性能にスピードを補う意味で後加工をしているのでしょう。DHS製の粘着ラバーではペン型の選手用にSky Line (天極)という粘着ラバーもあります。このSky Line (天極)はHurricane (キョウヒョウ)よりも弾むとされるラバーで、ペン型はシェイクハンド型よりも手首と回旋運動を効かせることができるため回転を強くかけられ、従ってSky Line (天極)のように弾む粘着ラバーを使うということですね。中国トップのシェイク型選手は必ずHurricane (キョウヒョウ)を使用します。これはやはりスピードではなく回転が重要だからでしょう。

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴の1つとして、シートがスポンジよりも軟らかいことがあります。こういったシートの柔らかさを特徴とするラバーは、粘着ラバーではみられるものの最近のスピン系テンションラバーでは少ない特徴になりますね。シートが柔らかいと球持ちは硬度以上に良くなります!この球を持つ、という特徴は現代卓球ではどんどん重要になってきていると思いますが、Hurricane (キョウヒョウ)は20年以上前からその特徴をもって生まれてきたラバーになるわけですね。シートが柔らかい分、スポンジを極めて硬い仕様にすることで、高い回転性能と球持ちを具備したラバーになりますね。

 近年のプラボールへの移行、そして、プラボールがさらに硬くなり、またNittaku (ニッタク)製の抗菌クリーンボールのようなボールへと移行してきた結果、ボールの回転量はどんどん減って、一般層でもかなりラリーが続くようになったと感じています。ラバーの回転性能の改善よりもボールの硬質化と変化の方がやや早い気がしていますね。余談ですが、回転をかけるドライブ型よりも影響が大きいのは異質型かもしれません。異質型はさらに変化が得られずなかなか勝ちにくい環境になったのではないかと感じます。個人的に伊藤美誠選手がなかなか勝てていない理由の一つに、ボールの変化があると感じますね。
 ボールの変化は、トップ選手はもちろん、一般層にも強く影響していると感じます。その一つがループドライブの質ですね。ボールが硬く抗菌加工される前では、ループドライブは回転量さえあれば、カウンターを受けることはあまりなかったと感じます。一方ボールが硬く抗菌加工された後は、高いループドライブもカウンターを受けまくるようになったと感じています。Timo Boll (ティモボル)選手のプレイのようにループドライブはネットスレスレで浅く打たないといけなくなりました。低く浅くループドライブできないとたちまちループドライブもカモにされてしまいますね。低く浅いループドライブを最も打ちやすいラバーの一つがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。この理由は回転性能が高くて、弾まないからですね。
 ループドライブ以上に一般レベルで使用していて嬉しいことは、レシーブになります。チキータやループドライブも良いですが、それ以上にツッツキがよく切れるので、多少浮いてもツッツキで得点が取れるんですよね。弾まないので思い切り切っても収まるところも助かります。Hurricane (キョウヒョウ)は本当に回転で点数を稼げるラバーだと思います。そして弾まないからこそ、最近使っていて感じるのが、ブロックの安定感ですね。ブロックのときにかけ返せてアクティブブロックすると相手の3球目ドライブなどがある程度安定して返せることに最近気づきました。あの安定感は、ブロックを一つの戦術に盛り込めると感じる素晴らしさだと思います。カウンター性能も重要ですが、それ以上にブロックが安定させられる、Hurricane (キョウヒョウ)には、そう感じさせる性能があり、盾として使えるラバーだと思います。ツッツキ、そしてブロック。この2つを備えるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。

どのグルーで貼るべきか

 中国のナショナルチームが公式に使用するグルーはNittaku (ニッタク)製のFine Zip (ファインジップ)になりますね。このこともあって、Fine Zip (ファインジップ)の特用500 mlを購入して何度かHurricane (キョウヒョウ)を貼ったことがあります。Fine Zip (ファインジップ)はトロトロ系あるいはネバネバ系のグルーで、他のグルーと比べても厚くなりやすく、簡単に重くなるグルーですね。何度かこのグルーを使ってHurricane (キョウヒョウ)や他のラバーを貼ったことがありますが、Fine Zip (ファインジップ)の特徴は厚い層を作ってラケット全体を重くでき弾みを与えてくれる一方で、回転性能が落ちる印象があります。Fine Zip (ファインジップ)を使うことで、Hurricane (キョウヒョウ)の弾みを補うためにFine Zip (ファインジップ)を使うのはありかもしれません。ただし、複数回塗るとかなり重くなるので、このあたりは自己責任での対応をお願いしたいです。
 個人的にHurricane (キョウヒョウ)を貼る上でオススメのグルーはFree Chack II (フリーチャック2)になりますね。トロサラ系のグルーで安定して最低限のグルーの量で接着でき、かつラバーの高い回転性能を損なわないグルーになります。Free Chack II (フリーチャック2)ならほとんどHurricane (キョウヒョウ)の重量を重くせずにしっかり接着することができるでしょう。

一度は使ってみたいラバー!Hurricane (キョウヒョウ)

 日本だけでなく世界中が中国卓球を注目し、その中心にはHurricane (キョウヒョウ)という特徴あるラバーが長い時間君臨しています。やはり卓人なら一度は手にしたくなるラバーでしょう。このラバーを一度でも手にしてみるなら、今回の記事が参考になるのではと思います。どうぞご参考ください。